<憑依>シューティング・ポゼッション

ある日ー
彼氏から”シューティングゲーム”を
手渡された彼女…。

しかし、そのゲームは”禁忌”のゲームだったー

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「なにこれ…?」
高校3年生の崎山 史帆(さきやま しほ)は、
彼氏の慶五郎(けいごろう)から、手渡された
ゲームソフトを見つめながら、首を傾げたー

「ー史帆、最近やるゲームがない~!って言ってただろ?
 だからそれ、あげるよ」

ゲームとおしゃれが大好きな史帆は、
同じくゲーム好きの彼氏・慶五郎とよく一緒に
ゲームをして遊んでいたー

先日、慶五郎の家に遊びに行った史帆が、
慶五郎と”ポポッシュブラザーズ”というゲームで
対戦していた際に
”最近わたし、この前まで遊んでたゲームクリアしちゃって
 やるものないんだよね~”と、呟いたところ、
彼氏の慶五郎が学校まで、ゲームを持ってきてくれたのだった。

”デビル・ポゼッション”という名前の
聞いたことのないゲーム…。

彼氏の慶五郎によれば”シューティング”ゲームなのだという。

大昔から存在するジャンルの一つで、
飛行機や戦闘機に乗って敵を倒していくスタイルのゲームだ。

「ーわたし、シューティングはやらないかなぁ~」
史帆が苦笑いしながら言うと、
慶五郎は「かわいい子がプレイすると、なんかスペシャルモードが
出現するって噂だぞ?」と笑いながら小声でささやいたー

「なぁにそれ?
 っていうか絶対わたし、可愛い子扱いされない気がするんだけど!?」
史帆が笑うー。

史帆は十分可愛いのだが、
本人の自己評価が低く、よく、自分のことを自虐ネタとして使うー

「ははは、まぁ、つまらなかったらすぐにやめていいし、
 一回試してみなよ
 案外面白いかもしれないぜ?シューティングゲーム」

その言葉に、
史帆は「そうかなぁ…」と不安そうな表情を浮かべたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

帰宅した史帆は、制服姿のまま、
家にあるゲーム機をテレビに接続して、
”デビル・ポゼッション”のゲームを起動したー

「ーーー!」
ゲームを起動すると同時に、テレビから
紫色のオーラのようなものが一瞬噴き出したー

史帆は「え?なに!?」と、戸惑うー

だが、すぐにそれは消えて、
ゲームが開始されるー

「ーーー」
史帆が、画面に表示された映像を見つめるー。

20XX-

遥かなる宇宙の果てから、突如として”それ”は現れたー。
異次元生命体”ポゼード”
ポゼードは、生命体に憑依し、自在にその肉体を操る力と、
圧倒的な勢力を持っていたー。
その能力と、圧倒的勢力を以って、ポゼードは地球統合政府軍を駆逐ー
その勢力は、海王星にまで到達していたー。

事態を重く見た統合政府軍は、
開発中であった秘密兵器の投入を決意したー。

その秘密兵器こそー
最新鋭の戦闘機”デビルズ・ブラスター”だったー。

人類の希望を乗せて、今、デビルズブラスターが飛び立つ…!

「ふ~ん…」
史帆は、画面を見つめながらゲームを開始するー。

宇宙空間の画面が表示されて、
戦闘機が表示されるー
画面上部にはライフゲージ。

これが、0になるとゲームオーバーのようだー。

”このゲームのパイロットは”あなた”です”

画面にそう表示されるー。

「ーーはいはい チュートリアルってやつね」
史帆は面倒臭そうにしながら、その画面を見つめ続けるとー
プレイヤーの機体・デビルズブラスターの形が
変形し始めたー。

「ーーえ…!?」
史帆の姿を模した戦闘機のようなものに姿が変わるー。

”デビルズブラスターは禁忌によって生み出された人類の最終兵器ー
 その姿は、搭乗者であるあなたの姿に変化します”

チュートリアルの文章を見つめながら、
史帆は「すごっ!?どうやってプレイヤーの顔を読み取ってるの?」と
苦笑いするー

しかしー
次の瞬間、恐ろしい文章が表示された。

”異次元生命体・ポゼードは、人間に憑依する力を持ちます。
 このゲームでのゲームオーバーは、
 あなたがポゼードに憑依されることを意味します。

 どうか、命がけの戦いであることを、くれぐれも忘れないでくださいー。
 それでは、幸運をー”

「ーーーふ~ん」
史帆は、”本気”にしてはいなかったー。

早速ステージ1が始まり、
ゲーム自体は得意な史帆は、
シューティングゲームはほとんど遊ばないとは言え、
順調にゲームを進めていくー。

ステージ1は、岩石のような地帯を突破するステージ。

しかし、1面だからか、敵の攻撃は少なく、
史帆は簡単にこれを突破してみせた。

「よし!」
史帆は嬉しそうに微笑むと、出現したボスのメカを
簡単に葬り去り、ステージ2へと早速突入するー。

ステージ2は、雨が降り注ぐ市街地のような場所ー。
画面が激しくスクロールし、時折雷の演出も入っているー

「さっきよりちょっと攻撃は激しくなったけどー」
史帆は笑いながら、「わたしなら余裕ね!」と、敵の
攻撃を突破しー、ボスにまで到着するー。

ボスは、ビルの背後から現れたドリルつきの
マシンのようなボスー。

「ーーー!」

思わぬ場所から攻撃が放たれて、
史帆の機体は少しだけダメージを受けるー

「あ~~~…ノーミスでクリアできると思ったのに!」

そう呟きながら、コントローラーを握りなおした
その時ー

テレビの画面から、紫色の不気味な煙が放たれて、
それが史帆の身体に向かってきたー

「ーひっ!?」
身体がビクンと震えるー

(い、、今のは!?)
そう思いながらコントローラーのスタートボタンを押すが
ゲームは止まらないー

(ど、どういうことー?)
そう思いながらも、やむを得ずそのままプレイを続けて
ステージ2のボスを撃破したー。

するとー
”見事だな…ククク”
と声が聞こえてきたー

「えー…!?」
声はテレビからではないー
自分の、頭の中から響いていたー。

「ーーだ、、誰!?」
史帆が叫ぶと
”さっき説明されていただろう?
 ポゼード だ”
と、頭の中の声が答えたー

「ポゼード…!?

 …そういえば…」

”異次元生命体・ポゼードは、人間に憑依する力を持ちます。
 このゲームでのゲームオーバーは、
 あなたがポゼードに憑依されることを意味します。
 どうか、命がけの戦いであることを、くれぐれも忘れないでくださいー。
 それでは、幸運をー”

ゲーム開始時に表示されていた
文章を思い出す史帆ー

「ま、、まさか…そんなこと…!?」

そう思いながらも、頭の中に響く不気味な声に
恐怖を感じながら、史帆はゲームの画面のほうを見つめたー

ステージ3が始まるー。

”夢幻の花園”というステージは、
植物だらけのステージで
幻想的な風景が広がっていたー。

トリッキーな動きをする敵を駆逐しながら
ゲームを順調に進めていく史帆ー。

しかし、シューティングゲームなどほとんど遊ばない史帆に
とっては、だんだんと難しくなりつつあったのも事実だったー。

敵の攻撃を受けてしまい、ライフがさらに減っていくー

「え…」
再びテレビから紫色の煙のようなものが放たれてー
それが自分の飛び込んでくるー

「っ… く、、、くくくくく…」
史帆の口が勝手に動くー。

さっきまでは、脳から直接語り掛けられている感じだったが、
今度は口が勝手に動いたー

「なかなかいい身体じゃないか…」
史帆は”意識があるのに”自分の口が勝手に動いているという
これまでに体験したことのない”恐ろしい体験”をする羽目に
なってしまうー。

「ーー…な、、なんなの?」
史帆が必死に自分の口を開くと、
続けて自分の口が動くー

まるで、事情を知らない周囲の人間が見たら、
史帆が一人で喋っているように、見えてしまうー。

その光景はまさに”異様”な光景であると言えたー。

ステージ3を進めながら
史帆は笑うー

「ふはははは…愚かな人間よ…!
 もうじきお前の肉体は、ポゼードのものだ」

史帆は笑いながらゲームをプレイしていたー

だが、すぐに「うるさい!静かにして!」と叫ぶー

そうこうしているうちに
”夢幻の花園”のボスが出現するー。
植物とメカが一体化したようなボスだー

「ククク…我らの異世界に存在する魔界植物ー
 貴様に倒せるかな」

史帆が勝手にしゃべり、声を出すー。

史帆は「うるさい!」と叫びながら、
意地で魔界植物を葬り去ったー。

「はぁ…はぁ…」
史帆はゲームの電源を切ろうとしたー。

このゲームは何かがおかしいー
そう思ったからー

しかしー
電源ボタンを押しても、リセットボタンを押してもー
いや、コンセントを抜いてもー
ゲームが止まることはないー

「ど、どうなっているの…?」
史帆の言葉に、史帆の口が勝手に動くー

「ーこれは普通のゲームではないー
 ククク…今更気づいたところで、もう遅いがな」
史帆の声で、”ポゼード”が言葉を語るー

やがて、史帆の手が勝手に胸を揉み始めるー

「良い身体ではないかー」
史帆の口が勝手にしゃべり始めるー

既にステージ4は始まっていた。
”絶望の灼熱地獄”というステージ。

火炎地帯を突破していくステージだ。
しかし、既にライフゲージはかなり減っているー。

史帆は表情を歪めながら、
なんとかその地帯を突破し、
出現したボスを撃破したー。

だがー
途中でライフゲージはさらに減り、
史帆の身体の自由は奪われているー。

「ーーもういやっ!」
史帆がコントローラーを放り出して逃げ出そうとするー

しかしー
「ーーもう遅い」
史帆の口が勝手に開き、史帆の足が勝手に動くー。

そして、ゲーム機の前に戻されて
コントローラーを握らされてしまうー。

「お前に残された道は、クリアして我らを駆逐するかー
 それとも、身体を奪われるかー
 ふたつに、ひとつだー」

史帆の口から吐き出される言葉ー

史帆は泣きそうになりながら、
ステージ5”樹氷の谷”を進めていくー。

だがー
ここが限界だったー

雪が舞うー。
史帆の自機のライフは”0”になったのだったー。

「そ、そんな…」

テレビから不気味な霧のようなものが噴き出してくるー。

「残念だったなー人間よ…
 まぁ、よく持ったほうだー」

その言葉に、史帆は泣きながら顔を上げるー

「慶五郎は…なんで…わたしにこんなゲームを…」

だがー
その言葉はかき消されるように、
史帆は紫色の霧に包まれてー

やがてー
不気味な笑みを浮かべたー

「ーーこれからは我がお前の身体を有意義に使ってやるー」

そう、囁きながらー。

・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

「そういえば、昨日のゲーム、楽しかったよ ありがとう」
史帆が、慶五郎に対して笑うー

シューティングゲーム”デビル・ポゼッション”の
感想を史帆から聞かされると、慶五郎は
「楽しめたようで何より」と、笑うー。

「ーーうん。とっても楽しかった…ククク」
史帆が少しだけ不気味な笑みを浮かべるー

だが、その異変には気づかず、慶五郎は
「そっか。ならよかったー」とほほ笑んだー。

慶五郎は”何も”知らないー。
ただ単に、人から貰ったゲームソフトを
彼女である史帆にあげただけー

そうー
彼は何も知らないー

彼女にあげてしまったゲームが
”闇のゲーム”であったことをー

「ーーーククククク」
史帆は、慶五郎の後ろ姿を見つめながら
ペロリと唇を舐めたー

おわり

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コメント

シューティングゲームにはあまり詳しくないのですが、
色々調べて、それらしくしてみました~!☆
シューティングっぽさがちょっとは出ているかも…デス!

お読みくださりありがとうございました~!

小説
憑依空間NEO

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