新年あけましておめでとうございます!
昨年も、たくさんの皆様にご訪問頂き
ありがとうございました!!
今年もよろしくお願いいたします☆!
今年最初のお話をさっそくどうぞ~!
(昨日の続きデスー)
・・・・・・・・・・・・・・・
2019年から2020年ー。
また、新しい年が始まるー
そして、
また、新しい被害者もー
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2019年から2020年ー
憑依から解放されて、
その場で発狂してしまった若菜は
病院に運び込まれていたー
「---…」
元夫の和彦は、困惑した様子で
眠っている若菜を見つめるー
思えばー
2018年から2019年…
去年の今頃だったー
若菜が突然豹変したのはー。
それまで心優しい妻であり、
良助の母だった若菜が
突然悪魔のような女に変貌したのだー
そしてー…
2019年から2020年ー
若菜が豹変したタイミングと同じ
タイミングでー
若菜は…
「……う…」
若菜が目を覚ましたー。
若菜の表情はー
妖艶な格好で、和彦らを痛めつけていた
悪魔のような表情ではなくー
元の優しい若菜の表情に戻っていた。
「---若菜…」
和彦が心配そうに言う。
「わ、、わたし…どうしちゃったの…」
若菜が泣きそうになりながら言う。
「---…若菜…
今、何年だかわかるか…?」
和彦は、若菜を焦らせないように
冷静に聞く。
「……に、、2019年…よね?」
若菜が不安そうに聞く。
和彦は首を振った。
「今はー…
2020年だよ」
とー。
「-……うそ…」
若菜が唖然とするー
若菜の記憶はー
そう、2018年の大みそかの日で止まっているー
2018年から2019年になったあの瞬間で…。
「---何も、、覚えてないのか?」
和彦が言う。
息子の良助はここには来ていないー
1年間、”憑依された若菜”にひどい目に
遭わされた良助は、ふさぎこんでしまっているー
若菜には、会いたくないと、泣きわめいていた。
「----…なにも…なにも…覚えてない…」
若菜が泣きじゃくる。
「---…」
和彦は困り果てた表情を浮かべたあとに
呟いたー
逃げるわけにはいかないー
「---…若菜…
つらい話になると思うけど…
この1年間のこと、ちゃんと…話そうと思う」
和彦の言葉に、
若菜は涙をこぼしながら頷いた。
「2019年になってから、
お前の様子がーー
急におかしくなったんだ」
和彦は、悲しそうに、
2019年…
去年のことを語りだしたー
・・・・・・・・・・・・・・・
「---ふふふふ…」
2020年になった瞬間に憑依された
可愛らしい少女・咲は部屋で
不気味にほほ笑んでいたー
”今年の身体”は
小学生を選んだー。
小さな子供に憑依するというのも
これはこれで面白い。
「--身体は未発達だから、
去年の人妻みたいに
ヤリまくることはできないだろうけどな…
くくく」
咲が低い声で笑うー
今年はーー
無邪気な子供という立場を
利用して、悪さをしまくってやるー。
咲という子は
とても”いい子”で
学校でもとても良い子にしていたー
歌が大好きな咲ー。
「……ふふふ…」
咲は、涎を垂らしながら笑みを浮かべたー
そして、卑猥な歌を口にするとー
ケラケラとひとり、部屋で笑い始めたー
翌日からー
咲は両親に甘えて、甘えて、甘えまくった。
両親は、可愛い咲のために、
咲の言うことはなんでも聞いてくれたー
「--馬鹿な奴ら!」
咲は部屋に戻ると、台所に置かれていた
父親のたばこを1本持ち出して
それを口に咥えていた。
可愛らしい少女が
口にたばこを咥えて
いやらしい笑みを浮かべているー。
この上ないギャップー
咲は、鏡に映る自分の姿に
ゾクゾクしながら笑みを浮かべるー。
「--あぁ…わたし、悪い子になっちゃう…
クス…クススススススス」
お正月が終わるー。
学校が始まり、
咲は学校に登校したー。
「咲ちゃん~おはよ~!」
友達が咲に話しかける。
咲はニヤニヤと笑みを浮かべながら
挨拶を返したー。
教室の隅を見つめる咲ー
教室の隅では、男子たちが一人の女子を
いじめていたー
学校ではよくある光景ー。
「へへへへ…面白そうな後継だぜ」
咲は不気味に呟いたー
昼休みになると、
咲は、その子に話しかけるー
どうやらー
咲は、このいじめられている女子のことを
いつも助けてあげているようだったー
だがー
今の咲は、もう咲であって咲ではない。
「--咲ちゃんがいてくれて…本当によかった…」
いじめられている子が、笑顔を浮かべてそう呟くー。
「---…わたしたち、友達だよね?」
いじめられている子が、咲にそう聞いてきた。
咲は満面の笑みを浮かべたー
「---友達?ばっかじゃないの?」
とー。
予想外の返事に
いじめられている子は驚くー。
咲は、クスクス笑いながら続けた。
「--あんたみたいなブス、友達なわけないじゃない」
とー。
咲の身体がビクンと、少しだけ震えたー
咲の意識が、
無意識のうちに、”今の行動”に拒否反応を示したー
だが、咲に憑依している男は
それを抑え込んでさらに続けるー
「--勝手に友達だと思ってるなんて、
おめでたい頭ね~!うっふふふふふふ」
咲の身体がゾクゾクするー
そうー
これだー
本人がやりたくないことを
無理やりやらせるー
支配の快感だー。
咲は、興奮しながら言い放ったー
「--ブ~ス!」
とー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「……悪いな」
和彦が言うー
去年、憑依されていた若菜の
元夫だー。
病室で、2019年に起きたことをすべて
若菜に語ったー。
急に若菜が豹変したことー
若菜のせいで息子の良助が心を閉ざしてしまったことー
和彦と若菜はすでに離婚していることー
そしてー
若菜の身体は、1年間酷使されたことで、
ボロボロになっていたことー
「--ううん…」
病院から退院していた若菜が悲しそうに言う。
「--若菜に何が起きたのかは分からないけど…
俺は、若菜を信じるよ」
和彦が言うー。
豹変した若菜が、若菜本人だとはいまだに思えないー。
もちろん、若菜本人であったのは間違いないー
だが、若菜に記憶がない点も引っかかるし、
何かが起きていたのだと思うー
”若菜の演技だー
身寄りがなくなって、夫とよりを戻そうとしているだけだ”
和彦の友人はそう言っていたー
確かに、そうかもしれないー
今になって、家庭が恋しくなった若菜が
記憶喪失のふりをしているだけかもしれないー
けど、
どうしても、和彦にはそうは思えなかったー
そう、
まるで、”何かに憑依されていたかのような”
そんな感じにすら思えたー
「---良助がどうしても、無理だって」
和彦が言う。
和彦や、若菜と復縁することも考えたー
だがー
息子の良助が負った傷は深いー。
もう、修復はできないだろうー。
息子のことを考えて
和彦と若菜は、このまま復縁を
しないことに決めた。
「…何かあったら、できる限り、力になるから」
和彦がそう言ってほほ笑むと、
若菜は「ありがとう…」と涙をこぼしながら頷いた。
和彦は若菜と別れて家に向かう。
その時だったー
「あの…」
背後から、声を掛けられる。
和彦が振り返ると、そこには
若い男性がいたー
「きみは…?」
和彦がそう問いかけると、
若い男は答えた。
「三本 慶介(みつもと けいすけ)と言います。
少し、お話がありますー」
慶介の言葉に、
和彦は首をかしげながらも
近くの喫茶店に入ったー
するとー。
慶介は口を開いた。
慶介は2017年から2018年になるタイミングで
毎年開かれる年越しイベントに彼女と来ていたのだという。
そしてー
2018年になった直後から、当時、一緒に会場に来ていた
梨花という彼女が豹変ー
まるで別人のようになってしまったとー。
「---俺の妻と同じ…」
和彦が呟くと、慶介は頷いた。
「--今年も、あのイベントに来てて気づいたんです。
急に意識を失ったのは、あなたの奥さんだけー
きっと、あなたの奥さんが、”2019年の身体”に
選ばれていたのだと」
慶介が言うー
慶介は2018年の大みそかに、
憑依された梨花から暴露されている
「わたし…1年前のカウントダウンイベントで
身体、奪われちゃったの~
あははははははっ♡」
とー。
それ以降、ずっと探しているー
その”男”をー
彼女を滅茶苦茶にした”男”をー。
「どういうことだ?」
和彦が聞くー。
慶介は”憑依”のことを和彦に話すー
おそらく、その憑依人は
2018年は梨花、2019年は若菜の身体で過ごしたー
そして、2020年は、まだ慶介にはわからないー。
「--馬鹿な…」
和彦は唖然とするー
だとすれば、若菜は見ず知らずの男に乗っ取られていただけの
被害者ー。
「---き、、君の彼女さんは?」
和彦が言うと、
慶介は悲しそうに答えた。
「梨花はーーー」
慶介は悔しそうに拳を握りしめて呟くー
「梨花はーーー
去年の夏にーーー
自殺しましたーーー」
慶介の目から、涙が零れ落ちたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
学校で、咲はやりたい放題を続けていたー
咲のことを溺愛している両親は
咲の言いなり状態だったー
少女の身体に、
大人の頭脳ー。
身体をフル活用して、
咲に憑依した男は、
悪事を繰り返すー
クラスメイトをいじめても、
悪いことをするような子じゃない、
というイメージがついている咲が
疑われることはなかったー。
「--ククク」
咲は学校のトイレに入ると、
そこで、隠し持っていた煙草を
口に咥えて、笑みを浮かべた。
体育の授業を抜け出して
ここに来たのだ。
「ぷは~っ…」
咲は煙を吹かすと、不気味にほほ笑む。
「いいからだだぜ…くっひひひひひひひ」
ゲラゲラと笑う咲ー。
もちろんー
好き放題やっていれば、そのうちばれるだろう。
明るく元気で、無邪気だった少女が
突然、悪い少女に豹変する…
そのことに両親が気付く瞬間も楽しみだ。
両親に気づかれたら、
隠さず悪いことをしまくって、
両親を困らせてやる。
「---へへへへ…
わたし、悪い子になっちゃった♪ うふっ」
そう呟くと、咲はニヤニヤしながら
トイレから外へと歩き出したー
・・・・・・・・・・・・・・
両親は首をかしげる。
「--ねぇ…
最近、お金が少しずつ消えてるんだけど…」
咲の母親が夫に相談する。
「お金?お、俺は何もしてないぞ?」
咲の父親が言うと、
母親は首を振った。
「違うの。あなたのことを疑っているわけじゃなくて…」
咲の母は、ちらりと、リビングで
テレビを見ている咲の方を見る。
咲は、そんな両親の会話に気づかないふりを
しながら、両親の会話に聞き耳を立てていた。
”ククク…実の娘が親の金をとってるなんて
知ったらショックだろうなぁ…”
咲はゾクゾクしながら
両親に問い詰められる瞬間を待っていたー。
昨日は駄菓子屋で万引きもしている。
咲のことを小さな時から知っている(らしい)
駄菓子屋だったー
あそこの店主のおばあちゃんに万引きに
気づかれたかもしれない。
だがー
それはそれで興奮する。
”いい子”が急に”悪い子”に豹変したー。
いや、させているー
そう考えただけでゾクゾクする。
咲は、ふとリビングの端にある
姿見に目をやったー
咲の顔つきが
心無しか、少し悪い顔つきになっているー
そんな気がした。
自分が悪い表情をさせているのかー
それともー
成長期にある咲に、自分のような人間が
憑依したことで、
顔つきも悪くなってしまっているのかー
それは分からないー
いずれにせよ、この1年間、
純粋な少女を汚すことを楽しめそうだー
「ねぇ、咲…」
母親が不安そうにやってきた。
お金のことだろうー
「---わたし、しーらない!」
咲はほほ笑んだー
”まだ”
いい子を演じていてやるー
今は”まだ”、な…
咲は不気味な笑いを浮かべながら
母親の方を見て、静かにほほ笑んだー
おわり
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コメント
今年最初の小説でした~!
今年も皆様に、少しでも楽しんでいただければ
とっても嬉しいです!
今年の年末には、また体越し2020をお届けできるように
頑張ります!
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