<憑依>俺流のアイドルの楽しみかた①~アイドル~

憑依能力を持つ彼には、
”自分なりの”アイドルの楽しみ方があった。

好きなアイドルに憑依したいー
だが、人生を壊してしまってはそのアイドルを
もう見ることができなくなってしまうー。

だからこそ、彼は…

※リクエスト作品デス
 (現在、新規のリクエストの受付は停止中になります
   ※リクエストについては「お知らせ」のところに詳しく書いてありますー)

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彼は、アイドル好きだった。

アイドルオタクー…
と言ってもいいのかもしれない。

だが、彼は
アイドルの楽しみ方がほかの人間とは
少し違っていた。

彼は、グッズをほとんど購入しない。
好きなアイドルが出演しているテレビ番組もほとんど見ない。

本当にファンなのか?と
思われてしまいそうな感じすらある。

だが、彼は、まぎれもなくアイドルファンだ。

今も、好きなアイドルが何組か
存在しているー。

「---お疲れさまでした」
彼は、コンビニで週3回だけバイトをしている。

フルタイムでは働かない。
正社員に就職するつもりもない。

「---さて」
一人暮らしのアパートに帰ってきた
後藤 哲司(ごとう てつじ)は
一息つくと、あるものを見つめたー。

”憑依薬”
彼は、1年前に手に入れたこの薬で
お気に入りのアイドルに憑依して
人生を楽しんでいたのだったー。

1年前ー
憑依薬を手に入れた哲司は
半信半疑でその薬を飲んでみたー

そしてー、それは本物だった。

今ではいつでもどこでも、憑依能力を使い
他人に憑依することができるー。

最初は、意中の子に憑依して
好き放題やったこともあったし、
街中で見ず知らずの子に憑依したり、
悪さをして人生を壊したこともあったー。

けれど、彼は変わったー。

彼の幼馴染の子をー
憑依でボロボロにしてしまった。
彼女は今でも、病院で精神錯乱状態のまま
入院し続けているー

哲司は深く後悔し、反省したー

一度手にしてしまった力からは
そう簡単には逃れられない。
哲司も、憑依能力を手放すことは
しなかったし、今も使っているが、
あの時とは違う楽しみ方をしていたー

「--今回は…」
哲司は、最近人気急上昇中のアイドル・円香(まどか)の
写真をネットで見つめながら
”この子にするか…”と呟いたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---そろそろ出番だね」

3人組のアイドルが、
間近に迫った本番を前に緊張している。

現役女子大生のアイドルユニットー
半年ほど前からブレイクして
今ではテレビやライブに引っ張りだこの
状態だー。

今はちょうど、地元のイベントで
歌を披露する直前だったー。

「---やっぱりこういうのって
 緊張するよね」

「うん…そうだね」

メンバーの里穂(りほ)と月子(つきこ)が
何やら話している。

そしてー

「うん…わたしも緊張… うぁっ!?」
円香が、突然ビクンと震えたー

「--円香?」
里穂が心配そうに円香の方を見つめる。

円香はすぐに二人の方を見て
「あ、うん!大丈夫大丈夫!ごめんね!」と呟いたー

「急に声だして驚かさないでよ~」
月子が笑う。

月子と里穂が、前の方を向いたのを見て、
円香は不気味な笑みを浮かべたー

(へへへ…今度はこの子で
 楽しませてもらうとするかー)

円香に、哲司が憑依したー
哲司に支配された円香は
哲司の意識に従って
イヤらしい笑みを浮かべたー。

「---…本番ですー」
本番の時間がやってくるー

憑依したばっかりの哲司はー
円香たちの歌のことは知っているが
当然丸暗記していることはないし、
円香たちの踊りの振り付けは
知らないー

だがー

「♪~」
ステージ上では
憑依されていない里穂と月子だけではなく、
円香も、完璧に歌い、完璧に踊っていたー

とても可愛らしくー

「(ふへへ、最高だぜ)」

アイドルとしてキラキラした衣装を
身につけながら、
スカートをふわふわさせながら踊るー
可愛らしい歌声を口から出すー

観客たちが喜ぶー

最高の感覚ー。

哲司の憑依は、乗っ取った相手の記憶や
普段の思考を読み取ることができるー

だからー
普段通り踊ることもできるし、
普段、円香がどんな風にふるまうのかも
あらかじめ頭の中で浮かべることができる。

「みんな、ありがと~!」
アイドルとして、円香として
表向きはふるまいながら…

「はぁ…♡ はぁ…♡ あっ♡」

自宅に帰ってー
誰も見ていない場所では
存分に円香の身体をしゃぶりつくすー

これが、哲司のアイドルの楽しみ方だったー

自分自身が憑依して
そのアイドルになりきり、
さらに、誰も見てないところで、
その身体まで楽しむことができるー。

だからー
彼は気に入ったアイドルのグッズは買わないし、
テレビも見ないー
自分が、そのアイドルになるのだからー

「あぁ…♡ あ…♡…」
潮を吹きながら顔を真っ赤にしている円香。

しばらく快楽の余韻に浸りながら、
だらしなく寝ころんでいた円香だったが
やがて笑みを浮かべて、
今度は私服のファッションショーを始めるのだった。

アイドル・円香の
普段は見ることができないような
恰好を存分に楽しむー

「へぇ…こんな地味な格好も~」
円香はよだれを垂らしながら笑みを浮かべる。

アイドルとしてキラキラした舞台に
立っている円香も
こんな地味な格好をするのか…と
興奮しながら地味な服装で
鏡の前をくるくる回ってみるー

鏡を見つめていた円香ー。

円香に憑依している哲司は
”いいことを思いついた”と言わんばかりに
「--哲司さん…わたし、、あなたのこと…大好き…」と恥ずかしそうに
呟いてみせた。

「んふふふふふふふ~
 オタクどもが見たら
 発狂するだろうなぁ~!」

足をじたばたさせながら円香は笑うー。

憑依能力を使えば
円香だって、他のアイドルだって
すべて、意のままだ。

「--さて…」
円香は立ち上がると、
エッチしている際に汚した部分を
最低限掃除して、
そしてー
何かぶつぶつと呟き始めたー

”記憶の操作”

哲司にはバイトもあるし、
自分の身体自体は大切だから、
ずっと誰かに憑依し続ける、ということはできない。
抜け殻になった自分の身体が死んでしまうからだ。

だがー
急に憑依から抜け出せば
円香が怖がってしまうー

かつて、哲司がやってしまったミスと
同じことを起こしてしまうー

幼馴染は、哲司に憑依されていた間の
記憶が飛んでいたことやー
哲司が酷使したことで、精神的に完全に崩壊してしまったー

だから、そうならないように
”憑依されていた間の記憶”をうまく刻み込んでおき、
それから、抜け出すー

円香の空白時間に適当な記憶を
刻みつけておくー

そして、円香から抜け出す。

「う…」とうめき声をあげて、
ソファーで気を失う円香。

長い髪の毛がサラリとソファーに無防備な
状態で晒されるー

そして、円香が目を覚ます。

「あ…わたし…」
きょろきょろする円香。

”本番直前”だったはずが
突然”家でのんびりしている時間”に記憶が飛んだら
普通はびっくりするだろう。

だがー
円香はしなかった。

「--あ、、寝ちゃってた…」

苦笑いすると、円香は
ゆっくりと起き上がって
そのままいつものように
プライベートな時間を送るのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・

「--ふぅ、今日も楽しかったぜ」
自分の身体に戻った哲司は笑う。

抜け出す前に
憑依している間の記憶を
”普通に過ごしていた”かのように
円香に刻み付けておいたー

だからー
円香は何も不安に思わないし、
いつも通りに行動するー。

人生を壊すことはたやすいー
だが、そうすれば、円香自身が
苦しむことになるし、
当然、アイドル活動も終了することになってしまうー

そうなったら、円香のファンでもある哲司にとっても悲しい。

彼は、そうならないように
慎重に憑依を行い、そして、楽しんでいた。

「--そろそろやばいな」
通帳を見つめる哲司。

週に3回のコンビニバイトだけでは
生活はさすがに厳しいー。
だが、彼にとってはそれでもいい。
コンビニバイトをしているのは金のためではない。
彼なりの、社会のつらさを忘れないための
ウォーミングアップと言っても良い。

彼の主な収入源は、それではない。

「よし、そろそろやるかー」

彼は、自分のノートを開く。
そこにはいろいろな人間の名前や顔写真が
貼られていた。

哲司は、
他人に憑依して、その他人から
お金を受け取って生活しているー。
記憶を書き換えておけば、
何も問題にはならないー

法律上ー
”犯罪者”とまではいかないが
”グレー”な人間に限定して
憑依して、お金を運ばせている。

今日もターゲットに憑依しー
その人物の身体で自宅の郵便ポストに
封筒を入れて
”今月の収入”を稼いだのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”そろそろ飽きたな”

ある日ー
アイドルの円香にも飽きてきた哲司は、
あることを思いついたー。

円香の性格を変えようー、と。

憑依している間に、強く念じることによって、
その子の思考を書き換えることもできる。
そう、性格そのものを変えてしまうこともできる、
ということだー。

もちろん、この力を使い過ぎれば
相手の人生を壊してしまうことになるから
注意をしなくてはいけないが、
哲司には、その加減が分かっていた。

「--わたしは…きれい…」
円香は楽屋で一人呟く。

「わたしは…きれい…
 わたしは…きれい…」

円香は、どちらかと言うと
控えめな性格で、
「かわいい~」と言われると
「そんなことないですよ」だとか
他のメンバーを持ち上げたりだとか
嫌味のないような感じになるように
うまく対応するタイプだー。

だが、そんなイメージがついた円香が
突然高飛車な女になったら?

哲司は、”強気な円香を見てみたい”と
そう思ったー

アイドルの性格を変えることができるー。

それも、哲司の楽しみ方のひとつだ。

「--わたしは…わたしは…」
円香はぶつぶつつ呟き、
それを脳に刻んでいくー。

自分は積極的な性格だと刻むー
髪型の好みも、円香本来の好みとは
別のものを刻んでいくー。

憑依されている間ー
脳は無防備な状態だー

憑依している哲司の思考を
円香の脳はモロに受けてしまう。

「---ふふ…これぐらいでいいかな」
円香はニヤニヤしながら鏡を見つめると、
「うっ…」と声を出して、そのまま一人、
机に突っ伏した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

哲司は、霊体のまま
円香たちの活動の様子を見ていたー

円香がいつもより自信に満ち溢れた表情をしているー

他のメンバー、里穂や月子を押しのけるようにして
自分が主役だ!と主張するかのように
歌とダンスを披露しているー

里穂と月子はそんな円香の様子に驚くー。

イベント終了後ー
円香は観客たちに向かって
「わたし、可愛いでしょ?」と強気な発言とポーズをして
観客を魅了したー

”ふふふ…強気な円香ちゃんもいいじゃないか”
哲司はそう呟くと、ニヤニヤしながら
その場から立ち去ったー

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストによる作品です!

原文は

”アイドルに次々に憑依していく。
以下の要素込みで
・表向きはきちんとアイドルを演じ、裏で(例えば、
楽屋やプライベートなど)憑依していく。
・高度な憑依術。
1憑依した娘の記憶を読むことはもちろん、
普段と変わり無く振る舞える。よって例えば、
憑依する奴がダンス出来なくても憑依した娘がダンスが
とても上手かったら上手に踊れる。逆もしかりで例えば、
憑依する奴が賢ければ憑依した娘が平均レベルでも賢く振る舞える。
グダグダ書いたが要するに、憑依する奴+憑依した娘の能力が最大限発揮出来る
2憑依したまま、カラダの主導権を敢えて全て譲り渡して様子を見る事も可能。
3一度憑依した娘からいったん離れ再度憑依する際、
前と違って抵抗されずすんなり憑依出来る。
4記憶操作も可能。これは最初述べた通り、
表舞台での影響が出ないようにするためでもある。
また上書きする前、つまり憑依する前の状態に戻すことももちろん出来る。
5複数憑依なども可能。ただし初めからいきなりは流石に難しいので、徐々に出来る感じ。”

というものデス!

すべての要素は含められないかもですが、
次回もお楽しみに~☆!

コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    すみません、リクエストについてです。
    この前リクエストして頂き意見した者です。
    私の単なるわがままな発言だったので、もう気にしないでください。リクエスト受け付け休止を停止して下さい。
    リクエスト受け付け休止のコメントでも作品を評価している人ばっかりです。
    むしろ、ケチをつけてしまった私のコメントに批判されています。
    今後は、ケチをつけてしまって傷つけないためにも、私の方がコメントを中止します。ですからリクエスト受け付け休止をやめて下さい。私以外の人は作品を批判していないのですから。自信をお持ち下さい。
    最後にもう一度、私がコメントは原則今後一切しませんから、お願いですからコメント受け付け休止を取りやめて下さい。
    私の無思慮な発言が発端となり傷つけてしまい、やる気をそいでしまった事に深くお詫びします。

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    いえいえ!そんなにお気になさらないで下さい!
    他の方からも同様のご意見を、少し前に頂いているので、
    全体的に判断していったん停止、ということにしただけです…!

    もうコメントしない!とか、全然気にしなくて
    大丈夫なので、あまり重く考えすぎないでくださいネ!
    プラスのご意見もマイナスのご意見も、私にとっては
    貴重なご意見ですので、感謝しています!

    リクエスト再開についてですが、
    いったん「停止します」と言ったものを
    またすぐに再開、というのは、ブレブレになっちゃいますし、
    ↑に書いたように、他の皆様からも同様の意見を
    少し前に頂いているので、
    私がリクエストを受けられるぐらいの能力を
    身に着けることができたときには、
    また再開、という形にしたいと思います。
    (あまり方針をコロコロ変えるのも、サイトを更新してる
     立場からするとよくないと思いますので、
     ご希望にお応えできず、申し訳ありません…!)

    コメント者様(お名前が分からないのでこんな書き方ですみません…!)も
    あまり気になさらずに
    今後も、見たいときに気軽にご覧いただけると
    とっても嬉しいです!

    長くなってすみません!
    わざわざコメントありがとうございました!

  3. より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    憑依妄想しつつもなんか憑依する身体を大事にしたい、と自分は思う事もあります。

    実は自分は結構好みにうるさかったりしてそれでリクも細かかったりするんですが、無名さんはまるでそれすらも把握なさってる感じがします。今回も斜め上を行く感じがする笑

    1話短編が多いけど、前の巫女みたく長編?(3話分)もありました。そして今回は前後編。コンプやったぜ

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    無様>
    コメントありがとうございます~☆
    斜め上になるかは…分かりませんが(笑)

    短編・前後編・3話!
    憑依空間の基本構成コンプリートデス☆!