勇輝の身体になってしまった
優花ー。
ひとまず、お互いの家に帰ることにした2人は…!
※優花視点での物語
(身体は勇輝・中身は優花)デス!
勇輝編はこちら(音調津様のPixiv)でご覧ください!
※ツイッターのフォロワー様
音調津様(@Tabikorai)との合作!
第2話・優花視点は、私が担当しました!!
※本日の小説は午前中に投稿済みデス!
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優花は、勇輝の身体で帰宅しながら思うー
「なんなの、、この展開…!」
とー。
普段の優花は
おしゃれも遊ぶのも大好きな元気な女子高生ー
けれどー
今はー
「あぁぁあぁ~~どうしよう…」
入れ替わってしまった動揺からか
特に何も考えずに、”お互いの家に帰ろう”と、
そういう話の流れになってしまったが、
失敗だったー
「とりあえず家に帰ってどうするのよ…」
とりあえずお互いの家に帰るー?
そんなの、何の解決にもならないー
優花はそう思いながらー
勇輝の身体で、勇輝の家を目指して歩いていくー
「--う~ん」
商店街のお店のガラスに反射する
勇輝の姿を見て、優花は呟く。
「素材はいいと思うんだけどなぁ~~」
勇輝は、おしゃれには興味がないー。
だからかー
顔立ちは悪くないのに、
髪はちょっとボサボサしているし、
地味な印象を受けるー
しゃべれば、しゃべるけど、
こちらから話しかけなければ
話しかけてくることはないし、
いつも狭いコミュニティの中で、
過ごしているような感じー
それが、勇輝だ。
けど、、そんなところが…。
「---って、行かなくちゃ…
竹沢くんの家に…
…というかこれ、ホント、どうするの?!」
一人でうろたえながら
優花は、勇輝の身体のまま
家へと向かうのだったー。
先日、お礼を渡しに行くときに
この道は通っているから、
勇輝の家に行くまでに
迷ってしまうようなことはなかったー。
けれどー…。
そこが”自分の帰るべき場所”となると
気分が違う。
「あぁ…もう~!
家に帰ってシャワーあびたいのにっ!」
優花は思わず通学路で
イライラして叫んでしまった。
頬を膨らませてー
ぷんすかしている優花ー
周囲の視線が集まっているのに気付くー
しまった!今、身体は男子のー
竹沢くんの身体だった!
身体が入れ替わっている、なんてことを
知らない周囲の人からすれば、
男子高校生が突然オネェみたくなった
ようにしか見えないだろうー
「あ、、あははは…
え、、演劇部の練習でーす!」
優花は
勇輝が変なやつだと思われないように
慌ててそう言うと、
周囲の通行人たちはさらに不思議そうな顔で
優花を見つめる。
こ、これじゃやばい男子になっちゃう!
優花はそう思って、
猛ダッシュでその場を立ち去ったー。
「わわ…!」
猛ダッシュしてみて優花は思うー
だ、男子の身体って走りやすい~!
正直、竹沢くんのことは
体力無さそうに思ってるけど、
こんな風に走れるなんて~!
優花は思わず「すご~い」と声に出してしまった。
それほどまでに
女子と男子の身体では
差があったのだったー。
優花が、陸上でもやっていれば別だったかもしれない。
けれど、優花はごく普通の女子高生。
だからー体力面では
勇輝のような男子にも遠く及ばないのだった。
「はぁ…思わず全力疾走しちゃった」
そう呟く優花。
優花は、”竹沢”と書かれた表札の前で
深呼吸するー。
一体、竹沢くんは普段
どんな風に振る舞っているのだろうー?
学校では大人しいけれど
家ではそうとも限らないー。
「と…とにかく、当たって砕けるしかない…!」
優花は、勇輝の身体で、
勇輝の家へと入って行く。
「おじゃましま~す!」
ーーー!!
優花は自分の口から
男の声…勇輝の声が出たことではっとした
「じゃない…!ただいま~~~!」
そう言うと、母親が苦笑いする。
「--ど、どうしたの?」
いきなりのピンチ!
優花はそう思いながら
「あはははははは…」とだけ笑った。
母親と話していれば
絶対ボロを出すー
なりきることなんてできない!
そう思いながら優花は2階へとダッシュしたー
しかしー
「-------…!」
優花は戸惑う。
竹沢くんの部屋はどこなのかー
優花は勘で部屋を開けると、
母が声をかけてきた。
「ど、、どうしたの?
お父さんの部屋なんて開けて…」
部屋の中には
プラモデルや、”百合”と書かれた習字が
貼りだされていたー。
「---あ…え…えと…
お父さんのプラモデルすごいなぁ~って あはは」
優花は勇輝の身体でそう呟くと、
母親はさらに苦笑いする
「あんたの部屋は、1階でしょ」
とー。
「--1階」
優花は溜息をつく。
自分の部屋が2階だから
ついつい勇輝の部屋も2階だろうと
先入観を持っていた。
「あ、そうそう、あの子とどういう関係?」
母親が言う。
ーーあの子?
優花は考える。
ーー!!
あの子って、たぶん、わたしのことじゃん!
とー。
この前、お礼を届けに来た時、
優花は、勇輝の母親と顔を合わせている。
その時、母は
戸惑うような表情を見せていた。
恐らく、竹沢くんの家に女子が
やってくることが、珍しかったのだろうー
優花はそう思いながら、
さらに考えるー
「まさか…彼女だと思われてる?」
優花はそう思いながら
口にした。
「---た、、た、ただのクラスメイトだよ」
勇輝がいつもどのように母と会話
しているのかは分からない。
けれどもー
なんとか、そう返事をすると、
そのまま歩いて行こうとしたー。
「---でも」
母が言う。
「勇輝、あの日ずっと、顔を赤くしてたから
てっきり好きなのかと思って」
「え…あは…あはははは、
そんなことないわ、、、ねぇよ!」
勇輝の身体で必死に笑顔を
作って、優花は勇輝の部屋に飛び込んだ。
鞄を丁寧に置き、
ため息をつく。
部屋には
アニメのグッズやフィギュア、ブルーレイから
ゲーム、漫画などが揃っていた。
「はぁ~インドア派ね」
優花は呟く。
別に、趣味は人それぞれだから
何でもいい、と優花は思っている。
自分はアウトドア派だけど、
こういう趣味の人のことを
とやかく言うつもりはない。
「---はぁぁ…どうしよう」
疲れ果ててベットに座りこむ優花。
男の身体にも慣れていないー
「う~ん…」
部屋を見回す。
それにしても色々なものが
置かれている。
そしてー
「ん~?」
優花はふと、本棚に並べられた本の
一部がほんの少しはみ出ていることに気付くー
優花がそこを開けてみるとー
エッチなDVDや本がずらりと並んでいたー
「--ぴぎゃ~~~~!!!!」
あまりそういうことに耐性のない優花は
思わず叫んでしまったー
顔を真っ赤にして
したばたする優花。
「な、、なにこれぇぇぇ…」
慌てて本棚の位置を元に戻す。
赤面したまま、
ぼ~っとする優花。
何故か、勇輝の身体が興奮したのか、
勇輝のアソコが大きくなっている。
「わわわわ…な、なにこれ…
ど、どうすればいいの…?」
優花は戸惑ってしまう。
男の人のコレが大きくなってしまった場合は
どうすればいいのか。
全く分からない
「…も~!小さくなって!」
優花は叫ぶ。
高校生の男子が、必死に
アソコを抑えながら
女言葉で、慌てふためいている。
「---あ」
ふと気づくと、
部屋の入口が開いていて―
そこに母親が立っていた。
母親は苦笑いしながら
静かに勇輝の部屋の扉を閉めたのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「は~」
優花は疲れ果ててベットに横たわっていた。
自分の身体は大丈夫だろうかー。
普段、人見知りとかはしない自分でさえ
こんなに勇輝として振る舞うのに
戸惑っているのだからー
奥手な感じの勇輝はー
今頃ー
「--はぁぁ…気が重い」
優花は頭を抱える。
優花の身体になった勇輝が
何かトラブルを起こしていないかどうか
心配になってくる。
いやー
それだけじゃない。
勇輝の部屋にアダルトゲームが
置いてあったということは、
つまり、それは、あれだ。
そういうことにも興味があるということになる。
二次元専門か、
三次元にも実は興味があるのかー
分からない。
けどー
「あぁぁぁ…心配…」
優花は、頭を抱えることしかできなかったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夜ー
母と父に囲まれて
晩御飯が始まるー。
「う…」
優花は思わず表情を歪めた。
「--あら?どうしたの?」
母親が不思議そうな顔をする。
「い、、いえ、なんでも、、ないです」
思わず実の母に
敬語で話してしまった優花ー。
だが、母はそこではなく、
別の場所が気がかりな様子だったー
「勇輝の好きな餃子よ?
いつもすっごく喜ぶじゃない」
母の言葉に
優花は「あは、あははははは」と
苦笑いしながら、ようやく
餃子を食べ始めたー
優花はー
餃子が大の苦手だー
身体は勇輝だからー
味覚も違うはずー
そう思ったけどー
ダメだったー。
味覚は優花のままなのか、
それとも、優花が”嫌い”と思っているから
不味く感じるのかー
「--う…うううう」
優花は苦しみながらも
ここで餃子を吐き出したら
流石に、勇輝のお母さんに申し訳ないと思い、
餃子を必死に飲み込んだ。
「---どう?おいしい?」
母親が聞いてくる
「あ、、う、、、うん、やっぱり、、おいしいな…」
目からは涙がこぼれていたー
「泣くほど美味しいか!そうかそうか!」
父も笑っている
「--むぐぐぐぐぐ…」
優花はもがきながら餃子を2個、3個と
食べていく。
そして、ようやく自分の前に
置かれた餃子を5つ食べ終えた
優花ー
勇輝の身体なのに
優花の意識が餃子を拒絶している。
餃子は敵であると。
「---いい食べっぷりだな!」
父が笑った。
「--俺のを2つやろう!」
父が、残っていた餃子3つのうち2つを
優花の皿の方に置いた。
「・・・・・・・・」
優花は、そんな餃子を見つめながら
涙を浮かべるのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
餃子戦争を終えた優花は、
ふらふらしながら
お風呂へと向かうー
「竹沢くんの身体でお風呂なんて
なんか変な気持ちだけど…
まさか入らないわけにはいかないし、
餃子臭いし…」
そう思いながら
優花はお風呂に入る。
「はぁぁぁぁ…」
男の裸に優花は正直、
あまり興味はない。
だがー
胸がないーというのは
不思議な感覚だった。
「--わぁ…小さい…」
男子の乳首を見て
優花は思わずつぶやいてしまう。
もちろん、テレビだとか写真だとか
そういうものでみたことはあったが
改めて自分がそうなってみると
不思議だった。
「う~ん」
優花は不思議な感覚になって呟く
「なんか…こう、、
膨らんでないと寂しいかな?」
優花は苦笑いする。
別に、日常生活で何に使うわけでもないけれど、
なんとなく、あったものがない、というのは
寂しい感じだった。
「--」
頭を洗い流す優花。
「お風呂は楽かも…」
優花は、この状況を少しだけ楽しんでいたー
滅多に味わうことのできない感覚。
せっかくなら楽しまなくちゃ、と優花は思うー
元に戻れるかどうか、まだ、分からないー
けれど、きっと、戻ることはできる。
それに、くよくよ考えても仕方がない。
優花はー
いつも、前向きに、人生楽しく生きることを
大切にしてきたー。
それは、今も同じ。
何事にも前向きな優花ー
「--あ…」
優花は身体を洗いながら
苦笑いした。
「---違和感がすっごい…」
男の身体にしかないそれを見て
優花は違和感を感じるー
こんなものが身体についているなんてー
どんな感覚なんだろう、と思っていたけれど
こんな感覚なのね…と優花はまた苦笑いすると
身体を洗い終えて浴槽へと入るー。
お風呂から上がると、
優花は鏡を見つめるー
そこには勇輝の姿。
「----頑張れば、かっこいいと思うんだけどな」
優花は鏡を見ながらぼそっと呟く。
勇輝はおしゃれっ気がないー
でも、顔自体は悪くないと思うし、
もっと、自分自身に自信を持つことができればー
「--お、勇輝~!」
父親が何の合図もせずに、
風呂場の側にやってきた。
「きゃあっ!?」
優花は思わずバスタオルで身体を隠す。
しかも、反射的に勇輝の身体で
「きゃあ」とか言ってしまった。
やばっ!と思いつつ、
優花は勇輝の父親の方を見る。
「--なんか、今日のお前は可愛いな」
勇輝の父親が笑う。
優花は「はは…」と苦笑いしながら、
そういえば今は男の子の身体だったんだ…と
思いながら適当に父親と
会話を交わすー。
「ところでー」
父親が口を開くー。
「--この前、家に来たって子、
好きなんだろ?」
父親の言葉に優花は
思わずえぇぇ!?と叫びそうになったー
この父親は何を言ってるのか。
「母さんから聞いたぞ。
何かその子からおみやげのようなもの
貰ったって。
その日ずっと、お前、うわの空
だったらしいじゃないか」
父親がニヤニヤしながら言う。
「いや~お前にも好きな子が
できたんだな~」
父親の言葉に
優花は反論する
「ち、違うってば!
わたしは、ただのクラスメイトで!」
優花はそこまで言って
自分で自分の口を塞いだ。
”わたし”じゃなーい!
優花は自分で自分に突っ込みを入れた。
今、優花は勇輝の身体だー
だから、優花はわたしであってわたしではないー
「体は正直だな」
父親が言う。
「--!!」
優花はゲゲッと、思いながら
勇輝の身体を見るー。
あそこが大きくなっていた。
「も~~~!!!!なんなのこれ~!」
優花は思わず叫んでしまった。
・・・・・・・・・・・・・
「はぁぁぁあ~」
勇輝の部屋に戻った優花は、
もうくたくただったー
「ほかのひとの身体で過ごすって、たいへん…」
勇輝の身体で過ごすのは大変ー
もし、入れ替わった相手が
同じ女子だったとしても、
また違う意味で大変だっただろうー
他人の身体で生活するということは
本当に大変なこと。
優花はそう思いながら
くたびれた身体を
なんとかベットまで運び
そして、眠りについたのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
♪~!
「---!」
朝が訪れるー
優花は目をこすりながら
部屋を見渡した。
「--あれ…」
目を覚ました場所は
見慣れた光景ではないー
一瞬、
何事かと優花は思う。
そしてー
自分の手が
自分の色白の手ではなく
ちょっとごつごつした感じの手であることに気付く。
「あ…」
優花は眠りから覚めて、
今の自分の状況をはっきりと
思い出すのだったー
「あぁ…!わ、わたし…
竹沢くんと入れ替わったんだった~~~!」
優花は大声で叫んで頭を抱えた。
「----…」
ふと気づくと、母親が扉を開けて
唖然としていた。
「---あ、、、」
優花は、やばっ!と思う。
今のセリフを聞かれただろうかー
しかも、
部屋の中で、一人、頭を抱えるという
謎ポーズを取ってしまっている。
どうすればー
「--あぁ…わたし…
お父さんと入れ替わったんだった~!」
母親がふざけて、優花の真似をすると
ニヤニヤしながら、「なかなか起きてこないから
起こしに来たのよ」と笑ったー
「---あ、、ありがと~」
聞かれた。
優花は絶望した。
このままだと入れ替わったことがばれるーというか、
頭がおかしくなったと思われそうだ。
やっぱり、早く元に戻らないとー。
優花はそう思いながら、
朝食を手早く済ませる。
母親との会話をなんとか
乗りきり、制服に着替える。
「う~ん…
男子の制服ってなんだか窮屈~」
優花はそう呟きながら着替える。
普段、スカートの優花にとって
なんとなく、制服のズボンは
暑苦しく感じたー
もちろん、学校以外の場面では
優花もずっとスカートというわけではなく、
ズボンをはくような場面もあるけれど、
学校のズボンとなると
なんだか足が締め付けられているような
そんな窮屈な気分になるのだった。
ようやく着替え終えた優花は、
自分の部屋から出て
洗面台に行き、髪を整える。
「あらー?」
母親が笑う。
「あんた、今まで学校行く前に
髪なんてとかしたこと
なかったじゃない。
--やっぱり、あの子のこと
好きなのね?」
母親の言葉に
優花は顔を赤らめながら
「ち…違うよ!」と叫んだー。
実は優花も、勇輝のことは
内心少し気になっている。
自宅では…
そこまで考えて、優花は
首を振るー
今はそんなこと考えている場合じゃな~い!
とー。
慌てて家を飛び出す優花。
「はぁ~疲れた…」
優花は勇輝の家から出て
ようやく解放されたかのような気持ちになる。
「は~…」
人の家で、他人のふりをして
1日過ごすってとっても大変だー。
しかも、それが異性の身体であればなおさら。
「--ってか…」
優花は呟く。
「髪ぐらい少しは手入れしなさいよ…」
そう呟くと優花は勇輝の身体で
学校へと向かったー。
”待っててね、わたしの身体”
今頃勇輝は、自分の身体で
どうしているのだろうー
エッチなことしたりしてないか、だとか
家族に変に思われていないか、だとか
心配になりながら-
優花は足早に学校へと向かうのだったー
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
私がもしも優花ちゃんだったら…
こんな風に戸惑うかなぁ~
なんて思いながら書きました!笑
勇輝くん視点は、音調津様の
Pixivで掲載中なので、そちらもぜひお楽しみくださいネ~!
明日が最終回デス!
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