”魔法使い”の名門家に生まれながら
平凡な才能しか持っていなかったために、
二人の姉から辛辣な扱いを受け続けることになってしまった彼は、
”憑依魔法”を手に入れて、
”復讐”を実行に移したー。
”その先”に待ち受ける運命は…?
※「僕の憑依魔法」の続編デス~
先に本編を見て下さいネ~!!
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そこは、”魔法”が当たり前のように存在する世界ー。
そんな世界の”魔法使いの名門”である家に生まれた
ファビオは、”平凡な才能”しか持ち合わせていなかったー。
一般人からすれば特別劣るわけではないー。
けれど、魔法使いの名門一家の中においては
”遥かに劣る存在”で、
ファビオは、長女のリーディア、次女のクララから
見下され、いじめられるような日々を送っていたー。
直接的に嫌がらせをしてくる
気が強く、プライドの高い長女・リーディアと、
表向きは味方のような振る舞いをしつつ、
裏ではさらに邪悪な計算をしている次女・クララ。
その二人から悲惨な仕打ちを受け続けたー。
そして、自室に引き籠りがちになってしまったファビオ。
しかし、ファビオはある日、
信じられない魔法を会得してしまったー。
それが”憑依魔法”ー。
それを会得したファビオのことを二人の姉は恐れ始める。
が、次女のクララは”ファビオに魔法を教えてあげる”ふりをしつつ、
少しずつ毒を混ぜてファビオの魔法を封じようと画策した。
けれど、それは”ファビオ”にバレてしまい失敗に終わる。
長女・リーディアは父・サンドロに
”ファビオが全部悪い”ことにして、いじめの事実も、ファビオも
葬り去ろうとするー。
しかし、次女のクララはいじめのことを自白、謝罪した上で
サンドロに助けを求めたー。
父・サンドロは”言葉の上では三人平等”、
でも、クララは自分が涙ながらに謝罪し、助けを求めれば
”父上はわたしたちの味方”だとそう確信していたー。
結果、サンドロはファビオを毒殺する道を選び、
ファビオを葬り去った。
けれど、それはもう”手遅れ”だったー。
生前、憑依魔法が強力な能力になるまでに
レベルアップしていたファビオは
死してもなお、消滅せずに怨霊として憑依できる状態で
現世に留まってしまったのだ。
ファビオは次女のクララに憑依、
何度も何度も自分に毒魔法をかけさせて
クララを抹殺すると、
”次はリーディア姉さんー、最後は父上だ”と、そう言葉を口にして
そのまま復讐のために動き始めたー。
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「く、クララ……どうしてー?」
毒魔法を自らにかけ続けて死んでしまったクララの亡骸を見つめながら
長女のリーディアは表情を歪めるー。
「ーどうしてあんたが死ぬのよー…?」
リーディアは、クララの亡骸を改めて見つめるー。
家の使用人が確認したところ、クララは自らの毒魔法により
死亡していたのだと言うー。
つまりは自ら命を絶ったことになるー。
しかし、クララが命を絶つ理由など、
リーディアには思い当たらなかったー。
「ーーーー」
リーディアは、死んだクララが笑ったまま死んでいることにも
違和感を覚えるー。
”クララの”毒魔法”は強力なはずー
死ぬほどの力で自分に魔法をかけたら
笑っていられないほど、苦しいはずなのにー…”
リーディアはそう心の中で呟きながら、
クララの死に顔が不気味に思えて、
そのままその場から立ち去ると、
父親・サンドロの元を訪れたー。
「ーーお父様ー」
不安そうな表情を浮かべるリーディア。
リーディアはそもそもファビオが
父・サンドロに始末されたことも知らないー。
死んだ次女・クララの陰謀により、
父・サンドロがそうするように差し向けられた結果ー、
ではあるものの、そのクララがもうこの世にいないために
リーディアがそれを知ることはなかったー。
「あの”無能”に続いて、クララまでー…
いったい、何が起きてるのー?」
リーディアが戸惑いながら言うと、
「ーーー分からないー」と、父・サンドロは言葉を口にするー
サンドロからしても、”表向き”は魔法の修行中の事故で
死んだことになっているファビオの”死因”はよく理解していたものの、
クララが死んだ理由は分からなかったー。
”ファビオは確かに死んだはずー…
だがー、クララが急に死ぬなどとはー…”
サンドロはそう心の中で考えると、
リーディアのほうを見つめたー。
「ーーしばし身を隠せ」
と、そう言葉を口にするサンドロ。
「身を隠す?わたしがー?
お父様ーいったい何が起きてるのー?」
リーディアが不安そうにそう呟くと、
「ファビオー」と、父・サンドロは険しい表情を浮かべるー。
「ーファビオ?あの無能ならもうー」
リーディアは、ファビオは既に死んでいる、と改めてそう言葉を
口にしたものの、サンドロは険しい表情を浮かべながら言ったー。
「ー”憑依魔法”ーーー…
死してもなお、その力を発揮しているのかもしれないー」
とー。
「ー!?」
表情を歪めるリーディア。
「ーーリーディア。これから言う場所にしばらく隠れてなさいー。」
父・サンドロは険しい表情を浮かべながら
そう言葉を口にすると、リーディアに小さなメモ書きを手渡すー。
「ーーこれはー…」
「ーー俺しか知らない隠れ家だー。
万が一、緊急事態があった際に身を隠すための隠れ家として
用意していた場所だがー、
リーディア。今がその緊急事態だ。
ファビオが死に、クララが死にー、
これ以上、俺は家族を失いたくないー。
ーーリーディア。この場所に逃げるんだー。
いいなー」
サンドロのその言葉に、
リーディアは悔しそうに歯ぎしりをすると、
「どうしてわたしが、わたしが、あの無能のせいで
こんなに目に遭わないといけないの!?」と、
そう叫ぶー。
そんなリーディアの反応を見ながら、
サンドロはため息を吐き出すと、
「リーディアー。お前たちがファビオにちゃんと接していれば
こんなことにはならなかったのだー。」と、そう指摘するー。
ファビオを抹殺して事態の収束を図ったサンドロ。
しかし、リーディアたちが、ファビオに対してきつい仕打ちを繰り返した結果だと
いうことはサンドロも理解しているために、
未だに態度を改めようとしないリーディアに対しては、
苦々しい感情を抱いていたー。
「ーお前も、クララのように
思慮深さを身に着けた方がいい」
サンドロは死んだ次女・クララのことを思い浮かべながら言うー。
実際にはクララは腹黒で、
父であるサンドロにも毒魔法をかけているような、
リーディア以上の悪党であったものの、
サンドロはそのことに気付くことはできていなかったー。
「ークララはー……」
リーディアは、少しだけ反論しようとするも
首を横に振ると、
「クララが死んだのは、本当にあの無能のせいならー、
冗談じゃないー。わたしはあんな風には絶対になりたくない」と、
そう言葉を口にするー。
「ー俺が安全を確認したら、呼び戻すー。
だから、しばらくそこに避難しているんだー。いいな」
サンドロが釘を刺すようにして言うと、
リーディアは不服そうにしながらも頷いて、
その場から立ち去っていくー。
そして、その夜ーーー
”ーーーリーディア姉さんがいないー”
ファビオの霊は屋敷からリーディアの姿が消えたことに気付くー。
「ーーー」
ギリッと歯軋りをするファビオの霊ー。
”絶対に逃がさないー。
僕はー…僕はーー、復讐するんだー。絶対に”
ファビオの霊はそれだけ言葉を口にすると、
歯軋りをしながら、屋敷の使用人であるメイドの一人に”憑依”したー
「ーーごめんね。僕の復讐に力を貸してもらうよ」
メイドの身体で、ファビオがそう言葉を口にすると、
憑依したメイドの身体で、”リーディア”の居場所を探っていくー。
しかし、メイドたちは”リーディア”の居場所を知らなかったー。
それもそのはず、
リーディアは父・サンドロしか知らない
”秘密の場所”を教えられてそこに身を隠しているのだー。
メイドたちに聞いても、それが分かるはずなどないー
「チッ」
思わず舌打ちしながら
ふと、鏡のほうを見つめると
そこにはファビオの怒りに従って
鬼のような形相を浮かべているメイドの姿が見えたー。
こんなに穏やかな雰囲気の子の顔が
鬼のように染まるほどに”僕”は怒っているー
ファビオは改めてそれを実感すると、
絶対に逃がさないー、と、そう思いつつ、
メイドの身体で、父・サンドロの部屋へと足を踏み入れたー。
「ーーーーご主人様。リーディアお嬢様に大事な報告があるのですが」
ファビオを裏切り、ファビオの命を奪った父・サンドロ。
そのサンドロを前に、今すぐこのメイドの身体を使って
復讐してやろうと、そう思ってしまうものの、
ファビオはそれを抑えるー。
”まだ”その時ではない、とー。
密かにサンドロに”少しずつ”毒を盛っていた次女クララが
いなくなったことにより、サンドロは体力も回復し、
より元気に動けるようになっていたー。
もちろん、サンドロ本人は死んだ娘・クララに
少しずつ毒を盛られていたなどとは知らないし、
夢にも思っていない。
そして、これから先もそれを知ることはないー。
「ーーリーディアに緊急の報告ー?
分かったこちらで伝えておこうー」
父・サンドロはあくまでもリーディアの居場所を
教えるつもりはないようだー。
メイドの身体で、激しく怒りを覚えると
「ー直接、伝えなくてはいけないのです」と、
怒りを堪えながら、そう言葉を口にするファビオ。
しかし、父・サンドロは
「すまないが、今、リーディアは誰とも会わないと言っている」と、
そう言葉を口にすると、
「ー必要な報告は、こちらで聞いてリーディアに伝えておこう」と
再びそう言葉を口にしたー。
「ーチッー」
メイドは舌打ちをすると、隠し持っていた小刀を手に、
それを父・サンドロに突き付けたー
「ー!?何をする!?」
父・サンドロが声を上げると、
ファビオはメイドの身体で「僕だよ父上ー」と、そう言葉を口にする。
「ーーー!」
父・サンドロは青ざめる。
「よくも僕を騙してくれたなー。
父上のこと、僕は信じていたのにー」
メイドの身体で、ファビオは怒りに満ちた表情を浮かべる。
サンドロは動揺しながらも
「ファ、ファビオー。落ち着け。落ち着くんだー。
そんなことしちゃいけない」と、説得するような言葉を口にするー。
「ーそのメイドは少なくとも無関係だー。
それに、言ったはずだ。
力に溺れた先に待つのは破滅だとー、
今からでも遅くーーー」
「ーー黙れ」
メイドの身体で、ファビオは怒りを露わにすると、
「僕はもう父上にはー、いいや、お前には騙されない」と、
そう言葉を発するー
「ファ、ファビオー……」
サンドロは呆然としながら、
ファビオの”霊”が悪霊のような状態になっているのを悟るー。
「ーリ…リーディアの場所を聞いて、どうするつもりだ」
父・サンドロがそう問うと、
メイドに憑依したまま、ファビオは淡々と答えた。
「リーディア姉さんにも死んでもらうんだ」
とー。
「ー…っ、ば、場所を言えると思うか?」
サンドロがそう返すと、
メイドに憑依しているファビオは「だったら」と、
憑依しているメイドの首筋にナイフを向けた。
「ーー!や、やめろ!そのメイドは無関係だ!」
サンドロが慌てた様子で言うー。
「ーなら、答えろ」
メイドの憎悪に満ちた目を見て、
サンドロは戸惑う。
けれど、それでもサンドロは答えなかったー。
ファビオはメイドの身体でサンドロを痛めつけるー。
なおも答えないサンドロー。
メイドの身体を傷つけても、サンドロは答えなかった。
「ーくそっ!!!答えろ!!!!」
そう叫ぶメイドに憑依したファビオ。
サンドロは傷ついた状態で首を横に振ると、
「答えるものか」と、そう言葉を口にするー。
「ーーー…ぐぐぐぐ」
悔しそうにするファビオ。
しかし、サンドロを殺してしまっては
”サンドロしか知らないリーディア姉さんの居場所”は聞き出せない。
そう思いながら、サンドロを睨みつけていると、
メイドに憑依したファビオは「あっ」と、声を上げたー。
あったー。
そうだー。簡単なことだった。
メイドに憑依しているファビオは、
行方を晦ました”リーディア姉さん”の居場所を聞き出すための
方法を思いつくと、邪悪な笑みを浮かべるのだったー
<後編>へ続く
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コメント
”僕の憑依魔法”の続きが見たいという声に
お答えして、続編を書いて見ました~!★★!
まだまだ続いていく復讐なのデス…!
毎週土曜日は予約投稿の都合上、
続きはまた来週になってしまいますが、
ぜひ楽しんでくださいネ~!
今日もありがとうございました~!

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