<寄生>触手に囚われし者~惨劇編~前編

触手型寄生生命体が、とある海に出現したー。

触手に囚われた人間は、”寄生”され、そして支配されていくー。

その触手型の寄生生物出現後ー、
人類は海から離れた場所での生活を余儀なくされていたー…

そしてー…

触手に囚われし者の続編デス~!
先に本編をお読み下さい~★!

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人類は”海”から離れた場所での生活を余儀なくされていたー。

その原因は、観光地にもなっていたある海で出現した、
謎の触手ー。

その触手に囚われた人間は”寄生”され、
身も心も乗っ取られてしまうー。

深海に潜んでいた巨大なタコのような、謎の生命体の出現により、
人類は海に近付くことができなくなり、沿岸部へと避難ー
海から離れた陸地での生活を余儀なくされていたー。

ジワジワと追いつめられ行く人類ー。

けれど、人類はそれでも”いつも通りの日常”もできる範囲内で続けていたー。

台風が来ても会社に行くのと同じようなことだろうかー。
何があっても、”日常”にしがみつくー。
それが、人類の強さでもあり、また、弱さなのかもしれないー。

今日も、とある高校では
そんな、”触手型寄生生物”の脅威も忘れるかのようにして、
”いつも通りの生活”が送られていたー。

いや、今日は”いつも通り”とは言えないかもしれないー。

何故なら今日はー
校外学習ー
社会科見学が行われる日で、
この学校に通う生徒たちは、
街に出て来ていたからだー。

今日は、社会科の授業で学んでいる範囲と関係する
資料館を訪れた後に、
舞台での演劇鑑賞を行うことになっているー。

「ーーあ~どうせなら映画見たかったなぁ~」
男子高校生の輪島 礼司(わじま れいじ)が、そうボヤくとー、
「ー礼司の見たい映画なんて、絶対学校の行事で見ることないでしょー」と、
隣にいた女子生徒・浜中 愛梨(はまなか あいり)が、そう言葉を口にしたー。

「ーーははは、言ってくれるな愛梨ー
 俺が見たい映画は、そうー、友情をテーマに描いていて
 将来の協調性を育むっていう教育的な意味がー」

単に、見たいアニメの映画があるだけであるものの、
無理に学校教育に当てはめようとして、そう熱弁する礼司ー。

そんな礼司に対して、愛梨は呆れ顔で首を横に振ると、
「っていうか愛梨ー、何でお前が彼女っぽいポジションにいるんだよー」と、
そう苦笑いながら、礼司は言ったー。

愛梨は、礼司の彼女ではないー。
幼馴染で、小さい頃からお互いのことを知っているものの、彼女ではないー。

礼司の彼女は”別”にいて、隣のクラスにいる深沢 紀香(ふかざわ のりか)
という子が彼女だー。

が、小さい頃からお互いを知る愛梨は、
彼女が出来た今でも、こうして今まで通り、何かと話しかけてきていて、
時々、周囲からは愛梨が彼女なのでは?と勘違いされてしまうことも多いー。

最も、愛梨は礼司に対する恋愛感情はないと言っているし、
礼司自身も愛梨に対して恋愛感情は持っていないー、

”幼馴染”すぎて、そういう相手としてはお互いに見ることはできないのだー。

彼女の紀香も、二人の関係はよく理解していて、
紀香と愛梨も普通に仲が良いためにー、
愛梨とこうして話をしていても、後ろめたいことは何もないー。

「ーそれにしても、前は”海”にも遊びに行けてたのにね~
 最近は全然ダメだしー」
愛梨が愚痴を呟くようにして言うと、
礼司も「確かになぁ~…」と、どこか残念そうにしながら、
虚空を見つめるー。

”海”は、触手型の寄生生物出現以降ー、
寄生生物と、それに乗っ取られた人々によって
占拠されてしまっている状態にあり、
海岸沿いには”防衛線”のようなものまで引かれているー

そんな始末だー。

礼司にとっても、紀香と付き合い始めたのは
”そのあと”で、あるために
紀香と海に遊びに行ったことはないー。

紀香は元々、海が好きだったために、
最近の状況を嘆いていて、
礼司はいつも、紀香に対して
”また、あの化け物たちがいなくなったら、海に遊び行こう”と、
そう約束しているー。

しかし、現実問題、
”いつ”海に巣食うあの化け物たちがいなくなるのかー、
そもそも、”人類”はこの先どうなってしまうのかー、
そういったことも全く分からない状態であるのも確かだったー。

「ーーあ、話をしているうちに、もうすぐ目的地だねー」
幼馴染の愛梨が言うー。

社会科見学の一環で訪れる最初の目的地”資料館”まで、あと少しー。
クラスの面々や、先生たちも一緒に歩く中、
礼司は今一度「俺は映画が見たかったなぁ~」と呟くと、
愛梨は「映画なら、紀香ちゃんと今度一緒に見に行きなよ」と、
彼女の紀香と一緒に映画を見に行くことを提案して笑うー。

「はははは、まぁーそうだなーそれならー」
愛梨の言葉に、礼司は笑いながらそう返そうとするー。

がー、その時だったー。

突然、礼司と愛梨の”間”に、何かが割って入ったー。

礼司も、愛梨も、最初”何”が起きたのか、
何が出現したのかを理解することはできなかったー。

何故ならここは”海”ではないからだー。
海の周辺以外に”それ”はいないはずだからだー。

しかし、”それ”はそこに現れたー。

マンホールを突き破って出現した”それ”は、
海を中心に出現し、人間たちに次々と寄生、人間を支配した
”触手”だったー。

深海からの、侵略者ー。
人類から”海”を奪った恐るべき者たちー。

「ーーひっー!?」

「ーー愛梨!」
幼馴染の愛梨に対して恋愛感情はないー。
しかし、当然、幼馴染として大切にする思いはあるー。

愛梨のすぐ近くに触手が現れたことで、
礼司が慌てた様子で叫ぶと、
愛梨はすぐに逃げようとしたー。

がー、触手が愛梨に巻き付くー。

周囲のクラスメイトたちが慌てて逃げ出すー。

教職員の一人は、愛梨を助けようとするも、
他の触手に突き飛ばされて、そのまま倒れ込んでしまうー。

「ーーあ、愛梨!」
触手に拘束された愛梨の方に向かって、
礼司は必死に叫んだー。

しかし、愛梨は震えながら礼司のほうを見つめ返すと、
目に涙を浮かべながら言葉を口にしたー。

「ーー逃げてー」
とー。

「ーふ、ふざけるな!愛梨を置いてー」
礼司がそう言うと、愛梨は「逃げてー」と、
今一度言葉を口にするー。

「ー礼司が、危険を冒すのはー、
 わたしのためじゃなくていいのー」
愛梨がそう言葉を吐き出すー。

「ーーな、何を言ってー」
礼司が困惑していると、触手に拘束されて
持ち上げられた状態の愛梨が言うー。

「ーー礼司の身体はひとつー。
 礼司が危険を冒すのは、紀香ちゃんのためじゃないとダメー
 紀香ちゃんを守ってー」
愛梨はそう言葉を吐き出したー。

本当は、礼司に恋愛感情があったのだろうかー。
それともー。

少しだけ、残念そうに微笑むと、
愛梨は「早くー行ってー」と、言葉を吐き出すー。

礼司がなおも、愛梨に話しかけようとするも、
愛梨の口に、太い触手のようなものが強引に入り込むようにして入っていき、
愛梨の中に入り込んだ部分を切り離すかのように、自ら触手が自己切断をして、
そのまま愛梨はもがき始めるー。

やがて、愛梨の姿が他の触手に阻まれるようにして見えなくなると、
礼司は「くそっー」と声を上げながら、
ここにいたら、自分まで寄生されてしまうー、と、
そう思いながら、慌ててその場を離れるのだったー。

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「ーー礼司くんー」

資料館の方に逃げ込むと、礼司の彼女である紀香が
怯えた表情で駆け寄って来たー。

「紀香ーよかったー」
礼司がそう言葉を口にすると、
紀香は少し涙目に見える礼司の方を見て、
不安そうに「何かーあったのー?」と、
そんな言葉を口にするー。

「ーーーー……そのー愛梨がー」
礼司は暗い表情で、
幼馴染の愛梨が”触手型寄生生物”に捕まってしまったことを口にすると、
紀香は「そ…そんなー」と、驚いた表情を浮かべるー。

「ど、どうにかして助けることはできないのー?」
紀香がそう言葉を口にするも、
礼司は「分からないー」と悔しそうに首を横に振るー。

当然、礼司だって、幼馴染の愛梨を助けたいー。
けれど、礼司が触手型寄生生物を目の当たりにするのは
これが初めてでー、
しかも、そこまで触手型寄生生物に詳しいわけではなかったー。

「ーーーーと、と、とにかく、俺は絶対にここから出ないからな!」
ふと、そんな声が聞こえて来たー。

礼司のクラスメイトの高杉 竜一(たかすぎ りゅういち)ー。
普段は偉そうにしている男子生徒であるものの、
触手型の寄生生物の出現によってパニックに陥ってしまったのか
情けない表情でそう叫んでいたー。

「ーーー高杉ー落ち着くんだー
 先生たちが安全確認をするからー」
教師の一人がそう言葉を口にするー。

社会科見学のために足を運んだはずの資料館ー。
が、ここに展示されている資料をのんびりと見るー
などという余裕はなくなってしまったー。

生徒たちが混乱する中、竜一は
「こ、ここも安全か分からねぇー」と、
資料館の中にも触手型寄生生物が入って来るのではないかと
怯えた表情を浮かべ始めるー。

「ーー大丈夫だーとにかく慌てるなー」
先生の一人がそう説得するも、竜一は
「お、お、俺は、安全が確認されるまでトイレから出ないぞ!」と、
そう叫ぶー。

そして、一人、トイレの方に走っていく竜一。

「ーーー」
生徒がパニックを起こしたのを見て、
礼司の彼女である紀香も不安そうな表情を浮かべると、
そんな紀香の様子に気付いた礼司は「大丈夫ー。俺が絶対に守るからー」と、
そう言葉を口にするー。

愛梨を守れなかったー。
だからこそ、紀香だけでも絶対に守らないといけないー。

礼司は心の中でそう誓いながら、
”あの触手野郎ー…”と、
触手型の寄生生物に対して、心の中で激しい敵意を
燃やし始めるのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーお、俺は、俺は、絶対にトイレから出ないー!」
資料館の男子トイレの個室に閉じこもった竜一は
震えながらそう叫ぶー。

がー、”そこ”はー、資料館の入口付近のホールよりも
遥かに危険な場所だったー。

なぜならーーー

ゴポッーー

竜一が座っている、トイレの便器の中から、
”触手型寄生生物”が顔を出すー。

「うっ!?!?」
トイレに座っていた竜一が、ズボンが突き破られるような感触を感じて、
その後、お尻の方から何かが侵入していく感触を感じたものの、
もうどうすることもできなかったー。

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資料館に避難した生徒たちはどよめいていたー。

生徒たちではなく、周辺の住民や通行人たちも、
困惑の表情を浮かべながら、
状況を見守っているー。

「ーー現在、安全の確認と
 行方が分からない人の安否確認を行っている最中なので、
 みんなはここから動かないようにー」

先生の一人がそう言葉を口にするー。

先生たちが集まり、何やら話を続けているものの
事態は深刻のようだー。

「ーーなんか、15人ぐらい行方不明らしいなー…」
礼司が、先生たちの会話から聞えて来た人数を口にすると、
紀香は不安そうに表情を曇らせるー。

「ー大丈夫ー。あの化け物たちを紀香に近づけたりはしないしー
 それにー、愛梨のことも絶対に助けるからー」

礼司は、紀香を怖がらせないようにと、
そんなポジティブな言葉を口にするー。

ただ、実際には自分自身でも”どうなるか分からない状況”で、
強い不安を抱えていたし、
愛梨を助けるとは言っても、”どう助ければいいのか”と、いうことも
分からずに、戸惑っているのも事実だったー。

そうこうしているうちに、トイレに行っていた竜一が戻って来るー。

トイレに引き籠っているはずだった竜一が、よろよろと歩いてくると、
「ーー人間ーーー」と、静かに言葉を口にしたー。

「ー!?」
礼司も、紀香も、周囲の生徒たちも竜一の様子が
おかしいことにすぐに気づくー。

「ーの、紀香ー」
礼司は、紀香を守るようにしながら、後ろに下がっていくー。

すると、トイレの方から、壁を突き破る音がして、
謎の触手が多数姿を現したー。

「みんな!逃げろ!」
先生がそう叫ぶー。

生徒たちが逃げ出す中、ひとり、また一人と
触手に捕まり、寄生されていくー。

礼司は、そんな光景を目の当たりにして、
慌てて紀香の手を引くと
「今はとにかく逃げるんだ!」と、そう叫んで、
共に資料館の外へと飛び出すのだったー

<後編>へ続く

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コメント

”触手に囚われし者”の後日談デス~!

”見たい”というご意見があったので
書いて見ました~!★

土曜日は予約投稿している都合上、
続きは来週になってしまいますが、
楽しんでくださいネ~!

今日もありがとうございました~~~!

「触手に囚われし者」目次

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