”人間に憑依するサメ”が上陸したー。
恐るべきサメを前に、人々はー…!?
※以前の「ポゼッションシャーク」とは繋がりはないので、
今回初めてでも大丈夫デス~!
(前のポゼッションシャークはこちら)
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夏ー
海はいつものように賑わいを見せていたー。
家族で遊びに来ている者ー、
カップルで遊びに来ている者ー、
それぞれが、それぞれの時間を海で堪能していたー。
「ーーねぇ、和美(かずみ)ー」
友達と海に遊びに来ていた女子大生がそう言葉を口にすると、
「ー和美は泳がないの?」と、言葉を続けたー。
友達の梓(あずさ)から声を掛けられた和美は
笑いながら、
「わたし、泳ぐのあまり得意じゃないから、みんなを見てるだけ」と、
苦笑いしながら、そう言葉を口にするー。
「ーーははは、確かに和美は昔から海に来ても
泳がないもんなー」
彼氏で幼馴染の紀介(のりすけ)が揶揄うようにして
そう言うと、「ーーあんただって、あまり泳がないじゃんー」と、
和美はムッとした様子で言葉を口にしたー。
「お~お~、こんなところに来てまで夫婦喧嘩か?」
梓の彼氏である純一(じゅんいち)は、笑いながら
和美と紀介に対してそう言い放つと、
「ーうるせー!まだ夫婦じゃねー!」と、紀介は
そう反論をするー。
そんな会話をしつつ、笑いながら海の方に向かっていく純一と、
その彼女である梓ー。
2人が楽しそうに海で遊び始めるー。
そんな光景を微笑ましそうに見つめていた和美は
ふと、表情を歪めたー。
「ねぇ、あれ何?」
和美の言葉に、隣にいた彼氏の紀介も、
目を細めるー。
海の先に”背びれ”のようなものが見えるのだー。
「ーーー…え…アレってー…サメじゃね?」
紀介が言うと、和美は「え…サメ?ヤバいんじゃー?」と、
青ざめた表情を浮かべるー。
今一度、紀介は”背びれ”のようなものを凝視するー。
やはり、サメに見えるー。
「ーーー!」
その背びれが、先に海に入っていたサーフィン男・三平(さんぺい)の
方に向かっていくー。
「おーい!三平!」
そう叫ぶ紀介ー。
「ーーーあ????」
波乗りを楽しんでいた三平は、音が聞こえずに、
「なんだ~~~?お前も来るか~?」と笑いながら手を振るー。
「ち、ちげぇよ!サメ!!サメ!!!」
紀介がそう叫びながら指を叫ぶと、
「あ????カメ???」と、三平はそう言葉を口にしたー。
がー、次の瞬間だったー。
背びれが三平の乗るボードに向かっていき、激突ー
三平が海に放り出されるー。
「さ、三平!」
浜辺から叫ぶ紀介ー。
そうこうしているうちに、
海に入っていた梓と純一のカップルも青ざめながら
逃げようとし始めるー。
「ーーや、やべぇ…!」
和美と共にビーチ側にいる紀介は慌てた様子で、
海の方に向かっていき、「梓ちゃん!純一!こっちだ!」と、
そう叫ぶー。
「ちょっと!あんたも近付いたら危ないってば!」
梓がそう声をかけるも、
「でも、放っておくわけにはいかないだろ!」と、
紀介は言い返すー。
やがて、梓の彼氏である純一が先に陸地に到着するー。
だがー、後ろにいた梓の背後からは
”サメの背びれ”が迫っていたー。
「あ、梓!」
梓の彼氏・純一が叫ぶー。
最初は梓の後ろにいたものの、
”自分だけ逃げることに必死になって”彼女を置き去りにしてきて
しまった純一は青ざめるー。
そしてーーー…
「ーーー…梓ちゃん!!!」
純一の隣で紀介も叫ぶー。
梓の背後でサメが大口を開けて、
そのまま梓に食らいつこうとしたのだー。
梓本人もー…
紀介・純一・和美の三人も”もうだめ”だと、
そう思ったー。
しかし、梓の背後から大口を開けていたサメは、
信じられないことに、梓に食らいつく直前に、
突然、光のようなものに包まれてー…
そのまま、姿を消したー。
「ーー!?!?!?!?」
紀介が驚くー。
「さ、サメが消えたー…?」
和美も戸惑うー。
「ーーーえ…」
純一も、キョロキョロしながら
「え…?なに?俺たち集団幻覚でも見てたのかー?」と、
そう言葉を口にするー。
やがて、梓が海から陸地へと上がって来るとー、
妙にふらふらした様子で、よろよろと歩き始めたー。
「ーだ、大丈夫かー?梓ー」
純一は、梓を残してさっさと自分だけ陸地に上がったことを
少し後ろめたく思いながら
そんな言葉を口にするー。
「ーーーー……」
がー、梓は純一の方を見ると、
突然、口を開いて純一に噛みついたー
「ーーえっ!?」
「ちょっ!?」
紀介と和美が、梓の突然の行動に驚くー。
「いてててててててっ!」
彼女の梓に噛まれた純一は驚いて声を上げるー。
だが、梓はうなり声を上げて、純一を放そうとしないー。
「お、おいっ!梓ちゃんー、いくらなんでもそれはー」
紀介は、”純一が梓を見捨てるような真似をしたから怒ってるのだと”
そう思いながら、止めに入るー。
しかしー、純一が梓を振り払うと、
梓は奇妙なうなり声をあげながら、
2人の方を見つめたー。
そしてー、信じられないことにーー
「ーーえ…」
梓の背後に、”サメの幽霊”のようなものが見えたのだー。
「ーーー…これがーー…人間ーーー…のーー 身体ー」
ぎこちない口調でそう言葉を口にする梓ー。
「ーーーお…お…おいっ…あ、梓ー?」
梓に噛まれた純一が戸惑いながらそう言葉を口にすると、
横にいた紀介も「い、いったいどうなってるんだー!?」と、
戸惑いの言葉を口にするー。
「ーーーーちょっと、どうなってるのー?!」
紀介の彼女・和美は梓の方を見つめながらそう声を上げるー。
がー、次の瞬間ー、再び”梓の背後”に、
サメの幽霊のようなものが見えたー。
「ーひっ!?」
和美は思わずその場に尻餅をついてしまうー。
「ーーさ…サメが…梓の中にー?」
純一は、そんな風に思いながら表情を歪めるー。
梓は、海で”サメ”に食われそうになる直前ー、
突然”サメ”が消えたー。
もしー、もしも、”消えた”のではなく、
”サメが梓の中に入った”のだとしたらー?
「ーーーぐぐぐぐぐぐぐぐ…」
梓はよろよろと歩きながら、純一たちを睨みつけるー。
がー、次の瞬間ーーー
梓が突然「ぁ…」と、うめき声を上げてその場に倒れ込む。
「ーお、おいっ!梓!」
彼氏の純一が、慌てた様子で梓に駆け寄るー。
「ーー助けを呼んでくるー!」
紀介は慌ててそう叫ぶと、
ライフセーバーたちがいる方向へと向かって走り出すー。
やがてー、救急車を呼ぶことになり
梓はそのまま、病院へと搬送されるのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーサメに”憑依”された?」
担当の医師・笠島(かさじま)が困惑した表情を浮かべるー。
病室の前の廊下で、Dr笠島と
紀介、和美、純一が梓の状態について話し合っていたー。
病院に搬送されたあとも、意識を失った状態が続いている梓ー。
しかし、外傷はなく、脳の検査も行ったものの
特に異常は見当たらなかったー。
「本当なんです!サメが梓に噛みつこうとした瞬間、
梓の中に光のような状態になって入っていってー!」
純一が必死に医師に”本当に起きたこと”を伝えようとするー。
しかし、Dr笠島は困惑した表情を浮かべながら
「いや、落ち着いて下さい。
人間に取り憑くサメなんて聞いたことがありませんよ」と、
そう言葉を口にするー。
「で、でもー」
焦りの色をさらに強めながら、純一が言うと、
隣にいた紀介は「いったん落ち着こう」と、純一の
肩をポンポンと叩くー。
「いや、二人とも見ただろ!?」
紀介と和美の方を見て叫ぶ純一。
「ー分かってるー。俺たちも確かに見た。
でも、現実離れしてる話だってことも分かってるだろ?
感情的になって説明しても伝わらない」
紀介のそんな言葉に、純一はようやく少しだけ落ち着くと、
Dr笠島の方を向いて「すみません」と、頭を下げると
深呼吸をしてから、冷静に”見たこと”をありのままに
話し始めたー。
「ーーーーーーー」
話を聞き終えると、Dr笠島は表情を曇らせながら
「なるほど」と、言葉を口にしつつ、頷くー。
「しかし、仮に本当にサメが彼女に憑依したのだとしても、
何のためにー?」
Dr笠島の言葉に、
純一は「そ、それはー…」と、言葉を口にしかけて、
周囲をキョロキョロと見つめるー。
「ーな…何のため…なんだろうなー?」
純一が紀介に対してそう言うと、
紀介も表情を曇らせるー。
あのまま”梓”に噛みついていれば今頃、あのサメは
梓を”食う”ことができたはずだー。
それなのに、何故、わざわざ梓に憑依したのかー。
「ーー陸地で暮らしたかったとか?」
和美がそう言うと、
「ーいやぁ……どうなんだろうなー?」と、彼氏の紀介は
戸惑いながら言葉を口にするー。
純粋な”戦闘能力”であれば、海の中であれば
サメの方が上だー。
人間の身体で人間を食うことは難しいだろうし、
サメが人間に憑依する意図が分からないー。
「ーーー…いずれにせよ、昏睡状態に陥っているのは事実です。
こちらでも、他の検査も行いつつ、経過を観察していきます」
Dr笠島はそれだけ言うと、いったん失礼します、と言葉を口にして
そのまま立ち去っていくー。
「ーーーー……」
和美が、梓の方を見つめるー。
純一も、紀介も、意識を取り戻さない友達の方を
見つめることしかできなかったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーそうだー、そろそろチェックインしないと」
紀介が言うー。
今日は5人で海に遊びに来ていて、
今年が大学生活最後の夏であることから
1泊2日の卒業旅行的な感じで、海にやってきていたー。
それが、まさかこんなことになるなんてー、と、
純一は大きくため息をつくー。
「ーーー…俺、そろそろチェックインの手続きだけ済ませてくるよ」
宿泊予定のホテルの方に向かう紀介ー。
「ーあ、わたしも行くー」
紀介の彼女・和美がそう言うと、紀介は頷きながら、
友人である純一の方を見つめるー。
「ーーじゃあ、ここは一旦任せていいか?」
紀介のその言葉に純一は静かに頷くー。
紀介と和美の二人が、
本当だったら5人で宿泊する予定だった
ホテルへのチェックインを済ませるために
一旦病院の外へと向かうー。
一人残された純一は、心配そうに
梓の方を見つめるー。
彼女の梓がこんなことになるなんてー。
夢にも思わなかったー。
「ーーー梓……」
純一は、心底心配そうに、そう言葉を振り絞るー。
どうかー
どうか目を覚ましてほしいー。
どうかーーー…
祈るようにしてそう思っていると
突然ー、梓が目を開いたー。
「ーー梓……!?」
純一が、梓の方を見つめるー
すると、梓はゆっくりと身体を起こして、。
ベッドに座ったー。
「人間の、記憶ーー
読み取るために、一時的に眠ってただけー ふふー」
梓は、さっきよりも人間らしい雰囲気で
そう言葉を口にするー。
「あ、梓ー…?」
純一が戸惑いながら、梓の方を見つめると、
「人間の身体は、陸地も移動できるから、便利ー」と、
不気味な笑みを浮かべると、
次の瞬間ー、梓が大口を開きーーー
その中から”サメ”の霊体が飛び出して来たー。
梓が白目を剥いて、その場に立ったまま
ガクッと項垂れるー。
「ーー!?!?!?」
驚く純一。
梓の口から飛び出したサメの霊体は
空中で実体化ーーー
純一の頭上で実体に戻ると、そのまま純一を丸のみーー…
すぐにまた霊体となって、梓の口の中に吸い込まれていくーー
「ーふぅぅぅぅ…♡」
再び憑依された梓は不気味な笑みを浮かべると、
「こうすれば、人間食い放題ー」と、
血のついた床を見つめながら笑みを浮かべるー。
そしてー、
梓はゆっくりと歩き出すー。
病室の外に向かってー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーとりあえず、ホテルのチェックインは済ませたし、
いったん病院の方に戻るかー」
紀介がそう言いながら、病院の方へ向かって歩き出すと、
彼女の和美が「ねぇ」と言葉を口にするー。
遊びに来ていたのは”5人”ー
そのうちの一人、三平はサメの出現時に
海に落とされてそのまま行方不明だー。
梓のことでみんな頭がいっぱいですっかり忘れていたものの、
和美は今になって三平のことを思い出し、
紀介に伝えようとしたー。
がーーー
病院が何やら騒がしいー。
「ーー…!」
紀介が慌てて和美と共に梓の病室に駆け付けるとー、
そこには、梓の姿も、純一の姿もなくー、
床に血だけが残されていたー。
「ーーーーこれは…いったいー?」
紀介と和美は残された血を見つめながら
呆然とすることしかできなかったー…
<後編>へ続く
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コメント
夏なので(?)憑依サメ再びデス~!!
前のお話とは特に繋がりはないので、
初めての皆様も安心して楽しんでくださいネ~!
続きは火曜日のみ予約投稿で投稿している都合上、
また来週になりますが、楽しみにしていて下さい~!☆

コメント
紀介と[梓]は残された血を見つめながら←和美
ご報告ありがとうございます~~!☆
早速修正しておきました!
感謝デス!
紀介と「梓」は残された血を見つめながら←和美
ありがとうございます~~!☆
早速直しておきました~~!