「お母さんがわたしの身体を」を執筆する際に
「没」になったバージョンをいつも通り、もったいないので、公開します!
本編の「①」の部分の没バージョンになります~!
※「没バージョン」なので、途中で終わります
※本編と内容が異なります
※本日の更新はこれとは別に用意しています!これはおまけデス!
⇒本編はこちらからどうぞ!
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女子高生・松島 佳緒里(まつしま かおり)は、
いつものように、学校に向かう準備をしているー。
佳緒里は、可愛らしく、明るい性格の美少女ー。
性格自体は真面目で、先生からも、友達からも慕われているー。
「ーーじゃあ、俺はお先に」
大学生の兄・秀太(しゅうた)が一足先に出かけていくー。
「うん。行ってらっしゃいお兄ちゃんー」
家族仲も悪くなく、
母の蛍(ほたる)とも、父の恵三(けいぞう)とも、
良好な関係を築いているー
母の蛍は、40代に突入してもなお、
綺麗にしている感じの女性で、
40代に見えないような美貌の持ち主ー。
娘の佳緒里とも、よくおしゃれに関する話題で盛り上がっているー。
父の恵三は、サラリーマンで、
包容力のある穏やかなタイプ。
普段は少し頼りないところもあるものの、
実際に、何か有事が起きると、親身になって助けてくれるようなー
”いざとなったら頼れるお父さん”だー。
「ーそろそろわたしも行かなくちゃ」
既に父・恵三は、兄の秀太よりも先に出かけているため、
残っているのは母の蛍と、娘の佳緒里のみー。
母・蛍はパートとして働く傍ら、家事を立派にこなしており、
今日はちょうど、パートは休みの日だったー。
「いってきま~す!」
佳緒里が出かけていくー。
「いってらっしゃい」
蛍は微笑みながら手を振り、
佳緒里の姿が見えなくなると、玄関の扉を閉じたー。
そして、ため息をつくー。
洗濯機から取り出した娘・佳緒里の私服を見つめながらつく
ため息ー。
「ーーー…」
可愛らしいスカートや、可愛らしい上着ー
佳緒里の服装は、どれもおしゃれで、
イヤらしい感じになりすぎず、落ち着いた感じの
可愛いものばかりだったー。
それらを見て、母・蛍は”嫉妬”を覚えたー。
娘の佳緒里が、中学生、高校生と成長していく一方で、
自分はみるみる衰えていくー。
そんな自分が、耐えられなかったー。
そんな感情を抱いていてはいけないー、と思いつつ、
娘の佳緒里に嫉妬してしまうー。
”いつまでも綺麗でいたい”
そんな感情が強すぎる蛍は、
自分の老いを受け入れられずにいたー。
40代であれば、まだまだ人生の先は長いー
けれど、容姿はー確実に衰えてくる。
人間の避けることのできない”道”ー
それでも、蛍は化粧やおしゃれをして、
自分の美貌を保ってきたー
小さいころから”かわいい”と言われ続けて、
大学生の時代には、ミスコンに選ばれたこともある彼女はー
”自分が老いていく現実”を受け入れることができなかったのだー。
家族にも明かしていない蛍の”心の闇”ー
その時だったー
♪~~~~
”お届け物です”
突然、届いた荷物が、松島家の運命を変えることになるー。
そのことをまだ、彼女自身も、知らなかったー。
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「ーーーーー」
少し先に迫った文化祭の準備をしながら
佳緒里は、少しだけ表情を曇らせたー。
「ーーーー」
親友の紗羅(さら)が戸惑いながら、佳緒里の方を見つめるー。
「ーーーーーー」
そして、佳緒里の反対側には、男子生徒ー。
「ーーー……」
佳緒里と、その男子生徒は、現在、気まずい状態にあったー。
この男子生徒が、佳緒里に告白して、振られているのだー。
男子生徒の名前は、龍斗(りゅうと)ー
佳緒里の幼馴染で、小さいころから佳緒里と仲良しだったのだがー、
2週間ほど前に、龍斗が佳緒里に告白し、
佳緒里が龍斗を振ったのだー。
別に龍斗のことが嫌いだったわけではないー。
けれどー
佳緒里は、龍斗を”恋人”として見ることはできなかったのだー。
ずっと小さいころから一緒だったためー
”友達”としてしか、龍斗のことを見ることができなかったー。
だが、それ以降、
龍斗と佳緒里はお互いに気まずそうにしていて、
二人の共通の友人でもある紗羅は、二人の様子を見ながら、
別の意味で気まずい感じになってしまっているのだったー
「ーーあの…」
龍斗が口を開くー
佳緒里が「ごめんね、この前は」と、口を開くー
お互いに、相手がどう思っているのか分からずー
相手に目を合わせずに会話を続けるー。
「べ、別に怒ったりしてないから…」
龍斗が言うと、佳緒里も
「ーわたしも、怒ったりはしてないよー」と、微笑むー。
「ーーただ、どう接していいか、ちょっと…分からなくなってるー」
佳緒里の言葉に、
龍斗は再び沈黙するー。
文化祭のクラスの出し物を準備しながら、
沈黙する三人ー
その気まずさに耐えかねた紗羅が
「ほ、ほら、今まで通り、普通にしてればいいんじゃないかな?
変に意識しちゃうと…こう、ずっと、こんな感じになっちゃうかもだし」
と、苦笑いしながら声を掛けるー。
「ーーそ、そうだよなー」
「ーーう、うんー」
龍斗も佳緒里も、そんな風に言いながら、
ぎこちない様子で「今まで通り、友達でいようね」と、
佳緒里が優しく微笑んだー。
そんなー
”ちょっとした悩み”を抱えつつもー
佳緒里の日常は穏やかだったー。
そうー
今日まではー。
「ーーただいま~!」
佳緒里が帰宅するとー
母の蛍が、一人、リビングの椅子に座っていたー。
「ーーーーおかえり」
母・蛍は、戸惑ったような表情を見せながら振り返るー。
その表情から、すぐに何かに悩んでいそうなー
そんな印象を受けた佳緒里は「お母さん、どうかした?」と
声を掛けるー。
「ーーううん…。……佳緒里…ほんとに綺麗で、若くていいなって」
蛍の言葉に、佳緒里は「え…?」と少し戸惑いながらも、
「お母さんも、綺麗だよ」と、言葉を返すー。
そんな言葉、慰めにもなりはしないー
女子高生と40代の”おばさん”では、
決定的な、覆ることのない差があるのだからー…
と、蛍は歯ぎしりをするー。
「ーーねぇ…佳緒里…わたしも、もう1回、若くなりたいのー」
母・蛍の言葉に、佳緒里は表情を歪めるー
「お、お母さん…?急にどうしたの?」
佳緒里が心配そうに言うと、
蛍は突然、佳緒里にキスをしようとしてきたー
「ーーー!?!?!?お、、お母さん!?」
佳緒里が慌てて蛍を振り払うと、
蛍が声を荒げたー
「佳緒里の身体…ちょうだい…!」
とー。
「ーーえ…ちょ、、ちょっと!?何を言ってるの!?」
佳緒里は戸惑いながら、母親の蛍から少しずつ離れていくー。
「ーー佳緒里だけずるい!
わたしだって、、わたしだって、おしゃれしたいの!!」
干したままの洗濯物を指さしながらー
「わたしだって、ああいう格好したいの!!!」と叫ぶー
「ーお、、お母さん…お、、落ち着いて…?」
佳緒里は、何が起きているのか、まったく理解できないまま
母親の方を見つめるー。
だがー
母・蛍は、なおも佳緒里に「若い身体が欲しいの!」と叫ぶー。
「ーー佳緒里だっていつかきっとわかるから!
こうやって…何もかも衰えていく恐怖が…!」
その言葉に、佳緒里は恐怖を感じながらも
「ーーーお、、お母さん…何言ってるのか…分からないよ!」と
叫びながら、そのまま自分の部屋に逃げ込んだー。
鍵を閉めて部屋に閉じこもる佳緒里ー。
”急にどうしちゃったの…!?お母さんー”
戸惑うことしかできないまま、
身体を震わせる佳緒里ー
父・恵三と兄・秀太はまだ帰宅していないー。
”早く…早く帰ってきてー”
佳緒里は、そう思いながら、部屋の外で
「佳緒里ばっかりずるい!」と叫ぶ母・蛍の声に、
さらに強い恐怖を感じて、震えるのだったー。
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「ーーただいま」
兄の秀太が帰宅したのは、それから1時間以上経過してからだったー。
母・蛍の声は、先ほどから聞こえなくなりー、
佳緒里の部屋は”平穏”を取り戻していたー
(ここまでで没になりました)
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コメント
私の頭の中で
「プランA」と「プランB」が存在していて、
これは「B」なのですが、いざ書き始めてみたら
やっぱり「A」のほうが…
と、いうことで、「A」の内容の方で書き直した感じですネ…!
もしかしたらこっちの続きの方が良かった…!という方も
いると思うのですが、
続きは没になってしまったので、
想像力で補ってください…☆!
没版までわざわざお読みくださり、ありがとうございました~!
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