<皮>誤魔化そうとするほど墓穴を掘っていく②~言い訳~

①にもどる!

誤魔化すのが壊滅的に”下手”な男子高校生ー。

憧れの子を皮にして乗っ取る場面を目撃されてしまった彼は
何とかして”誤魔化そう”としていくものの…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーあははー、”身体を乗っ取られたり”してないから、
 安心してー!
 梨奈は、梨奈だよ!えへへー」
梨奈を乗っ取った大輔は、梨奈の友人・千穂から
その場面を目撃されてしまって窮地に陥っていたー。

しかし、何とか誤魔化そうとするあまり、
次から次へと墓穴を掘っていくー。

今もそうー。
千穂はまだ”梨奈が乗っ取られている”などとは
全く思っておらず、
目の前にいる”梨奈”は”梨奈そっくりの着ぐるみみたいなものを
身に付けた大輔”だと、そんな風に解釈していたー。

がーー

「ーー乗っ取る…?な、何を言ってるのー?」
梨奈を乗っ取った大輔が自ら
”身体を乗っ取られたりしてないから~!”と、余計なことを
言ってしまったことで、余計な疑念を抱かれてしまうー。

「え…あ、い、いやー、
 ゆ、湯村さんの身体を乗っ取ったりすることなんて
 できるわけないじゃないか~
 ははは、冗談だよ冗談ー」

焦りから、今度は”梨奈本来の口調”を全く無視した
喋り方になってしまいー、
梨奈の友人・千穂はさらに呆然としたような表情を浮かべるー。

「ーり…梨奈はどこ…!?どこにいるの!?」
千穂のその言葉に、梨奈を皮にして乗っ取った大輔は
「ーえ、え~っと…俺、いや、わ、わたしが梨奈なんだけどなぁ」と、
そう言葉を口にして誤魔化そうとするも、
足元に、梨奈を皮にするときに使った、”人を皮にする注射器”が
転がっているのが視界に入るー。

”ゲッ”
梨奈の顔を歪めながら、
大輔は、それに気づくと、
みるみるうちに青ざめるー。

ただでさえ疑われている危機的状況ー
これ以上、怪しいところが増えたら、
色々バレてしまうかもしれないー。

そう思いつつ、
慌てて注射器を足で踏みつけようとする梨奈ーー。

”人を皮にする注射器”を
何とか千穂の視界から隠そうとしたー。

しかし、勢いよく床をバン!と踏みつけたことで
注射器が吹っ飛んでしまい、
逆に千穂に気付かれてしまったー

「な…何その注射器ー…?」
呆然としながら千穂がそう言葉を口にすると、
梨奈を乗っ取っている大輔は
「え、あっ!こ、これは、び、び、び、ビタミンCの注射!」と
咄嗟に訳の分からない言葉を口にしてしまうー。

ビタミンCの注射なんてものがあるのかどうか、
そもそも大輔は知らなかったものの、
人を皮にする注射器の容器のデザインが
黄色っぽいデザインだったからか、
咄嗟にそんな言葉を口にしてしまったー。

「び…ビタミンCの注射ー…?」
千穂は困惑した表情を浮かべながらそう言うと、
「そ、そ、そう、ビタミン!ビタミンシー!」と
梨奈はそう言葉を口にするー。

それと同時に小声で「この声やっぱ可愛いなー」などと、
ついそう言葉を口にしてしまうと、
千穂は「い…今、何てー?」と、そう言葉を口にしたー

”この声可愛いな”と、
小声で喋ったつもりであったものの、
聞こえてしまったようだー。

「ーーえっ…あ、あはーー
 わ、わたしの声可愛いなぁ~って
 えへーえへへへへ」

明らかに動揺している様子でそう言葉を口にする
梨奈を乗っ取った大輔ー。

動揺を隠すことも苦手で、
非常に”分かりやすい”、そんな反応を示してしまうー。

「ーーー……
 梨奈の身体を”乗っ取った”ってことー…?」

千穂は”信じられない”というような表情を浮かべながら
今までの梨奈になった大輔の反応から
そんな推測をして、言葉を口にするー。

「ーひぇっ!?ち、ち、違う!違うよ!」
梨奈を皮にしている大輔は、心底動揺した様子で
そう叫ぶと、
「ひ、ひ、人を皮にできるわけなんてないだろ!?
 人を皮にする注射器なんて存在するわけないだろ!?」と、
そう言葉を続けるー。

「ひ、ひ、人を皮にする注射器ー!?」
千穂は、そんな言葉に反応を示すー。

「ーーえぇっ!?あぁあ、いや、ち、違う!たとえ話だってば!!」
梨奈を乗っ取っている大輔は、目の前にいる
ボブカットの女子生徒ー、千穂のことを心底”あぁ、くそっ!邪魔臭いな!”と
思いつつ、何とかこの場を切り抜けて
梨奈の身体を存分に楽しもうとするー。

”俺が湯村さんになったら
 まずはアイツと別れてやるー”

梨奈を乗っ取った大輔は内心で、
梨奈の彼氏である梅田 浩太と”別れる”ことを
画策するー。

幼馴染とは言え、あんな気弱そうな男子と付き合っているなんて、
大輔からすれば認めることはできないー。

ただー、そんなことよりも今はこの千穂を
どうにかしないといけないー。

「ーその注射器で梨奈に何かしたってことー?」
千穂が”核心を突く”そんな言葉を口にするー。

最初は、千穂もそんなこと全く思っていなかったものの、
大輔が墓穴ばっかり掘っているせいで、
”ほぼ正解”にまでたどり着いてしまうー。

「ち、ち、違う!俺は梨奈だってばー!」
焦りからか、一人称を”俺”のまま
そう言葉を口にしてしまうー。

そして、梨奈の身体を乗っ取ったまま、
人を皮にする注射器を手にすると
「さ、さっき、”ビタミンCの注射”って言ったじゃんー」
と、そう言葉を口にするー。

それでも、千穂は”疑いの目”を向けて来るー。

無理もないー。
今、目の前にいる梨奈は”明らかに様子がおかしい”
状態だー。

「ーだ、だから、ビタミンCだって言ってるだろ!!」
焦りからか、梨奈の身体なのにそんな言葉を口にしてしまい、
すぐにハッとした様子で、
「ーーーーって、疑われ続けると言いたくなっちゃう!」と、
キレ気味に声を荒げたのを何とかカバーしようと、
そんな言葉を続けたー。

「ーーーー」
千穂は、そんな梨奈に疑いの視線を向け続けるー。

そしてー

「ーじゃあ、ビタミンCだって言うなら、自分に注射してみてよ」と、
少しムッとした様子で千穂は言葉を口にしたー。

「ーーえっ… っ…」
梨奈を乗っ取っている大輔は表情を歪めながら
”人を皮にする注射器”を見つめるー。

そしてー、すぐに
「わ、分かった分かったー。そこまで言うなら打ってやるから!」と、
梨奈らしくない受け答えをまたもやしてしまうと、
そのまま”人を皮にする注射器”を自分の手に打ち込んだー。

がーー
すぐに、”梨奈の身体”から、力が抜けていくのに気づくー。

「ーーぇっ…?」

正直なところー、大輔は
”乗っ取った身体を着たまま、人を皮にする注射器を打ち込んだらどうなるのか”を
全く把握していなかったー。

けれど、千穂に追い詰められる状況になって、
咄嗟に自分に注射をしてしまったー。

するとー…
スルッと、梨奈の皮が脱げて、
中にいた大輔の姿が露わになってしまったー

「ーー…あ、あんたー…何してるのー!?」
それを見た千穂は、大輔に対して
露骨に敵意を向けるー。

「あ、い、いや、これはー
 だ、大丈夫ー。ほ、本人に…湯村さんに許可を取ってやってることだからー」

大輔は青ざめながら、梨奈本人に許可を取った上で
やっているのだと、またもや適当な嘘をついてしまうー。

しかしーー

「さっきから嘘ばっかり!!!
 梨奈に一体何をしたのー!?」
千穂は”皮”の状態で崩れ落ちた梨奈に近付くと、
心配そうにペラペラの梨奈を手にするー。

「ー梨奈をー…こ、殺したのー?」
千穂は呆然としながらそう言葉を口にすると
大輔は「ち、違うッ!」と、そう叫んでから、
「これは”人を皮にする注射器”で、他人を皮にして
 その身体を乗っ取る注射器だー!
 皮にされた人間は死んでないし、人殺しはしてない!!」と、
もはや全て自白したも同然の言葉を口にしてしまうー。

「ーひ、人を皮にする注射器ー…?
 あ、あんたー…ーーー…そ、そんなことして
 許されると思ってるの!?」
千穂はそう言葉を口にすると、
慌てた様子でスマホを手にするー。

「お、おいっ!ちょっと待ってくれ!
 話を聞いてくれ!」
大輔は動揺しながらそう叫ぶー。

これ以上言い訳をしようとしても、
大輔では千穂を丸め込むことなどできないー。

それどころか、これ以上会話を続けても、
大輔の場合は余計に墓穴を掘っていくだけー。

「ーお、俺、ど、どうしても湯村さんの身体を乗っ取ってみたかったんだ!」
大輔がそう言葉を続けるー。

千穂は”これ以上こんなやつと話してられない”と言わんばかりに
動揺した様子でスマホを操作しているー。

「ーあぁ、もうっ!こんな時に何か動作が鈍いしー」
千穂はそれだけ言葉を口にすると、
さらにスマホを操作しているー。

何をするつもりなのかは分からないー。
ただ、大体の予想はつくー。

警察に通報するつもりなのだろうー

「湯村さん、梅田と何て付き合ってるからー!
 だ、だから、俺が湯村さんを正しい方向に導くんだ!
 これは、湯村さんのためなんだ!

 俺の私利私欲とかじゃなくて、
 湯村さんのためにやってるんだ!」

焦りからか、大輔は全く意味不明な言葉を口にするー。

梨奈が付き合っている幼馴染の男子・浩太と
別れさせるのが梨奈のためになるのだと、
そう豪語しながら、千穂を説得しようとしているー。

しかし、そんな言葉で千穂が
”うん!そうだよね!”などとなるはずはなくー、
状況はさらに悪化ー。

「ーあぁっ!くそっ!
 お、お、お、俺はり、梨奈だ!梨奈なんだ!」
大輔はパニックになったのか、自分の姿のまま
そう言葉を口にすると、
そのまま、脱げてしまった梨奈の皮を身に付けて
また、梨奈の姿になるー。

「ーーー!!」
横目でその光景を確認しながら、
さらに慌てた様子でスマホを操作するー。

運の悪いことに、動作が重くなっていて
なかなか動作が進まないー。

そしてー…
”ここにいないと、梨奈が何をされるか分からない”と、
そう判断して、逃げずにこの場所で
警察に通報しようとしていたのがー、
千穂にとっての”誤算”となったー。

「ーねぇ、千穂ー今すぐやめてー?」
梨奈を再び乗っ取った大輔が、梨奈のフリをして
そう言葉を口にするー。

「ーーやめるわけないでしょ!あんたを警察に突き出すから!」
千穂はそう言葉を返すと、少しだけ距離を取りながら
やっと、スマホがちゃんと動き始めて、
警察に通報する準備が整うー。

それを見た梨奈を乗っ取っている大輔は、
「や、やめろ!!!!」と、そう叫ぶー。

が、千穂はそれを完全無視して
「1」「1」…と、入力し始めるのが見えたー。

「ーやめろおおおおおお!!」
梨奈の身体のまま、千穂に突進する大輔ー。

スマホが吹き飛びー、通報に失敗すると同時に、
千穂が怯えた表情で
「り、梨奈…!正気を取り戻して!」と、そう叫ぶー。

「くそくそくそくそくそくそくそっ!
 こんなはずじゃなかったのにー!」
梨奈の顔で、恐ろしい形相を浮かべながら
大輔はそう叫ぶと、
押し倒した千穂に向かって
「ー俺は湯村さんなんだ!!!黙っていつも通り友達らしくしてろ!」と、
そう叫ぶー。

が、千穂は「ふざけないで!!!梨奈を返して!」と、
泣きながら叫ぶー。

「な、泣くな!!泣くなってば!誰かに聞こえたらどうするんだよ!」
梨奈を乗っ取っている大輔は、慌てた様子でそう叫ぶー。

しかし、それでも千穂は「誰か!!!誰か助けて!」と、
そう叫び始めてしまったー。

「ーや、やめろってば!」
思わず、反射的に梨奈の身体のまま、
グーで千穂を殴ってしまうー。

しかしー…

「ーーーっ…!?」
梨奈は青ざめるー。

想像以上に強く、千穂を殴ってしまい、
千穂は頭を床に打ち付けて
鼻からも血を流しているー。

しかもー…

「ーーえっ…?」

「ーーー!」

”別の人間の声”が聞こえて
梨奈を乗っ取っている大輔が、唖然とした表情を浮かべながら
顔を上げると、
そこにはー…梨奈の幼馴染であり、彼氏の
大人しい性格の男子生徒・梅田 浩太の姿があったー。

「ーーえっ…い、いやー、ち、違う、こ、これはー…」
梨奈の身体のまま、大輔は浩太に向かってそう叫ぶー。

けれどー
浩太は青ざめた表情のまま、こちらを見続けていて
”目撃”されてしまったのは明らかだったー。

”ど、ど、ど、どうすりゃ…い、いいんだー…?”
梨奈を乗っ取っている大輔は、
梨奈の友達・千穂に目撃された挙句、殴ってしまって怪我させてしまった状況ー、
さらにはそれを梨奈の彼氏・浩太に目撃されてしまった状況を前に
青ざめながらそう呟いたー…。

③へ続く

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コメント

誤魔化そうとするあまりに、
どんどん状況が悪化…!

次回が最終回デス~!

今日もありがとうございました~!☆!

「誤魔化そうとするほど墓穴を掘っていく」目次

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