<憑依>30歳童貞魔法使いになりました①~俺はまほうをおぼえた!~

童貞は、魔法使いになれると言う。

彼は「そんなわけあるか」と笑っていた。

だがー。
30歳を迎えたある日…

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田所 恭平(たどころ きょうへい)は、
童貞だった。

別に、本人は、そこまで気にしていない。
いや、むしろ童貞であることに
誇りを持っている。

童貞を守ることもできないような男に
何を守ることができる?

彼は、そう思っていた。

独特のセンスを持つ彼の趣味は
爬虫類や昆虫の飼育。
一人暮らしの彼の家には
蛇をはじめ、カエルやトカゲ、ヤモリの他に
カブトムシやクワガタ、果てはゴキブリまでもが
飼育されていた。

蛇を手に乗せながら嬉しそうにする恭平。

容姿に恵まれず
性格にも難があるために
恭平には彼女が出来たことがない。

だが、幸いー。
彼には結婚願望というものがなかった。

女にも、特に興味はなかったー

最近では、爬虫類でしか抜けなくなってきたし、
蛇にアソコに巻き付いてもらって楽しむ
”蛇フェラ”を覚えた今となっては
女にしてもらうフェラなどもう必要ない
(というか、経験したこともない)と
彼は考えていたー

彼は今日も職場で
「俺はずっと童貞だぜ」と
親しい同僚に言い放っては笑っていたー。

だがー

その日の夜ー
彼の身に異変が起きた。

その日はー
彼の30歳の誕生日だったー。

「--うん?」

深夜ー
自分の身体がキラキラと光っていることに
気が付くー。

「な、なんだなんだ!?」
恭平が慌ててお気軽と、
目の前に謎の英語が浮かび上がった。

「なに…?」

そこにはー
”LV UP”
レベルアップと書かれていた。

「なんだって…?」
戸惑う恭平。

さらに、ウインドウのようなものが
突然表示されて、
そこに、
”ひょういのまほうをおぼえた!”と
表示されたー

「は?ど、どういうことだ?」
恭平は驚くー。

”ひょういのまほう”とは何だー?

憑依―…
その言葉は知っている。
人の身体を乗っ取ったり
そういうことが出来るアレだ。

魔法ー…?
童貞は魔法使いになれると聞いたことがある。

まさかー

「クク…」
恭平は笑い始めた。

「そうかそうか…」
恭平は笑みを浮かべるー

「へへへへ…
 そうかぁ~
 童貞は魔法使いになれるって
 噂は本当だったんだなぁ」

恭平のニヤニヤは止まらない。

しかも、手に入れた魔法が
”憑依の魔法”だとは…。

恭平は、”力”を手に入れたことによって
長らく失われていた女への欲求が
高まってきた。

「ふひ…」
立ち上がる恭平ー

まだ深夜だが、
寝ている場合ではない。

「へっへっへ…ようやく魔法使いになれたぜ」
恭平はそのまま玄関へと向かって行くー

「手に入れた魔法で、女体でも手に入れるかな」
恭平は、家から外に飛び出したー

”憑依の魔法”をどうやれば
使うことができるのかは分からない。

だがー
なんとかなるだろう。
こういうのは、感覚で覚えるものだー。

「--お?」
恭平が周囲を見渡すと、
ショートパンツ姿の若い女が
目に入った。

(大学生か何かか?
 深夜に、そんなに生足晒して一人なんて…
 警戒心のない女だぜ)

恭平が内心でそう思うと、
憑依の魔法を使おうと、
その女の背後に近づいていく。

「--」
恭平は、目を瞑るー。
自然と、憑依の魔法の唱え方が
頭の中に浮かんでくるー。
これも、童貞の特権か。

「--」
恭平は目を見開き、目の前を歩く女を見つめながら
呪文を唱えた。

「--ポゼッション!」

とー。

すると、恭平の身体がぶわっ!という
激しい感覚に襲われたー

まるで、暴風に吹き飛ばされるような
今までに経験したことのない感覚に
襲われた恭平。

思わず、何かにしがみつこうとするー

自分が自分でなくなってしまうような
魂ごと、上空に突き上げられてしまうような
奇妙な感覚を感じてー

そしてー
恭平が気付いたときには、
自分は霊体のような状態になっていた

(ん…)
恭平が周囲を見渡す。

自分が今、いた場所の上空に居る。

自分の身体はー?

恭平は一瞬そう思いながら周囲を見渡したが
自分の身体らしきものは特に見当たらなかった。

幽体離脱した、というよりかは
自分自身が霊体になったのだろうー。

そしてー

「うおおおお!?」
恭平の身体が、さっきの女の方に
吸い込まれていくー

そうだー
憑依の魔法を唱えたんだった。

そう思いながら、恭平の霊体は
女の方に向かう。

そしてー
ズブッ…と、女の身体に
入り込むような感触がした。

「ひっ!?」
女がビクンと震える。

「あ…あぁ…」
持っていたカバンを落として
ガクガクぶるぶると震える女。

恭平の身体はさらに
ずぶずぶと女に吸い込まれていくー

女は青ざめた表情で、
「な…なに…?」と呟いたー

ズブ…
さらにその女の身体に
めり込むような感触を感じー

そして、恭平の目の前が
真っ暗になったー…

少しすると、
視界が戻ってきた。

「ん…お、、俺…」
恭平が呟くー

しかし、口から出たのは
女の声だった。

恭平が自分の身体を見下ろすと、
そこには、男にはないはずの
膨らんだ胸と、
綺麗な生足が見えたー

「うっひょおおおおお!」
女は、さっきまでとは全然違う雰囲気で
嬉しそうに叫んだ。

「--女体、ゲットだぜ!」
恭平は女の身体でそう叫ぶと、
女の鞄を漁り、名前を確認したー

大学生のようだー
合コンか何かの帰りだろうかー。

皆沢 優子(みなざわ ゆうこ)ねー。

恭平は、名前の確認を終えると、
自分の家に向かって
走り始めたー

足がスースーする。
こんな格好しちゃって…
くくく…

恭平は、大胆に露出された綺麗な脚に
空気が当たりスースーする感触に
興奮しながら、家へと戻るのだったー

「--は~!」
鞄を放り投げて
その格好のまま、ソファーに腰かける優子。

「--ひひひひっ!」
ケラケラと笑っては胸を触ったり
髪を触ったりする優子。

「この女、一人暮らしのおっさんの家に
 やってきて、な~にニヤニヤしてるんだぁ~!?
 へへへ~」

自分が乗っ取ってそうさせているのに、
ニヤニヤしながら、そう呟く。

「わたし~!変態女なんですぅ~!」
優子は、ニヤニヤしながらそう呟く。

いや、呟かせているー

太ももをパンパンと叩きながら
「見られると興奮しちゃうんですぅ~♡」と
口にする優子。

その顔は、本人の身体が恥ずかしがっているのか
乗っ取っている恭平が興奮しているのか
真っ赤になっていた。

「へへへ…そんなに恥ずかしそうにするなよ」
優子がニヤニヤしながら言う。

「へへ…興奮してるのかぁ~?」
赤くなった顔を、自分の手でつんつんしながら
笑う優子。

優子の心臓がドキドキしていくー
高鳴って行くー

「あぁぁあ~やっぱり興奮してるんだねぇ~へへ」
優子はそう言うと、
「これからもっとゾクゾクさせてやるよぉ~」と呟く。

ゴクリ―
この女をしゃぶりつくしてやるー

そう思いながら、優子に憑依した恭平は、
ふと足元に目をやるー。

恭平が飼育して可愛がっている蛇が
そこにはいたー

「へへ…お前もこの脚がまぶしいか?」
優子がニヤニヤしながら
その場にかがむと、
綺麗な生足に蛇を巻き付けさせた。

蛇は、嬉しそうに
優子の生足に巻き付いていく。

「ふふん。」
優子は鏡の前で、蛇を巻き付けた
生足を晒しながらポーズを決める。

「んっふふふふ~
 わたしってば…ゾクゾクが止まらない~くくくく」

優子がクスクスと笑う。

足に巻きつけた蛇を撫でると、
そのまま蛇にキスをして、
優子は、立ち上がったー

太ももに蛇を巻き付けたまま
妖艶な笑みを浮かべている優子の姿を鏡で見て
優子は興奮を隠しきれない。

どうにも発散することのできない
感情を抑えるかのように、自分を
抱きしめると、優子は蛇を足から剥がして
そのままベットに飛び込んだ。

「ふへへへ~!
 どうだ~童貞男のベットの香りは~!?」

優子がゲラゲラ笑いながら叫ぶ。

「んんん~♡
 いい香りですぅ~♡」
一人二役で叫びながら
優子は顔を真っ赤にしてじたばたしている。

自分の布団のニオイを
他人の身体で嗅ぐー。

そんな変態行為をさせながら
布団の上で次第にうとうとしてきた優子は、
そのまま眠りについてしまったー。

・・・・

・・・・・

♪~!

「--!?」
優子がビクッとして飛び起きるー

するとー
窓の外は明るくなっていた。

「やべっ!?寝ちまった!」
優子が髪の毛を掻き毟りながら
ふと気づく。

「え?あ?!
 お、俺、女になってる!?」
寝惚けていた優子は、寝癖が目立つ状態で
鏡を見てそう呟くー

そして、昨日のことを思い出すのだった。

”そ、そうだ。俺、童貞のままでいたから
 魔法使いになれたんだった”

そう呟くと
優子はふと、布団の方を見つめる。

気持ちよく寝ていたので、
涎を垂らしてしまっていたのか
少し寝れているー

「んふふふふふ…
 女体の涎…
 えへっ♡」

下心丸出しな表情でそう呟くと、
優子はあることに気付いた。

♪~

さっきからインターホンが鳴っている。

こんな時に来客か?

とー。

「はい~」
つい、いつもの癖で、優子に憑依している
恭平はそのままの姿で
玄関を開けてしまった。

「おい、恭平、今日約束の日だろ?
 どうした…って…えぇ!?」

玄関の外にいたのは
優子に憑依している恭平の友人・
拓真(たくま)だった。

「---え…」
優子はしまった!!と内心で叫ぶー

そういえば、今日は親友の拓真と一緒に
休日を利用してフィギュアを買いに行く
約束をしていたのだったー

うっかりしていたー

しかも、優子の身体で、玄関を
開いてしまったー

”やべぇ…”

恭平はそう思ったー。

恭平は、ずっとこの身体で過ごすつもりはない。
優子の身体で遊んだら、
優子の身体は解放するつもりだったー

だがー

知り合いに見られてしまったのはまずいー。

”もしも…
 もしも俺が憑依で、この女に好き放題
 していたことがばれたらどうなる…?”

恭平はー
ビビりだったー。

”憑依は罪になるのか?”
”この女、俺が抜けたら記憶は?
 憑依されている間の記憶はあるのか?”
”もし、拓真のやつに、俺が憑依していることが
 ばれたらどうなる?”
”っつか俺、逮捕されるんじゃね?”

ビビりの恭平は、
内心で悪いことばかり考えて、
冷や汗を流し始めていた。

「あ、、あの…す、すみません」
親友の拓真が急に
改まった表情で言う。

「--恭平、、あ、いや、あの…
 田所のやつ、いませんか?」

拓真が顔を赤くしながら言う。

ショートパンツ姿の優子の
足の方に目が行っている。

(へへ…急に態度変えやがって
 しかも、足見てるのがバレバレだぜ)

優子は心の中でそう思いながら
「あ、いえ、今日は、なんか、熱でちゃったみたいで…!
 その、ね、寝てます!」
と、咄嗟に誤魔化した。

”出かけています”なんて言ったら
”約束したのに俺との約束を忘れたのか”と
拓真のやつが不貞腐れる。
だったら、体調不良が一番無難な言い訳だろう。

「--……そうですか」
拓真はそう呟いて帰ろうとする。

優子は内心で「ふー」と呟いた。

なんとか誤魔化せたみたいだ。

憑依の魔法が使えるようになったのは
嬉しいことだが、
騒ぎになるのはごめんだし、
逮捕はされたくない

ここは穏便にー

「あの…」
拓真が呟いた。

「…失礼ですが、恭平の妹さんですか?」

拓真はそう呟いたー

”生涯童貞”を宣言していた恭平の家に
女がいることを不審に思っているようだー。

恭平には、妹が一人いて、
現在は別々に暮らしている。
妹の話は、親友の拓真にも何度かしていたから、
拓真は、優子のことを妹だと思ったようだ。

(どうする…?)
恭平はなるべく騒ぎにならないように…と
考えながら答えた。

「あ、はい…妹です!
 い、いつも俺がお世話になってます」

とー。

「--?」

「あ、ちがっ!いつもお兄ちゃんがお世話になってます!」

引きつった笑顔でそう答える優子を、
拓真は不審なものを見る目で見つめた…

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

憑依の魔法を覚えた男性のお話でした~
続きはまた明日デス!

コメント

  1. 匂いフェチくん より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    これはいいですね

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > これはいいですね

    ありがとうございます~☆!
    続きも頑張ります~☆!!

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