結婚式当日に入れ替わってしまった二人は
周囲にばれないように振る舞いながら、
なんとか元に戻る方法を模索していく。
しかし…
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結婚式が終わり、
落ち着いたところで、美華と夢子は
二人で話をしていたー。
「--ごめんね…大切な日だったのに…」
美華になった夢子が言う。
「ううん…仕方ないよ。」
夢子になった美華が言う。
結局、結婚式が終わるまで、
周囲は、二人が入れ替わったことに気が付かなかった。
混乱を避けるために、
二人は、お互いのふりをして
結婚式を乗り切ったのだった。
「---それにしても、やっぱり美華ちゃんって
かわいいし、綺麗だよね…
なんだかわたし、美華ちゃんになってみて
ドキドキしちゃった!」
美華(夢子)が自分の身体を見つめながら笑う
「--ちょ、ちょっと~」
苦笑いする夢子(美華)
「ところでー」
美華(夢子)がちょっと意地悪な表情を浮かべて言う。
「-わたしの身体は、どう?」
美華(夢子)の言葉に、
夢子になった美華は、戸惑うー。
「--え…」
咄嗟に答えることはできなかった。
正直ー
夢子のことは親友だと思っているが、
容姿に関しては、どこかで見下している
部分があったのかもしれないー
顔も特徴的だし、ふっくらしているし
自分とは正反対ー
正直に言えば、友達のことをブスだと思ってしまったし、
正直”こんな身体で一生暮らすなんて無理”とまで
思ってしまったー
「--な、、なんか、わたしじゃない身体で
過ごすのは新鮮だなぁ~って」
夢子(美華)はそう返事をした。
すると、美華(夢子)は、
「ふ~ん」とだけ呟いて、
それ以上は何も言わなかった。
「--ところで、これからどうしよう?」
夢子(美華)が言う。
早く、元に戻りたいー
辰則との新婚生活を、早くー
「--元に戻る方法…だよね…」
美華(夢子)も呟く。
このままでいるわけにはいかない。
「--結婚式は無事に終わったし、とりあえず
辰則に相談してみよっか…」
夢子(美華)はそう提案したー
信じてもらえないかもしれないけれど、
ふたりで言えば、信じてもらえるかもしれない。
結婚式前に、”入れ替わっちゃった!”なんて
叫んだら混乱を招くし、
出席者にも迷惑がかかるから言わなかったけれど、
今はもう、そうする理由もないー
元に戻る方法が分からない以上は
周囲と協力してー
「----言わない方がいいよ」
美華(夢子)がそう呟いた。
「え…?」
夢子(美華)は親友の思わぬ返事に首をかしげる。
「--このままわたしは美華ちゃんとして、
美華ちゃんはわたしとして過ごしながら
ふたりで元に戻る方法を見つけようよ…。」
美華(夢子)は少し笑いながらそう言った。
友達として、元に戻る方法を
探したいー
もちろん、その想いはある。
けれどー
”もうちょっと、この身体でいたい”
そんな風に、夢子は思いはじめていたのだった。
「え…ちょっと…!それは…」
夢子(美華)が叫ぶ。
しかしー
美華(夢子)が
真剣な表情で言った。
「--わたしたちが入れ替わったなんて言っても
信じてくれるわけないじゃん…
わたしたち2人がおかしくなったと思われるだけだよ…
だってほら、考えてみてよ…!
他の人が急に”わたしたち、入れ替わっちゃった”なんて
言ってきても信じないでしょ?」
美華(夢子)の言葉に、
夢子(美華)はしぶしぶ頷いた。
「--だいじょうぶ!必ず元に戻れるよ!
2人でがんばろ!」
美華(夢子)がそう言うと、
「お~い!」
と美華を呼ぶ声が聞こえてきた。
「---……」
夢子(美華)は不安な表情を浮かべる。
本当に戻れるのだろうかー
もしかしたら、ずっと、このふっくらとした夢子の身体で…
「--あ、わたし、もう行くね!
分からないことはすぐ連絡し合って確認しようね!」
そこまで言うと、美華(夢子)は、
立ち去ってしまったー
「---」
”自分の身体が奪われるー”
親友の夢子がそんなことするはずはないー
けれどー
夢子になった美華は、不安をぬぐえずにいたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日の夜ー
「んんん…♡」
美華(夢子)は、夫となった辰則と
ベットの上で身体を交わらせていたー
「はぁ…♡ はぁ…♡」
美華(夢子)は、顔を真っ赤にしながら
興奮している。
「--き、今日の美華は何だか激しいなぁ…」
辰則が笑いながら言う。
美華は、どちらかと言うと、
エッチなことに控えめな感じだったー
しかしー
今日は違う。
美華から誘われて、
しかもー
いつも以上に激しいー
「えへへへ…♡
わたし…こんなに幸せなの…はじめて…♡」
美華(夢子)は飢えた表情で辰則の方を見つめる。
「--もっともっと…わたしを滅茶苦茶にして…♡」
美華(夢子)の大胆な言葉に
辰則は唾を飲み込むー
夢子はー
男にモテなかったー
男とエッチした経験もないー
ただー
性欲は強かったー
一人で、毎日のように処理していたー
そんな夢子がー
美華の身体を手に入れたー
我慢できるはずがなかったー
「んあぁぁ♡ もっと♡ もっと♡
あぁ、、気持ちイイ♡ あぁ♡ あぁああん♡」
美華(夢子)は激しく喘ぎながら、
身体中をゾクゾクさせて、
今までにない快感を味わっていたー
わたしがこんな甘い声を出せるなんてー
美華が出すエッチな声に
興奮する夢子ー
わたしじゃ、こんな声は出ないー
「あ、、、あ…♡
こ、、、この身体…さいこう~~~♡」
美華(夢子)は思わずそう叫んでしまうー
さいこうー。
もう、この幸せは手放したくないー
だがー
辰則自身も興奮していて、
その言葉のおかしな部分に気付くことはなかったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1週間が経過したー
夢子は
一人暮らしで、現在はフリーターとして
働いている。
就職はしたのだが、
上司のセクハラやパワハラにより、
夢子は退職したのだった。
夢子(美華)は
コンビニでのバイトを終えて
ため息をつく。
「はぁ…」
毎日、
自分になった夢子とは
連絡を取ってはいるものの、
なかなか、元に戻る方法は見つからない。
夢子も毎日、必死に頑張ってくれてはいるけれどー
夢子(美華)は、
ネットで毎日のように情報を探したー
けれどー
”入れ替わり 元に戻る方法”などと検索しても、
出てくるのは
そういう小説たちだけ。
リアルで入れ替わってしまった人の話なんて、
出てこないー
「---…辰則…」
辰則の写真を見つめながら
涙をこぼす夢子(美華)
今もー
夢子は美華として
辰則と一緒に過ごしているのだろうかー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さらに1週間が経過した。
カフェで待ち合わせをしていた2人は、
合流するー
「--お待たせ~!」
美華(夢子)がおしゃれな服装で
姿を現したー
「---…!」
それを見て夢子(美華)は困惑するー。
美華自身、おしゃれな子だから
おしゃれをしているのは何も問題はないー
夢子が、美華のふりをしてくれている、と
考えれば何も不自然ではないー
がー
問題はそこではない。
美華(夢子)が着ている服はー
美華が持っていなかった服だー
つまりー
美華になった夢子が自分で
買ったことになるー
「---その格好は…?」
夢子(美華)は思わず聞いてしまった。
”本当に元に戻る気はあるの?”
そう思ってしまったー
「---え?あ、、うん。ちょっとおしゃれしたいな~って」
美華(夢子)が笑いながらテーブルにつく。
「--あのね、色々調べたんだけど、
やっぱり、入れ替わっている人なんて
いないみたいだし、ネットでも情報はないみたい」
夢子(美華)が言う。
この1週間、ネットを中心に情報収集をしたが
やはり元に戻る方法なんて見つかるはずがなかった。
「---それでね…」
夢子(美華)はそう呟きながら
美華(夢子)がスイーツを注文しているのを見て
自分も適当にフルーツパフェを注文した。
「--あ、ごめんごめん、なに?」
注文を終えた美華(夢子)が笑う。
「--あ、うん
元に戻る方法なんだけど…」
夢子(美華)が気まずそうに呟く。
自分たちの入れ替わった状況を考えると、
可能性があるのはー
”もう一度、階段で2人で転がり落ちること”
それしかないー
そう思った
「もう一度、転がり落ちるしかないと思うの」
夢子(美華)は真剣な表情で言う。
しかし、一方の美華(夢子)は
注文したスイーツを嬉しそうに食べている。
美華になった夢子は
楽しくて仕方がなかった
こんなおしゃれをして、
おしゃれなカフェで
可愛らしい振る舞いをしながら
スイーツを食べている自分が
大好きで大好きでたまらなかった。
「---ねぇ、聞いてる?」
夢子(美華)が不安そうに言う。
「--あ、ごめんごめん~」
可愛らしく微笑む美華(夢子)
「---階段から落ちるってことだよね…?
それ、危ないよ。やめよ?
だってさ、怪我するかもしれないし、
最悪の場合、死んじゃうかもだよ?」
美華(夢子)はそう呟いた。
確かに、その通りかもしれない。
けれどー
夢子になった美華には、
夢子が”元に戻ることを拒んでいるようにも見えた”
「-----」
美華(夢子)は、そんな夢子(美華)の
表情を見ながら思うー
夢子にとって美華は大切な親友。
見た目がどうとか関係ないー
本当に、大切だと思っているし、
今でも力になりたいー
けれどー
夢子は知ってしまった
美華の身体になって、色々な喜びをー
好きな人とのエッチの快感をー
おしゃれをする悦びをー。
夢子は、
この身体で得た幸せと、
友情の狭間で揺れていたー
そうだ、相談してみようー。
夢子は思う。
美華なら”このままでもいいんじゃない?”という
提案を受け入れてくれるかもしれない。
「あのさ…」
美華(夢子)は口を開く。
その時だった。
スマホに電話がかかってきた。
相手は、新婚の夫・辰則。
「あ、たつのりだ~♡」
思わず、甘い声を出して喜んでしまう美華(夢子)
「もしもし~♡」
夢子(美華)そっちのけで、
新婚のラブラブムードな会話をする夢子(美華)
「--ち、、ちょっと…!」
夢子(美華)は思わず叫ぶ。
このままじゃ、夢子に辰則を取られちゃう…!
そう思った。
「--ちょっと!!!!」
大声で叫ぶ。
カフェの客たちが、一斉に驚いた表情をする。
美華(夢子)もスマホを耳元から離して
夢子(美華)のほうをみた。
「---な、、なに…?」
「---ねぇ、本当に元に戻る気あるの?
なんだか、夢子、
わたしと入れ替わってから変だよ!?」
夢子(美華)が叫ぶ。
すると美華(夢子)が辰則との電話を終えて言う。
「--ーーー」
美華(夢子)は、友情とこの身体、
その狭間で迷った末に、呟いた。
「---もう、いいんじゃない」
とー。
「---え…」
夢子(美華)は唖然とした。
親友のことを信じていたのに、
それなのにー
「--わたしの身体になって、
みじめな人生だと思ったでしょ?
ボロいアパートで、バイトでその日暮らしの生活…
容姿にも恵まれなくて
おしゃれをすれば笑われる…
そんな人生…」
美華(夢子)が囁く。
夢子は、自分の人生、それでもいいと思っていたし
美華に嫉妬などしていなかった
けどー
この身体を手に入れた今は違うー
美華の身体で、美貌と、幸せを手にした夢子は、
変わってしまったー
「---元に戻りたい、なんてさ…
思うわけないじゃん」
美華(夢子)が邪悪な笑みを浮かべた。
「--わたしが美華よー。
この身体はもう、返さない」
それだけ言うと、
美華(夢子)は微笑みながら
そのままカフェを後にしてしまったー。
思わぬ親友の裏切りにー
夢子(美華)は唖然として
動くことすらできなかった。
「--わたし…もう、、元に戻れないの…?」
夢子(美華)の瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちた…
③へ続く
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コメント
入れ替わってしまったことで
ふたりの関係性に亀裂が…
果たして、どうなってしまうのでしょうか…!
続きは次回デス!
コメント
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ついに体を返さない宣言が……!
果たして元に戻れるのか?戻れないままなのか?最終回が楽しみです~!
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> ついに体を返さない宣言が……!
> 果たして元に戻れるのか?戻れないままなのか?最終回が楽しみです~!
ありがとうございます~!
最終回もぜひお楽しみください~!