憑依空間が65万アクセスを達成しました!
ありがとうございます!
久しぶりに記念作品を用意しました!
今回は「フュジティブafter」。
フュジティブ完結後のちょっとした日常をどうぞ!
※フュジティブTHE END⑤までを先にお読みください!
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①市村 龍平
「---龍平、お前、進路は決まったのか?」
食事中。
父の孝彦が箸を止めて龍平に尋ねた。
「うん。僕は公務員になるから」
龍平が笑うと、孝彦が少し笑いながら言った。
「警察官か?」
と。
「--ははっ、僕は警察官にはならないよ、父さん。」
龍平が笑う。
これまでも親子で何度も繰り返してきたやり取りだ。
「父さんの仕事は尊敬してる。
でも、僕は僕だから…」
龍平が申し訳なさそうに言うと、
孝彦は笑った。
「構わないさ。
親が子に道を強制するものじゃない。
お前は、お前の好きなように生きろ。」
孝彦が言うと、
龍平は微笑んだ。
「うん。僕は市の職員になって、
彩香を幸せにするよ。
家族の為にも、時間をかけたいからさ…」
「ふ、お前らしいな
…って、彩香ちゃんと結婚確定か?」
孝彦が冗談めいて言うと、
龍平は飲んでいたお茶を吹き出して
真っ赤になって言い訳を始めた…
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②小笠原淳子&松本 美香
おしゃれ好きの美香は、
昼休み、スポーツ好きの淳子と話していた。
「-そういえばさ」
淳子が笑いながら言う。
「--美香だけ、あの凶悪犯罪者に憑依
されなかったよね?」
淳子の言葉に美香が言う。
「--別にいいじゃない。
あたしだけラッキーだったのよ」
美香が髪をいじりながら言うと、淳子は笑った。
「私は最初にー
彩香が、次にー、
で、由香里は半年も…
もしかしてさ、
美香だけ魅力が足りなかったんじゃない?」
淳子がふざけて言うと、美香がムキになった。
「な、何よ!
あたしの魅力はあんなおっさんには分からないのよ!」
おしゃれ好きの美香がムキになる。
淳子は、思った以上の反応に「ごめんごめん冗談」と
謝罪の言葉を口にした。
翌日ー。
土曜日に、ショッピングに行くために
美香と待ち合わせていた淳子は美香と会って唖然とした。
いつも以上に派手なミニスカートに
おしゃれな服装。
アクセサリーや化粧も、派手だった。
「---どう?魅力的でしょ?」
美香が言う。
「---あ~はいはい、すみませんでした」
淳子は”面倒なことを言ってしまった”と
自分の発言を後悔するのだった…。
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③清水 由香里
自分の部屋に収納された洋服を見つめる。
メイド服に、チャイナドレス、コルセット、
ミニスカートに、ゴスロリ衣装…
由香里はそれを見て顔を赤らめた。
「こ、、これ、どうしよう…」
座間に憑依されている間に自分が買った洋服。
捨てるにしても親に見つかりたくないし…
座間は幸いなことに、表だって変な行動をしていなかったから
由香里のイメージ悪化は最低限で済んでいた。
「--捨てられないし…
こんなの着れないし…」
由香里はそう言いながらも、なんとなく
コルセットを見つめて、
”どんな感じなんだろう”と思い、
好奇心で身に着けてみた。
鏡を見て、由香里は顔を真っ赤にする
「わ~~だめだめ!
こんなのわたしじゃない!」
すぐにそれを脱いで、いつもの質素な服装に着替える。
「ふ~」
由香里は毒蛇の怨念という小説を読みながら
ため息をついた。
翌日。
図書室で、由香里は毒蛇の怨念を読みながら
昨日のことを思い出す。
つい顔を赤らめてしまう由香里。
「恥ずかしい…捨てたい…」
そう呟いていると龍平が突然姿を見せた。
「あ、あれ?清水さん、何か、顔真っ赤だよ?」
龍平が言うと、
由香里はさらに顔を赤くした。
「え?わたし…?
ち、違うの、これは、な、何でもないよ…
あ、今日は、、暑いよね…」
そう言いながら慌てて図書室から立ち去ろうとする由香里。
「--清水さん!毒蛇の怨念忘れてるよ!」
龍平が叫ぶと、由香里は慌てた様子で戻ってきて
”ありがと!”とだけ言って、顔を真っ赤にしながら立ち去った。
「---はは、面白いなぁ、清水さんは」
龍平は微笑ましく、そう呟いた。
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④市村 孝彦
「--場所が分かりました」
孝彦の部下が、とある地図を孝彦に差し出す。
あれから、1年近くが経った。
孝彦は、ずっと探していた。
座間が手に入れた憑依薬の製造元をー。
人々を不幸にする諸悪の根源は
絶たねばならない。
「--いつでも確保可能です。
どうしますか?」
部下が尋ねると、
孝彦はうなずいた。
「よし、工場内に居る人間全てを確保、
製造されている憑依薬、およびその素材と
思われるものを全て回収するぞ」
孝彦は的確な判断を下して、
憑依薬密造工場へと向かうのだった。
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⑤松本 彩香
桜が舞う中、
龍平と彩香は、その下に立っていた。
さらに時は流れー
卒業式の日を迎えたのだった。
「--色々あったけど、楽しかったね」
彩香が微笑む。
「--うん。」
龍平も寂しそうに微笑んだ。
「--龍平、大学行っても、
浮気しちゃダメよ?」
彩香が笑いながら言う。
「なんだよ~僕が浮気したこと
あるみたいじゃんか…」
龍平が不貞腐れて言うと、
彩香が意地悪っぽく笑う。
「1回だけ、したじゃない」
と。
龍平は思い当たらず、考えるー。
あーーー。
龍平は思い当たることが一つだけあった。
修学旅行の時、
座間に憑依された由香里を救うため、
由香里にキスをする直前、
「一度だけ浮気ー」
確かにそう言った気がする。
「あ、、あれは、、あれは違う!!違う!」
龍平が顔を真っ赤にして言う。
「ふふふ、冗談よ冗談!」
彩香が笑いながら桜の方を見つめた。
「--全く、彩香は悪戯好きなんだから…」
龍平が呆れたように言う。
「---龍平」
彩香が静かに呟いた。
「ーー別の大学だけど、お互い、頑張ろうね」
彩香の言葉に龍平はうなずいた。
そして、彩香は龍平の方を見て微笑んだ。
龍平も微笑む。
「彩香、これからも、よろしく」
龍平が手を差し出すと、
彩香は微笑んでその手を握りしめた。
「こちらこそ、まだまだよろしくねー」
と。
おわり
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フュジティブのおまけエピソードでした!
アクセス記念小説を以前のように1万アクセスごとに
書けるぐらいに目の調子が回復したら、
また記念小説も書いていきたいです!
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