<入れ替わり>嘘つきカップルのエイプリルフール

エイプリルフール…。

いつも周囲に嘘ばっかりついている二人が
入れ替わってしまった…!?

けれど…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーうぉぉぉぉぉ?!なんだこりゃ!?」

4月1日ー。
通っている高校はちょうど春休みの最中ー。

しかし、朝早くいきなり、
彼女は大声を上げていたー。

4月から高校3年生になった、
松木 由香里(まつき ゆかり)は
自分の身体をジロジロと見つめながらそんな言葉を口にするー。

その動きは、どこかおかしく、
女子高生ー…と、いうよりかは
まるで男子高校生のような奇妙な動きだー。

そしてーー

「ーーうわああああああ!?ゆ、由香里!?」
部屋にあった姿見の方を見つめると、
由香里は何を驚いたのか、自分の姿が映った鏡を見て
尻餅をつくような仕草をしたー。

「ーーど、ど、どうしたのー!?」
騒いでいる由香里に気付いたのか、母親が由香里の部屋に
やってくると、
由香里は、自分の母親に気付いて
驚いた様子を浮かべながら口を開いたー。

「あ、え、えっとー、由香里のお母さんー」
”由香里”が、自分の母親のことを、
まるで他人の母親を呼ぶかのようにそう言葉を口にすると、
由香里の母親は「え…???」と、
困惑の表情を浮かべたー。

そんな反応になってしまうのは、もちろん無理もないー。

自分の娘からいきなり”あ、由香里のお母さんー”などと言われたら
首を傾げてしまっても当然だー。

そんな”母親”の様子を見て、
「あー、いえ、すみません!そのー、
 俺、ゆ、由香里の姿なんですけどー、
 小西(こにし)!小西 洋輔(こにし ようすけ)です!」

と、由香里は、そう叫んだー。

小西 洋輔ー…
由香里の幼馴染で、小さい頃から互いのことを知っている
間柄の男子生徒だー。
現在も同じ高校に通っていて、
今は幼馴染でありながら”恋人同士”の間柄でもあるー。

洋輔のことは、由香里の両親も小さい頃からよく知っているため、
その”名前”自体は誰のことだか分かるー。

がーー

「え…?な、何言ってるのー?」
目の前にいる娘の由香里がその”洋輔”を名乗っている状況は、
由香里の母親からすれば全く理解できない状況であるのも確かだー。

そんな母親を前に、
”由香里”は、困惑の表情を浮かべながら言葉を続けたー

「ーど、どういうことか俺も分からないんですけど、
 目が覚めたら由香里になってて!」
とー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一方ー、

「ーえええええええええええええ!?」

時を同じくして、由香里の幼馴染である洋輔も、
目を覚ますと同時に奇妙な叫び声を上げたー。

そして、あたふたした様子で、
部屋の中を見回すと、
寝起きだからか、トイレに行きたくなってしまい、
慌ててトイレに駆け込むー。

がー、トイレに駆け込むと同時に
「って、えぇぇ…?」と、
”男の身体でトイレを済ませる”ということが
初めてかのような、そんな反応を示す洋輔ー。

それもそのはずー…

今朝ー、
”洋輔”と”由香里”は、
原因は不明であるものの、
お互いの中身が入れ替わってしまっていたー。

そのためー、洋輔は由香里の身体で、
由香里は洋輔の身体で目を覚まして、
今に至っているー。

洋輔にも、由香里にも、”身体が入れ替わる”などということが
起きる心当たりは全くと言っていいほどない。

だからこそ、二人は大騒ぎして驚いているー。

「ー~~~~~~~~~」
いくら、幼馴染であり、彼氏のものとは言え、
男にしかないソレを触りながらトイレを済ませることには
抵抗があるのか、洋輔(由香里)は「あぁぁあ……何これー…」と、
戸惑いの言葉を口にするー。

ちょっと失敗しそうになったものの、
ようやくトイレを済ませた洋輔(由香里)は、
トイレから外に出ると、
洋輔の姉・美音(みおん)と偶然鉢合わせしてー、
「あ、ど、どうもー…お、お邪魔してますー」と、
反射的にそう言葉を口にしてしまうー。

「ーえ???え???
 何?寝ぼけてるー?」

洋輔の姉・美音は、
弟である洋輔の突然の”お邪魔します”に
混乱の表情を浮かべると、
「ーーあ、いえ、そ、そうじゃなくてー
 そのー」と、洋輔(由香里)は躊躇いがちに言葉を口にしたー。

「ーあ、あの…目が覚めたら洋輔くんになっていてー…」
とー。

「はい?」
姉・美音は困惑の表情を浮かべるー。

洋輔(由香里)は、慌てて
目を覚ましたら”洋輔”になっていたことを説明し、
自分は幼馴染の由香里だと、そう説明したー。

するとー、その言葉を聞いた姉の美音は
思わず”失笑”したー。

「洋輔ー。いくら”エイプリルフール”だからって
 そんな嘘つくと、由香里ちゃんにも嫌われるよー?」

美音のそんな言葉に、
洋輔(由香里)は少し慌てたような表情を浮かべると、
「え… あっ…」と、
今日が4月1日、エイプリルフールであることを思い出すー。

「まぁ、洋輔の場合、エイプリルフールとか関係なしに
 嘘ばっかついてるけどさー、
 でも、流石にそういう嘘はやめた方がいいよー」

姉の美音は、完全に洋輔(由香里)の言った言葉を
嘘だと決め込んで笑いながら立ち去ろうとするー。

今日がエイプリルフールだから、ということはもちろんあるー。
ただ、それだけではなく、
洋輔は普段から”嘘つき”であるためにー、
”入れ替わっちゃった!”と言っても、姉・美音は全く相手にしてくれなかったー。

人を傷つけるような嘘や、実害を与えるような嘘は
絶対につかないものの、
おふざけの嘘は頻繁につく洋輔は、
今日も”どうせ嘘”だと、そう思われてしまっていたのだー。

「ち、ち、違うんです!嘘とか、エイプリルフールとかじゃなくて!」
洋輔(由香里)は必死にそう叫ぶと、
「ーし、信じられないと思いますけど、わたし、本当に、
 松木 由香里です!」と、洋輔の身体でそう叫んだー。

「ーーーーー」
姉・美音は少しだけ考えてからため息を吐き出すと、
「そこまで言うんだったら、由香里ちゃんに確認しちゃうよ~?」と、
そう言葉を口にするー。

あくまでも、洋輔(由香里)の言葉を”嘘”だと決め込んでいるような、
そんな反応に見えるー

がー、”確認”してくれるのは、洋輔(由香里)にとっても
好都合だったー。

”わたしが洋輔になってるってことはー…
 ーーたぶん、洋輔はわたしになってるんだよねー…??”
内心でそう思いつつ、
洋輔(由香里)は「わ、分かりました!確認して貰えれば
本当だって分かってもらえると思うのでー」と、そう言葉を口にすると、
”自分の口から洋輔の声が出ている”という状況に
どこかドキドキしつつも、
「わ、わたしからかけていいですかー?」と、そう言葉を返すー。

洋輔(由香里)としても、”わたし”の身体がどうなっているのか、ということは
確認してみたかったし、気になっていたー。

ただ、自分の身体がどうなっているか分からない以上、
まずは自分が話をしたいと、そう思って言葉を口にした。

「ーー別にいいけど、わたしにも話させてね」
洋輔の姉・美音はまだ半信半疑のような表情を浮かべながらそう言うと、
洋輔(由香里)は洋輔のスマホを手に
”わたしがわたしに電話をかけるってどういう状況…?”と内心で
苦笑いしながら”自分”に電話をかけ始めるのだったー…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

由香里(洋輔)は、
由香里の母親に対して「俺、小西です!」と、そう伝えた上で、
「目が覚めたらこうなってて」と、そう説明していたー。

しかし、由香里の母親は少し笑いながら、
「ーーそんなんじゃ、驚かないわよ」と、
そう言葉を返して来たー。

「ーーえ…???」
由香里(洋輔)は戸惑ったような表情を浮かべると、
「ー由香里と何年一緒にいると思ってるの?
 由香里ってば小さい頃からよくそういう嘘つくんだからー」と、
由香里の母親は笑いながら言葉を続けたー。

そうー、嘘つきなのは、洋輔だけではなく
由香里もよく、”イタズラ”の範疇で済むような嘘をつくのが
好きだったー。

つまり、二人とも嘘つき同士ー

そのせいで、由香里(洋輔)も、”目が覚めたら由香里になっていて!”と、
言う言葉を信じてもらうことができなかったー

「ー~~~い、いえ、あの、今日は嘘じゃなくて…」
由香里(洋輔)は、戸惑いながらそう言葉を口にすると、
由香里の母親は「洋輔くんと、エイプリルフール企画?」と、
笑いながらそう言葉を口にするー。

完全に、”由香里の嘘”だと思われているー。
しかも、最悪なことに4月1日であるせいで、
エイプリルフールネタだと思われてしまっているようだー。

「~~~~~~~」
由香里(洋輔)は
”っていうか何だよこれー…完全に由香里になってるしー、
 俺の口から由香里の声が出てるしー”と、
内心でさらに戸惑いの表情を浮かべると、
「ーーあ、あの、今回は本当でー」
と、由香里の身体で洋輔しか知らないようなことを
色々と口にし始めるー。

「ーーーえぇ…?」
由香里の母親は、目の前にいる由香里(洋輔)が
あまりにも真剣な様子で”俺は洋輔なんです!”と、
続けるために、だんだんと不安になってきたのか
少しだけ表情を曇らせる。

「ーーほ、本当に…、そうなの?」
娘の”嘘”もここまで酷くはないと思ったのだろうかー。

もう少しで信じてくれそうな、そんな雰囲気にも見えるー。

由香里(洋輔)は
「お、俺、本当に小西です!!
 ゆ、由香里がどうなっちゃったのかはまだ分からないんですけど、
 とにかく元に戻りたいので、力を貸して貰えるとー…」
と、そう言葉を続けるー。

がー、その時だったー。

♪~~~

突然、由香里のスマホが鳴ったー。

そこには”洋輔”と表示されているー。

「ー!」
由香里(洋輔)はそれを見て思わず、
「お、俺から電話ー…!?」と、そう言葉を口にしてしまうと、
由香里の母親は戸惑いの表情を浮かべながら
「で、出てもいいわよ?」と、そう言葉を口にするー。

「ーーど、どうもー」
由香里(洋輔)も、その言葉に従い、
”自分から”の電話に出ると、
「も、もしもしー…え、えっとー…」と、
相手の反応を待つー。

目を覚ましたら由香里になっていた、という状況の
洋輔からすれば、”自分の身体”がどのような状態に
なっているのか、ということがまだ分かっていない状態だ。

自分が由香里になっている、ということは
由香里は洋輔の身体になっているのかもしれないし、
自分は由香里になっているけれど、
洋輔は洋輔のままの可能性だって0ではない。

だからこそ、
電話に出た第1声をどうすれば良いのか、
とても悩んでしまったー。

”ーも、もしもしー…?”
そうこうしているうちに、電話の向こうから
”洋輔”自身の声が聞こえて来るー。

”ーあ、あのー”
洋輔(由香里)も、何て言ったらいいのか分からない、という
様子で戸惑いながら言葉を口にする。

そんな言葉を聞いて、由香里(洋輔)は意を決してー、
「え、えっとー、由香里?」と、先にそう言葉を口にしたー。

するとー、
”ーーーう、うんー…そっちは洋輔ー?”と、そんな言葉が返って来たー。

これでハッキリしたー。
理由は分からないけれど、お互いに身体が入れ替わってー…

二人はそんな風に確信すると、
由香里(洋輔)は、由香里の母親に向かって、
洋輔(由香里)は、洋輔の姉・美音に向かって、
”わたしたち” ”俺たち”
「入れ替わってるみたいです!」と、それぞれそう言葉を口にしたー。

がーー
その時だったー。

突然、シュッと、一瞬意識が飛んだような感じがすると同時にー

”二人”は、突然、自分のいる場所が変わったー。
いやー、身体も変わったー…。

「えっ!?」
「ーーあっ!?」

エイプリルフールの朝に入れ替わった二人は、
唐突に元に戻ってしまったー…。

「ーーえっ…あ!も、元に戻ったー!」
由香里が、母親の前でそう言葉を口にするー。

一方、洋輔も自分の部屋で、姉の美音に対して
「ね、姉さん!戻ったー!」と、そう叫ぶー。

そして、通話中だった二人は元に戻れたことを
喜んだもののー、
元に戻ったタイミングのせいで、
二人は、”やっぱり嘘つきだー”と、そんな風に
思われてしまうのだったー…

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

毎年、ついつい書いちゃうエイプリルフールモノ!
今年は入れ替わりで書いて見ました~!

普段の振る舞いと、元に戻ったタイミングのせいで
結局嘘つき扱いされちゃうことになりましたネ~笑

改めて、今月もよろしくお願いします~!!

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コメント

  1. TSマニア より:

    普段から嘘ついてると信用されないですネ!★苦笑

    短い時間で元に戻れて良かったですが…二人とも、やっぱり嘘つきと思われてますネ!☆笑

    来年のエイプリルフールも…入れ替わってそうですネ!☆!★笑

    • 無名 より:

      感想ありがとうございます~!!★

      特に”入れ替わり”だと信用されるのも難しいですネ~!

      まさかの毎年のシリーズ化…!笑