<憑依>オタクのディナー

”気持ち悪い”
そう蔑まれている男子生徒がいた。

だが、彼はそんなこと、微塵も気にしていなかった。

何故なら、自分は自分なのだから。
キモいと思うならキモいと思えばいい-

※リクエスト
「キモオタ君が乗っ取って記憶を読んでなりすましたり
 記憶書き換えたりしてくのが見たいです!」にお応えした作品デス!

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須藤 太郎(すどう たろう)

彼は、お風呂に1週間に1度しか入らない。
何故かー。

それは、”効率が悪い”からだ。

入浴には、準備なども含めれば、
数十分はかかるー

その時間が、1週間続けば、
2~3時間のロスになるのだ。

だからこそ、彼は、その無駄を省いた。

お風呂に入るのを、週に1回にすることによって、
毎週2時間程度の時間の確保に、彼は
成功したのだった。

当然、1週間に一度しかお風呂に入らないとなると、
色々と問題が生じてくる。
家族には、風呂に入れと言われるし、
学校では、汗臭さから、全員に避けられている。

それだけではないー

”キモオタ”

”ウイルス”

”酢だこさん太郎”

色々なあだ名をつけられてしまっている。

だがー。
彼は、それでも堂々と校舎の真ん中を歩いていた。

「--ふぅ~」
今日も、汗臭い身体を震わせながら、
教室の座席へと座る。

誰も、太郎のことを相手にはしない。

理屈っぽいことこの上ない太郎と
やりとりするのは、とても面倒くさいことなのだ。

「---ぐふっ」

太郎には趣味があった。

それはー
”女の子の記憶を読み取り、自分のものにすること”

太郎は、すでにクラスの女子生徒4人分の記憶を
自分の記憶にしているー

自分…太郎の記憶と、
逸子、良菜、美佐子、彩恵理…
4人の女子生徒の記憶を持っているのだ。

「-ぐっふふふふ~
 女の子の記憶は蜜の味~」

太郎は、図書委員会を務めるクラスメイト・
志津恵(しずえ)に目をつけた。

「大人しそうでいつも清楚な志津恵ちゃん…
 今日は君に決めた!」

そう呟くと、彼は鞄から”憑依薬”を取り出して
不気味に微笑んだ…。

彼が、とある裏サイトで手に入れた憑依薬。

これを使って、彼は
あることを楽しんでいたー。

そう、人の身体を自由に操ることができる、というのは
もちろん楽しいし、興奮する。
けれどー、彼はそれだけでは満足しなかった。

「やぁ…志津恵ちゃん」

昼休みも終わるころー
図書委員の仕事を終えて、図書室の戸締りをし、
教室に戻ろうとしていた志津恵に、
太郎は声をかけた。

「あ、、須藤くん。
 どうしたの…?忘れ物?」

志津恵も内心は、太郎と関わりたくなかったが
彼女は穏やかで優しい性格だから、
それを表に出すことはなかった。

「あぁ…忘れ物したよ」
太郎が笑うー

今日は4日目ー。

太郎は、頭も体も、1週間に1回しか洗わないー
つまり、とても”臭い”のだ。

「---どこにあるの~?」
志津恵が言う。

図書室の戸締りであまりもたもたしていると
5時間目の授業に遅れてしまう。

だから、手短に済ませたかった。

「--僕が忘れたのは、記憶だよ」
太郎が笑う。

「--き、記憶?」
志津恵が不思議そうに首をかしげると、
太郎は不気味に微笑んだ。

「そう、志津恵ちゃんの記憶さぁ~!」

そう言うと、太郎は、突然志津恵に近づいて、
志津恵にキスをした

「ぶちゅううううう!」
太郎が、志津恵に力強く抱き着いて、
驚く志津恵を逃がさないように、わしづかみ状態になっている。

「--あ……や、、やめて!」
志津恵は太郎を振り払う。

太郎は振り払われて机に激突したー。

しかし、太郎はゾンビのような笑みを浮かべると、
再び志津恵に抱き着いた。

悲鳴を上げる志津恵。

志津恵は仰向けに倒されて、
足をじたばたさせる。

図書室には、もう志津恵と太郎しかいないー
授業が始まる直前の時間帯ー

誰も、図書室に来るはずはなかった。
「怖がらなくてもいいじゃん~!
 志津恵ちゃん!」

太郎が志津恵を抑えながら笑う。
志津恵は目から涙を流している。

「志津恵ちゃんの記憶も、恐怖も
 ぜ~んぶ、この僕が食べてあげるからさ!
 志津恵ちゃんはな~にも気にする必要なんてないんだぁ~
 うへへへへ~!」

「や…め…てぇ!」
志津恵が、足で太郎の急所を蹴り飛ばした。

「ぐおあああっ!」
太郎は思わず跳ね上がった。

あまりの痛みに、
そのまま昇天してしまいそうな思いを抱きながらも、
太郎は叫んだ。

「この…クソアマがぁ!」
豹変した太郎が、志津恵の顔面にビンタを喰らわせた。

志津恵の眼鏡が吹き飛ぶー。

「ひっ…」

「いいから、お前の全てを僕にくれよ…
 うへへへへへへっははははははは」

太郎は、志津恵を押さえつけて、キスをした。
足をじたばたさせる志津恵。

やがて、志津恵も太郎も動かなくなった。

5時間目の授業の開始を知らせるチャイムがなる。

ドサッ

「どけよ」

そう言ったのは、志津恵だった。
上に覆いかぶさっている自分の身体を邪魔そうにどかすと、
志津恵は不気味な笑みを浮かべるー

「くくく…志津恵ちゃん、げ~っと!」
じゅるる、と舌を舐めまわす志津恵。

目にはまだ、涙が浮かんでいる。

「---んふ~~~~~♡」
笑いながら志津恵は胸を両手で
わしづかみにし、揉み始めた。

一人、誰もいない図書室で、胸を揉みながら
顔を赤らめる志津恵。

彼女は、胸を揉みながら微笑んだ。

「さ~わたしの記憶、たーべちゃおっと!」

脳から、志津恵の記憶を引き出そうとするー

志津恵という女子高生のこれまでの記憶が、
一瞬にして全て流れ込んでくるー

志津恵の17年間ー。

「うへへへへへへっ!ふふふふふふふふふふ!」
志津恵は嬉しそうに足をバタバタさせなたら
喜んでいる。

物心ついたときのことー
幼稚園のころのことー
小学校ー
中学校ー

「ふふふふふ~!志津恵ちゃんの、いいや、わたしの人生~えへへへへぇ♡」
志津恵が舌をペロペロさせながら
喜んでいる。

まるで、狂っているかのように…。

はじめてエッチしたときの記憶が流れ込んでくる。

「~~あ~あ~あ、アイドルでエッチしたんだわたし~
 えへへへへ♡」

志津恵の17年間を、
わずか数分で自分のものにしていく太郎。

この快感、何度繰り返してもたまらない。

この瞬間、太郎は、記憶の上では
太郎と志津恵、ふたつの人生を経験してきたことになるー

身体をこのまま手に入れれば、そのまま志津恵として
生きることも可能だ。

「ふ~ん、わたしは処女なんだね~えへへ~」
志津恵は顔を赤らめながら胸を触る。

「こんな新品の生ものが僕のものになるなんて…

 ふぅ~♪」

嬉しそうにポーズを決めると、志津恵は
さらんひ自分の細かい記憶をも引き出していく。

もう授業が始まっているというのに、
志津恵はそんなこともおかまいなしで、
自分の記憶を味わっている

”須藤くんは気持ち悪い”

自分に対する印象も読み取れたー
やはり、誰にでも優しい雰囲気の志津恵でも
自分のことを気持ち悪いと思っていた。

これまでに憑依した4人ー
逸子、良菜、美佐子、彩恵理のときもそうだった。

やはりみんな、”太郎は気持ち悪い”
そう思っていた。

そしてー
志津恵の記憶を全て読み終えると、
志津恵は舌で唇を舐めて微笑んだ。

「ふぅ~♡ ごちそうさまぁ~」
いやらしく舌で唇を舐めまわすと、
志津恵は、図書室の机の上に飛び乗って、
両手を広げて叫んだ。

「さぁ、今からニュー志津恵ちゃんの誕生だよ!」

誰もいない図書室で叫ぶ志津恵。

「---くひっ♡ あっ♡ あへへ♡」

突然、ニヤニヤしながら
ビクン、ビクンと痙攣し始めた志津恵。

「わ、、わたしは♡ ふふふっ♡ ふふふ♡」

「は…♡ はひっ♡ いぁ♡ うっ♡ あぁぁ♡」

志津恵が嬉しそうに時々声をあげながら、
身体を痙攣させているー

志津恵は今ー
”記憶を改ざん”されていたー。

太郎は、
憑依で相手の身体を乗っ取った後、
相手の記憶を全て読み取り、
読み取った記憶を改ざんし、刻みつけるのだ。

”偽りの記憶”
を強く念じていくー

どんな風に記憶を改ざんするかは、
その時の太郎の気分によって違うー

最初に憑依した逸子は
”太郎くんには絶対服従”だと刻み付けてある。
明るく元気な逸子だが、裏では寂しがり屋だと言うことを知った太郎は、
太郎を逸子の心のあり処にしてやったのだった。
今では、裏で毎週のように、おたのしみをしているー

2番目に憑依した良菜は、
プライドの高いお嬢様だったー
今では、太郎の奴隷だー。
普段は普通にしているが、太郎が命じれば
すぐに奴隷になるー。

3番目に憑依した美佐子は、不良生徒に変えてやったー
4番目に憑依した彩恵理は、何事にも無気力な生徒に変えてやった。

「今回は~」
志津恵が微笑む。

そうだ…
太郎は思った。

大人しく清楚な子がー
それを失ったらー?

ある意味、それは美しいかもしれない、と。

「-わたしはおとこ」

「わたしはおとこ」

「わたしはおとこ」

何度も、何度も、そう呟いて、
志津恵の記憶を改ざんしていく。

憑依されている間、
脳は、通常ではありえない状態になっており、
強く念じたことが、強く刻まれることに
太郎は気付いた。

そうー
今、志津恵にしているように。

「わたしは、おとこ」

「わたしは、おとこ♡」

ピクピクと痙攣しながら
志津恵が微笑んでいる。

そしてー

「わた…おれは、、おとこ…」

「おれは…おとこだぜ…」

「ぐへへ…」

太郎は”改ざん”が終わったことを確信すると、
そのまま志津恵の身体から抜け出した。

「さってと、遅刻遅刻~」
目覚めた太郎はぐふぐふ言いながら
5時間目が既に始まっていることを思い出して、
教室へと戻るのだったー。

「おい!須藤!遅刻だぞ!」
5時間目の社会科の授業に遅れてやってきた太郎は
先生から怒られる。

適当に謝り、座席についた太郎。

さぁ、生まれ変わった
ニュー志津恵はどんな風に教室に入ってくるか。

太郎はニヤニヤしながら教室の入り口を見つめる。

そしてー
志津恵がやってきた。

「~~ふぁ~あ」
志津恵があくびをしながら教室に入ってくる。

先生が
「どうした?大丈夫か?」と心配そうに言う。

太郎が入って来た時の反応とは大違いなことに
太郎は腹を立てた。

しかしー

「~~あ?大丈夫だよ」
志津恵はそれだけ言うと、手で自分を仰ぎながら面倒くさそうに
がに股で教室を歩き、座席に座る。

制服の第2ボタンまで開いていて、胸がチラチラと見える。

「ど、、どうしたの?」
他の女子生徒が志津恵に心配そうに聞く中、
太郎は微笑んだー

「ぐふふふふふ…
 これで僕は太郎でありながら
 志津恵ちゃんの記憶も手に入れた」

これで、5人目ー
太郎は、自分の記憶と、
5人の女子の17年間を味わい、その脳に刻んでいる。

「--くへへへへへ~」
太郎は笑う。

次だー

6人目のターゲットは誰にしようかな~と
考えながら、足を立てて、スカートの中身が丸見えになっている
志津恵を見つめる。

ドクンーーー
太郎の脳に、一瞬”ゆらぎ”が生まれたー

「---♪~~」
太郎はニヤニヤしながら次のターゲットを探したー

しかしー
太郎は気づいていなかったー

”自分の脳”が限界に近づいていることにー

自分を含めて6人分の記憶を持つ太郎ー
”脳の容量”が限界を迎えようとしていたことにー
太郎は気づいていなかった

「~~ふっふふ~!明日は樹奈ちゃんに憑依しようかな~
 くふふふふふふふ~」

太郎は知らないー

明日の自分に待ち受ける運命をー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

ツイッター経由で受けたリクエストを元にした作品でした~!
いかがでしたか?

その方のアカウントは既に消えてしまっているのですが、
お約束したので、書きました☆
その方に届いていればいいな~と思います!
ありがとうございました!

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コメント

  1. 飛龍 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    太郎は破滅しそうですが、記憶を改竄された娘たちはずっとそのままなんでしょうねぇ。
    自分が男だと記憶を改竄された志津恵のこれからが気になりますねぇ♪
    面白かったです!

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 太郎は破滅しそうですが、記憶を改竄された娘たちはずっとそのままなんでしょうねぇ。
    > 自分が男だと記憶を改竄された志津恵のこれからが気になりますねぇ♪
    > 面白かったです!

    コメントありがとうございます~!
    太郎くんは自滅します(笑
    でも、他の子は飛龍様の予想通りそのままデス笑