<皮>俺以外 みんな皮になった③~孤独の果て~(完)

②にもどる!

自分以外の全員が、突如として皮になってしまったー。

そんな世界で、欲望の限りを尽くしていた彼。

彼の欲望は留まるところを知らなかったもののー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーチッー…くそっ」
汚れたセーラー服姿の女子高生の皮を着て、
街を徘徊していた敬也は、不満そうな表情を浮かべていたー。

「ーー夜はまともに動けねぇな」
可愛らしい声でそう呟くと、
真っ暗な繁華街で座り込んで、一人、
胸を揉んだり、スカートの中に手を突っ込んだりしながら
お楽しみの時間を堪能し始めるー。

がー、彼女の周りは真っ暗ー。

少し前までは、このあたりの地域も電気が通っていたものの、
数日前に停電してしまい、それ以降はずっと真っ暗だー。

敬也以外の人間が全員、皮になってしまった世界ー。

最初は、それまで通常通り動いていたライフラインが維持されていたものの、
不具合が起きたり、人の手が必要な作業が滞ったりすることで
あちらこちらで異変が発生していたー。

各地で停電が発生し始めて
”復旧させる人間”がいないために、一度停電したら最後ー、
どんどん各地で停電が発生していったー。

水道やガスもそうー。
断水が発生したり、一部箇所では水道管の破裂も発生したー。
ただ、敬也以外の人間がいないため、
一度異常が起きた場所は修復されないー。

「ーーへへっ♡真っ暗でも揉むと気持ちいいよな」
暗くて顔は見えないものの、
可愛らしい声でそう言葉を口にすると、
敬也は、セーラー服の上から揉む胸の感触に酔いしれるのだったー…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーチッー」

数日後ー。

40代ぐらいの美人女性の皮を着た状態で
スーパーを徘徊していた敬也ー。

最初は若い子ばかり皮にしていたものの、
時間が経過するにつれて
より”色々な身体を楽しんでみよう”という気持ちも強くなってきて、
今日は40代の女性の皮を身に着けていたー。

がー…
今日も昼食を調達しようとスーパーに入った敬也は
思わず舌打ちをしたー。

”腐った食べ物のニオイ”がするー。

肉も、野菜も、総菜もー、
全人類が皮になってから1か月以上経過し、
さらには停電した状態かつ、何のメンテナンスもされない状態のまま、
生ものが放置されていたため、
店内は異臭を放つようになっていたー。

「くそっー、食えるもんが限られて来たな」
不満そうにそう呟きながら、
缶詰を物色し始めるー。

そして、カップ麺売り場を確認するも、
既に、ガスが止まったり、水が止まったりしている地域が多いために
場合によっては食べられないことも多いー。

そのため、カップ麺は無視して、缶詰を中心に回収、
さらにはお菓子や、長持ちする食品を中心に回収するー。

「うえっ…」
ふと、店内に虫がいるのを確認すると、
敬也は40代のおばさんの身体のまま表情を歪めるー。

どうやら”人間以外”は大丈夫だったようでー、
最終的には、他の動物を喰らうサバイバル生活を送ることになるかもしれない、と、
そんなことを思いながら、スーパーの外に出るー。

そして、「今日はどこで喰うかなー」と、そう言葉を口にすると、
ふらふらとやってきた、駅ビルのエスカレーターの上の部分に座り、
そこで昼食を食べ始めるー。

胸を揉みながら昼食を食べていたものの、
流石に”欲望を楽しむこと”に飽きてきたのか、
あるいは、欲望を楽しむ以上に、今のこの状況が
敬也にとって負担になっているのか、
無表情でその胸を揉んでいたー。

「チッー」
缶詰を不満そうに放り投げると、
「ーーずっとこのままだと、だるいなー」と、
そう言葉を口にする。

昼食を食べ終えると、止まっているエスカレーターを移動し、
その下の階に転がっていた店員らしき女性の皮を拾い、
その身体を乗っ取るー。

着ていた40代女性の皮はその場で引き千切って、
そのまま駅ビルの外へと歩いていくー。

「ーーくそっ!また夜になりやがるー」
お姉さん風な女性店員の身体でそう言葉を口にすると、
敬也は家電量販店に侵入して、使えそうなライト類を
集めると、そのライトを一か所に集めて、
その光で夜を過ごすー。

別に、敬也は”怖がり”というわけではなかったものの、
人間はそもそも”闇に生きる種族”ではない。
ずっと、真っ暗な空間にいると頭がおかしくなりそうになるし、
精神的に異常をきたしそうになる。

日に日に、敬也は”夜”が恐ろしくなり始めていたー。

家電量販店の店内の乾電池で動くライト類をありったけ集めて
明るい場所で過ごす敬也ー。

少し気持ちが落ち着くと、駅ビルの女性店員の身体で
気持ち良さそうな声を上げながら欲望を堪能し始めるー。

さらに、家電量販店で転がっていた皮を掴むと、
そのままその身体に着替えて、
今度は一人暮らしの女子大生の身体で存分に楽しむー。

時間ごとに、違う女の気持ち良さそうな声が
響き渡る家電量販店ー。

しかし、その声を聞く人間は、敬也以外にはいないー。
もう、世界には敬也しかいないのだからー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーくそっー……」
ツインテールの少女の”皮”を着た状態で、
小柄な身体を活かし、狭い道に身を隠すと、
その可愛らしい顔を歪めながら、
敬也は”先”を見つめたー。

そこにはーー、ライオンがゆっくり、ゆっくりと
歩いている姿が見えたー。

「く、く、くそっー」
ガクガクと身体を震わせながら、
小柄な体を震わせるー。

数日前から、状況はさらに悪化したー。
人間がいなくなったからだろうかー。
どこぞの動物園から、動物が逃げ出してしまったようだー。

そのせいで、このあたりの地域にライオンやらトラ、象…
そういった人間ではとても太刀打ちできない生き物が
周囲を徘徊するようになってしまったー。

そんな状況を前に、敬也は歯ぎしりをすると、
「早く、このあたりから離れないとー」と、
そう呟きながら、
小柄な症状の身体を使って上手く身を隠しつつ、
進んでいくー。

何とか、ライオンを回避すると、
敬也はそのままその場所から走り去っていくー。

「ーあぁ、くそっ…この子の身体じゃ走りにくいなー」
敬也はそう呟くと、ツインテールの少女の身体を引き千切るようにして
脱ぎ捨てて、近くに転がっていたジャージ姿の女子高生らしき子の皮を拾い、
それを身に着けるー。

「ーーへへーこの子の方が走りやすいぜー」
ニヤニヤしながらそう言葉を口にすると、
「へへー走ると揺れて最高だぜ」と、
揺れる胸を見つめながらニヤニヤと下品な笑みを浮かべるー。

”欲望”を集中して楽しむことができない状況も
日に日に多くなりつつあったものの、
それでも敬也は、まだ、欲望を楽しむことを忘れてはいなかったー。

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「ーーーーーーーーーーーー」

世界中の人間が”皮”になってから、
既に半年以上が経過したー。

敬也が歩く場所はどこも荒れ放題で、
そこら中に異臭が漂っている状態ー。

電気も、水道も、ガスも失われたー。

「ーーく…くそっー」
敬也は乗っ取った女子大生の身体で汗だくになりながら、
ふらふらとその場を歩くー。

今は真夏ー。
しかし、敬也以外の人間がいなくなってしまったために、
既に電気が通っている地域もなくなってしまい、
全世界が停電状態ー。

エアコンも、扇風機も使うことが出来ず、
厳しい暑さに、敬也は連日晒されていたー。

当然、アイスもとっくに溶けてしまっているしー、
ペットボトルの飲み物や缶ジュースはいくらでもあるものの、
既に完全にぬるくなってしまっていて、
喉を潤す力としては心もとないー。

「ーーはぁー……くそっー」
女子大生の身体で胸を揉んだりしてみたものの、
イマイチ、そういった欲望にも集中できなくなくなってしまい、
敬也は苛立ちを覚え始めるー。

「暑いんだよークソが…」
女子大生の身体で汗をぬぐいながら、
エアコンが効いている部屋のような快適な空間もなく、
どうすることもできない状況が続くー

できることと言えば、日陰に移動することー、
可能な限り涼しい屋内に移動することー、
それに、うちわなどを使うことぐらい。

各地で停電が起きて、電気が通っていない状況では
氷を作ることも難しいー。

「ーーーー」
それでも、敬也は少しずつ少しずつ、北に向かって進んでいたー。

こうなってしまった以上、
少しでも涼しい気候の方向に向かうしかないー。

「ーーお、ちょうどいい女を発見ー」
そう言葉を口にすると、車の運転席で皮になっていた若い女の皮を着て、
さっきまで着ていた女子大生の皮を車の外へと放り投げるー。

「ーーここは俺だけの世界だー
 俺だけのー」
乗っ取った新しい身体でニヤリと笑みを浮かべると、
そのまま車を走らせ始めるー。

しかし、あらゆる場所で、世界中の人間が”皮”になってしまった瞬間、
交通事故が発生、さらには信号待ちなどで停車中だった車は
そのまま停車したままになってしまっており、
車もまともに走れる状況ではないー。

それにー

「ーつーか暑すぎだろー…」
車のエアコンはまだ使えるため、何とかそれを使うも、
既に、ずっと放置されていた車であるせいか、
上手く動作しない状態のものも多いー。

「ーーチッ」
怒りに任せてハンドルを叩くと、
敬也は、その女の皮を着たまま、
外へと飛び出すー。

「なんとかー…何とかしねぇと」

敬也は、欲望と絶望ー、その狭間の中でもがき苦しみ始めていたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それから、さらに時は流れたー。

敬也は、考えることに疲れてしまい、
見つけた女の皮を着こんで乗っ取っては、
その場で身体が壊れそうになるまで
欲望に溺れる日々を送っていたー

「ぇ…えへ♡」
力尽きた様子で笑う眼鏡の美少女ー
眼鏡もボロボロに割れた状態で、そのままうつ伏せに倒れ込むと、
その皮を脱ぎ捨てて
敬也が中から出て来るー。

結局、北に向かうのも途中で諦めて
最近の食事は缶詰が中心になったー。

既に、世界中の人間が”皮”になったタイミングで
スーパーなどに並べられていた食品は
腐ったり、劣化しているものが多いー。

途中から電気も消えてしまい、
その結果、冷凍食品なども全部だめになってしまったー。

カップラーメンもお湯の確保が難しく
簡単には作れないー。
そのため、缶詰が中心になっていたー。

「ーーーーへへへへ♡」
さっきとは別の女の身体で、乱れ切った状態のまま
よろよろと荒れ果てたスーパーにやってくると、
そのまま無我夢中で缶詰を食べ始めるー。

やがて、缶詰を食べ終えると、敬也は再び
欲望尽くしの生活を送っていくー。

世界中で、人間が自分一人になってしまったという
絶望から逃避するかのように、
ただひたすらに欲望に身を投じていくー。

そんな堕落と欲望の生活を続ける敬也。

けれども、世界中で皮になった人々が
元に戻ることはなく、
敬也はそのままの生活を続けることしかできなかったー。

そしてー…
それからさらに数か月が経過ー

不衛生な環境で生活していたせいか、
敬也は感染症に感染してしまって、高熱を出していたー。

「ーおい…」
朦朧とした意識のまま、病院にやってきた敬也。

しかし、当然、病院にも”ペラペラ”になった人々が
横たわっているだけで、
敬也のことを心配してくれる人も、
敬也のことを診察してくれる人も、
そこには誰もいない。

「ーーーおいっ…!誰か…!!!おいっ… おいっ!!!」
高熱で意識が朦朧としていたからだろうかー。

既に”自分以外の人間はいない”ということは
分かっているはずなのにー、
無意味に声を上げてしまうー。

そしてーー

「ーーーー!!」
よろよろとしながら、敬也は
視線の先に”人間”を見つけたー。

ナース服姿の女が、その場に立っていたー。

「ーーー!」
その女は、敬也のほうを振り返ると
少し驚いた様子を浮かべるー。

「ーーひ、人ー…」
敬也は目に涙を浮かべながら、
その女の方に近付いていくー。

ナース服の女はそんな敬也を見て微笑むと、
ゆっくりと敬也に近付いてきたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

病院の床に、敬也の亡骸が横たわっているー。

敬也が最後に遭遇したのは、
動物園から逃げ出したライオン。

しかし、高熱で意識が朦朧としていた敬也には
ライオンがナースに見えてしまっていたー。

そして、笑顔で近付き、喰われた。

世界で自分一人だけになって、
欲望の限りを尽くした彼は、欲望の果てに
その命を散らせてしまったのだった…。

おわり

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コメント

最終回でした~!★

最後まで元の世界には戻らず…★

原因が一体何だったのかは…謎のままデス!!!

お読み下さり、ありがとうございました~!★

「俺以外 みんな皮になった」目次

作品一覧

コメント

  1. 匿名 より:

    彼に冷静に落ち着いたら別の道が出来ると思うな、サバイバル本を読んだりでサバイバル術を身につけたら生き残れそうなのに、あとは皮も着たらその皮の能力や身体能力が使えそうな設定も欲しいなただし記憶は読めない設定で、楽しむ皮以外に使う皮なら黒のライダースーツのスタイル抜群巨乳美女の皮を着てバイクを乗ったりスナイパーライフル持ってたりや婦警なら拳銃持ったり、泳ぎなら競泳水着美女や走りならセパレートユニフォーム陸上美女とか、中学生ぐらいの少女の皮着て車乗る姿もいいです、そういったルートも見てみたかったですね。

    • 無名 より:

      感想ありがとうございます~~~!★

      別の道に進んだ場合、
      どうなっていたかも、確かに面白そうですネ~!!!