<入れ替わり>光と闇①~二組の入れ替わり~

ある学校で、
”二組の入れ替わり”が発生したー。

片方は、互いに協力し合い、
もう片方は、互いに好き放題ー。

そんな二組の入れ替わりの結末はー…?

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「ーーーここはー、うん、そう!それで大丈夫ー」
友達に勉強のことを何やら教えていた
星川 梓(ほしかわ あずさ)は、そう言葉を口にすると、
穏やかに微笑むー。

穏やかな性格のしっかり者である梓は、
何かと友達からも頼られる存在ー。

本人が控えめなタイプであることから、
クラスの中心的人物…という感じではないものの、
誰にでも優しく、慕われる存在だったー。

ただ、人が好過ぎるために、梓自身が損をするようなー、
そんなことも度々起きているのがたまにキズ…とも言える、そんな子だー。

「ーーま~た、人助け?梓ってば、ホントお人好しだよね」
そんな梓に声を掛けたのは、
生徒会副会長を務める小峰 雪菜(こみね ゆきな)ー。

おしゃれで、明るく、成績も優秀なお嬢様ー。
父親が起業してそれなりに成功していて、
家も”お金持ち”の子だー。

ただ、それを自慢するようなことはなく、
周囲とも上手くやっていて、友達も多い。

そんな雪菜は、誰にでも優しい梓とは出身校が一緒であるためか
高校生になっても、それなりに仲良しだった。

”お人好し”と言われた梓は少し苦笑いしながらも、
「困っている人がいる時は、お互い様だしー」と、
そう言葉を口にすると、
雪菜は「お互い様ってー…梓の場合、一方的に人助けしてるだけじゃない?損だよ」と、
笑いながら返すー。

そんな様子を見ていた大人しい性格の男子生徒・
中村 颯太(なかむら そうた)は、
うっかり、梓と視線が合ってしまいそうになり、目を逸らす。

颯太は、大人しい性格の男子生徒。
静かな環境が好きで、一人でいることも多いものの
喋れば普通に会話はするし、性格的には気配りもできて
難点があるわけではないために、いじめられたりはしていない。
友達は多くはないものの、マイペースで学校生活を送っている。

そんな颯太は、梓に密かに想いを寄せていたものの、
”僕なんかが、仲良くなれるわけないしなぁ…”と、
そんな風に思い、遠くから見つめているだけの日々を送っていた。
もちろん、ストーカーのようなことはしていない。

「ーーあ~、今日も数学があるぜー面倒くせぇな」
教室内にそんな声が響き渡るー。

その言葉に、周囲にいた友達も同じような言葉を口にする。

彼は、お調子者な性格で、
友達も多い男子生徒・松岡 栄吾(まつおか えいご)ー。
ただ、自分勝手な一面もあり、
そこは欠点…そんな男子生徒だ。

今日もー、そんな”いつもの”光景が
広がる教室内ー。

その日も、何事もなく1日が過ぎ去れば
明日以降も、いつもの光景が広がるはずだった。

がー、6時間目ー。
全校での避難訓練が行われ、
体育館に全校生徒が移動したその帰り、
階段が大混雑する中、
クラスメイトの一人、いつも騒がしい男子生徒の
北山 茂助(きたやま もすけ)が、
「ぐぐぐぐ…やべぇ!トイレ漏れる!」と、騒ぎ始めたー。

「おいおい!押すな!」
他の生徒を押しのけて階段を登ろうとし始めた茂助に対して
男子生徒の一人が不満そうに叫ぶー。

しかし、茂助もトイレが本当に限界だったのか、
「いやいやマジで漏れそうなんだ!」と、そう叫ぶと
さらに力強く他の生徒を押しのけ始めた。

その結果ー

「ーーー!!!」
一人の女子生徒がバランスを崩すー。

その近くにいた男子生徒もバランスを崩し、
階段でドミノ倒しのように複数の生徒が巻き込まれていく。

「ーえっ… あっ!?!?」
誰にでも優しい女子生徒・梓がそれに巻き込まれるー。

その近くに偶然いた大人しい男子生徒・颯太も
倒れ込んで来た梓に巻き込まれてしまうー。

さらに複数の生徒が巻き込まれる形で、
階段で複数の生徒が転がり落ちてしまったー。

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茂助が慌ててトイレに行こうとしたことで
起きてしまった階段でのドミノ倒しー。

巻き込まれてしまった生徒は約30名ー。

そのうちの大半は、怪我もなく無事で、
数名が軽傷であったものの、大きな問題はなかったー。

しかし…”4人”は、意識を失った状態で
保健室に運び込まれたー。

誰にでも優しい女子生徒の梓、
生徒会副会長の雪菜、
大人しい性格の男子生徒・颯太、
自分勝手なお調子者・栄吾。

その4人だー。

外傷は見当たらなかったためか、ひとまず保健室に運び込まれた4人ー。

しかし、外傷がないとは言え、4人が意識を失っているのを見て
保健室に運び込まれてすぐ、保健室の先生は救急車を呼ぼうとしていたものの、
そのタイミングで、”梓”が目を覚ましたー。

「あ…ほ、星川さんーよかったー」
保健室の先生・恵美(えみ)がそう言葉を口にすると、
目を覚ました梓は、きょとんとした表情を浮かべながら
「星川…さん?」と、そう言葉を口にしたー。

その反応を見て、恵美は不安そうな表情を浮かべながら
「星川さんー…大丈夫?ここがどこだか分かる?」と、
そう言葉を返すー。

階段から転落したことで、
記憶障害が発生してしまっている可能性も否定はできないー。

そんなことを思いつつ恵美が
梓の返事を待つー。

しかし、梓は「保健室…ですよねー?」と、そう言葉を返して来た。

ここが保健室だとは理解できているようだと
少しだけ安心する恵美ー。

「ーーあれ…なんか、声がー…」
ふと、梓はそんな言葉を口にした。

それと同時に、意識を失っていた4人の一人、
少し自分勝手な一面もあるお調子者・栄吾が目を覚まし、
声を上げたー

「ーえぇぇぇっ!?ちょっと!?何これ!?
 どうなってるの!?」
栄吾は、まるで女子のような仕草をしながら
そう叫ぶと、自分の身体を”信じられない”という様子で
ペタペタと触り始めるー。

その行動に、梓も、保健室の先生である恵美も
驚いた表情を浮かべていると、
「な、なんでわたしが男に!?!?」と、栄吾はそう叫んだー。

「ーーえ…そ、それはどういうー…ことー?
 あなた…松岡くんよね?」
保健室の先生・恵美がそう言葉を口にするも、
栄吾は「えぇ?!ち、違いますよ!わたしは小峰です!
生徒会副会長の小峰 雪菜!!」と、そう叫んだー

「こ、小峰さんー?」
すると、先に目を覚ましていた梓が声を上げる。

そして、意を決した様子で、
「ぼ、僕はー…中村ー…中村 颯太ですー」と、
保健室の先生のほうを見つめながら言ったー。

やがて、”颯太”と”雪菜”が目を覚ますー。

「え……わ、わたしが中村くんにー?」
颯太になった”梓”は、困惑した様子で自分の身体を
見つめながらそう言葉を口にすると、
「ーーお、お、おぉぉぉ!?なんだこれ!?」と、
雪菜になった”栄吾”が、雪菜の身体になっていることに驚くー。

4人とも、混乱する状況の中、
保健室の先生・恵美は戸惑いながら
「あなたたち4人の身体が入れ替わってしまったようねー…」と、
そう言葉を口にするのだったー。

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誰にでも優しい梓と、大人しい男子生徒・颯太ー、
そして生徒会副会長の雪菜と、お調子者で少し自分勝手な栄吾。

階段から転落したことで”2組”の入れ替わりが発生してしまったー。

保健室の先生・恵美は
ひとまず、4人が”入れ替わってしまった”こと以外は怪我がないことを確認、
担任の先生も呼び出して事情を伝えたー。

「ーーーご、ごめんーぼ、僕なんかがー、星川さんにー」
梓(颯太)が心底申し訳なさそうに言うと、
颯太(梓)は「ううんー大変なのはお互い様だし、気にしないで」と、
そう言葉を口にするー。

その上で、「元に戻れそうなこと、何個か試してみる?」と、
そんな提案をしたー。

一方、生徒会副会長の雪菜とお調子者で時々自分勝手な栄吾の二人も、
この先のことを話し合っていたー。

「それで、どうするのー?」
栄吾(雪菜)がそう声を掛けるー。

しかし、雪菜(栄吾)は、雪菜の胸を上から見下ろすような形で、
ニヤニヤと笑みを浮かべているー。

「ーちょっとー…聞いてる?」
栄吾(雪菜)が困惑した様子で言うと、雪菜(栄吾)は
「あっ、ははーへへー聞いてる聞いてるー」と、
少し気まずそうに視線を栄吾(雪菜)の方に向けるー。

「わたしの身体で変なことしないでよね?」
栄吾(雪菜)が少し不安そうな表情を浮かべながら
そう言い放つと、
雪菜(栄吾)はニヤニヤしながらも、
「しないしないー俺がそんな変なことしそうなやつに見えるか?」と、
そう言葉を口にするー。

すると、栄吾(雪菜)は「ーーまぁ…中村くんよりは信用ないよね」
と、苦笑いしながら、梓(颯太)のほうをチラッと見つめるー。

「ーチェッー。はいはい、どうせ俺は信用ないですよ」
雪菜(栄吾)は少し不貞腐れたような態度を見せるも、
すぐに「でもよー、俺だってほら、常識ぐらいはあるからさ」と、
”誓って変なことはしない”ことを約束して見せるー。

戸惑いながらも、話を続ける4人ー

すると、保健室の先生の恵美と、担任の先生は
それぞれの保護者にも連絡することを提案ー、
入れ替わりのことを”打ち明けた”上で生活していくことになったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーー~~~~~~…」
梓(颯太)は、梓の身体で帰宅したー

既に先生から説明を受けた母親は、
戸惑いながらも
「颯太がそんな可愛い子になっちゃうなんてねぇ」と、
苦笑いするー。

梓(颯太)は顔を赤らめながら
「ーか、か、揶揄わないでよー…
 す、すぐに元に戻ると思うしー」と、そう言葉を口にすると、
母親は「そういえば、お風呂とかどうするのー?」と、
不思議そうに聞いて来たー。

それを聞いた梓(颯太)は顔を真っ赤にしながら
「ど、どうしようー?」と、そう言葉を口にするー。

・・・・・・・・・

颯太(梓)が帰宅すると、
梓の弟・健人(けんと)が、
「うぉぉ!?ホントに姉さん、男になってる!?」
と、そう叫ぶー。

そんな反応を見て、颯太(梓)は少しだけ笑うと、
「今なら健人に腕相撲負けないかも!」と、
前向きな言葉を口にして笑うー。

「おぉぉぉ?やってみる?」
健人も乗り気な様子でそう言葉を口にすると、
颯太(梓)は”入れ替わった今だからこそ”の腕相撲に
挑み始めるー。

・・・・・・・・・・

栄吾(雪菜)が帰宅するー。

すると両親が
”全くー。こうなったのは学校側の責任だー”と、
不満そうに言葉を口にするー。

栄吾(雪菜)は
「学校にクレームとかつけないでよー?
 事故だったんだし、仕方ないんだから」
と、嫌そうにそう言葉を口にするー。

しかし、娘を溺愛する雪菜の父は
不満そうに「雪菜ーお前がずっとそんな姿のままじゃー」と、
そう言葉を口にするー。

がー、栄吾(雪菜)は
「元に戻れるから。余計なことはしないで」と、
釘を刺すようにしてそう言葉を口にすると、
そのまま部屋へと向かって行くー。

・・・・・・・・・・

雪菜になった栄吾は、帰宅すると
自分の部屋に入り込んで、
ひたすら雪菜の胸を揉み続けていたー

「えへへへへ♡ へへへへへっ♡
 小峰には悪いけど、たまんねぇぜ」

雪菜とは思えないような表情を浮かべながら
欲望の限りを尽くしていくー。

身体中がどんどん気持ちよくなっていて、
どこまで気持ちよくなるのかと、栄吾が驚いてしまうぐらいの
快感を雪菜の身体で楽しむー。

雪菜本人や、雪菜の両親が見たら発狂してしまうような光景が
広がる中、雪菜(栄吾)は「すっげぇ…」と、声を上げながら
服を雑に脱ぎ捨てて、お楽しみの続きを始めるのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

4人とも、”入れ替わった状態”で戸惑いながら
最初の一晩を過ごすー。

”寝て、起きたら元に戻っているかもしれない”
そんなことを期待する者もいる中ー、
4人は翌日の朝を迎えたものの、
翌日になっても”入れ替わったまま”の状態が続いていたー…。

②へ続く

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コメント

同時に二組の入れ替わりが発生するお話デス~!!

学校内や家族には入れ替わったことを伝えておくパターンは、
私が書く中では珍しいかもですネ~!!

続きはまた明日デス!!☆!!

「光と闇」目次

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入れ替わり<光と闇>

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