石塚家。
ごく普通の幸せそうな家族。
しかし、この家族は知らなかったー
”これから起きる事態”をー。
※作品の性質上「ジャンル」(憑依なのか入れ替わりなのかその他なのか)を
事前に明かせないタイプの作品デス
一体何が起きるのかを含め、お楽しみください~!
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世の中には、たくさんの”事件”が起きているー
どこにでもいるような、
ごく普通の家族に起きた”事件”になど、
誰も気づかないこともあるー。
あなたの周りにもー
”事件”に巻き込まれた”家族”がいるかもしれないー。
これはー
とある”家族”のごく普通の1日の物語ー
人はー
”その日起きること”を事前に知ることは出来ないー
普通に始まった1日が、
普通におわる保証なんて、どこにもないー
”人は、これから起きる出来事を知ることはできないー”
これから起きる出来事を、全く夢にも思っていなかった”家族”に
起きる出来事の、物語ー。
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4月14日ー。
ごく普通の1日が、今日も始まったー。
石塚(いしづか)家は、
ごく普通の4人家族。
父親の、石塚 久雄(いしづか ひさお)は、
大手企業勤務のサラリーマン。
出世を望まず、現場主義な性格で、
家族との時間も大切にしている。
母親の、石塚 江美子(いしづか えみこ)は
穏やかな性格の母親で、パートとして
スーパーで働いている。
長男・石塚 彰浩(いしづか あきひろ)は
高校2年生。成績優秀で真面目な性格であるものの、
真面目すぎて、融通が利かない1面を持つ。
長女・石塚 麻実(いしづか まみ)は、
高校1年生。お姉さんのような見た目なのに
中身はとても子供っぽいという”ギャップ”が凄い子で
友達からはよく”口を閉じていれば頼れるお姉さん”と
ネタにされているー。
そんな4人は、今日も、いつも通り起床して
それぞれ、準備を始めていたー。
彰浩と麻実の弁当を作り終えた江美子が、
二人に弁当を渡す。
「---あ~~!遅刻しちゃう~~~!」
妹の麻実がドタバタと走り回って
パンを口に咥えながら歯磨きをしようとして
「歯が磨けない~~~!」とわめいているー
「--ははは、麻実はいつも騒がしいな」
玄関先で、そんな麻実の様子を見ながら笑う
父親の久雄は「じゃあ、行ってくる」と、鞄を手に、
妻の江美子にそう伝えると、そのまま
玄関から外に出たー。
「--今日は会議だったな」
腕時計を見つめながら、会議の緊張感からか、汗をぬぐうと、
そのまま会社に向かって歩き出したー。
「--パンを咥えたまま歯を磨こうとするなんてー」
呆れ顔で眼鏡をいじる長男の彰浩ー。
街を一緒に歩いていると
初対面の人間は、10人中9割が、
兄である彰浩を弟だと思い、
妹である麻実を姉だと思うー。
それほどまでに、麻実は”お姉さんオーラ”を漂わせている外見なのだー
だがー
中身がとても、子供っぽいー
「ああああああ~~~~~~!」
何やらまたトラブルを起こして騒いでいる麻実を見て、
兄の彰浩は「やれやれ」と呟きながら、
「母さん」と、母親の江美子の方に向かうー。
「--今日は部活はないから、帰りはいつもより少し早いから」
彰浩がそう伝えると
江美子は「わかった。がんばって」と、彰浩に対して、言葉をかけたー。
彰浩が「うん。じゃ」と言うと、眼鏡をいじりながら
「麻実~!遅刻するぞ」と、麻実がドタバタやっている
洗面所の方を見つめながら、そのまま玄関の外に出たー
麻実は「あっ!あっ!あっ!」と、一人奇妙な動きをしながら
なんとか準備を整えると、
綺麗な黒髪をふわふわさせながら、
そのまま学校に向かって走り出したー
「----へへ」
石塚家から飛び出した麻実の姿を見つめる怪しげな男がいたー。
少し離れたアパートで独り暮らしをしている男・大友 次郎(おおとも じろう)-。
次郎は、麻実を偶然近所で見かけているうちに、
次第に麻実を性的な目で見るようになり、
やがてー”まみまみしたい”という
欲望に支配されたー
そしてーー
「--へへへへへへ」
緑色の液体を手に微笑む次郎ー。
次郎は今日、下校後の麻実に告白するつもりだったー。
告白を受け入れてもらえればそれで良しー、
だが、もしも断られた場合はー
「--まみまみまみ…」
不気味な笑みを浮かべながら次郎はほほ笑んだー。
”誰にもバレずに麻実を手に入れるー”
次郎の歪んだ笑みに、石塚家の住人は、まだだれ一人として
気づいていなかったー。
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「---そろそろ、わたしもいかなくちゃー」
AM11:00-
お昼からスーパーのパートが入っている母親の江美子は
時計を見ながらそう呟いたー
♪~~
ちょうど電話がかかってきて、江美子が電話に出るー。
江美子は少し表情を歪めたものの、
すぐに淡々と何かを話し始めて
その電話を終えるー
「さ、今日も頑張ろ」
江美子が、家から外に出るー。
”留守かー”
次郎は笑みを浮かべたー。
下校後の麻実に告白するー
その目的を果たすためー
「じゃ~ん」
次郎は一人、”合鍵”を手に、笑みを浮かべるー
”薬”を手に入れた”裏ルート”を駆使して、
石塚家の合鍵を勝手に作ったのだー
「--おじゃましまぁす」
次郎はそう呟くと、石塚家の部屋に侵入してー、
そのまま、2階へと上がったー。
「---へへへ」
次郎は「まみ♡」と書かれた部屋の前にたどり着くー
ここで待ち伏せをしてー
麻実が帰宅したらー
麻実に告白するー
大胆な、告白だー。
「-行動しないと、彼女はできないって、
恋愛の達人が言ってたからな」
次郎はそう呟くと、麻実の部屋のものの匂いを
勝手に嗅ぎながら、麻実の帰宅を待ったー
告白を受けて貰えれば、
晴れて次郎は、麻実の彼氏になることが出来るー
だがー
告白を断られた場合はーー
”俺が麻実になる”ー
次郎は邪悪な笑みを浮かべー
堂々と不法侵入した麻実の部屋の中で、
麻実の枕をペロリと舐めたー
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12:00-
父・久雄は、会社での会議を終えて、
昼食を食べていたー。
「--石塚」
久雄の元に、中年の男がやってくるー
「--あぁ、世良田(せらた)部長」
昼食を食べる手を止めて、上司の世良田部長の方を見ると、
世良田部長が、次の会議の日程や、
現在、久雄が任せられているプロジェクトの状況などを
確認してきたー
無難に返事をする久雄ー
「--そうだ、例の話ー」
世良田部長が振り返る。
久雄が「例の話?」と首を傾げるー
「--”君の栄転の件だよ”」
世良田部長が言うと、
久雄は「あぁ、その話ですかー」と、笑みを浮かべたー
久雄は、家族を大事にしたい、という思いから、
これまで頑なに、”単身赴任を伴うような出世話”を
断り続けてきていたー
しかし、今回、久雄は世良田部長の持ってきた
単身赴任を伴う栄転の話をある程度前向きに考えていたー
子供たちが大きくなったこともあるしー
かなり魅力的な条件もついていたー。
世良田部長は、それ故に、久雄が前向きに考えてくれていることに
嬉しく思いながら
「返事が、来週に迫っているから、よろしくな」と、
久雄の肩を叩いたー。
久雄が今回、単身赴任を伴う栄転に前向きなのには
ある”理由”もあるー
”1週間後”-
久雄は、そう考えながら、返事をどうするか、”相談”してみようと、
中断した昼食を再び食べ始めたー
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14:00-
長男・彰浩は
すらすらと数学の問題を解いて見せたー。
「くっそ~~」
そんな彰浩を見て、隣の席の女子が呟くー。
”僕にとってはこのくらい余裕さ”と言わんばかりの彰浩の態度に、
「-絶対、今年はお前を超えてやる!」と叫ぶ隣の席の女子・琴子(ことこ)-。
琴子は去年から同じクラスで、成績優秀なライバル的存在ー。
何かにつけて、彰浩に絡んでくるー。
「---お前より、絶対俺の方が天才だから!」
琴子の言葉にー
彰浩は、涼しい顔をしながらー
”それにしてもーー
妹といい、琴子といい、変わった女子が僕のまわりには多いな”
と、内心で考えたー
琴子はアイドルみたいな見た目なのだが、
中身が完全に男で、一人称も”俺”なのだー
彰浩はー
”前世が男だったのかもしれないな”と
苦笑いしながら、わめく琴子の方を、横目で見つめたー
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16:00-
麻実が高校での授業を終えて、
友達と雑談をしているー。
自分が狙われていることも知らずー
麻実は友達と、昨日新発売されたスイーツの話やら
動画の話やら、
色々な話をしながら、楽しそうに微笑むー。
「--色々な情報、ありがと!」
麻実が嬉しそうに友達に言うと、
そのまま学校の校舎から出るー。
スマホで時刻を確認する麻実ー。
「ーーまだ時間も早いし、少し寄り道して帰ろうかな」
麻実は、「というか、今日、あっつ!」と、苦笑いしながら、
そのまま近くのデパートへと向かったー。
まだ晩御飯まで時間はあるし、
少しぐらい寄り道をしても怒られないだろうー、
と思いながらー。
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17:00-
「あ、まだ誰もいないー」
母親の江美子がいち早く帰宅するー
パート先のスーパーで購入した晩御飯の食材を
テーブルに置き、
部屋の照明をつけてー
部屋のエアコンと扇風機をつけるー。
給湯器の電源を入れて、お湯を出し、
晩御飯の食材の準備を始めるー。
そんな、いつもの光景ー
”-----!!!”
長女・麻実の部屋で麻実に告白ー
告白に失敗したら麻実に憑依しようと目論んでいる男・次郎は、
舌打ちしたー
”麻実ちゃん、遅いな…”
とー。
万一、麻実に振られたら、麻実に憑依して
自分が麻実になって、まみまみするつもりだー。
しかしー
万が一、万が一、麻実が帰宅する前に、
母親や父親、兄がこの部屋を覗いたりしたらーー
「---その時はーー」
次郎は表情を歪めながら笑うー。
「その時は、そいつに憑依するしかねぇー」
できれば、父親には憑依したくないが、
麻実の兄に憑依すれば、兄として妹の麻実を
たっぷり可愛がることが出来るし、
母親に憑依した場合も、まぁ、ボディを楽しむことも出来るー
”早く帰ってこい…麻実ちゃん!”
次郎は邪悪な笑みを浮かべながら、そう囁いたー。
その10分後ー
長男の彰浩が帰宅したー。
「結局、部活の話し合いが少しできちゃって、遅くなっちゃったよ」
彰浩が眼鏡をいじりながら言うと、
母親の江美子が「おかえりなさい~」と、
晩御飯の支度をしながら笑ったー。
彰浩は、少しだけ母親と雑談をすると
そのまま自分の部屋に向って行くー。
彰浩の部屋は、妹・麻実のとなりの部屋だー。
「---」
彰浩は、なんとなく妹・麻実の部屋から”気配”を
感じたような気がしたがー
特にそれ以上気にすることはなく、
自分の部屋へと入っていったー。
”セーフ…”
不法侵入して、麻実を待ち伏せしている男・次郎は
ほッとため息をついたー
普通に始まった1日が、
普通におわる保証なんて、どこにもないー
人は、これから起きる出来事を知ることなど、出来ないのだからー。
②へ続く
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コメント
一体何が起きるのでしょうか~?
続きはまた明日デス~!
あ、もちろんTSFに関係することが起きますよ~☆
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