結婚式前日ー。
結婚に反対し続けている兄と入れ替わってしまった妹ー。
そんな状況のまま当日を迎えてしまい、
更なる混乱が幕を開けることに…。
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「な…なんだこれー…
お、俺が…ふ、双葉にー!?」
ウェディングドレス姿の双葉が狼狽えながら
そう言葉を口にするー
双葉の結婚相手である秀幸が、
双葉と入れ替わってしまったのだー。
ウェディングドレスを身に着けている大好きな相手に
自分がなってしまったことに戸惑いとドキドキを感じながら
”自分”のほうー、”秀幸”のほうを見ると、
秀幸になった双葉の兄・東吾は声を上げたー
「ーーな……
ま、まさか”俺”が、コイツにー」
秀幸(東吾)が戸惑うー。
既に一度入れ替わって、中身が”兄”になっていた
双葉(東吾)と、双葉の結婚相手・秀幸が入れ替わったー。
そのため、今の秀幸の中身は双葉ではなく、東吾ー。
うっかり、秀幸の身体になって驚いていたせいか
”俺”と、言ってしまったことで、
双葉(秀幸)は「お、お前は誰だー…!?」と、
そう呟くー
「ーー!」
秀幸(東吾)はハッとすると、
「ーえ、えとー、わ、わたしが、め、めのまえにー!?」と、
慌てて棒読み気味で入れ替わりに驚いてみせるー。
そうこうしているうちに、会場内の
お互いの親族や友人たちー、
結婚式に出席していた面々が騒ぎ出すー。
「ーー秀幸くん!いったいどういうことなんだー!」
双葉の親族の一人が、双葉の結婚相手である”秀幸”に
詰め寄り始めるー。
先程、”入れ替わる前”の東吾自身が、
双葉の身体で、”わたしのお兄ちゃんを悪く言うんです”と、
そう言ったせいだー。
双葉の身体で言った自分の発言が、自分に跳ね返ってきて
秀幸(東吾)は狼狽えるー。
”秀幸が婚約破棄の原因”になったのだとして、
双葉の親族らが、秀幸(東吾)に詰め寄るー。
「ーち、ち、ち、違うんだー父さんーこれはー」
”中身は東吾”ー
双葉の親族ということは、双葉の兄である東吾にとっては
自分の親族だー。
が、今は秀幸の身体ー。
双葉の父からすれば、双葉から婚約破棄されたのに、
馴れ馴れしく”父さん”と呼んできている謎の状態ー。
「ーー父さん?何を言っているんだ君はー!
双葉と何があったのか説明して貰おうか」
双葉の父親の言葉に、秀幸(東吾)は
「ーと、とーいや、え、えっとー」と、
明らかに動揺した様子を見せながら後ずさっていくー。
そんな様子を横目で見つめながら、
改めて
”俺が双葉になっているのに、俺は双葉じゃないー?”と、
”秀幸の身体を動かしている誰か”に違和感を抱いた
双葉(秀幸)は、ウェディングドレス姿のまま、
秀幸(東吾)の腕を引っ張って、そのまま会場の外に連れ出すー。
「あ!双葉!」
「ーちょっと待ってくれ!」
結婚式に出席していた人々は、
もはや何が起きているのか分からない、と言いたげな表情で声を上げるー。
がー、そんな人々を無視して、双葉(秀幸)は、
秀幸(東吾)を式場の外まで連れ出すと、
言葉を口にしたー
「これは、いったいどういうことなんだー?
お前は誰だー!?」
とー。
双葉の身体ではぁはぁと息を切らしながら、
秀幸(東吾)を睨みつけるー。
が、秀幸(東吾)は口を閉ざしたまま、
自分が”誰”なのかを答えようとしないー。
「ーー俺が双葉になってるってことはー、
ー双葉が、俺になってるー…って最初は思ったけどー
お前はー…双葉じゃない!
いったい、誰だー!?」
双葉(秀幸)自身も、訳が分からない状況のまま
そう叫ぶと、
秀幸(東吾)は「わ、わ、わたしはー、ふ、双葉だよー」と、
必死にそう誤魔化そうとしたー。
「ーーー…じゃあ、俺のこと嫌いになったんだとしても、
ーー最初にデートした場所、覚えてるよなー?
遊園地と水族館、どっちだー?」
双葉(秀幸)がそう言い放つと、
秀幸(東吾)は険しい表情を浮かべるー。
”ーどっちだー?いや、迷ってたら怪しまれるー”
秀幸(東吾)は、険しい表情を浮かべながらも、
すぐに”いやー、双葉のことはお前なんかよりも俺の方がよく分かってるー”と、
そんな言葉を口にするー。
双葉は、生き物は嫌い…というわけではないものの、
小さい頃、犬に噛まれそうになって大泣きした経験があって、
動物は苦手な部類だー。
その双葉が動物園や水族館に行くとは思えないー。
「ーふふー分かってるに決まってるでしょー
初デートは遊園地ー」
秀幸(東吾)が、得意気な表情を浮かべながら
そんな言葉を口にすると、
双葉は(秀幸)は大きくため息をついたー。
「ーーやはりお前は双葉じゃないなー」
とー
「ー!」
秀幸(東吾)が表情を歪めるー。
”入れ替わった相手”が双葉のはずなのに、
中身が双葉じゃないとすれば、
双葉は元から”誰か”と入れ替わっていたことになるー。
そうなれば、昨日の途中から
何だか様子がおかしい理由や、
結婚式で急に別れを告げて来たことにも納得できるー。
双葉(秀幸)は、険しい表情を浮かべながら、
秀幸(東吾)のほうを見つめると、ハッキリとした口調で
言葉を口にしたー。
「ーーー双葉の”中”にいたお前は誰なんだー?」
とー
「ーーな、な、な、何を言ってるのー
わ、わたしはーー」
秀幸(東吾)は、なおも双葉のフリをしてやり過ごそうとするー。
まさか、妹の双葉と入れ替わっている状態で、
”また”入れ替わってしまうとは思わなかったー。
こんなことになってしまうなんて、
あまりにも大きな誤算だー。
そう思っていると、
双葉(秀幸)はうんざりとした様子で言ったー。
「ー俺と双葉の最初のデート先は映画館だー」
とー。
「ーーはぁっ!?!?
おまえ!さっき、遊園地と水族館ってー!」
先程”質問”された際の選択肢に映画館がなかったことを
不満そうに指摘する秀幸(東吾)ー
が、双葉(秀幸)は、
「お前が双葉なら”映画館でしょ”って答えることができたはずだー」
と、そう言い放つー。
「ーーぐぐぐぐぐぐぐー」
秀幸(東吾)は、悔しそうに表情を歪めると、
ようやく観念したのか、
「双葉をお前になどやるものかー」と、そう言葉を吐き出したー。
「ー!」
その言葉に、双葉(秀幸)は、相手の正体をすぐに悟るー。
そう、自分と双葉の結婚を反対し続けて来た
双葉の兄・東吾だー。
「ーーーーお兄さんでしたかー」
ため息を吐き出しながら、一応、結婚する相手の兄ということで、
話し方を変える双葉(秀幸)ー。
秀幸(東吾)は「俺はお前と双葉の結婚なんて、
絶対認めないからなー」と、そう言葉を口にするー。
「ーーー」
双葉(秀幸)は、少しだけ溜息を吐き出すと、
「ーそれは、双葉のことを大切に思ってのことですよねー?」と、
そう言葉を口にするー。
「ー決まってるだろー
俺は誰よりも双葉のことを大事にしているし、
双葉のことを考えてるー。
双葉の幸せのためにも、俺はー」
秀幸(東吾)が不満そうにそう言葉を口にするー。
「ーー……ーーー何があったのか知りませんけど、
今のこの状況ー、双葉が喜ぶと思ってるんですかー?」
双葉(秀幸)がそう言い放つと、
「ーーい、今は苦しんだとしても、いつか双葉だって
あの時お前と別れておいてよかったと、そう思うはずなんだー!」
と、秀幸(東吾)は悔しそうにそう言い放つー。
しかしーーー
双葉(秀幸)は首を振ったー。
「ー人間、”譲れないもの”は変わりませんよ」
とー。
「ーなんだとー」
秀幸(東吾)が、心底不満そうに言葉を口にすると、
双葉(秀幸)は、秀幸(東吾)を見つめ返しながら言ったー。
「ーお兄さんー
あなたが、俺のことをずっとずっと認めないのと同じですー。
俺が無理矢理、”認めろ”って言っても、
たぶん、あなたは俺のことを永遠に認めてくれませんー」
双葉(秀幸)がそう呟くー。
そう、兄・東吾は、強引に認めさせようとしても、
絶対に自分のことを認めてくれないだろうー。
だからこそ、地道にー、
自然と東吾が認めてくれるまで、
自分は立ち止まらずに双葉を支えていくつもりだー。
そんな言葉に、
秀幸(東吾)は悔しそうにしながらも
「ーそ、それはー…まぁー…お前なんて認める気はーー」と、
そう言葉を口にするー。
「ー双葉だって同じですー
”無理矢理”別れさせられたら、ずっと、それを引きずりますー
双葉が自然と俺に嫌気が差して別れるなら、
そうはなりませんー
けど、お兄さんが無理矢理別れさせたら、
双葉はずっと苦しむことになるー」
双葉(秀幸)の言葉に、
秀幸(東吾)は悔しそうにしながらも、反論せずに、
そのまま目を背けるー。
「ーーーーーー……」
そして、しばらく沈黙すると、
「ーーだ、だったら、さっさと双葉にその身体を返せー」と、
そう言葉を口にする秀幸(東吾)ー
「ーもちろん、そのつもりですよー。
双葉は今、どこにいるんですかー?」
双葉(東吾)がウェディングドレス姿のまま
そう呟くと、
「ー双葉はー、双葉の家に俺の身体でいるー」
と、秀幸(東吾)は、それだけ言葉を口にしたー。
「ー入れ替わった時の状況も教えて下さいー
そうすれば、元に戻れるかもしれませんからー」
双葉(秀幸)がそう言うと、
早速、東吾になった双葉がいる場所へと向かおうと、
そう言い放つ双葉(秀幸)ー
そんな様子を見て、秀幸(東吾)は
少しだけ表情を歪めると、
”こいつー双葉の身体になったのに、何も変なことしようとしないなー”
と、心の中でそう呟くー。
そしてー、
戸惑いながら口を開くー
「おいー。双葉の身体になったのに、随分冷静だなー」
とー。
「ー?」
双葉(秀幸)は少しだけ不思議そうに首を傾げるとー、
「ーそのー…なんて言うかー、その身体で変な事しようとか、思わないのかー?」と、
そう付け加えるー。
その言葉に、双葉(秀幸)は少しだけ笑うと、
「ーするわけないじゃないですかー。大事な人の身体を預かってるんですから
ちゃんと返さないとー」と、
何の迷いもない表情で、そう言葉を口にしたー
「ーーーー~~~~~~~~」
秀幸(東吾)は、少しだけ表情を歪めると、
「ーーその格好で街を歩くのは目立つだろー?
俺の車で、双葉の家まで行こう」と、そう言葉を口にすると、
双葉(秀幸)は、少しだけ協力してくれることに驚きながらも
「ありがとうございますー」と、そう言葉を口にしたー。
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「ーーーー!」
骨折した状態のままの東吾(双葉)が誰かが来たことに気付くと、
家の中に、”秀幸が持っていた合鍵”で、
双葉(秀幸)と、秀幸(東吾)が入って来たー。
「ひ、秀幸ー」
東吾(双葉)が言うと、秀幸(東吾)は
「あ、いやー…俺は東吾でー…ーー
アイツと入れ替わってしまってー」と、そう説明するー。
「ーえぇ…」
東吾(双葉)が困惑していると、
双葉(秀幸)は「こんなことになってると気付かなくてごめんー」と
そうした上で、これまでの事情を説明するー。
そして、元に戻るために、3人でまたぶつかって、
身体を戻すこと、
元に戻ったら改めて結婚式をやり直そうとそう提案するー。
「ー秀幸ー…わたしこそ、迷惑かけてごめんねー」
東吾(双葉)が言うと、
双葉(秀幸)は「いいさー」と、そう笑うと、
三人でぶつかって、”元に戻れるかどうか”を確認するー。
「~~~~~~…俺は骨折した自分の身体に戻るのか」
秀幸(東吾)が嫌そうに言葉を口にするも、
東吾(双葉)は「お兄ちゃんのせいなんだから、自業自得でしょ」と
叱るような口調で言うー。
「~~~~~~~~~」
秀幸(東吾)は、もう、何も言わなかったー。
三人は、ぶつかる準備を終えて、
もう一度、入れ替わることを祈りー、
3人でわざとぶつかったー。
激しくぶつかった方が元に戻ることができる可能性も上がるだろう、と
そう考えて激しくぶつかった三人ー
やがてーーー
「ーーーーーー!!!!」
三人は、同時に顔を見合わせるー
がーーー
「って、いててててててー
な、なんでこうなるんだー!?」
思わず自虐的に骨折した足を押さえる東吾ー。
東吾の身体にはーー…結婚相手の秀幸が入ってしまったー。
そしてー
「ーーえへーま、また双葉の身体にー!」
ニヤニヤする双葉(東吾)ー
「ちょ、ちょっとお兄ちゃん!」
秀幸になってしまった双葉が声を上げるー。
三人での入れ替わりはー、
理想通りの組み合わせとはならずー、
またそれぞれ別の身体になってしまったー
「ーーーも、もう1回試してみよ!」
秀幸(双葉)がそう言うと、
残りの二人も戸惑いながら頷くー。
元に戻るまでには、もう少しだけ時間がかかりそうだったー。
おわり
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コメント
結婚式前日に入れ替わってしまうお話でした~!★
でも、何とか三人とも上手くやっていけそうな感じもあるので、
良かったですネ~!
お読み下さり、ありがとうございました~!!
★作品一覧★

コメント
時間かければ元に戻れそうですネ!
結婚式に出席されてる方々も大変ですネ!
無名さんも弟さんの結婚式の時は気を付けてくださいネ(^_-)☆笑
感想ありがとうございます~!★
わわ~!?
前日に入れ替わらないように気を付けるのデス~笑