<女体化>性別が違うんですけど③~謝罪~(完)

②にもどる!

ミスを犯した天使によって命を落としてしまった男子高校生。

すぐに蘇生はさせてもらったものの、
天使は次々とミスをしていき、一向に状況は解決しないまま、
ついには天使は逃げ出して姿を消してしまうー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーごめんねー。
 どうして竹美と”付き合う”って決めたのか、
 なんか、頭がごちゃごちゃなんだけどー…

 ”恋人”じゃなくて、親友って感じでいい…かな?」

少し申し訳なさそうに武人の彼女・瑠奈がそう言葉を口にするー。

天使・ミセリアによって
武人は”最初から女子だった”ということに書き換えられ、
名前も”竹美”だという風に、現世での認識が書き換えられている状態になったー。

がー
あくまでも”武人が最初から女として生まれて、女として育った”
という風に書き換えられただけで、
他の出来事や周囲の状況はそのままであるため、
色々な”矛盾”が生じていたー。

武人の彼女・瑠奈も、恋愛対象は男子なのに、
女体化した武人=竹美と付き合っていることになってて困惑ー、
ついには、数日後ー、申し訳なさそうに別れを告げて来たのだったー。

「ーーえ…え~っと…」
女体化した武人は、落ち着かない様子で
自分の髪を触るー。

女体化直後は、髪が長かったものの、
サッカー部でサッカーをするには邪魔だったし、
そもそも、元々男である武人にとっては、
日常生活を送る上でも、髪が長いことは
邪魔でしかなかったー。

「~~~~~~」
そんな、短く切った髪を触りながら、
彼女の瑠奈から別れを告げられたことに戸惑う武人ー。

もちろん、瑠奈から嫌われたわけではないことは
分かっているー。

もしも、何も起きておらず、男のままだったら
こんなことになってないだろうし、
今だって”どうしてわたしが女子同士で付き合ってるんだろう…?”と、
天使によって認識が改変されたことで戸惑いー、
別れを告げてきているだけなのも分かっているー。

”親友”としてはそのままいたいと、瑠奈はそう言っているし、
決して嫌われたわけではないー

ただー、それでもやはり、戸惑ってしまうー。

”ー瑠奈と今、ここで別れてしまったとしても
 男に戻れば、また復縁できるー…よな?”

女体化した武人は心の中でそう考えながら
瑠奈のほうを見つめるー。

ここで”別れるなんて嫌だ!”とごねた方が、
元に戻ったあとにも悪影響が及びそうな、そんな気がするー。

いや、しかしー、
ここで別れれば、元に戻って
認識も”男”に戻ったあとー、
”最初から付き合ってなかった”なんてことになる可能性もあるー。

”くそっーあの天使めー…”
そうは思いつつも、女体化した武人は
考えに考えた末、瑠奈を悲しませることはしたくない、と
一度別れることに同意するー。

ここで、”俺は実は男で、天使のせいで~”なんて説明しても
確実に瑠奈を混乱させてしまうだけだし、
天使・ミセリアがこの世界の”プロフィールデータ”とやらを
書き換えたせいで、武人は”生まれた時から女子”…と、
いうことになっているー。

それを覆すことは難しいー

だからと言って、今、この時点で
”いいや、別れたくない”と騒いでも、
瑠奈からすれば”困ってしまう”だけだろうから、
そんなこともしたくないー。

ここはー…
”別れる”しか選択肢はなかったー。

「ーよかったー。ごめんねー
 恋人としては、さすがに竹美のこと見れないしー…

 どうして最初に付き合ったのかはちょっと、わたしも
 混乱してるけどー、
 でも、これからも親友であることには変わりないから!」

瑠奈が必死にそんな言葉を口にするー。

女体化した武人は悲しそうにしながらも、
「ーーこれからも、親友ーーーだな」と、
そう言葉を振り絞るのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーー笠島がエースとか、あり得ないだろー」
「女子だからって特別扱いしてるんだろー?」
「あいつ、正直、チームの足を引っ張ってるよなー」

「~~~~~」
サッカー部の部長・勝俣 庄助は、
部員たちのそんな言葉に戸惑いの表情を浮かべていたー。

”ーー俺は、なぜ、笠島をエースに?”
少し困惑した表情を浮かべる部長ー。

部長は、”竹美”を、なぜエースに任命したのか分からずに
困惑していたー。
確かに、女子としてはサッカーが上手であるものの、
この学校のサッカー部はほぼ男子が揃っていて、
同じ部活内のメンバーと比較すると”竹美”は、
そこまでの実力者ではないー。

が、何故か自分を含めて周囲は”竹美”のことを
エースと呼んでいたー。

「ーーー…???」
部長の庄助は困惑しながらも、
女体化した武人=竹美を呼び出すと、
「ーしばらくレギュラーからは外れてほしい」と、
そう言葉を口にしたー。

「ーぶ、部長ー」
女体化した武人は、悔しそうに自分の胸を
服の上から見つめるー。

別に、”女”であることがイヤー、…ということではない。
最初から女に生まれていたなら、
それでよかったと思うし、
逆に途中から男に変えられれば、同じように嫌な思いをしただろうー。

でも、武人は今まで”男”として生きて来たのだー。
女になりたい、という願望を持っていたのであれば
この状況を喜んだかもしれないー。

けれど、武人はそうではないー。
男として生まれたからには、そのまま男して
この先も生きていきたい、そういうタイプだったー。

「部長ー俺はー」
あまりの悔しさに、つい”俺は男で、天使のせいで~”と、
そう言葉を口にしかけるも、
”何も知らない”部長に迷惑をかけてしまうと、
そう考えて、ギリギリのところでその言葉を口には発さずに
自分の中で飲み込むと、
「分かりましたー」と、拳を握りしめながらそう言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「何が竹美だー!くそっ!くそっ!くそっ!!!」
帰宅した女体化した武人は怒りの形相でそう叫ぶと、
自分の胸の膨らみを引っ込めたいのか、
胸を上から押しつぶすようにして、その手に力を籠めるー。

けれど、そんなことをしても、
胸の膨らみがなくなることなどあるわけがないー。

しばらくすると、女体化した武人は空しくなって、
一人でガックリと肩を落とすー。

「ーなんなんだよー…俺の人生、どうしてくれるんだよー」
不満そうに呟く女体化した武人ー。

あの、見習い天使とかいうやつのせいだー。
人をクレーマー扱いまでしてきたし、
反省する様子もほとんど見えないー。

しかも、挙句の果てにどうにもならないと判断したのか、
武人を放っておいて、そのまま雲隠れしているー。
本当に、最悪なやつだー。

女体化した武人は、”やっぱりアイツに元に戻してもらうしかー”と
そう思いつつ、
「どうせ見てますよねー?」と、怒りに震えながら言うー。

しかし、返事はないー。

「ーーーこのまま、俺を放置して
 自分のミスを帳消しにでもしようとしてるのかも
 しれませんけどー、
 俺もこのまま放置されたら流石に怒りますからねー?」

女体化した武人は、天使・ミセリアが聞いている前提で
そう言葉を口にするー。

「ーっ…無視かー分かりましたー」
不満そうに武人は頷くと、
「ーじゃあ、”あの世”のこと、全部この世界で言いふらしますからー。
 誰か信じてくれる人がいるかは分からないですけど、
 本来、記憶を消そうとしてたってことは
 知られたくないことなんですよねー?
 このまま俺のことを放置するなら、一人でも多くの人に
 そっちのこと伝えますし、俺をこんな風にしたそっちの”ミス”のことも
 全部全部、言いますからー」と、
そう言葉を言い放ったー。

するとーーー

「ーーーま、ま、待ってくれー」
天使・ミセリアは青ざめた様子ですぐに表れたー。

「ーーー…ーやっぱ聞いてたんですねー。
 ーーー俺を元に戻してくださいー

 性別を男に戻して、みんなの認識も男に戻して
 それでー、死んだ記憶とかは消していいですからー
 とにかく全部元に戻してくださいー」

女体化した武人が怒りの表情を浮かべるー。

「ーーえ、えっと~
 ち、ちょっと待ってくれー」

天使・ミセリアはそう言葉を口にすると
動揺した様子を見せるー。

彼は”見習い”の天使ー。
既にあってはならないミスを何度も犯していて、
それを”先輩”たちに気付かれないように、
ミスを隠そうと必死になっていたー。

全ては、自己保身のためにー

「ーー~~~~~…」
一応、”天使”が相手だからと今まで丁寧な言葉遣いで
接してきた武人。

がーー
ついに、怒りが限界に達したー

「ーいい加減にしろ!!!!!!!!!」
とー

「ーーひっーわ、わかったー。わかったからー」
天使・ミセリアはそう言葉を口にすると、
そのまま姿を消すー。

そして、あの世にいったん戻ると、すぐに
”心停止ボタン”を押して、
そのまま武人を再び”あの世”に招待したー

「ーーーーーーまたですかー。
 今度こそ戻してくれるんですか?」
うんざりした様子でそう言葉を口にする女体化した武人ー。

天使・ミセリアは、端末を見つめながら
「も、戻すー。戻すからー。あまり騒がないでくれー
 僕の先輩に気付かれたら、僕はどれだけ怒られることかー」
と、なおも自己保身な言葉を口にするー。

「ーーーー」
舌打ちして、天使・ミセリアを睨みつける女体化した武人ー。

「え、え~っと、これを、こうして、こうしてー
 え、っと~…」

天使・ミセリアは慌てた様子で
「で、できた!」と、叫ぶと、
「これで、君は元の人生に戻れるー。今度こそ、ここでの記憶もちゃんと消すー」と、
そう言葉を口にすると、
女体化した武人を手招きしてから、
端末に表示された文字を見せるー。

そこには”記憶の削除”と、そう書かれているー。

「ーー”男”にもちゃんと戻れるんだよなー?」
女体化した武人が再度、そう確認すると、
天使・ミセリアは「戻れる、戻れる!」と、そう言葉を口にするー。

「ーって、そろそろ先輩が見回りに来る時間かもしれないー
 さっさと生き返ってくれー頼むー」
ミセリアの身勝手な振る舞いに
大きくため息を吐き出す女体化した武人ー。

が、それ以上会話する気にもならず、
「じゃあ、早く生き返らせてくださいー」と、
そう言い放つと、天使・ミセリアは「ー色々迷惑をかけて悪かったー」と
それだけ言葉を口にして、
女体化した武人を生き返らせるための操作を行ったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーーー」
天使・ミセリアによって、再び生き返った武人ー。

武人は周囲を見渡してから、
自分の身体を見下ろすー。

がー、”男に戻る”と説明されたはずの武人の身体は
まだ、女体化したままだったー。

隠そうとしても隠しきれない胸はそのままー
身体つきも”女”のままで、
当然、男であることの証明にもなる”アレ”もないままー。

何もかもが”女”のままだったー。

「ーーーーーーー」
が、女体化した武人は、それを見ても、
何も動じる様子もなく、不思議そうに首を傾げると
「ん~~~~~? ぁ」
と、奇妙な声を出したー。

”何も分からない”という様子でふらふらと道を歩き始める
女体化した武人ー。

天使・ミセリアが操作した”記憶の削除”のボタンー。
それは”あの世の記憶”を削除するものではなく、
全記憶を削除する緊急用のボタンだったー。

ミセリアは、女体化した武人の記憶を消してー、
ミスを隠滅しようとしたー

ーーーわけではなく、
また”操作ミス”を犯したのだー。

「ーーぁ~~~…
女体化した武人が、訳も分からず道を歩いていると、
偶然、通りがかった”元カノ”の瑠奈が、女体化した武人を見つめるー。

そしてーーー

「ーーー大丈夫ですかー?」
瑠奈が不思議そうに言葉を口にするー。

「ーーーぁ?」
女体化した武人は、言葉も理解できずに首を傾げるー。

武人のことを”竹美”とも認識していない様子で
瑠奈は心配そうに、そんな武人のほうを見つめると、
「ーな、何かあったんですかー?」と、
そんな言葉を口にするのだったー

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

天使・ミセリアのもとに”先輩”の天使が訪れて
緊張した様子で受け答えをしているー。

その背後にある端末には、

”記憶の全消去 完了”
”プロフィールデータ 消去 完了”

と、そう書かれていたー。

天使・ミセリアの”更なるミス”によって、
武人は記憶を全て消去されただけではなく、
世の中に最初から存在していない扱いになってしまったのだったー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

とんでもないミスを連発する恐ろしい天使…★!

先輩にたっぷり怒られて、
修正されるといいですネ~笑
(上手く隠すかもしれませんケド…)

お読み下さり、ありがとうございました~~~!

「性別が違うんですけど」目次

作品一覧

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コメント

  1. 匿名 より:

    この天使、最悪すぎ(笑)。これなら単純に最初から女の子だったという風に改変されたままで生きた方がはるかにマシでしたね。

    というか、最初から女の子だったという風に改変されたなら、付き合ってる瑠奈も女の子が好きだったから付き合ってるみたいに自動的に改変されていればよかったのに。

    • 無名 より:

      こちらの感想もありがとうございます~~!★

      ミスを全く反省しない天使さんなのデス…!
      いつか天界(?)で解雇されちゃうかもですネ~★