上司のパワハラによって壊されてしまった娘ー。
その”復讐”のために、父は娘の姿に変身して
娘として”復職”ー
パワハラ上司を追いつめることに成功してー…？
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不倫相手の20代後半女性社員・穂乃香との
”不倫”の証拠をー、
会社内にバラまかれ、さらには
”妻”に、写真を送信されてしまった
桜庭部長は悲鳴を上げて頭を抱えていたー。
「ーーーあぁ…ぁ…ぁあああああ…」
目に涙を浮かべたまま、ガクガクと震える桜庭部長ー。
そんな姿を見て、梨絵の姿をした竜二は、
桜庭部長に近付いて、言葉を口にするー。
「ーー部長、まだ終わりじゃありませんよー？」
梨絵の姿をした竜二は恐ろしいほどに邪悪な笑みを浮かべると、
そのまま”動画”を再生するー。
写真だけではなく、”梨絵”は動画も記録していたー
”ーー俺は、妻と君、どっちかを選べと言われたら、
間違いなく君のことを選ぶー。
子供が二人いたって関係ないー。
”愛”は子にも勝るー”
不倫相手の穂乃香に対して、そんな言葉を口にした
桜庭部長の映像が記録されているー。
その光景を見つめながら、
不倫相手の穂乃香は呆然とした表情を浮かべているー。
がー、桜庭部長はもはや、それどころではなかったー。
泣きながら「それだけは、それだけはやめてくれ！」と、
そう言葉を口にするー。
「これを、部長の娘さんと息子さんにも”送信”させてもらいますねー」
”梨絵”のそんな悪魔のような言葉に、
桜庭部長は震えあがるー。
「ーーやめてくれー…頼むー頼む…」
ガクガクと震えながら泣きわめく桜庭部長ー。
”梨絵”に変身している竜二は、心底嬉しそうにその様子を見つめるー。
本物の梨絵は、今、この光景を見たら
どう思うだろうかー。
”ーー娘の姿で、こんなことをしてる時点で、もう俺も”狂ってる”のかも
しれないなー”
少し寂しそうにそんなことを思いつつ、
”梨絵”として、桜庭部長に言葉を口にするー。
「わたしも鬼じゃありませんー
部長が”今日”即座に会社に辞表を提出して、
2度とわたしの前に姿を見せないと約束してくれるならー、
お子さんには不倫のことは伝えませんしー、
この動画は、わたしの心の中にしまっておきますー」
”梨絵”がそう言うと、桜庭部長は震えながら
「ーーー…か、会社をー…お、俺には、こ、子供がー」と、
そう口にしながら、震えてみせるー。
しかし、”梨絵”は容赦なく続けたー。
「ー”あんた”にそんなこと言う資格はないー
イヤなら、今すぐこれをあんたの子供にも送信してやる。
ーーこの動画も一緒にー」
”梨絵”が、スマホを操作し始めると
桜庭部長は「やめてください！やめてください！お願いします！」と、
泣きながら叫ぶと、
周囲の社員たちが唖然とする中、
慌てて辞表を書き始めるー。
「ーーこ、これで…これで、ゆ、許してくれー」
桜庭部長はそう叫ぶと、”梨絵”はにっこりと微笑んでから
「じゃあ、今すぐそれを会社に提出して、夕方までには
会社から消えて下さいー」と、そう言い放つー。
周囲はーー
”桜庭部長”のパワハラを知っている周囲の社員は
”梨絵”の豹変に驚きながらも、何も言えなかったー
”桜庭部長”が悪いのは分かっていたし、
自分たちが標的にならないようにと、
”見て見ぬふり”を大半の社員がしていたことで
”うしろめたさ”もあったー。
だからこそー、何も言うことができなかったー。
「ーーー……ーーーぶ、部長ー」
不倫相手の穂乃香が、震えながら桜庭部長に声をかけるー。
がー、さっき”彼女は遊びだったんだー”と、
そう叫んだ桜庭部長を前に、穂乃香は強いショックを受けていたー
「わ、わたしとはー”遊び”だったんですかー？」
穂乃香がそう問いかけるー。
しかし、桜庭部長は穂乃香を完全に無視して
とにかく”自分を守りたい”その一心で、
辞表を手に、部署から飛び出し、その日のうちに辞表を提出したー。
当然、会社の上層部は”急な辞意”に戸惑いを見せたものの、
桜庭部長は、”梨絵”にすっかり怯えて
なりふり構わず”とにかく辞めます”を繰り返し、
そのまま逃げるようにして、その日のうちに会社から姿を消したー。
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「ーーーやったー！やったぞー！」
帰宅した”梨絵”は興奮した様子でそう言葉を口にするー。
「ーーー…ーーーーー」
妻の雅代は、”梨絵”の姿をした夫・竜二の帰宅に
戸惑いの表情を浮かべるー。
”梨絵”は、桜庭部長の家族に不倫の証拠を突き付けて、
そして、桜庭部長を会社から追放することに成功したと、
大喜びで、興奮を隠しきれない様子で語るー。
「ーーー…じゃあ、もう、終わりにするのねー？」
雅代は、困惑した表情を浮かべながらも、
そう言葉を口にするー。
雅代自身も、当然、娘の梨絵に対するパワハラには怒りを感じていたし、
この先、どうにかして会社に責任を取らせたい、と、
そう願っていたー。
けれどー、
夫である”竜二”のやり方には、賛同できなかったー。
”梨絵”の姿で復讐をするー。
そんなことには、どうしても賛同できなかったー。
それにー…夫・竜二が使った”他人に変身する薬”は、
後戻りができない上に、そんな得体の知れない薬、
この先、夫・竜二に”どんな影響が出るのか”も、分からないー。
加えて、もし”梨絵”本人が目を覚ました時、
どうするつもりだと言うのかー
「ーおわり？」
”終わりにするのね？”と、雅代から聞かれた”梨絵”の姿をした
竜二は笑うと、
「ーまだ終わりなんかじゃないー。部長の不倫相手の子もそうだしー
”部長”もこのまま逃がしはしないー」
と、そう言葉を口にするー。
「そ、それはいったいー？」
心底困惑したような表情を浮かべる雅代ー。
そんな雅代に対して、梨絵の姿をした竜二は
今一度笑うと、「絶対に許しはしないー。絶対にー」と、
そんな言葉を口にしたー。
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数日後ー
会社に辞表を提出して、会社を辞めた桜庭”元”部長は、
妻である由紀（ゆき）に必死に謝罪を繰り返していたー。
「すまなかったー。本当にすまなかったー」
とー。
由紀は、強いショックと怒りを感じながらも、
日葵ら、二人の子供のためにも
”子供たち”にはこのことを内緒にしたまま、
やっていくことー、
そしてー、”2度とこんなことをしない”のであれば、
もう一度だけチャンスを与える、と、そんな約束をしたー。
”由紀だけ”なら、離婚したい気持ちもあったー
ただ、子供たちのことを考えて、由紀はそれを踏みとどまりー、
”不倫”のことも子供たちには言わないことを決めていたー。
がーー
この日ー、
桜庭元部長の家に、”家族は二の次”と、
不倫相手の穂乃香に言い放った桜庭元部長の”動画”が届けられたー。
さらには、娘と息子ー、日葵たちのスマホに
その映像が直接届きー、不倫のことが子供にも知られてしまったー
「ーなんで……？なんでーー？」
震える桜庭元部長ー
子供たちが混乱し、悲しんでいるー。
妻の由紀にもついに愛想を尽かされてしまうー。
「ーーーぁ…ぁーーー」
”会社を辞めれば見逃す”
あれは、嘘だったー。
とにかくー、”精神的打撃を与えるため”だけについた嘘ー
「ーーぁああああああああぁああああああああっ！」
桜庭元部長は泣きながらそう叫ぶと、
地獄に突き落とされたような気分で、頭を抱えながら
その場に蹲ることしかできなかったー。
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「ーーーもう！！！いい加減にして！」
”不倫相手”の穂乃香は、住んでいるアパートに
”嫌がらせ”が続いていたー。
”不倫女”として、穂乃香が桜庭元部長と不倫していた様子が
”ネット上”にばらまかれて、
さらには”梨絵”に変身した竜二によって
個人情報も全てネット上にまかれてしまったー。
”あとは、任せておけばいいー”
梨絵の姿に変身した竜二は、”現代の社会”を
よく知っていたー。
”悪事を世間に広めてやれば”
あとは勝手に、暴走したやつらが裁いてくれるー。
その裁きが間違ったものであっても、裁くー
それが、現代の社会だー。
「ーーーこれが娘を地獄に落とした罰だー
お前も地獄に落ちろー」
”梨絵”は、物陰から、関係のない人たちに嫌がらせを受けて、
精神的に追い詰められている穂乃香を、物陰から見つめながら微笑むー。
その笑みは、元の優しい梨絵の笑顔とは程遠い、邪悪なものだったー。
やがてー、穂乃香が自ら命を絶ったと聞かされたのは、
その数日後のことだったー。
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「ーーーーねぇ、もう十分でしょー。
もう、やめましょ」
妻の雅代がそう言葉を口にしたー。
娘の梨絵を追いつめた”部長”の不倫相手の穂乃香が
自ら命を絶ったことを知り、雅代は困惑していたー。
が、”梨絵”の姿をした竜二は
「”まだ”なんだー。雅代ー。分かってくれー」と、
そう言葉を口にするー
「こ、これ以上、何をするって言うの！？」
戸惑う雅代ー。
「ー大体、ここまでする必要があったの！？
梨絵は、絶対にこんなこと望んでないー！」
必死にそう言葉を口にするー。
「ーそんなこと、分からないじゃないかー。
梨絵だって、自分の人生を滅茶苦茶にされたんだー
きっと、怒りもあるし、仕返ししたいと思ってるー」
”梨絵”の姿をした竜二は、そう言葉を口にするー。
しかし、雅代は、
「ーあなたがやりたいことを、梨絵のせいにしてやってるだけよ！」
と、反論するー。
しかしー、”梨絵”に変身している竜二は
「すまないー」とだけ言葉を口にすると、
「”まだ”終わっていないんだー」と呟くー。
桜庭”元”部長は既に家庭も崩壊ー、
精神的におかしくなって、入院していると聞いたー。
そして、不倫相手の穂乃香は自ら命を絶ってしまったー。
”これ以上”一体何をすると言うのかー。
そう、思っていると
”梨絵”の姿に変身している竜二は、言葉を続けたー。
「ーーーー”傍観者”」
とー。
「え」
雅代が表情を歪めると、
梨絵の姿をした竜二は「見て見ぬふりをした梨絵の会社のやつらー、
そいつらにも一人残らず”復讐”するんだー」と、そう言葉を口にしたー。
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”梨絵”は、
パワハラに直接関与していないものの
”見て見ぬふり”を続けていた他の社員たちにも
復讐をするつもりだったー。
会社に出社して、
周囲を見渡すー。
”まずは、あの男を上手く誘惑してー”
最初のターゲットを定めて、笑みを浮かべる”梨絵”ー。
がー、
その時だったー。
会社の部署内に”警察”がやってくるー。
”梨絵”が表情を歪めると、
警察官は”梨絵”の元に一直線にやってきて、
「少し、お話をお伺いしても？」と、
そう言葉を口にしたー
「ーー…わたしが、何かしましたか？」
穂乃香の件だろうかー。
そう思いながらそう返事をするも、
警察官は答えてはくれなかったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
警察の”任意同行”に応じた
”梨絵”は、なぜ、警察がやってきたのかー、
それを理解することになったー。
「ーあなたは永井 梨絵さんではありませんね？」
警察官がそう言葉を口にするー。
「ーーー…そ、それはどういうー？」
戸惑う”梨絵”ー。
しかし、警察官は”自宅”にあったはずの変身薬の
パッケージを手に、
「あなたは、父親の永井 竜二さんー。そうですね？」
と、そう言葉を口にしたー
「ーーー！！！」
”梨絵”に変身している竜二は、困惑の表情を浮かべるー。
”妻”の雅代が、止まらない復讐を続ける竜二を止めるべくー、
警察に全てを知らせたのだー。
”変身”が罪になるのかは、分からないー。
法律上では何の記載もないとは思うー。
がー、それでも、警察としても野放しにしておくことはできないー。
「ーーーーーは…ははー」
”梨絵”は思わず笑みを浮かべたー。
「ははははははー」
妻に復讐を止められたー。
そう思いつつも、”梨絵”に変身している竜二は、
心のどこかで、こうも思ったー。
”俺を止めてくれて、ありがとうー”
とー。
もうこれ以上、復讐に囚われずに済むー。
そんな、どこか安堵のような感情も抱きながら、
”梨絵”の姿をした竜二は
「ーーーその通りですー」と、
変身していることを自白するのだったー
おわり
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コメント
最終回でした～！★
本物の梨絵ちゃんは、
昏睡状態のままで、
いつ意識が戻るのかは、分からない状態のままデス～…！
お読み下さり、ありがとうございました～！！
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