ハムスターの動画を投稿していた彼女が
突如として豹変したー。
次第に過激になっていく動画の内容を前に、
彼女の彼氏はー…?
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「ーーは~~~…♡ すっげぇなホントにー」
希海は、ニヤニヤしながら、
うっとりとした表情を浮かべるー。
始めて、女として味わった快感ー。
聞いていた通り、男のソレとは違う、
最高の快感だったー。
ハムスターのモモちゃんが不思議そうに
希海の方を見つめているのに気づくと、
希海はニヤニヤしながら、
「お前のご主人様は、俺に乗っ取られちまったんだーふふふ」と、
笑みを浮かべるー。
ハムスターにエサを与えることもなく、
興味なさそうに鏡の方を見つめた希海はー、
ニヤリと笑みを浮かべると、
「どうも~~~!”どってぃ”で~す!」
とー、迷惑系配信者である彼自身が
元々やっていたポーズのようなものを取って
ゲラゲラと笑い始めたー
「ーこいつの身体でやると、かわいいなぁ~」
興奮した様子で鏡に近付いていくと、
希海は嬉しそうに鏡に映る自分に向かってキスをし始めたー。
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”あ、あの動画ー
急にどうしたんだよー?”
帰宅した裕也は、希海にそんなLINEを送ったー。
”また”既読はついたものの、
やはり返事はないー。
心配になった裕也は電話をかけてみるも、
やはり電話にも出ないー。
”あまりしつこくしすぎのも良くないよなー”
と、思いつつ、最後にもう1回だけ
心配するメッセージを送るとー、
その1時間後ー…ようやく希海から返事が来たー。
”裕くんには関係ないでしょ”
たったそれだけの返事がー。
「ーーー…希海ー」
裕也は、そんな希海のそっけない返事に不安を覚えるー。
”も、もちろん、べ、別に顔出ししてもいいけどさー
急にだったからびっくりしてー”
そう返事を送りながら
”体調が悪いとか、事件に巻き込まれたとか
そういうことじゃないなら良かった”と、
付け加えるー。
「ーーーククーー」
そのLINEを受け取った希海は笑みを浮かべると
「まぁー、ある意味事件に巻き込まれたのかもなぁ」と、
自分の胸を揉みながら、下品に笑い始めたー。
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翌日ー
「おはよ~ございます~~!
のぞみだよ♡」
甘い声を出しながら、自撮りをしつつそう挨拶をすると、
妙に短いスカートを履いた希海が、電車の駅の前で
ニヤニヤとしながら言葉を口にしたー。
「今日は~”わざと”男子トイレに入って
おじさんたちの反応を見ちゃおうと思いまぁ~す!
くくっ…ふっふふふー」
希海は面白そうに笑うと、
「ーおrーー…じゃなくて、わたしみたいな可愛い女が、
男子トイレに入ったら、中にいる男たちがどんな反応をするか、
それを見てみたいと思いますー ひひー」
と、そう動画の内容を説明するー。
「まずは早速、駅前のこのビルで試してみましょ~!」
ゲラゲラ笑う希海ー。
”憑依された希海”は、
うみはむチャンネルで
”かわいいわたしが男子トイレに入って見た”などという
動画を投稿したー。
幼馴染の愛唯から言われて、
大学の昼休み中にそれに気づいた裕也は
放心状態だったー。
「ーー希海ちゃん、ヤバくない?
なんかあったの?」
愛唯が呆れ顔で言うー。
”ーーあははは!わたし、こう見えて男の娘なんですよぉ~”
動画内では、希海が男子トイレに入ってきて、驚いている様子の
男子大学生らしき人物にそう言葉を口にしている希海ー。
もちろん、希海は正真正銘”女性”であるものの、
動画のネタのためだろうかー。
男の娘を自称しているー。
”えぇ…?ほ、ほんとですかー?”
男子大学生にそう聞かれた希海は
「ー触って確かめてみます?」などと自分のスカートを
指さしているー。
その動画の内容を見ながら
裕也も頭を抱えるー。
「希海ーどうしちゃったんだー…」
裕也の言葉に、幼馴染の愛唯は
「っていうか、うみはむチャンネルなのに、ハムスターの配信
昨日からしてないじゃん」と、苦笑いするー。
「ーー…そ、そうなんだよなぁ…」
裕也はうみはむチャンネルの自己紹介を見つめるー
”可愛いハムスターの動画を投稿しています”とだけ書かれているー。
が、昨日からハムスターの動画は投稿されていないー。
しかも、それなのに登録者数は伸びていて、
裕也は複雑な感情を抱くー。
「ーー登録者数増やしたくてこういうことやってるなら
止めた方がいいと思うよー?
わたしからも言っておくけど」
愛唯の言葉に、裕也は「そ、そうだよなー」と頷くー。
裕也も、その幼馴染の愛唯も、希海の動画の配信内容の変貌に
ただただ困惑することしかできなかったー。
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”あの…ずっと、好きだったんですー
よかったらー連絡下さい”
希海が、顔を赤らめながらコンビニの店員に
告白しているー。
そして、コンビニから出て来ると笑いながら
「ーへへへへ!あの人、顔真っ赤にしてて笑えるぅ~」と、
そう言葉を口にしたー
”性格悪すぎ”
”希海ちゃん、顔に似合わずヤバいことばっかするよなぁ”
”店員さん可哀想”
そんなコメントが流れて来るー。
希海は、それからもお構いなしに動画の配信を続けるー。
”短いスカートを履いて、わたしを見て来る男に声をかけてみた”
という動画の配信も行われたー。
わざと見えてしまいそうなほどに短い
スカートを履いて、”男”の前を歩き、
視線を向けさせたうえで”わたしのこと、見てましたよね?”と絡む
そんな内容の動画だー。
希海に憑依した”どってぃ”と一緒に配信をしていた
撮影担当の下野がそのターゲットに選ばれたー。
”下野にスイカ割で嘘の方向を指示された”と思い込んでいるどってぃは
”俺が死んだのはお前のせいだ”と、軽く逆怨みもしていたー。
そこで、”女”の身体を利用して下野を陥れようとしていたー。
「ーわたしのこと見てましたよね?」
希海が振り返るー
「えッ…」
後ろを歩いていた下野は驚いた様子で言うー。
元々、下野も下心のある男であったために、
確かに、見てはいたー。
がー、急に声を掛けられて驚くー。
「ーーイヤらしい視線を感じたんですけど」
希海に憑依している”どってぃ”がわざとらしく言うー。
その手には、配信するためのスマホ。
”クククー俺をはめた罰だぜ”
希海はニヤニヤしながら、下野の反応を待つー。
すると、下野は「み、み、見てません!言いがかりです!」と、
反論を始めるー。
「ーーーーほんと~ですかぁ?」
希海は意地悪そうな口調でそう言うと、
「ーーここでわたしが”きゃ~~~”って叫んだらどうなると思いますかぁ?」と、
脅すような口調で言うー。
下野は震えながら「そ、そんなー」と、
困り果てた声を絞り出すー。
「ーふふー
じゃあ、わたしの足をイヤらしい目で見てごめんなさいって
謝りなよ」
希海の言葉に、下野は震えながら
「ーーーーーす、すみませんでしたー」と、
そう言葉を口にしたー。
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希海の過激な配信の数々を見た
彼氏・裕也は、希海の家を訪れていたー。
「最近、どうしちゃったんだよー?
大学にも来ないでー」
インターホンを鳴らして、インターホン越しに希海と会話をする裕也ー
”裕くんには関係ない”
希海は、冷たい口調で言うー。
”希海”が彼氏のことを”裕くん”と呼んでいるのは
スマホのLINEのやり取りを見て、”どってぃ”も知っているー。
「ーか、関係あるよ!
た、確かにうみはむチャンネルの登録者数は増えてるけど、
ーー最近の希海の配信は全然面白くないし、
何であんな周囲に迷惑かけるようなことばっかりするんだよー!?」
裕也が戸惑いながら言うー。
しかし、希海は笑いながら
”だって楽しんだも~ん♡”と、ふざけた口調で言うと、
そのまま玄関から突然、希海は顔を出して来たー。
「ー!?」
裕也は驚くー。
出て来た希海の格好が”バニーガール”だったからだー。
「ーふふ…赤くなっちゃってー
わたしの身体ってさ、エロいよね?」
希海はクスクスと笑うと、
裕也は呆然としながら
「な…何かあったのか希海ー?」と、戸惑いの表情を浮かべるー
急に、こんな風におかしなことばかりをするようになった希海ー。
何かあったとしか思えないー。
しかしー…
「ーーー別にー
これが、本当のわたしなのー
ふふっ♡」
希海はウィンクしながら笑うと、そのまま扉を乱暴に閉めて、
それ以降、何を言っても反応してくれなくなってしまったー。
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”ハムスターの動画、見たいなぁ”
”モモちゃんは元気ですか?”
「ーーー」
希海は、そんなコメントを見つめていたー。
裕也の幼馴染・愛唯が、
希海がおかしな動画ばかり上げていることを心配して
入れてくれたコメントや、
元々の”数十名の登録者”が、入れたコメントを見つめる希海ー。
「ーーハムスターハムスターうるせぇなぁ」
セーラー服姿の希海は、そう呟くと、
放置していたハムスターの方を見つめたー。
「ーーー…」
冷たい目を向ける希海ー。
希海は、邪悪な笑みを浮かべると、
突然、ハムスターのいるケージを開けて、
ハムスターのモモちゃんを掴んだー
「ーーそんなにモモちゃんが見たいならーー
見せてやるよ… ククー」
希海は歪んだ笑みを浮かべながら
そう呟くと、そのままゆっくりと立ち上がったー。
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”ち、ちょっと!裕也!
今すぐ希海ちゃんのチャンネルを見て!”
大学から帰宅した裕也は、幼馴染の愛唯から
そんな連絡を受けていたー。
「ー…え?…え?
うみはむチャンネルのこと?」
裕也がそう言うと、愛唯は”そうに決まってるでしょ!早く!”と、
そう言葉を口にしたー。
「わ、わかったー。」
裕也が愛唯と通話しながら、ノートパソコンで
うみはむチャンネルを確認するー。
すると、そこにはー
”みんな~!うみはむチャンネルの希海だよ~!
今から、みんなが見たがってたモモちゃんを
見せてあげるね~!”
交差点らしき場所で、胸元をわざと強調するかのような
服装で登場した希海は
ハムスターのモモちゃんを雑に掴んだまま
そう言葉を口にするー。
「ーーな…なんだこれ…?
どうしてこんな場所にモモちゃんをー!?」
裕也が表情を歪めるー。
そしてーー
”今からモモちゃんを交差点に放してみま~~す!
モモちゃんの初めての横断歩道~!”
希海は悪意に満ちた笑みを浮かべながらそう言い放つー
”この子、頭おかしくなったんじゃね?”
”ヤバすぎる”
”こういう子に踏まれたいわぁ”
コメントが大量に流れる中、
パソコンでその動画を見ていた裕也は「おいっ!希海!」と、
画面に向かって叫ぶー。
”ーーさっき希海ちゃんに電話して止めようとしたけど
出てくれないの”
裕也と通話中の幼馴染の愛唯がそう言葉を口にするー。
「ーく、くそっ!希海!おいっ!何考えてるんだ!」
裕也が画面に向かって叫ぶー。
そして、慌ててコメントを入れるー。
だがー
希海はコメントを見ていないのか、特に反応せず、
そのままライブ配信は続いたー。
「さ~~頑張りなさいーくくくー」
希海がハムスターを交差点の手前で放すー
慌てて走り出すハムスターのモモちゃんー
希海は嬉しそうに笑いながら
その様子を撮影するー。
そしてーーーーー
モモちゃんが走る交差点が青信号になりー
大量の車がそこに押し寄せたー。
「ーははっ… ふふふふー
うふふふふふふふふ♡」
笑いながら希海は、その様子を撮影しているー。
やがてー、
信号が赤になり、
希海が交差点の方を映すとーー
そこには、無残な姿になった”モモちゃん”が映し出されていたー。
「ーーな……なんで…こんなことー」
ライブ配信を見ている裕也は、呆然としながら言葉を失うー
”ーーー……”
電話中の幼馴染・愛唯も言葉を失いながら
しばらくしてやっと、”ひどい…”とだけ、言葉を振り絞るー。
”ー以上、うみはむチャンネルでした~~!
あははははっ♡”
希海の配信はー
そこで終わったー。
・・・・・・・・・・・
ピクッ…
「ーーーん?」
希海は自分の身体がピクッと震えたことに気付くー
身体の色々な場所がまるで”拒否反応”を示すかのように
ピクッと震えるー
「ククククククー
そうかそうかー抵抗してるのか?」
希海は嬉しそうに笑うー。
希海が大切にしていたハムスターのモモちゃんー。
そんなモモちゃんへの仕打ちに、
希海の身体が無意識のうちに強い拒絶反応を示しているー。
だがー、”どってぃ”に憑依された希海は
それすらも気持ちよさそうに、
「こんなイイ身体が手に入るならー、死んでよかったぜー」と、
嬉しそうに呟くと、
邪悪な笑みを浮かべたー
「次の動画はーー
”彼氏に突然別れを告げて見た”
でいくかー」
希海はニヤリと笑うと、
無意識のうちに目から涙をこぼし始めるー。
「ーーん???
ククーーー泣いてるのかぁ?
可愛いなぁー」
希海の身体の無意識の反応に、”どってぃ”は、
さらに興奮しながら、そのまま家へと向かって歩き始めたー。
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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彼女に何が起きているのか
気付かないまま、困惑している裕也くん…★
どうなってしまうのかは、
明日の最終回のお楽しみデス~!!!
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