大切な者を奪われて、
自分の身体さえも奪われてしまったー。
絶望の中、彼女が取る行動はー…?
そして、彼女の身体を奪った男の行動はー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーー」
通り魔のレインコートの男・譲司に刺された
美咲は病院に緊急搬送されていたー。
ずぶ濡れの状態のまま病院にやってきた
純恋(譲司)は少しだけ笑みを浮かべるー。
現在、姉の美咲の緊急手術が行われているー。
”その場に一緒にいた可哀想な妹”として
病院にやってきた純恋(譲司)は
病院の人から渡されたタオルで濡れた服と身体を
軽く拭きながら、手術室の方を見つめるー。
そしてー
呟くー。
「ーー死ねー死ね…死ね…死ねー」
と、笑みを浮かべながら”姉”の死を願うー。
あれだけ致命傷を負わせたのだー。
”あの感じ”は恐らく助からないー。
がー
「ーー手術が行われてるってことはまだ見込みがあるってことだよなー…
ーーチッ」
純恋(譲司)は、”もっと刺しておけばよかった”などと、
恐ろしいことを考えつつ、笑みを浮かべるー。
そこにー…
姉・美咲の彼氏であり幼馴染の啓太が病院に駆け付けたー。
「ー美咲!!美咲!!」
彼女が刺されたことを聞きつけて病院に駆け付けたのだろうー。
啓太は手術室に向かってそう叫ぶと、
純恋(譲司)に気付いて、「純恋ちゃんー」と、そう言葉を口にしたー。
姉・美咲の幼馴染であり、彼氏の啓太は当然、
妹の純恋とも面識があるー。
「ーー」
純恋(譲司)は笑いを堪えながら
目に涙を浮かべて見せると
「お姉ちゃんがーお姉ちゃんがー刺されちゃって」と、
弱々しくそう言葉を口にしてみせるー。
「ー大丈夫ー。美咲は、美咲は必ず助かるー
美咲は強い子だからー」
啓太は美咲の無事を願い、そんな言葉を力強く口にするー。
「ーーうんーーー」
純恋(譲司)はそれだけ返事をすると、
手術室の方を見るフリをして顔をそむけるー。
「ー馬鹿なやつー助からねぇよー」
純恋(譲司)は小さくそう呟くと、不気味な笑みを浮かべるー。
あの”手ごたえ”は、間違いないー。
あの女は死んだー。
助かりはしないー。
純恋(譲司)はそう確信しながら、
美咲の死が確定した時の周囲の反応を妄想しながら、
ゾクゾクと身体中で興奮を覚えるのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
雨が降る中、街中を移動していた
譲司(純恋)ー。
姉・美咲が刺された現場の近くに戻ろうとしたものの
警察官の姿が見えたために近寄ることもできずに
来た道を再び引き返していくー。
「ーーどうしよう…どうしようー…」
譲司(純恋)は、そのまま家に帰ろうかとも考えるー。
けれど、この身体じゃー、信じて貰えないかもしれないー。
それにー今は”お姉ちゃん”のことでそれどころじゃないはずー。
「ーでもー…早く…早く何とかしなくちゃー…」
姉・美咲の無事を祈りつつ、
この状況を早く何とかしないと、と、そんな危機感も
覚える譲司(純恋)ー
あの男は”純恋の身体”で何をするか分からないー
まるで人の命を奪うことを、不幸になる人を見ることを
喜んでいるようなー、そんな男だったー。
そう思いつつ、事件現場から離れた繁華街の一角を歩いていると、
ふと、店先に置かれているテレビが目に入ったー。
”先ほど、蒼月駅付近で大学生が男に刺される事件が発生しましたー
この事件で大学生の柏木 美咲さんが病院に搬送されましたが
死亡が確認されー”
「ーーーーー!!!!」
譲司(純恋)は、そのテレビを見つめたまま、
動けなくなってしまうー。
今、自分はその”刺した男”の身体ー。
こんなところで立ち止まっている場合ではないー
こんなところで泣いている場合ではないー
そうは分かっていても、涙が目から溢れ出して止まらなかったー。
その場で「お姉ちゃんー」と泣き崩れてしまう譲司(純恋)ー
「ーー?」
そんな、譲司(純恋)の姿を店主の男が発見して
「あのー、大丈夫ですか?」と、そう声をかけて来るー。
譲司(純恋)はハッとして顔を上げると、
「ーー大丈夫ですー」と、それだけ言葉を口にして
その場から立ち去るー。
”許さないーーー”
譲司(純恋)は心の中でそう呟きながら
夜の闇へと姿を消したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
”日高 譲司”は指名手配されたー。
譲司(純恋)は、何とか身を隠しながら
両親にこのことを伝えようとするー。
このまま、純恋(譲司)を野放しにしておけば
何をされるか分からないー。
両親もそうだし、学校のみんなもそうー。
とにかく、止めなくちゃー、
そう思って、家の近くに行くと、
ちょうど、家に帰って来た両親と純恋(譲司)の姿が見えたー。
「ーーーー!」
”わたしの居場所”に、我が物顔で溶け込んでいる
純恋(譲司)を見て、譲司(純恋)は何とも言えない気持ちになるー。
今すぐにその腕を掴んで「わたしの身体を返して!」と、
そして「よくもお姉ちゃんを!」と、そう叫びたい気持ちになるー。
けれど、大人しい顔をした”悪魔”の前に
今、姿を現せば罠にはめられて
そのまま凶悪犯として捕まってしまうー。
「ーーでも、このままじゃお父さんとお母さんもー…」
譲司(純恋)は心底不安そうにそう言葉を口にすると、
何とか純恋(譲司)を止めようと、身を隠しながら
家へと近づいていくー。
「ーーー!」
両親と何か話をしていた純恋(譲司)も
それに気づいたのか、振り返ると
少しだけ笑みを浮かべたー。
「ーーねぇ、お父さんーお母さんー
二人は先に中に入っててー
わたし、ちょっとやることを思い出しちゃったー」
純恋(譲司)はそう言葉を口にすると、
両親はそのまま家の中へと入っていくー。
そしてー、純恋(譲司)はニヤニヤしながら
譲司(純恋)の方に近付いて来たー。
「ーーー!」
譲司(純恋)は一瞬逃げようかと思ったものの、
今の状況では1対1で話すチャンスを作るのも難しいー
あちらから近付いて来るこのチャンスを逃すことは
できなかったー。
「ーー”お姉ちゃん”をよくもー」
”純恋”はそう言ったー。
その言葉を発したのは、譲司(純恋)ではないー。
純恋(譲司)の方だー。
純恋になった譲司が、純恋のフリをしてそう言葉を口にしたのだー。
一瞬、”何を言ってるの?”と言いたげな表情を浮かべた
譲司(純恋)ー
が、純恋(譲司)は続けるー。
「ー”あんた”がお姉ちゃんを殺したのー
わたし、絶対に許さないからー」
とー。
そして、笑いを堪えるような仕草をしてから
「プッークククー、はははははは!」と、笑いだしたー。
「ーお姉ちゃんを殺された悲劇の女子高生を演じるのー
本当に楽しいぜー。
へへー」
純恋(譲司)はそう言葉を口にすると、
「それにお前、いい身体してるよなー
昨日の夜、こっそり楽しませてもらったけど、最高だったぜー。
”感じてる時”のお前の声ー」
と、邪悪な笑みを浮かべるー。
「ーーーーふざけないで!」
譲司(純恋)がそう言葉を口にして、
純恋(譲司)掴むと、その身体を木に叩きつけるー。
ニヤニヤする純恋(譲司)ー
「ーーあれれれ?”お姉ちゃん”だけじゃなくて、妹のわたしも殺すの?」
純恋(譲司)の煽るような口調ー。
「ーーっ……」
譲司(純恋)は怒りの形相を浮かべるー。
どうすれば元に戻れるのかー
その方法が分からないー。
かと言って”このまま”じゃ、
自分はいずれ捕まるかもしれないし、
譲司が純恋の身体で何をしでかすかも分からないー。
ずっと、このままの状況でいるわけにもいかないー。
「ーーーーあんたにー…あんたにわたしの身体を
使われるぐらいならー」
譲司(純恋)は目に涙を浮かべながら、
純恋(譲司)の首を絞めるー。
「ーーっー、意外と激情型なんだなー ククー」
首を絞められた純恋(譲司)は余裕の笑みを浮かべるー。
「ーーーうるさいー!!!
お姉ちゃんの…お姉ちゃんの仇ッ…!!」
譲司(純恋)が泣きながら言うー。
「ーーー”わたし”が死ねばー、
お父さんとお母さんー…どう思うかなー?
ククー」
あえて”純恋”のフリをしながら、純恋(譲司)は笑うー。
「ーー…!!」
譲司(純恋)は表情を歪めるー。
「ー長女に続いて、残る次女まで殺されたと思ったらー
二人はー…どうなってしまうかなぁ… へへへへー」
純恋(譲司)はそう言葉を口にすると、
次第に苦しそうな表情を浮かべながら笑うー
「殺したきゃ殺せよー
へへ でも お前はーーー ーーっ…
お前はー…永遠に”元に戻れない”身体になるー
へへーーひひひひひ」
純恋(譲司)は首を絞められて苦しくなってきたのか
次第に会話が成り立たなくなってくるー。
”わたし”の身体が死んだらお父さんとお母さんはどう思うのかー
友達や、みんなはどう思うのかー
元に戻ることのできる可能性が0になるー
この先も、永遠に逃亡犯ー
「ーーーー!」
青ざめて弱っていく自分の顔を見た譲司(純恋)は
咄嗟に手を離すー。
「ーがはっ…ごほっごほっ…」
純恋(譲司)は譲司(純恋)から手を離されて
苦しそうに何度か咳き込むと、
ニヤッと笑みを浮かべながら譲司(純恋)の方を見つめたー
「ククククー
お前に俺は殺せないー
だってー、この身体は大事な大事なお前の身体だもんな?」
純恋(譲司)はそう言葉を口にすると、
立ち上がって、譲司(純恋)の方に笑いながら近づいて来たー。
そしてーーー
突然、譲司(純恋)をグーで殴りつけると、
「調子に乗るんじゃねぇぞ!小娘が!」と、そう言葉を吐き捨てたー。
「ーー!」
譲司(純恋)は倒れ込んで純恋(譲司)を見上げると、
「ー俺のことをあまり舐めるなよー?」と
純恋(譲司)は譲司(純恋)を足で踏みつけるー。
「ー今やお前は罪のない女子大生の命を奪った犯罪者ー
ーーそう、この社会的に言えばクズ野郎だー」
純恋(譲司)はそう言うと、
「そして俺はお姉ちゃんを奪われた可哀想な女子高生ー
いい加減、自分の立場を理解しろや?な?」と、
”元の自分の身体”を躊躇なく痛めつけていくー。
「俺はなーー…
お前とは違うー」
純恋(譲司)はそう言うと、
「ーー俺は元の自分の身体になんて愛着はねぇー。
必要になったら、俺は俺を殺すー。クククー」と、
邪悪な笑みを浮かべるー。
譲司(純恋)は涙目で、
あらゆる怒りと恨みを込めて、純恋(譲司)の方を見つめるー。
純恋(譲司)は嬉しそうにニヤニヤと笑うと、
「いいねーその顔ーいい…!実にいい!」と、
興奮した様子で言うー。
「ーここで”お姉ちゃんを殺したやつ”に襲われて
止むを得ず反撃したってことにして
お前を殺しちまってもいいんだがー、
それじゃつまらないー。
もっともっと面白くしてやるー」
純恋(譲司)はそう言うと、
譲司(純恋)に背を向けるー。
「ーーわたし、お姉ちゃんが目の前で殺されて
悲しくて、悲しくて、悲しくてー
おかしくなっちゃうのー」
純恋(譲司)が家の方に戻ろうとしながら
そう言葉を口にするー。
譲司(純恋)は「な…何を言ってー…?」と、
困惑した表情でその言葉の意味を聞き返すー。
すると、純恋(譲司)は邪悪な笑みを浮かべながら
振り返ったー。
「ーお姉ちゃんを殺されたショックで
生き残った妹もおかしくなってー、
荒れた生活を送り始めるのー
家でも学校でもー、別人のように悪い子になってー」
純恋(譲司)は振り返って邪悪な笑みを浮かべるー。
”周囲から同情される立場”を利用して、
好き放題やる、と、そう言っているのだー。
「ーーや…やめてー!わたしの身体で好き勝手しないでー!」
譲司(純恋)がそう言葉を口にするも、
純恋(譲司)は、そんな譲司(純恋)をあざ笑うと、
「ー人殺し」と、改めて”お前はもう逃亡犯なんだぞ?”と
言いたげな言葉を口にすると、
そのまま笑いながら立ち去って行ったー。
譲司(純恋)は何もすることができないまま、
その場に立ち尽くすことしかできなかったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その数日後ー
純恋(譲司)は、”純恋”が好きだった男子生徒を
誘惑するような行動を取り始めたー。
制服を着崩して、少し髪の色が茶色がかった”純恋”の姿に
周囲が戸惑いながら、周囲の目線もお構いなしに
純恋(譲司)は刺される直前の姉・美咲との会話にも出ていた
”高坂くん”に接触していくー。
「ーわたし、高坂くんのことずっと好きだったの」
純恋(譲司)は邪悪な笑みを浮かべながら、
彼のことを誘惑するー。
さらにーー
学校が終わると「ねぇ、話したいことがあるのー」と、
姉・美咲の彼氏で美咲の幼馴染だった啓太も電話で呼び出すー。
”は、話ってー?”
戸惑う啓太ー。
「ー大事な話」
純恋(譲司)はそう言葉を口にすると、
不敵な笑みを浮かべながら、
”俺は、俺のやりたいことを、やりたいようにやるー”と、
そう心の中で呟くのだったー…。
③へ続く
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コメント
次回が最終回デス~!!
このままバッドエンド直行のオーラ(?)が
漂ってますネ~!!
実際にはどうなるのかは、明日のお楽しみデス!
今日もありがとうございました~!★!

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