名門貴族・ブロンツィーニ家の三人の息子たちは、
”人を皮にする力”を手に入れて
その力で、欲望の日々を送っていたー。
しかし、そんなある日ー…
※「貴族の戯れ」の続編デス!
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「君は~~~僕のお洋服だ!」
地域一帯を支配する名門貴族”ブロンツィーニ家”
その長男、アレッシオ・ブロンツィーニが、
先日、城に連れ込んだ町娘を拷問して、足をバタバタさせながら喜んでいるー
ブロンツィーニ家当主・アルカンジェロには、三人の息子がいるー。
長男のアレッシオ・ブロンツィーニは、
小柄で子供のような風貌に、子供のような言動から、
初対面の相手は、アレッシオを長男だと思う人間は、ほとんどいないー。
「ーーーや、、やめて下さい…」
拷問されている町娘が、苦しそうに声を上げるー。
「ーーあはははっ!いい…いいよ!美しいよ!」
アレッシオが笑うー。
彼は拷問マニアでもあり、こうして人を傷つけることに
快感を感じている危険人物だー。
「でもねぇ」
アレッシオは町娘の頬を舐めながら笑うー。
「君は、これから僕に着られるんだー」
そう言いながらー
アレッシオは”禁断の果実”の力で、町娘を皮にするー
「ーーー兄上」
しばらくして、次男のベルトランド・ブロンツィーニがやってくると、
そこには、アレッシオに皮にされて、着こまれた町娘が椅子に座って
果物を食べながら足をバタバタとさせていたー。
「ーーー…美人が台無しですな」
ベルトランドが笑みを浮かべるー。
次男のベルトランド・ブロンツィーニは
長髪の美男子で、振る舞いも貴族然としておりー、
次期当主に最も近いと言われているー。
「ーーー兄さんー…」
そこにやってくる、剣を携えた騎士のような姿の男ー
三男のサルヴァトーレ・ブロンツィーニだ。
サルヴァトーレは、”武”に優れており、
直接対決すれば、長男のアレッシオも、次男のベルトランドも
サルヴァトーレには及ばないだろうー。
そんな三人は、今日も、欲望の日々を送り続けていたー
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「ほぅー」
近くの領地を統治しているソルレンティーノ家の次期当主と言われる
一人息子、フェルディナンドの元を訪れていた
次男のベルトランドは、笑みを浮かべるー。
元々、ブロンツィーニ家の三人息子が、
”人を皮にする力”を手にしたのは、
このフェルディナンドから”禁断の果実”と呼ばれるものを入手したからだー。
その果実の力で、ブロンツィーニ家の三人は
”人を皮にする力”を手に入れたー。
「ーーまぁ、私は構わないがー」
ベルトランドが紅茶を口にしながら言うと、
フェルディナンドは「ー妹の体調が優れなくてな…悪いな」と、呟くー。
次男ベルトランドは、ソルレンティーノ家の一人娘と婚約しているー。
ソルレンティーノ家の現当主と、ブロンツィーニ家の現当主・アルカンジェロが
話を進めた縁談だー。
だがー
ベルトランドはそれをよく思っていなかったー。
”ソルレンティーノ家”は、”ブロンツィーニ家”よりも格下であり、
格下の娘と結婚することを、ベルトランドのプライドが許さなかったー。
「ーーー構わん。ゆっくりと療養することを、勧めてくれたまえー」
ベルトランドが言うー。
「ーーあぁ、悪いなー」
ソルレンティーノ家の息子、フェルディナンドとは、ベルトランドは
個人的に親しく、”親友”の間柄だー。
こうして、時々会いに来ているしー、
禁断の果実をくれたのも、このフェルディナンドだー。
しかしー
”ーーそのまま、回復しなくても構わないのだがー”
ベルトランドは笑みを浮かべるー。
ベルトランドはー
ソルレンティーノ家の娘との”結婚”を、白紙に戻すためー
以前から”毒”を少しずつ盛っていたー。
共に会食する際やー
フェルディナンドを通じて差し入れする際などー
”少しずつ”
少量の毒を盛り続けたのだー
ソルレンティーノ家の娘の体調不良は、そのせいだろうー。
「ーーカーラもお前と一緒になれる日を楽しみにしているー。」
フェルディナンドが立ち上がると、妹・カーラの名前を口にするー。
「ーあぁ、私もだよ」
次男ベルトランドがそう呟くと、「それでは、失礼するー」と、
フェルディナンドに背を向けたー
だがー
フェルディナンドが、
背を向けたベルトランドを睨んでいることに、
ベルトランドは気づいていなかったー
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翌日ー
「ーーあははははははっ!あはははははははははっ!」
長男のアレッシオが、町娘・アイーダの皮を着て、
一人、放尿しながら喜んでいるー
「ー可愛い子のお漏らしとか、すごいよねぇ~~!あははははっ!あっはは~!」
子供のようにはしゃいでいるアイーダ。
長男アレッシオに乗っ取られると
どんな美人でも台無しだー。
「ーー掃除をさせられるメイドは、たまったものではありませんな」
三男のサルヴァトーレが苦笑いをしながら言うー。
その時だったー
「ーサルヴァトーレ様」
兵士がやってきて、何かを耳打ちするー。
”ブロンツィーニ私設騎士団”の団長も兼任している
サルヴァトーレは、兵士からの話を聞くと、
表情を歪めたー。
「それは、本当かー?」
「ーはい」
サルヴァトーレは、報告を聞くや否や立ちあがるー。
放尿を終えて、腰を振っているアイーダが、
「ーへへへ、どうしたの~?」と、子供のように笑うー
「ーーー急用ができた故ー」
サルヴァトーレが頭を下げて、部屋の外に出ていくー
アイーダの皮を着ているアレッシオは、
「なんだ?つまんないの!」と、言いながら、
「お茶を飲めば、また出るかなぁ~?」と、
わくわくした様子でアイーダの身体を見つめたー
・・・・・・・・・・・・・・・
「ーー兄さんー」
三男のサルヴァトーレが、次男のベルトランドと合流するー
ベルトランドは、表情を歪めていたー
「何故だー」
とー。
民衆たちが、ざわめいているー
今朝ー
突如として
民衆たちの間で
ブロンツィーニ家当主のアルカンジェロの”死”の噂が流れたのだー
「ーーー」
ベルトランドは唖然とするー。
父親でもある当主、アルカンジェロ・ブロンツィーニは、
”人を皮にする力”の存在に気付き、
三人の息子を問い詰めた際に、ベルトランドらに”皮”にされて
既に失脚しているー。
しかし、それ以降も、次男のベルトランドが
父・アルカンジェロの皮を着て、公の場に姿を現すことで、
アルカンジェロ・ブロンツィーニ健在、ということを
民衆に知らしめてきたー。
だがーー
「ーーーーくそっ」
ベルトランドが、父・アルカンジェロの皮が保管されている部屋に向かうー。
「ーーーーー!!!」
ベルトランドは表情を歪めたー。
父・”アルカンジェロ”の皮が消えていたー。
「ーーど、どういうことだ?」
ベルトランドは困惑しながら、三男のサルヴァトーレに向かって叫ぶー。
「ーー父上の皮を管理していたのは、兄さんのはずー
俺に聞かれても、俺が知るはずはー」
サルヴァトーレがそう言うと、ベルトランドは舌打ちして
早歩きで、別の場所へと向かっていくー
その日ー
ブロンツィーニ家当主、”アルカンジェロ・ブロンツィーニの死”は
民衆の間で決定的なモノとなりー、
もはや、隠すことは不可能となったー
「ーーどこから、漏れたのだー?」
次男・ベルトランドは、執務室で一人、表情を歪めていたー。
”次期当主の決定”ー
それも急がなければならないー。
だがー
それが、何を意味するかは、ベルトランド・ブロンツィーニは、
よく理解していたー。
”後継者候補3人の死闘”が
始まることを意味しているのだー
アレッシオ、ベルトランド、サルヴァトーレ…
三人とも、”後継者の座”を狙っているー。
父が健在であれば”後継者を指名”しただろうし、
それほどトラブルは起きなかっただろうー。
しかしー、
”今更、父を人間に戻すこともできない”
ベルトランドは表情を歪めるー
それをすれば、自分たちが父に処断される恐れもあるー。
「ー兄上と、サルヴァトーレも動き出すだろうー」
けれどー
ベルトランドには、ある程度の”余裕”もあったー。
”後継者に一番近いのは、他の誰でもない、自分”なのだー。
民衆からも、”ベルトランド様こそ、次期当主”という声はよく聞こえるー
それに、ソルレンティーノ家のフェルディナンドとのつながりも深いー。
「ーークククー
まぁ良いー。
私がブロンツィーニ家を継ぐことは”天命”ー。
誰にも、覆すことなど、できぬー」
ベルトランドは、そう呟くと、静かに笑みを浮かべたー。
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ブロンツィーニ家当主・アルカンジェロの”死”ー
実際には、死んでおらず、ベルトランドらが皮にしただけなため
”元に戻す”ことはできるー。
しかし、民衆の間に死が広まり、
決定的となった今、もはや父・アルカンジェロを元に戻す必要も、
アルカンジェロの皮を着て、民衆の前に姿を現す必要もなくなったー
「ーーー父は、先日、食事の最中に突然苦しみ出し、
そのまま亡くなられましたー。
医師によれば、心臓の発作と、説明されていますー」
次男のベルトランド・ブロンツィーニが、
民衆の前で説明を行うー。
長髪のいかにも貴族、という感じの美男子的な姿からー
民衆の間にもファンは多いー
父・アルカンジェロの”失脚”が民衆の間で
決定的となった今ー、
ベルトランドはすぐに動いたー。
民衆の前では、あたかも自分が”次期当主”のような振る舞いを繰り返し、
城の中では、メイドや執事、有力者などを自分の味方につけたー。
近くの領地を支配している貴族・ソルレンティーノ家の次期当主である
フェルディナンドとも盟約を結び、次期当主の座は、盤石だったー。
「ーーベルトランド様ー」
メイドの一人・モニカが、ベルトランドに耳打ちするー。
モニカは、以前から次男ベルトランドが目にかけているメイドで、
”一般のメイド”として働かせながら、諜報活動をさせているー。
ベルトランドが絶対的な信頼を置いている女だー。
「ーーーそうか。ご苦労」
ベルトランドはそう呟くと、笑みを浮かべて歩き出すー。
「ーブロンツィーニの次期当主は、この私だー」
ベルトランドは、自らの勝利を信じて、疑わなかったー。
”父・アルカンジェロの失脚”が公になって以降、
長男のアレッシオは、自分に近いメイドや侍女を皮にして
着込んでは、欲望の日々を送っていたー。
「ーあははははははっ!あはははははははははははっ!」
今日も、おもちゃを手に、メイドの身体で嬉しそうに
自分の部屋を駆け巡ったり、
城の庭で、町娘ローザの皮を着て、昆虫を採集して
子供のようにはしゃいでいたー。
”ブロンツィーニ家を背負う”ことになるかもしれない、という
重圧に耐えられなくなり、現実逃避をしているのだろうー。
ベルトランドは、そう判断したー。
三男のサルヴァトーレは、いつも通り、鍛錬に全力を尽くしていてー
次期当主の座を狙うような素振りは見せなかったー。
ベルトランドは、”サルヴァトーレは私の片腕として、今後も利用できるかもしれない”
と思いつつも、
サルヴァトーレの武術に関しては”油断ならない”と判断しておりー
彼はー
決断したー。
「ーー今夜の晩餐会ー」
ベルトランドが笑みを浮かべるー。
今夜ー
長男アレッシオ、次男ベルトランド、三男サルヴァトーレによる
晩餐会が開かれるー。
ベルトランドは、そこで
兄弟二人を、始末するつもりだったー
「ーーー食事に”毒”を盛れー
兄上とサルヴァトーレには、ご退場願おうー」
”次期当主は、私だー”
次男 ベルトランド・ブロンツィーニは、
美男子のような顔を、凶悪に歪めながら笑みを浮かべたー
②へ続く
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貴族の戯れの続編デス~!
「貴族の戯れ」系に登場する人物の名前は、
イタリアの人名などを調べながら決めたりしています~☆!
続きはまた明日のお楽しみデス~!
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