そのオタクは、他人に寄生することが出来るー。
”他人に寄生する能力”を
手に入れてしまったオタクの物語ー。
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この世は、冷たいー。
彼は、それを誰よりも理解していたー。
熊山 肝太郎(くまやま きもたろう)は、
額から汗を垂れ流しながら、
巨体を揺らし、ふーふー言いながら
可愛い小物類が売られている店を徘徊していたー。
”物色”しているのだー
肝太郎は、容姿に恵まれなかったー。
顔はお世辞にも良いとは言えないし、
本人が全く容姿に無頓着なこともあり、
清潔からはかけ離れた雰囲気を振りまいているー。
超がつくほど自己中心的な性格で、
彼が大好きな美少女アニメやエロゲー、美少女フィギュアの
界隈からも「嫌われている」タイプだったー。
今日も、美少女キャラのキーホルダーや缶バッジを大量に
装着したリュックを背負い、
場違いな可愛い小物売り場を徘徊しているー
”あいつ、キモ過ぎでしょ”
友達と買い物中だった、おしゃれな女子高生が小声で笑うー。
その隣にいた、少し大人しそうな女子高生が「しっ!」と、
慌ててその子を注意するー
”そういうこと言ってると、聞こえるよ”とー
「----」
肝太郎は反応しないようにしながら、
”聞こえてるぞぉ”と、無気味な笑みを内心で浮かべたー。
彼がデパートの中の
アクセサリーや可愛い小物が販売されている、この売り場を
徘徊し、”物色”しているのは
売り物ではなかったー
こんな小物には、興味がないー
彼が、物色しているのはーーー
”パラサイト”する相手だー。
彼の部屋は、不潔中の不潔だったー。
掃除もしないし、オナったあとに、処理もしないからだー。
食べ残しもそのままだし、
女性が足を踏み入れたら3秒で失神してしまうぐらいに
恐ろしい部屋だー。
そんな部屋では、”虫”が湧いたー。
そして、性欲塗れの彼の、放置された精液から、
”特殊な寄生虫”が湧いたー。
欲望を具現化したような寄生虫だー。
それがー
肝太郎に寄生したー。
だがー
肝太郎の常軌を逸した欲望と
自己中心的で頑固な性格は、
寄生虫をも凌駕したー。
肝太郎を乗っ取ろうとしていた寄生虫は、
逆に肝太郎に取り込まれて、
肝太郎の”力”の源となったー
謎の寄生虫に寄生された肝太郎は
寄生虫を支配し、
自らが寄生虫に変身して、他人に寄生する力を得たのだー。
そしてー
”その寄生相手”となる”おもちゃ”をこのお店で
物色していたのだー
”キモイー”
小さいころから何度も何度も言われ続けて来た言葉ー。
特に、女子からは死ぬほど言われてきたー
だから、肝太郎は、”3次元の女”に強い憎しみを抱いているー
女は、100人中100人が、自分のことをキモイと言うと思い込んでいるー。
実際に、よくキモイと言われるー。
こういう”女子が利用するお店”を普通に歩いているだけで、
ほぼ100パーセント、笑ったり、キモイと言ったりする女が出て来るー
今日も、”いつものように”出てきたー。
さっきの女子高生が、そうだー。
そんな、自分のことを”キモイ”と見下す女に”パラサイト”して
内側から支配してやるー。
それが、彼の最近の趣味だったー。
”キモイと見下していた相手”に支配されていきー
命乞いする女を、滅茶苦茶にしてやる快感ー
「----ペロリ」
肝太郎は笑みを浮かべたー
”キモオタ”などと、何度も言われてきたー。
”肝が据わった男の子になるように”と
両親が名付けてくれた「肝太郎」という名前が
仇となってしまったのだー。
小さいころから、キモイキモイ言われ続けてー
挙句の果てに「キモすぎさん太郎」などというあだ名まで
つけられてしまった肝太郎ー。
昔は、それで悩んだこともあったー。
だが、今は、開き直っていたー。
「----」
小物売り場から出ていく女子高生二人ー
「--真梨香(まりか)」
肝太郎はそう呟いたー
これから”寄生”する女子高生の名前だー。
真梨香と、もう一人の大人しそうな女子の会話から、
名前を確認したー。
「”僕をキモイと言ったことを後悔させてやる”」
そう呟くと、
真梨香のあとを尾行する肝太郎ー。
やがてー
真梨香ともう一人の女子が手を振って別れて、
真梨香が一人になったー。
真梨香が人通りの少ない路地に入るー。
そのタイミングを見計らい、ズカズカと歩き出した肝太郎は、
真梨香に背後から声をかけたー
「-!?」
いきなり肝太郎に声をかけられたことで、警戒心をあらわにする真梨香ー。
「な、、、何の用ですか?」
真梨香が敵意を向きだしにするー
そんな真梨香を見つめながら、
肝太郎は、言い放ったー。
「--お前、さっきの店で、ボクのことキモイって言ったな?」
怒りの形相で呟く肝太郎ー。
「--あんた、さっきのー」
気が強そうで、おしゃれな女子高生の真梨香は、そう言うと、
「--あんたみたいのが来る店じゃないでしょ!」と
見下した様子で呟いたー。
「僕が可愛い小物を見ちゃ悪いのか?」
肝太郎が言うと、真梨香は
「-うるさい!キモイ!」と、叫んでそのまま立ち去ろうとしたー。
「---僕をキモイと言ったこと、後悔させてやるー」
「--!?」
真梨香は目を見開くー
肝太郎の姿が、突然、男の肉棒のような形の
”寄生虫”に変化したー
肝太郎の顔が、先端部分にあるような
醜悪な容姿だー。
そんな容姿になった肝太郎は「ぐへへへへへ」と笑いながらー
みるみる身体のサイズを小さくしていくー。
やがてー
カブトムシぐらいのサイズになった肝太郎は、
笑いながら真梨香の方を見たー
「-ひっ…!?!?」
真梨香は、何が起こったのか分からず、困惑しているー。
当たり前だー。
目の前にいたオタクが、突然、肉棒のような姿の寄生虫に変身しー
さらには、まるで小人になったかのように、縮小したー。
あまりに現実離れした光景を目の当たりにしてー
気が強い真梨香も、驚いてしまったのだったー。
「--ーーぐへへへへへ!」
小さな寄生虫の姿になった肝太郎が、真梨香の足にまとわりつくー。
「--ひっ!?ちょ!?キモイ!!!何なの!?!?」
自分の足についた肝太郎を振り払おうとする真梨香ー
しかし、肝太郎は徐々に真梨香の足を上っていきー
真梨香の太ももあたりまでやってきたー
「ちょ…え…!!マジキモイ!!!離れて!?何なの!?」
真梨香は、太ももについた肝太郎を引きはがそうとしたー。
だがー
肝太郎はスカートの中に入り込みー
さらにはー
真梨香の下着を牙でかみちぎってーーー
真梨香のアソコから、真梨香の体内に侵入したー
「んくっ…!?」
真梨香がビクンと震えるー。
「--(え…い、、、今…)」
真梨香の表情が青ざめるー。
虫のような姿になったオタクがー
自分の体内に入って行ったー!?
あまりの現実離れした出来事に、真梨香は震えながら、
周囲を見渡すー
”くくくくく…僕が君に寄生したんだ。
どうだい?君が見下しているオタクに寄生された気分は”
脳内に声が響きわたったー。
肝太郎の声だー。
「---え…え…????え…」
真梨香は怯えた表情を浮かべるー。
”まだどういうことか理解していないみたいだなぁ…”
肝太郎はそれだけ言うと、
”手を見てごらんー”
と、呟いたー
「---!きゃあああああああああああああああっ!!??」
真梨香は悲鳴を上げて、その場に尻餅をついたー。
自分の綺麗な手にー
”肝太郎の顔”が浮かび上がっているー。
「ぐへへへへへ 失礼だなぁ 僕の顔を見て、悲鳴をあげるなんて」
掌に浮かびあがった肝太郎の顔が、真梨香に向かって話しかけるー。
「--な、、え…う、、嘘…なにこれ…???え…?」
真梨香の言葉に、肝太郎は
”僕は他人に寄生することができるんだよぉ…
君みたいな僕を”キモイ”っていう生意気な女も、ボクの前では
何もできないのさ”
と、説明したー。
「---ふ、、ふ、、ふざけないで!」
気の強い真梨香は、パニックになりながらも叫んだー
「-わ、わたしの身体から今すぐ出て行って!!!
そうしないと警察に通報するから!」
真梨香の怒りの形相ー
肝太郎は、真梨香の手から、その顔を見ながら
ゾクゾクしていたー
”いいなぁ 君みたいな生意気なクソ女を
僕の意のままにして狂わせていくのー
滅茶苦茶興奮するー”
真梨香は、”寄生”されてもなお、気丈な様子を見せているー
路地から出る真梨香ー。
警察に向かうつもりなのだろうかー。
そう思いつつ、肝太郎は笑みを浮かべたー
「--悪い口だなぁ」
肝太郎の顔が浮かび上がっている右手が、
勝手に動いて真梨香の口をふさぐー
「むぐっ…ぐ…ひっ!?」
真梨香は怯えながらも、言葉を発する言葉出来ないー。
周囲から見れば、女子高生が自分の右手で自分の口を
塞いでいる奇妙な光景ー
「これでわかったか?
お前は僕にパラサイトされて、乗っ取られたんだ。
へへへへへ…
これからは僕のことを、ご主人様と呼んでもらおうかー」
肝太郎が言うと、「ふ、、ふざけないで!」と、真梨香は
必死に叫ぶー。
周囲の通行人が、いきなり
”一人で「ふざけないで!」と叫んだ”
真梨香の方を見つめるー。
スマホを手に持っているわけでもない真梨香は、
周囲からすれば”一人で叫ぶちょっと危ない子”で、しかないー。
「ふざけないで…?それがご主人様に向かって言う態度か~?」
肝太郎の顔が浮かび上がっている右手が言葉を口にする。
小声であるため、周囲にその声は、届いていなかったー。
「---お仕置きが必要だな…!」
肝太郎はそう言うと、支配した右腕を動かして、
スカートの中に手を突っ込んだー。
通行人が、表情を歪めるー
女子高生が路上で、自分の右手をスカートの中に入れて、
何やら手を動かしているー
「んっ…や、、やめ…
やめなさいよ…!」
顔を真っ赤にしながら真梨香が言うー。
「---おい」
その言葉に、真梨香は、青ざめたー。
”左手”がいつの間にか勝手に動いているー。
”手のひら”を真梨香に見せつけるかのように、
真梨香の顔の前にやってきた左手ー
そこにもー
肝太郎の顔のようなものが浮かび上がっていたー
「ひっ…!」
真梨香が悲鳴を上げるー。
”このまま路上でイカせてやってもいいんだぜ”
「や…や…やめて…」
肝太郎に対して命乞いのような表情を浮かべる真梨香ー
「それが、ご主人様にお願いする態度なのか?」
真梨香の口がー
勝手に動いたー。
真梨香は、涙目になるー
”言葉まで、勝手にー”
「--くくく…どうする?
この場でお前の口を使って卑猥な言葉を
大声で叫ばせてやってもいいんだぞー?
お前は僕に”パラサイト”されたんだ。
どうするべきか、わかるよな?」
真梨香の口が、小声でそう呟くー
右手はアソコをいじくりまわしているー。
「---う、、、く…く」
真梨香は、恐怖と怒りを抑えきることが
できない、と言わんばかりの表情でしばらく震えてからー
悔しさをにじませつつ、
言葉を口にしたー
「--ご、、ご主人様…やめて」
とー。
「やめて?」
左手に浮かび上がった肝太郎の顔が笑みを浮かべるー
「ご主人様にお願いするのに、ため口か?」
その言葉にー
真梨香は、顔をヒクヒクさせながらー
呟いたー
「やめてください…ご主人様…」
とー。
”このキモイオタク…!絶対許さない…!”
ギリギリと歯を食いしばりながら、
そう心の中で叫んだ真梨香ー
そんな真梨香を見てー
肝太郎の”顔”は、無気味な笑みを浮かべたー
②へ続く
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コメント
久しぶり(?)の寄生モノですネ~!
いきなりダークな出だしですが、果たして…?
続きはまた明日デス!
今日もお読み下さりありがとうございました~!
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