<他者変身>あなたが落としたのはどっちの彼女?③~追及ルート~(完)

「あなたが落としたのはどっちの彼女?」最終回☆

「信じるルート」の結末は…?

※2ルートあります★!(もう1個のルートはこのお話の1個下にあります)

※②までを先にお読み下さい!
 ②の最後で「目の前の遥奈を追求する」を、選択した皆様向けの最終回デス!


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「--わたしは、遥奈だよ」
微笑む偽遥奈ー。

「----」

「--信じて、恭平」
優しい微笑みー

それを見た、恭平は、戸惑うー

しかし、叫んだー

「--本当に、遥奈なのか!」
とー。

偽遥奈が表情を歪めるー。

「--た、、確かにさ、遥奈は遥奈なんだけどさ!
 なんか、こう、、言葉には言い表せないけど、、
 なんか、、引っかかるんだ!

 だってさ、あの泉で、もう一人、”明るい遥奈”とか
 訳わかんないのいたし、女神も訳わかんないし!

 なのに、遥奈、全然、あの泉のこと気にする素振りもないし!」

恭平の言葉に、
偽遥奈は思わず舌打ちをしたー

「チッ」
確かにー
”泉”のことを全く気にしないのは不自然だったかもしれないー

遥奈に変身した男の霊体は、
遥奈の記憶や思考を読み取って、振舞っているものの、
”泉に落ちて、不思議な現象が起きてどう振舞うか”は
分からなかったー

そんな経験、今までの遥奈にはなかったからだー。

結果的にー
遥奈に変身している男の霊体は
”泉”に関しての部分だけ、遥奈らしく振舞えなかったのだー

「--お前は、、誰なんだ!」
恭平が叫ぶー

「--わたしは、、わたしは、、」
顔をヒクヒクさせながら偽遥奈が言うー

「わたしは、、はるな、、だヨ」
声が歪むー。

「--違う!!お前は、、お前は遥奈じゃない!」
恭平が、遥奈の様子がやっぱりおかしいことを確信して叫んだー

そしてー

「くそっ!」
と、恭平は、大学を飛び出して泉に向かって走り出すー

”あの女神”から
話を聞きださないといけないー。

そう、思いながらー

一人残された偽遥奈は、怒り狂っていたー

「クソが!!クソが!!クソが!!!!
 俺が遥奈だってんだろうが!あのクソ彼氏が!」

遥奈の姿と声で
怒りの言葉を吐きまくる偽遥奈ー

大学の一室でひとり暴れていた偽遥奈の元にー

女神の声が聞こえたー

”バレましたね”
とー。

「---!」
偽遥奈が表情を歪めるー。

”もしもーー
 もしも、バレたときにはーーー”
”あなたは、この世から、完全に、消えます”

女神に言われた言葉を思い出すー

「--ま、待ってくれ!俺はまだばれてn ---!?」

偽遥奈が、自分の身体が、ドロドロと溶け始めたことに気づくー

「--い、、、い、、?ま、、待て!俺は、、俺は!!!」
偽遥奈が叫ぶのを女神は、冷たい目で見つめたー。

「---残念でした。さようならー」
女神がそれだけ言うと、
偽遥奈は、「俺はあああああああああ!」と叫びながら、
全てが液体となり、そのまま消滅したー

「さて…」
女神はそう呟くと、すぐに姿を消したー

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”愛を試す”
そんな都市伝説のある山に、恭平は再び上るー。

そしてー
例の泉にたどり着いたー

「---遥奈を返せ!」
恭平が叫ぶとー
すぐに女神が姿を現したー。

「--おや」
女神がとぼけた様子で呟くー。

「--あなたは、自分で、”大人しい遥奈”を持ちかえったはずでは?」
その言葉に、恭平は言うー

「あぁ、そうだよ」
とー。

恭平は、目を瞑るー
”大人しい遥奈”は偽物だったー
それは、間違いないー

かと言って、もう一方の”明るい遥奈”が本物であるはずがないー

そうー
最初から”本物”など、あの2択には存在しなかったのだー。

「---本物の遥奈はどこにいる?
 両方偽物なんて……こう、、フェアじゃないだろ!?」

恭平が叫ぶと、
女神はクスッと笑ったー

そして、拍手を始めるー

「あなたの愛は、本物ですね」
とー。

「--いいでしょう」
女神はそう呟くとー
泉の底に幽閉された状態の”本物の遥奈”を泉の上に引き上げたー。

「---!」
光の雫のようなものに閉じ込められていた遥奈は
ほとんど濡れていなかったー

地上に引き上げられた本物の遥奈が「き、恭平…!」と叫ぶー。

「---遥奈!」
恭平は、一目見て確信したー

”これが本物の遥奈”だとー。

明るい遥奈は論外だー。
そして、大人しい遥奈も、一見遥奈なのだが、
どこか違和感があったー

でもー
この遥奈は、間違いなく、”本物”-

「--どうして、分かったのですか?」
女神が尋ねるー。

恭平は言うー

「正直、最初は分からなかったー
 でも、1週間も一緒にいればー
 大切な遥奈のことなんだ…

 分かるに決まってるじゃないか!

 見た目も、記憶も、引き継いでいたとしてもーーー
 心が違えば、それは、遥奈じゃない!」

恭平の言葉に、本物の遥奈は「恭平…」と泣きながら
恭平に近づいたー。

「--ごめん遥奈…来るのが遅くて」

「---ううん…大丈夫…怖かった…」

恭平と遥奈が抱き合いながら
お互いに言葉をかけあっているのを見て
女神はほほ笑んだー

「--本物の、愛ー」

女神は、それだけ呟くと、
自分の中で嫉妬が芽生えるのを感じたー

女神は、男に裏切られて殺された女の、
”怨霊”だー。
女神などではないー。

そしてーーー

自分が”弄ばれた”ことを恨みー
あれからずっと、ここで、仲睦まじいカップルを見つけると
”弄んで”来たー。

愛を試すと称して、弄んで、来たー。

「--」
女神は激しい嫉妬の感情を覚えながら、
ようやく口を開いたー

「お見事でしたーー」
とー。

そしてーーー

「-約束通り、あなたたちに、永遠の愛が訪れるよう、祝福しましょうー」
女神がそう言うとー

次の瞬間ー

「---!」
「----!?」

抱き合っていた恭平と遥奈が衝撃を感じたー

それと同時にーーー

恭平と遥奈の二人がーー”石化”したー。

「--約束通りー
 あなたたちに、永遠の、愛をー」

石になって抱き合ったままの恭平と遥奈ー

「永遠に朽ち果てることなくー
 永遠に抱き合ったままー

 くくく…ふふふふふ」

女神はそう呟くと、抱き合ったまま石化してしまった
恭平と遥奈を泉の中に引き戻すと、そのまま泉の底に沈めたー

最初からー
女神は遥奈を解放するつもりなどなかったー

最初からーーー

彼女はただ、かつて男に裏切られて、自分が真実の愛を
得られなかったことを恨み、
カップルを弄んでいるだけなのだからー

「--”フェア”じゃないことなんてー
 世の中にたくさんあるのですよ」

石化した二人に女神はそう語り掛けたー。

泉の底にはー
恭平と遥奈以外にも、石化したカップルが
何組も転がっていたー

おわり

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コメント

初めて2ルートに分岐する作品を試験的に
作ってみました!

普段はやらないと思いますが
毎日更新しているので、たまにはこういうものも…!

お読み下さりありがとうございました~!

あ、もう1ルートを読みに行っても、
もちろん大丈夫ですからネ~!

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