繰り返される憑依ー
何度も、何度も憑依されー
人生を奪われた一人の女性の物語…。
-------------------------—-
中里 星香(なかざと せいか)はー、
ごく普通の家庭で育ち、明るく、元気な性格の少女だったー。
だがー、彼女は、中2の時に、
”憑依”されてしまったー。
きっかけは、父親が駅で、マナー違反の不良を注意したことー。
その不良グループに逆恨みされた結果ー
下校中の星香が襲われたー。
星香は、不良グループの男のひとりに乗っ取られてー
豹変したー。
結果、家庭は崩壊しー
星香は学校でも豹変ー
悪事の限りを尽くしたー。
「---!」
星香が次に目を覚ましたのはー
高校2年生の時だったー。
と、言ってもー
高校には通っておらずー…
「--えっ…?えっ!?」
およそ3年間、完全に乗っ取られていた星香は戸惑うー。
何が起きたのかも分からないままー
バニーガールの姿をしたまま、見知らぬバーのような場所にいたのだからー
「---へへへへへへへ どうだ?最高だろ?」
3年前ー
星香を乗っ取った不良が、隣にいる柄の悪い男に笑みを浮かべるー
金のやり取りをする男たちー。
「--ククク…色仕掛けをするにはもってこいの身体だな」
金を払った方の男が笑みを浮かべると
星香に近づいてきたー
星香は何が起きているのか分からないまま悲鳴を上げるー
「や、、やめて…!?
え!?、、お父さんとお母さんはどこ!?
ここ、どこなの!?」
星香はそう叫びー
”自分の声”が少し違うことに気づくー。
成長期の3年間が吹っ飛んでるー。
自分の身体の異変にも気づくー
胸が大きくなっているー!?
「--え…えっ!?」
戸惑っている星香はー
そのまま”3年ぶりの意識”が吹っ飛びー
再び別の男に乗っ取られてしまったー。
それからは星香は、裏社会の男に悪用されー
色仕掛けで勢力拡大のために働いていたー
「--ふふふふ どこの女だか知らねぇが、この身体すっげぇエロイんだぜ」
18歳になった星香が、笑いながら太ももを触るー
「へへへへへへ やらしい女だぜ」
横にいる男がニヤニヤしながら言うと、
星香は「一発ヤッてみるか?」とほほ笑んだー。
「-お?いいのかよ?」
男が言うと、
星香は「もうじきこの身体から出るつもりだからさぁ、
妊娠させちまっても構わねぇぜ」と、笑みを浮かべたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
星香が次に目を覚ましたときはーー
病院だったー。
「--え…?」
星香は、戸惑うー
しかもー
星香は妊娠していたー。
星香の中では、まだ、自分は「中2」なのだがー
もはや、星香の身体は19歳になっていたー
2度に渡る憑依であまりにも長い時間、
他人に身体を使われ続けたー
「--大丈夫ですからねー!」
看護師さんが星香を励ますー
しかし、星香にとっては”何が大丈夫”なのかもわからないー。
妊娠して、もうすぐ赤ん坊が生まれるー
そんな状況なのだが、
星香には全く現状が理解できなかったー
意味が分からないまま苦しみー
そして、意味が分からないまま、
我が子を出産した星香ー。
「---…はぁ…はぁ…」
頭がごちゃごちゃに混乱している中ー
「元気な女の子ですよ!」
と、看護師さんが、微笑んだー
「--げんきな…おんなのこ…?」
星香が首を傾げるー
「あ、、、あの…わたし…?」
戸惑う星香ー
やがて、星香は病院の先生から
”路上で気を失っていたところ、病院に運び込まれた”と
説明してくれたー
星香は、今の日付を聞かされて愕然とするー。
5年以上、知らない間に経過していたからだー。
何が起きたのか、さっぱり分からず、
星香は泣きじゃくってしまうー。
「--お父さんとお母さんは!?」
と、星香は先生に確認したー
しかしー
先生が調べてくれたところー
両親は既に死亡していたー
母親は自殺ー
父親は病気だったー
「--わたし…いったい…どうしちゃったの?」
星香は戸惑うー
5年以上、記憶が飛んでいるー
しかもー
バーのようなお店で、不良のような男たちに
襲われそうになっていたー
そんな記憶もあるー
精神的に不安定になり、星香はほどなくして、
入院することになってしまったー。
幸い、親戚がお金を出してくれているー
とのことだったがー
星香には何が何だか分からず、
赤ちゃんを育てるなんてことは、出来るはずもなかったー。
だがー
星香は、そんな現状を受け入れていくー
入院生活を経てー
自分は記憶喪失になってしまったのだと自分に言い聞かせー
前向きに生きていくことを決意したー
親族のサポートなどもあり、
一人暮らしを始めー
バイトを始めた星香ー
しかしー
星香の”知能”は中学レベルのままー
なかなか、うまく行かない部分もあったり
”見た目より幼いですね”などと
嫌味を言われてしまう始末だったー
”ここ”で
終わればー星香は立ち直って
なんとか人生を送ることが、できたのかもしれないー
けれどー
不運は連続したー。
コンビニのバイト仲間のひとりー
40代独身の男が、
”エッチな身体つきをしているのに妙に幼い”星香を
好きになり、頻繁に告白してくるようになったー
星香は戸惑いながらも、
それを断るー。
しかしー
断られた男は、
プライドを傷つけられたのか、激高しー
その数日後ー
二人だけのシフトになった際にー
”君の身体、貰うよ”
と、いう言葉と同時に、キスをしー
そのまま、星香の身体を乗っ取ってしまったのだったー
「--ふひひひひひ…へへへへへへへへ!」
自宅でコスプレをして、イヤらしい笑みを浮かべる星香ー
星香は20年あまりの人生を、
5年以上も奪われー
そして今、また、3人目の男に身体を奪われてしまったのだったー
それからの星香は、コスプレやエッチ三昧の日々を送ったー
ツイッターで自撮りをアップしては
チヤホヤされて、笑みを浮かべる星香ー
「---へへへへっ!!!最高だぜ!!!最高だぜぇぇぇぇ♡」
潮を拭きながらげらげらと笑う星香ー。
しかしーー
そんな生活も長くは続かなかったー。
星香の身体で、自撮りを上げまくっていた男はー
やがて、ストーカーに付きまとわれるようになってー
恐怖から、星香の身体を捨てたー
星香は、23歳ー。
「---あ……」
ゴミ置き場に、仰向けで寝っ転がっている状態で、
目を覚ましたー
しかも、星香は裸だったー。
40代独身の男に憑依されている間に
ストーカーに狙われてー
ストーカーに追いかけられている最中に
その男が星香の身体を捨てたためー
意識を失った星香の身体をストーカー男は
思う存分楽しみ、そのまま立ち去って行ったのだったー
すぐに通報されてしまう星香ー
星香は意味の分からないまま警察に連行されたー
星香は「-何も分からない!」と泣き叫んだー。
まるで少女のようにー
警察官は困惑するー
だがー
星香には”補導歴”があったー。
もちろん、星香本人は知らないー。
裏社会の男に憑依されているころに、
星香は色々な悪さもしているのだったー
「--それにね、お母さん、娘さんもいるでしょうに」
警察官が呆れた様子で言うー
「娘ー?」
そういえばー
出産した記憶があるー。
けれど、そのあと、子供は施設に、
自分はコンビニでー
星香は震えるー
「わ、、わたし……わたし…
記憶がほとんどなくて…」
泣きじゃくるだけの星香ー
だが、警察は厳重注意で、星香を数日後に釈放したー
何も分からずー
行く当てもない星香ー
星香はー
ホームレス同然の生活をしていたー
住所も分からないー
どうすれば良いのかも分からないー
「---あ……うあ…」
無気力に空を見上げる星香ー
その身体は、既にボロボロだったー。
「----……」
父親や母親も、もうこの世にはいないー
しかも今、自分は23歳なのだというー。
「---何が…起きてるの…?」
星香には、何も分からなかったー
理解が出来ないー
そしてー
”また”自分の意識が急に飛ぶのではないか、という恐怖から
眠ることもできず、
不眠症のような状態になってしまっていたー
”自分が憑依されている”
そのことを知らない星香はー
”急に意識が飛んでいる”
”急に記憶を失っている”としか
思えなかったー。
病院に行くお金もなくー
星香は、川辺の雨風しのげる高架下での生活を
余儀なくされていたー
しかしー
ある日ー
「---ん?」
偶然、そんな星香の姿を見かけた男ー
AV監督の男は、笑みを浮かべたー
星香の意識は、その2日後に、突然、吹き飛んだー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--お疲れ様でした!」
星香が、目を覚ますとー
周囲に、スタッフのような男が集まっていたー
「--おつ…かれ?」
星香が周囲を見渡すー
星香に渡される花束ー
何が起きているのかー
さっぱり理解できないー
「--おつかれさまでした!茜さん!」
「---茜?」
星香が首を傾げる。
人違いだろうかー。
「---はは、いいんだよ。もう」
年配の男が、声を掛けた若い女の肩に手を掛けるー
「--もう、”そいつ”は茜じゃないんだから」
笑う男と若い女ー。
「--え??え?」
星香は意味不明のまま、その場を後にするー
スタジオの廊下のような場所に出ると、
男が一人、待っていたー
星香は泣き出しそうになりながらー
「あの…!」と、
”ここはどこなんですか?”と聞こうとしたー。
「----へへへ…ご苦労さん」
男はー
星香の身体を”6年間”乗っ取り続けていた男ー
「--あ、、あの…わたしは…」
星香が言うと、男はほほ笑んだー
「-きみはまもなく30歳だー
もう、この業界的にもあんま需要が無くなる年齢だからさー
俺は、監督の指示で”次の身体”に移動することにしたんだ」
「--ー…さ、、さんじゅう…?」
星香は戸惑ってしまうー
星香の心は、未だ学生時代のままー
そのあとも、少しの間、自分の意識を取り戻していた時期も
あるものの、自分が間もなく30歳などという実感はないー
15年以上ー
ほとんど乗っ取られて過ごしたのだからー
”寝取られ人妻 茜ちゃん”
と書かれた、DVDのようなものを男が見せて来るー
「--お前はAV女優としてこの6年、活躍してきたんだー
今じゃ、お前を見てたくさんの人が抜いている
へへへ」
”茜”とはAV女優としての名前ー
「--え、、、う、、う?
わ、、わたし、そんなこと、そんなことしてない!」
星香が叫ぶー
「--したんだよ。
なんなら、今からお前のデビュー作、
夜のミルクとお昼のミルク でも見るかぁ?」
男が笑うー。
「---…うそ…わたし…わたし…
あああああああああああああっ!!!」
星香は壊れたー。
スタジオから飛び出しー
街中を泣きながら走るー。
星香の心は、既に限界だったー
何度も何度も憑依され続けてー
”崩壊”していたー
知らない間に15年以上、身体を使い続けられー
知らない間に、補導歴までありー
知らない間に、AV女優として活動していたー
星香は、路上で頭を抱えて泣き叫ぶー
周囲がどよめく中、
星香は路上で、発狂したかのように、
泣き叫び続けたー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
立て続けに憑依されて、
人生を奪われ続けている彼女の運命は…?
続きはまた明日デス~!
コメント