とある会社ー
異動してきたばかりの部長は、
入社2年目の女子社員に目をつける…
彼女はまだ知らない。
自分が憑依されてキスに溺れることになるとは…。
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「---」
今年異動してきたばかりの部長・勝本 耕平(かつもと こうへい)は、
入社二年目の女子社員のほうを見ていた。
もうすぐ40代になる耕平からすると、とても若々しい20代前半の女性社員。
葉鳥 麗香(はとり れいか)-。
「---(今日も、かわいいな)」
耕平はそんな風に麗香のことを見ていたー
特に、唇ー。
ぷるぷるとした引き込まれそうなほどに
綺麗な唇に、耕平はいつも、見とれていたー
あの唇を奪いたいー
キスしたいー
そんな風に、内心で思っていた。
だがー耕平は、
理性を持っている。
いきなりキスをしたら、それはセクハラであることは
分かっているし、
自分の仕事も、家族も失うことを意味するのは
よくわかっている。
だから、いつもー
脳内で、麗香とキスをしたり、
自分が麗香になったつもりで、
夜に一人で抜いたりするにとどめていた。
妄想は犯罪ではないー。
耕平は、普段は部長として、振舞っているー。
だがーーー
”酒”は人を狂わせるー。
部署にいた社員の一人が
退職することになり、その送別会が行われていた時のことー。
耕平は、その社員と同期でもあったことから
ついつい飲み過ぎてしまったー。
そしてー
理性がはじけた。
「--しかし、麗香ちゃんの唇って綺麗だよなぁ~」
耕平が顔を赤くしながらヘラヘラと笑う。
「---は、、はぁ…ありがとうございます」
麗香は苦笑いしながら愛想笑いを浮かべているー
「1度、そのぷるんぷるんの唇を奪いたい気分だぜ~!」
調子に乗って叫ぶ耕平。
「--部長!」
社員の一人が、耕平を注意する。
麗香が明らかに嫌がってるのが分かったからだ。
普段の耕平なら、こんなことは言わないし、
仮に言ってしまったとしても、
この時点で、自分の行動を詫びるぐらいのことはできる。
だがー
この日は酔っていたー。
「---えへへへへ~俺とキスしようぜ~!」
麗香に詰め寄る耕平。
「あ、、あの、、そういうのは…ごめんなさい」
麗香が頭を下げる。
麗香、昔から男女関係があまり得意ではなく、
男性と一定の距離を置いているー
彼氏はいるのだが、
彼氏ともエッチなことをしたことはなく、
相手が麗香のそんな性格を理解してくれているからこそ、
麗香も心を許し、付き合いを続けている。
「---あぁ~?
上司と口づけするのがイヤだってのか~?」
耕平が叫ぶ。
完全に酔っぱらっている。
「--部長!」
他の社員数名が耕平を止めようとする。
だがー
耕平は止まらなかったー
麗香に無理やり抱き着いて
麗香にキスをするー
激しく、キスを何度も何度もするー
やがてー
麗香は泣きながら帰ってしまったー
耕平は、キスできたことに満足そうな笑みを浮かべて
そのまま寝てしまうー
・・・・・・
そして、翌日ー
「---え…」
耕平は唖然としていた。
翌日、会社に出勤した耕平は
昨日のことを他の社員から聞かされた。
麗香が、会社に相談し、
会社が麗香をひとまず別の部署で預かることにしたのだとー
さらに、
耕平は、本瀬専務から呼び出しを受けてしまうー。
「-----」
本瀬専務が、冷たい目線を耕平に浴びせる。
「きみ、自分が何をしたのかわかっているのかね?」
本瀬専務の言葉に
耕平は「は…」と頭を下げる。
「ただ、私もよく覚えていなくて…」
昨日は飲み過ぎた。
正直、昨日の記憶がほとんどない。
「-----覚えていないじゃ、すまないんだよ。
事実、君は、女子社員に抱き着いてキスをしたんだ
これは立派なセクハラで、大問題だ」
本瀬専務の言葉に
耕平は言い逃れができないことを覚悟して
「申し訳ありませんでした」
と、頭を下げたー
”自宅待機”を命じられた耕平ー
家で妻や娘からいろいろと聞かれるが
耕平は答えることができなかったー。
「---仕方がないんだ」
耕平は、部屋で球を抱えるー
麗香の唇が頭の中に浮かぶー
仕方がないんだー
と、耕平は何度も何度も自分を正当化しようと
頭の中で繰り返し叫び続ける。
仕方がない、仕方がない、仕方がないと、
呪いのようにブツブツと呟く-
やがて、耕平は
”あの女が俺を誘惑するからいけないんだ”と
逆恨みにも似たような感情を抱き始めるー
妻と娘は、俺を邪魔者扱いしているー
俺には癒しが足りないー、
とー。
他人を悪者にして、自分を正当化するー
やがてー
会社からは異動通達が出たー
明らかに麗香にキスした件だろうー。
妻と娘にも呆れられてしまい、
一人で単身赴任をすることが決まるー
耕平は絶望したー
麗香を、妻を、娘を、本瀬専務をー
色々な人を憎んだー。
そして、単身赴任を目前に控えたある日ー。
耕平は、不思議な夢を見たー
”憎いか…?”
謎の黒い人影ー
悪魔のようにさえ見えるソレが、
突然語り掛けてきたー
「ーーえ?」
耕平が間抜けな返事をすると
黒い人影は笑う。
”我は…そうだな…悪魔とでも名乗っておこうか”
それだけ言うと、黒い人影ー
その悪魔は言った。
”お前の強い憎悪におびき寄せられて
我はここにいる…
お前の憎悪、実に興味深い”
悪魔の言葉に
耕平は少しびびりながらも
「い、、いったい何の用だ!」と叫んだ。
すると、悪魔はニヤリと笑ったー
「お前の、その憎悪に興味がわいたー。
お前に、力をやろうー」
悪魔の手が紫色に光るー
”殺されるー!?”
耕平はそう思ったー
悪魔が笑う。
「--あの”唇”が欲しいのだろうー
お前に、憑依の力を授けようー
憎悪に支配されたお前が、
その力で何をするのか、実に楽しみだー」
悪魔の紫色の手が、耕平を襲うー
「うわあああああああああああああ!!!」
耕平は大声で叫びー
そして、飛び上がったー。
目を覚ますと、
そこは自分の部屋だったー
「夢…か」
耕平は、そう呟きながらも
”やけにリアリティのある夢だったな”と
呟くー。
今日は引っ越しの準備。
来週からは、新しい部署での仕事が始まるー。
今まで部長として勤務していた部署に荷物を取りに行く耕平。
その帰りにー
麗香とすれ違った。
麗香が目を逸らすー
「----」
耕平も目を逸らすー
しかしー
”今だ”
頭の中に声が響いた。
「え…」
振り返る耕平。
だがーそこには麗香の後ろ姿しかない。
”今だ…
お前に授けた力を使うときだ”
この声はー
耕平は、頭に響く声の正体を悟る。
昨日、夢で見た悪魔だ。
と、いうことはーー
あれは夢ではなかったー
”あの女にキスをすれば
お前はあの女を乗っ取ることができる”
「--ほ、本当なのか?」
耕平が言うと、
悪魔は”本当だ”と断言したー
”どうする?みじめな人生をこのまま送るか、
お前の好きなあの唇を自分のものにするか”
耕平は、悪魔の言葉を聞き終える前に
走り出していたー
女子トイレに入っていく麗香ー
耕平はーー
迷わずそのあとを追いかけたー
「ひっ!?!?」
麗香が驚くー
女子トイレに耕平が入ってきたからだー
「---麗香ちゃん…
その身体を…唇を…!すべてをよこせぇ!」
耕平は狂ったように叫ぶと、
逃げようとする麗香を無理やりつかんで、
そして、キスをしたー
「むぐっ…」
麗香がもがくー
するとー
耕平の身体に異変が起きたー
紫色のオーラのようなものに包まれてー
身体が、解放されたような感じがするー
そしてー
麗香の口から吸いこまれて
トンネルのようなものをくぐるような不気味な感覚を感じてーーー
「うぁっ!」
と声が出たー
その声は、麗香のものだったー
何が起きたのかわからないー
そう思いながら
「あーー…うぅ…あ!」
鏡のほうを見つめる麗香ー。
「うあっ!?ほ、本当に麗香ちゃんになってるー」
ぐふふふふ、と笑みを浮かべる麗香ー。
耕平は、麗香に憑依することに成功したー
「あぁぁぁぁ…麗香ちゃんの唇…」
うっとりとした表情で、トイレの鏡を見つめながら
自分の唇を触る麗香ー
耕平が思っていた通りー
麗香の唇はぷるぷるしていて、
とても触り心地がいい。
「あぁ…うへへへへ…」
奇妙なぐらいにニヤニヤしながら笑う麗香。
自分の手の平にキスをしてみるー
「んああああああああっ…!麗香ちゃんのキス…!
うあああああああっ!!」
トイレで一人興奮して
足をばたばたさせる麗香ー
「あぁ…やった…これで…キスし放題…♡」
鏡のほうを見つめた麗香の顔は
赤く染まっていたー
自分で自分の手のひらにキスをして
身体が火照るほどに興奮しているー
「ふふ…ふふふふふ」
トイレの鏡を見つめる麗香ー
鏡の自分に向かってキスすればー
麗香ちゃんとキスをしたことにーー
「あ、、いやいやいやいやいや!
トイレの鏡にキスなんてちょっと嫌だな」
麗香はそう呟くー
これからは、この身体が自分の身体だー。
トイレの鏡にキスをするなんて、したくないー。
耕平は、麗香の身体で永久に
生きていこうとニヤニヤ笑みを浮かべるー
毎日毎日毎日、麗香の唇も、キスも
独占できる。
「くふふふふふふ~♡」
麗香は、他の利用者が入ってきたことも忘れて
一人不気味な笑い声を上げ続けていたー。
・・・・・・・・・・・・
帰宅した麗香は、
鞄を放り投げて、
部屋をじろじろと見まわす。
一人暮らしの女性らしい落ち着いた感じの部屋で
ありながら、どことなく可愛らしさもあるー
「へへへへへへへ!」
OL姿のまま、蟹股で部屋中を
駆け回る麗香ー
そして、お目当てのものを見つけた。
「やっふ~!あったあった~!」
麗香は、自分の部屋にある姿見を見つけて
ガッツポーズする。
性欲に飢えた獣のような表情をしながら
鏡に飛びついてー
いきなり激しくキスをし始めた。
「んんんんんんん~~~~♡」
鏡に綺麗な唇を押し付ける麗香。
ぶちゅうううう…と、唇を押し付けた音が響くー
そのまま麗香はしばらく夢中になって
クスクス笑いながら
唇を鏡に、力強く押し付けて、
激しく興奮していたー
「んふっ…♡ ふぅ~♡麗香ちゃん…」
うっとりとした表情で鏡を見つめては
再びキスをするー
何度も何度も何度も
鏡の中の自分に向かってキスをするー
「はっ♡ あぁ♡ 最高…♡
麗香ちゃんと…キスし放題…♡」
そう呟くと、再び鏡に唇を押し付けて
しばらく激しくキスをするー
もじもじと身体を動かしながら
鏡に向かって何度も、何度もー。
鏡の味ーー
決して美味しくはないけれど、
激しく興奮している麗香には
最高の味に思えた。
「うんんんん…おいしい…!」
鏡から麗香の唾液が下に垂れていくー
その光景にさらに興奮した麗香は、たまらなくなって
自分を抱きしめて、顔を真っ赤にしながら
とても幸せそうな笑みを浮かべたー
「あぁぁぁ…今日から、、キスし放題だ…!
ふふふふ…あはははははっ♡」
この日からー
麗香は、キスに溺れる女と化したのだったー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
ひたすらキスをしたい男性が
憑依するお話デス~!
後編(明日書きます~)もあるので
お楽しみに~!
コメント
SECRET: 1
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執筆おつかれさまです!
かなり好きなシチュエーションで、
今回も楽しく読ませていただきました( ´ ▽ ` )
後半には唾液の臭いで興奮する描写が
あることを密かに期待しております(^o^)
SECRET: 0
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たまぴー様!
コメントありがとうございます~!
好きなシチュエーションで何よりデス!
後半もぜひお楽しみくださいネ~!
SECRET: 0
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成りすましと唇フェッチも良いですね[絵文字:v-10]
SECRET: 0
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> 成りすましと唇フェッチも良いですね[絵文字:v-10]
コメントありがとうございます~☆
楽しんでいただけてなによりデス~!