<憑依>憑依されても気にしない①~冷静~

どんな時でもクールで、
冷静な女子高生ー。

彼女は”憑依”されても冷静だったー。

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「ーーーーーーーーー」
「ーーーーーーーーー」

演劇部の友達・千穂(ちほ)の練習を
放課後に見に来ていた女子生徒・静野 加恋(しずの かれん)ー。

整った顔立ちに、スタイルの良い身体ー、
その表情はどこか、氷のような感じを感じさせる彼女がー、
じっと、友達が所属している演劇部の練習を見ていたー。

友達である千穂から”感想を聞かせて欲しい”と
招かれたのだー。

「ーーーー」
が、笑いを誘う場面に入っても加恋は無表情のままー。

千穂はそんな加恋の反応を横目で確認しながら
ようやく演技を終えると、
他の演劇部員たちがひと息ついている中、
すぐに加恋に駆け寄って言葉を口にしたー

「や、やっぱり、面白くなかったー?」
千穂がそう言いながら加恋のほうを見つめると、
加恋は少し首を傾げながら
「普通に面白かったと思うけどー?」と、
それだけ言葉を口にするー。

「ーーーえ…えぇ…?
 ーずっと真顔だったし、面白くなかったのかな~って」

千穂は少し不安そうにしながらそう言葉を口にすると、
加恋は少しだけ溜息を吐き出してから
首を横に振ったー。

「ーリアクションが欲しいなら、わたしじゃダメでしょー。
 わたしがこういう人間だってことは、千穂ももう知ってるでしょ?」

加恋にそんな風に指摘された千穂は
思わず、少しだけ苦笑いすると
「そ、それは確かにそうだけどー」と、そう言葉を続けるー。

加恋は、とにかくどんな時でもクールで冷静な女子生徒だったー。
怒ることも、泣くことも、笑うことも、怖がることも、
滅多にないー。

以前、教室に大きなハチが乱入して騒ぎになった際にも、
加恋だけは全く動じることなく、
”窓を開けて、逃がせばいいだけよ”と、
そう言い放って、軽々しく、そのハチを外に追い出して見せたー。

ただー、決して人付き合いが苦手ということはなく、
友達思いな部分もあるし、困っている人から
助けを求められれば、迷わず助けを求めるような
そんな一面もあって、千穂を始め友人も多いー。

「ーひとつ気になったと言えば、
 劇の途中で、わたしのことをチラチラ気にしてたぐらいかな?

 当日、親とか、例えばわたしとかが見に来てたら
 ああなっちゃうんだとしたら、ちょっと失敗」

加恋はそんなアドバイスも口にすると、
さらに、劇の感想を、”物語の内容をしっかりと理解した上で”
色々と口にしていくー。

千穂は、そんな感想を嬉しそうに聞くと、
「ーあ~~わたしも加恋みたいに何事にも動じない心があれば
 本番の時も全く緊張しないのになぁ~」と、
加恋のことを羨ましく思うような、そんな言葉を口にしたー。

がーーー
そんな加恋のことをよく思わない人物もいたー。

何でもできて、いつもクールで、
周囲から頼られていて、容姿にも恵まれているー…

そんな加恋のことを”気に入らねぇ奴”として、
嫌っている人間もいたー。

その一人がー、
加恋とは別のクラスの男子生徒・綿山 修斗(わたやま しゅうと)だったー。

修斗は、
以前、同じクラスの男子生徒に嫌がらせしているのを加恋に目撃され、
注意された挙句、
後日、逆上して加恋に勝負を挑んだところ、
他の同級生たちの前で一撃で護身術を叩きこまれて
ノックアウトされ、大恥をかいたことから
加恋を逆恨みしていたー。

”女子に負けたやつ”として仲間内でもネタにされて、
修斗は屈辱を味わい続けて来たのだー。

そしてー…
そんな修斗は加恋への”復讐”の準備を既に整えていたー。

そうー、”憑依薬”を手に入れてー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その日の夜ー、
帰宅した加恋は
自分の部屋で、今度のテストに備えて
黙々と勉強を続けていたー。

「ーーー」
その机の上には、少し加恋よりも年下だろうかー。
そんな子と一緒に楽しそうにしている
写真が飾られているー。

「ーーー」

勉強は順調だったー。
元々、物覚えも頭の回転も速い加恋にとっては、
今回も順調に”それなり”の点数を取ることができるー

ーーはずだったー。

しかしー…

”ククククー
 静野ー。この時をどれほど待ったことかー”

加恋の部屋にー、
加恋を恨む男子生徒・修斗がやってきていたー。

既に憑依薬を飲んで”霊体”となった状態でー。

”へへへへへー
 お前の身体を貰って、お前の身体をたっぷりと堪能してー
 そして、恥もかかせてやるぜー”

霊体である修斗の言葉は、今、修斗の眼前で勉強を続けている
加恋には聞こえないー。

修斗はそんな状況にもドキドキしながら
”へへへーそのムカつく身体をよこしなー”と、
そう言葉を口にすると、
そのまま勉強中の加恋の身体に自分の霊体を重ねたー

「ーーっ!?!?」
突然、これまでの人生で感じたことのないような
不気味な衝撃を感じた加恋は
不思議そうに振り返るー。

がー、すぐに何事もなかったかのように、
動揺する様子一つも見せず、
勉強へと戻っていくー。

がー、既に修斗は加恋への”憑依”を成功させていたー。

”へへへへーよう、静野ー”
修斗の声が、加恋の脳の中に響くー。

「ーーー!」
加恋はほんの少しだけ表情を歪めたものの、
すぐに「ー何の用?」と、そう言葉を返すー。

自分の頭の中から修斗の声が聞こえて来ている状況を
前にしても動じない加恋ー。

そんな加恋の反応に
”おいおい、それだけかよー。お前はたった今、俺に憑依されたんだぜー?
 何か言うこと、あるだろ?”
と、修斗は加恋の中でニヤニヤしながらそう言葉を口にすると、
加恋は2秒ほど間を置いてから口を開くー。

「あっそう」
とー。

”ーいや、いやいやいやいやそれだけかよー?
 お前の身体にこの俺が憑依したんだぜー?
 もっと怒ったりとかビビったりとか
 そういうのねぇのかよー?”

修斗はそこまで言葉を口にすると、
加恋は「別にー。今、勉強で忙しいから」と、
それだけ言葉を口にすると、
再び勉強をし始めるー

”ぐぐぐぐぐぐー…くそっ…
 この野郎…馬鹿にしやがってー”

修斗が使った”憑依薬”は、
当然、こうして相手の身体に入り込むだけではなく、
加恋の身体を乗っ取って意のままにすることもできるー。

ただー、修斗自身が
加恋への仕返しも兼ねているために
”少しずつジワジワと”加恋を追いつめようと、
そう考えていて、
意識をいきなり完全に乗っ取るのではなく、
こうして加恋に話しかけていたー。

”ー今の俺はその気になれば、
 静野ー。お前の身体を好き勝手動かして
 何だってできるんだぜー?”

加恋に憑依した修斗がそう言葉を口にすると、
「ーーーそれで?」と、加恋はなおもそう言い放つー。

”く……お前、俺の言ってること、嘘だと思ってやがるだろー!?
 だったら見せてやるぜ!”
修斗は、悔しそうにそう言い放つと、
加恋の両手を支配して、勉強に使っていたノートをそのまま破り捨てると、
加恋は困惑した表情を浮かべるー。

そしてー、加恋が何かを言おうとしたのを感じながらも、
そのまま両手を動かして、加恋の両胸を揉んで見せるー。

加恋の顔が少し赤らんでいくのが見えるー。

さらにー…
修斗はそのまま加恋の口も支配して
「わたしは勉強中に欲求不満になっちゃう変態でぇ~す♡」と
大声でそう叫びながら、ダブルピースをさせてみせたー。

がーーー

「ーー気は済んだ?」
加恋は淡々とそう言葉を口にすると、
「勉強の邪魔はしないで貰える?」と、
あくまでもクールにそう言い放ったー。

”~~~~~~~~~”
一部分とは言え、身体を実際に乗っ取って見せたにも関わらず
またもや冷静な反応が返って来て
修斗は勝手に逆上すると、
「いつもいつもいつも俺を馬鹿にしやがって!」と、
加恋の口でそう叫んだー。

「ーーーー」
加恋は少しだけ不愉快そうな表情を浮かべると、
「わたしの口で勝手に喋らないでくれるー?」と、
そう不満そうに言葉を口にしたー。

「ーーーうるせぇ!お前の身体は、
 俺がその気になれば俺のやりたい放題なんだ!」
加恋の口で修斗はさらにそう叫ぶと、
そのまま卑猥な言葉を次々と口にしてみせるー。

加恋が絶対に口にしないような単語を
次々と叫んでみせると、
「はぁ…はぁ…」と息を吐き出しながら
「次は外で今の言葉を言わせてやるー」と、
ニヤニヤしながら修斗は、そう宣言したー。

「ーそれで満足ー?」
加恋は淡々とそれだけ言葉を口にすると
「じゃあわたし、勉強するから」と、再び勉強をしようと机の方に向かうー。

”ーーーぐぬぬぬぬ…”
修斗は加恋の中で歯軋りをしながら、
加恋の態度にさらに腹を立てていくー。

こうして憑依すれば、加恋が怯えたり、
泣いたり、謝ったりしてくるとそう思ったのに
加恋はあくまでもクールに、冷静に、
取り乱すことは全くなかったー。

”お、お前…状況を分かってるのか!?
 俺がその気になれば、お前にどんなことだって
 させることができるんだぞ!?”

修斗が内側からそう叫ぶー。

それでも加恋は、そんな修斗を無視して
勉強を続けているー。
返事をする気すらないー。

「ーおいっ!聞いてるのか!?」
今度は加恋の口を使ってそう叫ぶ修斗ー。

それと同時に勉強に使っていた教科書を
怒りに任せて破り捨てて見せるー。

「ーーーーー」
加恋は、破り捨てられた教科書を少し不満そうに見つめると
「弁償してもらうからね」と、
そう言葉を口にした上で、
「邪魔だから、さっさと出て行って貰える?」と、
それだけ言葉を口にしたー。

微かな怒りを感じはしたものの、
やはり、加恋は冷静で怯えたり、困ったりする様子はないー。

そんな反応に修斗は悔しそうにしながらも、
続けて言葉を口にしたー。

”出て行くー?へへー
 そんなことできるわけないだろ?”

とー。

「ーー…?」
加恋は少しだけ首を傾げるー。

すると、修斗は得意気な様子の声を出しながら
言葉を続けたー。

”俺はなー、憑依薬を使って自分の身体を捨てたんだー。
 へへへへー
 この憑依はなー…一度っきりの憑依ー。
 憑依した身体から抜け出すことはできねぇ”

とー。

そうー、修斗が使った”憑依薬”は一方通行の憑依ー。
飲んだ時点で自分の身体を失い、
そして誰かに憑依した時点で、その身体に定着するー。

”俺はお前のせいで、大恥をかいたからな!
 だから自分の身体を捨ててお前の身体を
 貰ってやることにしたんだよ!へへー”

修斗は、加恋が絶望の表情を浮かべる姿を想像しながら
そう宣言すると、
”俺はこれからお前の身体を完全に乗っ取って、
 静野 加恋として生きてくんだー

 へへー俺が静野ー…お前になるんだよ”

と、そこまで言葉を付け加えたー。

「ーーーーーー」
加恋はしばらく険しい表情を浮かべていたものの、
「ー女子の身体を乗っ取るとか、変態ー」と、
心底、気持ち悪いものに接するような口調で
そう言葉を口にしたー。

”ーーっ…”
なおも、怯える様子ひとつ見せずに
そんな言葉を浴びせて来る加恋に対して怒りを覚えた修斗は、
加恋の身体を乗っ取って、加恋の机の上を滅茶苦茶にしていくー

教科書も、勉強道具も、加恋と少し年下の子が一緒に写っている写真も、
何もかもを滅茶苦茶にしていくと、
「静野!!お前の身体を完全に乗っ取ってないのは
 俺の情けだってことを忘れるなよ?!
 俺がお前に憑依した瞬間から、俺はいつでもお前の身体を
 完全に頂くことができるんだ!!!
 そのことを忘れるなよ?!」と、加恋の顔で怒りの形相を
浮かべながらそう叫ぶー。

そうー、加恋の身体を完全に乗っ取ることは
いつでもできるー。

加恋に憑依したその瞬間からー。

でも、それをしないのはー…
加恋が怯える姿やー、自分に屈服する姿ー、それを見たかったからー。

加恋をそのまま乗っ取ればー、
”それ”を見ることはできないからー。

修斗は、加恋が自分に対して”命乞い”をする姿を
どうしても見たかったのだー

「ーーーー情けをくれてありがと」
加恋は淡々とそう言ったー。

怯えているわけではないー
皮肉めいた口調でー。

”~~~~~~~~~~~~~~~~っ…”
加恋に憑依した修斗は、
”憑依されても気にしない”と言わんばかりの加恋の態度に
さらに腹を立てると
”絶対にぶち壊してやるー”と、
心の中でそう呟くのだったー。

②へ続く

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コメント

憑依されても冷静なまま…☆!

この先どうなってしまうのかは、
明日のお楽しみデス~!!

今日もありがとうございました~!☆☆!

続けて②をみる!

「憑依されても気にしない」目次

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