<入れ替わり>すれ違う想い②~怒り~

中身は妹。見た目は彼氏。

自分の彼氏と自分の妹が入れ替わっていることに
気付かないまま、
遊園地デートは進む…?

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「---…す、少しだけ…」

自宅待機中の
亜季(康彦)は、
亜季の綺麗な生足を触っていた。

「んんんん~…こ、これが俺のものなんて…」

亜季の心臓がバクバク言っている。

「はぁ…はぁ…」
亜季の身体が興奮しているのが分かる。

鏡の方を見る亜季(康彦)。
亜季の表情は飢えた獣のような
表情になっていたー

「やばいやばいやばい…」
亜季(康彦)は深呼吸をする。

このまま和菜が気付いてくれないと
欲求が爆発して
亜季の身体で変なことをしてしまいそうだ。

早く…

早く気付いてくれ…!

亜季の中にいる康彦は
そう感じずにはいられなかった。

「---」
鏡の方を見る亜季(康彦)。

「あぁぁぁ~駄目だぁ~」

頭を抱え込んで
蹲る。

このままだと変なことをしてしまうー
早く早く早く気付いてくれ…

亜季(康彦)は
願うようにしてそう呟いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「きゃあああああああああ!」

お化け屋敷で悲鳴を上げる康彦(亜季)。

「--ちょっと~!女子みたいじゃない~」
和菜が笑う。

”そ、そうだ、今、わたし、男子なんだった!”

康彦の中にいる亜季は
またミスしちゃった!と
心の中で呟く。

でも、怖いものは怖い。

「きゃあああああああああああ!」
また大声で叫ぶ康彦(亜季)。

”さすがにもうバレちゃうかな”

と思ったけれどー、
和菜は気づく様子はなかった。

そのまま、お化け屋敷から
外に出て、”少し休憩しよっか”という
和菜の提案に合わせて
二人はアイスクリームを食べ始めた。

「--わ~い!アイスアイス~!」
アイスクリーム大好きな亜季は
ご機嫌だった。

康彦(亜季)は
美味しそうにアイスを口に運んでいる。

「なんだか今日の康彦、
 すっごく楽しそう~!」
和菜が微笑む。

「--え、あ、うん!
 おねえち…、、か、和菜とのデートだからさ」

アイスを食べながらそう返事をする康彦(亜季)。

「--ふふふ…」

そう言いながら、
和菜はアイスを口に運ぶー

ソフトクリームを握る和菜の手が
震えているー。

そのことに、康彦(亜季は
気付いていなかった。

コーンの部分が、
パキッと音を立てるほどに、
手に力を込めながら
和菜はなにかを呟いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そのあとも、色々な乗り物に乗るー。

”さすがに気づくでしょ?”と思っていた
康彦(亜季)は、
姉のあまりの鈍さに唖然としていたー。

「俺、ジェットコースター大好きなんだ~!」
康彦(亜季)が言う。

”もう、気付こうよ”と言わんばかりに
亜季が好きなジェットコースターを
指さしながら言う康彦(亜季)。

「ーーえ~?康彦、ジェットコースター
 あんまり得意じゃないじゃん~!」

和菜が笑いながら言う。

”にぶっ!”

康彦の中にいる亜季は、思わずそう呟いた。

いくらなんでも鈍すぎる。
姉のことは天然だとは思っていたけれど、
まさかここまでとは思わなかった。

歩きながら、ふと振り返ると
康彦(亜季)は、和菜が随分
後ろにいることに気付いたー

「あ…」

”歩幅”が違うー

亜季の歩幅だと、
何も気にしなくても、あまり背も大きくないし
歩幅も小さいから
姉の和菜と同じぐらいの速度ー

しかし、康彦の身体になっている今は
意識しないと、
こうして、和菜のことを置き去りにしてしまう。

”ふ~ん、結構いろいろと違うんだね”

亜季はそんな風に思いながら
「待ってよ~」
と苦笑いしている姉の方を見て
苦笑したー。

観覧車に乗った二人。

暗くなってきた景色を見つめながら
二人は、最後のひと時を楽しんでいた

”け、結局、デート終わっちゃったケド…
 いいのかな?”

康彦の中にいる亜季は苦笑いする。

”和菜がいつ気付くか”のドッキリ。
気付いた瞬間に元に戻るつもりだったけれど、予想に
反して和菜は全然気付いてくれなかった。

早ければすぐにー
遅くても1時間ぐらいで気づくだろう、と
そう思っていた。

しかしー

和菜は気づかなかった。

ふと、康彦(亜季)は和菜の視線に気づく。

「------」
じーっと、康彦(亜季)の方を見る和菜。

「-----ど、どうしたの?」
康彦(亜季)が不思議そうに聞き返すと、
和菜は微笑んだ。

「ううん、なんでもない」

とー。

遊園地から出て、別れた2人。

結局、最後まで和菜は気づかなかった。

康彦(亜季)は
自宅待機中の亜季(康彦)に連絡を入れる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”お姉ちゃん、最後まで気づかなかった笑”

と、書かれている連絡を見て
亜季(康彦)は溜息をついた。

亜季(康彦)は、
今すぐ元に戻ろうか、と亜季に提案したが、
亜季は”もうすぐお姉ちゃん帰ると思うから
帰ってきたお姉ちゃんの反応、楽しんで”と
返事を送ってきたー

俺は、耐えたー。

康彦は思う。
いろんな意味で、耐えた。

亜季ちゃんの身体になっても
変なことはしていない。

太腿を触ったり、
髪のニオイを嗅いだり、
手をちょっとなめたり、
鏡の自分に向かって告白したりはしたが
許容範囲だー

あと、トイレも耐えた。

「たえたぞぉ!」
亜季(康彦)は思わずそう叫んだ。

そしてー
ほどなくして、和菜が帰ってきた。

「おかえり、かず……お、、お姉ちゃん」
亜季(康彦)は
和菜のことを和菜と呼びかけて
口を塞いだ。

そうだ、今は妹の亜季なんだー。と。

「--ただいま」
和菜が微笑んで
亜季(康彦)の方を見る。

「何か変わったことはなかった?」
和菜が言う。

「-べ、別にないよ」
亜季(康彦)がそう言うと、
和菜は「そう」と呟いて、洗面台で手を洗いはじめた。

「--?」
亜季(康彦)は、ふと違和感を感じた。

和菜の手つきが乱暴だ。

なんだかイライラした様子にも見える。

「お姉ちゃん・・・?」
亜季(康彦)は心配になって声をかける。

しかし、
和菜はそのまま不機嫌そうに
自分の部屋に戻って行ってしまったー

「---?」

”中身が違っても気づかないなんて
 悲しいのは俺のほうだよ”

康彦はそう思いながら亜季と連絡を取り、
入れ替わっていた身体を元通りにするのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

週明けー

高校に登校した康彦は
和菜と会話を交わす。

「---ちょっと放課後、話があるんだけど、いいかな?」
和菜がニコニコ笑いながらそう言ってきた。

「え?あぁ、いいよ」
康彦はそう返事をする。

康彦は、遊園地デートのあとからもやもやしていた。

いくら、入れ替わり薬なんて非現実的だとしても
中身が亜季の康彦に、和菜は気付いてすらくれなかった。

”俺はしょせんその程度かよ”と
康彦は少し、不貞腐れてしまっていたのだ。

放課後ー

和菜に指定された空き教室にやってきた
康彦。

すると、和菜が口を開いた。

「---亜季と入れ替わってたでしょ?」

とー。

「---え…」
康彦は思わず、言葉を詰まらせる。

「--ねぇ…?亜季と入れ替わってたでしょ?」

和菜の言葉には怒りが込められていた。

「---え…え…?
 か、、か、、和菜、気づいてたのか?」

康彦が言うと、
和菜は言った。

「当たり前よ!すぐに気付いたわよ!」

怒りっぽく言うと、和菜は続けた。

「--わたしの妹の身体で何をしたの?」

問い詰めるような口調。
康彦はすぐに悟った。

和菜は、怒っているー。

「何か説明あるかと思って
 ずっと待ってたんだけど、
 まさかずっと黙ってるつもりだったの?」

和菜はとても怒っている。

康彦は慌てて釈明した

「い、いや、いや、違う!
 こ、亜季ちゃんもちゃんと納得した上での
 入れ替わりだし、
 俺は何もしてない!」

康彦は叫んだー。

たしかにー
”ほとんど”何もしていない。

欲求に負けそうになったが、
康彦は自分を抑えて
最後まで大したことはしなかった。

太腿を触ったり
髪のニオイを嗅いだり、
鏡の前で「康彦さん、好きです」と呟いたり
そのぐらいだ。

決して変なことはー

「嘘つかないで!」
和恵が叫んだ。

「--許せない!
 亜季をたぶらかしたのね?」

和恵が感情的になって
怒っている。

「遊園地にいる間、亜季が可愛そうだし、
 気づいたら何されるか分からないから
 ずっと気づかないふりしてたけど…

 最低!亜季の身体で何をしたの!?」

和菜がなおも叫ぶ。

「ご、ごめんってば…」
康彦は、普段穏やかな和菜が
ここまで怒るなんて思ってなかったために
驚いてしまっていた。

「---ねぇ、何をしたのよ?」
和菜が康彦を睨む。

「--な、何もしてないって…」
康彦が必死に言う。

「嘘よ!女の子の身体になったら
 エッチなことするに決まってるでしょ!」

和菜が叫ぶ。

「どうしてそう決めつけるんだよ!
 俺は何も…!」

康彦も少し感情的になって言う。

「決めつけじゃない!」
和菜はさらに声を荒げた。

沈黙が流れるー

そしてー。

「--もう、いいわ。
 二度とわたしの妹に近づかないで」

和菜は吐き捨てるようにして言うと、
そのまま不機嫌な様子で
立ち去ってしまった。

「和菜…」
康彦は”悪い事したかな”と
呟きながら
”謝ろう…”と、そう決意するのだったー

少しへこんだ様子で
学校から出た康彦は、
とりあえず和菜の妹・亜季に
LINEで連絡を入れる。

和菜を怒らせてしまったこと、
変なことに巻き込んで申し訳ないと思ってることを
伝えておいた。

妹の亜季からは
”ぜんぜん!だいじょうぶですよ~”と
すぐに返事が返って来ていた。

「--ふぅ…」

康彦は溜息をつく。

ちょっとしたイタズラで和菜と
別れることにでもなってしまったら
もはや笑い話では済まない。

なんとか、和菜が機嫌を
取り戻してくれればいいが…

そんな風に思いながら
夕暮れの通学路を歩く。

「…あの」

ーー!?

背後から声がした。

康彦が振り返ると、
そこには汚い身なりのおっさんがいたー。

「---お、俺?」
康彦が自分を指さすと、
その男は、頷いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

亜季は、
康彦からの連絡を受けて
”お姉ちゃん怒っちゃったのか~”と
苦笑いする。

「--ただいま」

姉の和菜が帰ってきた。

「あ!お帰りお姉ちゃん!」
亜季が、元気よく姉を出迎えるー

和菜は、不機嫌そうな表情を
浮かべている。

「--…あ、あのね、お姉ちゃん。
 康彦くんに無理やりやらされたわけじゃなくて…」

亜季は、入れ替わりの釈明をしようとしたー

しかしー

和菜が突然、亜季に抱き着いた。

「---わっ!?」
亜季は思わず驚いて声を上げる。

「--お、お姉ちゃん!?」
急に姉に抱き着かれて驚く亜季を見て
和菜はにっこりとほほ笑んだー。

「あなたはわたしのものなの…
 誰にも、渡さないから…」

和菜はそう言うと、
ふふふふふふ…と小さく、
不気味に笑い始めたー

③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

今回のお話はリクエストを題材としたお話デス!

頂いた原文は、

”ある高校生カップルがいた。
ある日彼氏は彼女の自分への恋を確認するためネットで購入した入れ替わり薬を使うことにした。
中学生である彼女の妹と1日入れ替わって妹の演じる自分と
デートしてその彼氏が偽者であることを気づくかどうか試してみたのだ。
だが彼女はそれに全く気つかず楽しそうにデートして帰った。
家で妹として振る舞ったがやはり気づかなかった。こ
れにショックを受けた彼氏は彼女への復讐を考える。
>
> 実は彼女も途中から気づいていた。そのまま家に帰ったら
妹の体の中にいるはずの彼氏が説明してくれると期待したが
なんの説明もなかった。彼氏が自分をバカにしたと思って
そして妹の体で変な事をしたと勘違いし彼氏に復讐しようとする。
>
> でな感じでリクエストしたいと思います。この後のことは
お任せしたいです。
受け取って下さったらよろしくお願いします。”

と、いう内容でした!

明日の③、はお任せの部分になりますネ。
お楽しみに~

コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    彼氏くん、それはセーフが微妙なような…w
    和菜の方も何かわけありっぽいですね〜
    次回どうなるのか楽しみです〜!

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 彼氏くん、それはセーフが微妙なような…w
    > 和菜の方も何かわけありっぽいですね〜
    > 次回どうなるのか楽しみです〜!

    コメントありがとうございます~!

    たぶん…セーフかも…?笑

    次回も頑張ります~!