<憑依>怨③~真相~(完)

図書室に辿り着いた、篤美。

そこで、真実が告げられるー
いじめられっ子の憎悪を前にー、
篤美が取った行動は…?

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「な…な、、なんのつもりなのよ…!
 こんなことして…!」

篤美が震えながら叫ぶ。

本当は泣きだしたいぐらい恐怖でいっぱいだった。

しかしー。
篤美は企業トップの令嬢であり、
プライドも高かった。

そのプライドの高さが、
恐怖を表に出すことを許さなかった。

「---ふふ、泣きそうな顔しちゃって」
里菜が笑いながら立ち上がる。

制服をはだけさせて、自信に満ち溢れた表情をしている里菜は
まるで別人かのようだった。

「--決まってるでしょ?あんたらへの復讐よ」
里菜が不気味に微笑んだ。

「--いじめ…お前たちみたいなやつらは
 絶対に許せない許せない許せない許せない許せない許せない
 許せな~~~~~い!」

里菜が大声で叫びながら
怒り狂ったかのように机を蹴り飛ばす。

「---…」
篤美は、一番聞きたいことを聞こうとしたー

”どう考えてもおかしい”

里菜は、もう”死んでいる”のではないかー
昨日の夜ー、自殺しようと思った、と里菜はさっき言っていた。

 わたしね~、
 昨日の放課後、ここで自殺しようとしてたの。
 でもね…
 恨み、怒り、憎しみ…
 私の怨念が、わたしに力をくれたの…

「里菜…あんたまさか…」

ズガアアアアアア!!!

ーー!?

篤美が驚いて振り返ると、
そこにはチェーンソーを持った菜々美がいた。

血まみれになっていて、
もはやスプラッター映画のようだった。

「---きゃああああ!」
篤美は悲鳴を上げる。

菜々美は、狂った表情で
篤美を見つめる。

「あ~~~つ~~~み!
 いっしょにズタズタになろうよ~~~~!」

菜々美が狂ったように笑っている。

それを見て里菜が、微笑む。

「---ふふ…あんたはもう用済み。
 あとはわたしがやる」

そう言うと、菜々美が動きを止めた。

「--あんたも、わたしを散々いじめてくれたわね」
里菜が、菜々美の方に近づいていき、
動きを止めた菜々美の顔をじ~っと見つめる。

「--決めた。処刑」

そう言うと、里菜は微笑んだ。

「-----あ…あ…」
菜々美が、声を振り絞る。

「ご…ごめ…ん…なさい…
 たす…けて…」
わずかに正気を取り戻した
菜々美の目から涙が零れ落ちている。

「--ちょ、、ちょっと!里菜!
 も、、もうやめなさいよ!」
篤美が叫ぶ。

しかし、里菜は笑いながら、
菜々美の中に憑依させた自分の魂の分身に
命令を下した。

「---キモいぶりっ子女!
 自分でそのキモい身体を切り刻め!」

里菜が大声で叫ぶ。

「--あ、、、いや…いや…いやだ…やめて…!」
菜々美はそう声を振り絞りながら、
チェーンソーで自分を…

「あああああああああああっ…あ、、、あああああ~!」
菜々美が泣き叫びながら自分で自分を切り刻んでいる。

篤美は、あまりの光景に目を逸らした。

菜々美の悲鳴と笑い声が響き渡るー

そしてー
悲鳴は消え―、
チェーンソーの音だけしか聞こえなくなった。

「-ーーふふふ…あと、ふたり…」
里菜が笑うー。

「--あ、、あんた…!もう、、、もう死んでるんでしょ!?」
篤美が叫んだ。

「本当は昨日、自殺していて、
 わたしたちに復讐しようとーー」

篤美の言葉を里菜が遮った。

「ぶっぷ~!
 ざ~んねん!
 わたしは死んでませ~~~ん!」

里菜が微笑む。

「--だ、、、だったら…
 あ、、あんたは一体…?」
篤美がおびえた表情で里菜を見つめる。

人間のできる範囲を超えているー
黒い渦ー赤い渦ー
菜々美や薫の最後ー
怨の文字ー

「----知ってる?」
里菜がにやりと微笑みながら呟いた。

「--30年前、この学校で、一人の男子生徒が自殺したの」

「--!?」

篤美が里菜の方を見る。
話の意図が分からない。

「--女子にいじめられて、いじめられて、いじめられてー
 最後には、教室で首を吊って死んだー。

 あんたたちの、2年B組の教室でねー

 でも…その男子は、いじめっ子たちに強い恨みを
 抱いていたー
 だから、その怨霊が、ずっと、あの教室に残っていたのー」

里菜が語りながら、
イライラした様子で、机やいすを蹴り飛ばしている。

「--そ、それがこれとどういう…?」

「ーー昨日、わたしも、30年前の”僕”と同じように
 自殺しようとしたーー

 わたしもあんたたちを恨んだ!
 30年前に自殺した”僕”と同じように
 いじめを憎んだ!!!」

里菜が叫ぶー

「---り、、里菜…?」
里菜の口調に違和感を感じて、
篤美が恐怖の表情を浮かべるー

「--この女の憎悪は、
 30年前に僕が抱いた感情と同じだった!

 その憎悪が、僕の憎悪を膨らませて、
 僕が、自殺直前のこの女に憑依したんだ…!

 ひひひひひ…!
 僕はこの女を支配した時に決めたよ!
 いじめっ子どもに復讐してやるって…!」

里菜がケラケラと笑っている。

「--あ…あんたは…」
篤美が恐怖に目を震わせながら言うー

「ふふふふふ~!
 わたしは自殺しようとしたときに、
 怨霊に乗っ取られちゃったの~!
 あはははははは~!!

 この身体は、僕の想いのままだ~!
 あははははははははっ!」

里菜が笑いながら胸を触りだす。

「---そ、、そんな…!」

里菜は、昨日、本当に自殺しようとしていたー

机といすを配置して、
首を吊ろうとしたー。

しかし、その瞬間ー
里菜の強い恨みが、30年前に自殺した男子生徒の怨霊と
共鳴してー怨霊が里菜に憑りついて、里菜を支配したー。

支配された里奈はー
怨霊の力を得て、怨霊に支配されて、
復讐を開始したのだった。

「この学校は今、外界から隔離されている。
 さっき、警備員、見たでしょ?
 あんたたち以外には、”ふつう”の光景が見えているのー

 同じ場所であって、同じ場所ではないー
 くくく…
 僕が怨念で作り出した世界に、君たちはいるんだよ…!」

里菜が笑うー

「ーーー」
篤美は周囲を見渡しながら思う―

30年前に自殺した男子とやらの怨念の力ー
それで黒い渦や、怨の文字ー
みんなが操られたりー

そういう超常現象が起きていたのだとー

「--あ、、あんたが…誰だか知らないけど!
 わたしたちとは何の関係もー!」

「--僕はさ…いじめっ子全てが憎いんだ…!
 お前らも、この女をいじめてただろうが!」

里菜がブチ切れて、大声で叫んだ。

「--絶対に許さないー
 お前たちをー
 僕は…
 わたしは、お前たちを許さないーー
 あははは、くはははははは~~!」

里菜が手を赤く光らせて、篤美の方に近づいてくる。

「お前に、篤美に、地獄を見せてやるよ~!
 ぐへへへへへへへ!」

里菜が狂ったように笑うー
怨霊と里菜が混ざり合って、その狂気が
さらに増幅していたー

恐怖に身を震わせる篤美を見て、
里菜は静かに微笑んだ。

「--ま、最後にチャンスをあげる。
 僕に土下座して謝れよ…
 そしたら、許してあげる。
 あんただけは、見逃してあげる」

里菜が髪の毛をいじりながら微笑む。

「--く……」
篤美は、震えながらも観念したー

謝るほか、助かる道はないー

と。

「---ごめん…」
篤美は、恐怖心を抑えきれずに、目から涙をこぼして
土下座したー

「ごめん…ごめん里菜…
 あんたをそんなに追いつめてるなんて思わなかった」

目から涙をボタボタこぼしながら篤美が言う。

「ごめん…里菜…許して…ごめんなさい」

篤美の言葉に、
里菜の表情が少しだけ、和らいだ。

「あつみ…」
里菜も目から涙をこぼす。

里菜が、ゆっくり篤美へと近づきー

そしてー

篤美の手を思いきり踏みつけた。

「謝って済むなら~!警察はいらな~い!
 あはははははは!くははははははっ!

 死ね!クソ女!」

里菜が叫んで、赤く光った手を篤美にかざそうとするー

篤美が絶望の表情を浮かべたその時ー。

ガシャン!

図書室に何かが駆け込んできた。

「--ふざけやがってぇぇぇぇ!」

篤美が、入り口の方を見るー。

ショートヘアーが似合う友人の真紀。
おかしくなった菜々美を食い止めるために
篤美と別れていた真紀ー。

死んだと思っていた真紀が、
図書室に駆け込んできた。

顔や体が傷だらけで
制服はところどころ破れているー

「--あんたなんかに、殺されてたまるか!」
真紀が、里菜にとびかかる

そして、ヒステリックを起こしたかのように
真紀は里菜を殴りつづけた。

「真紀!!」
篤美は起き上がって真紀の名前を呼ぶ。

しかし、真紀は狂ったように笑いながら里菜を
殴っている。

「---あははははは!
 いじめられっ子の分際で生意気なのよ!
 早く!ここからわたしたちを出せ!出せぇ!」

真紀が泣きながら笑っている。

恐怖で気がふれてしまったようだったー

「---ま…真紀…!」
篤美が声をかけても、真紀は反応しないー

そしてー

「うっ…」

真紀が低いうめき声をあげた。

「---この女をいじめた罰…
 受けてもらうよ」

里菜が笑いながら起きあがるー。

里菜の赤く光る手から伸びた
触手のようなものに刺された真紀は動きを止めているー

「あ…あ…あぁああぁ」
うめき声をあげる真紀。

篤美は「真紀!」と叫ぶが、その声はもう届かない。

真紀の身体は、里菜の触手のようなものに養分を
吸収されて、急激に老化していく。

よぼよぼのおばあちゃんのようになった真紀から
触手のようなものを外すと、
里菜は真紀の頬を掴んで微笑んだ。

「--怯えろ…!」
里菜が笑う

真紀は、しわだらけの顔を歪ませて
泣き叫ぶ。

「---あははは!いいぞ!怯えろ!怯えろ!怯えろ!
 あは、あははははははは!」

里菜は真紀を蹴り飛ばすと、
そのまま真紀は動かなくなったー。

「--さぁ、最後はあんたよ」
里菜が笑う

「り…里菜…!待って…
 ね、、ねぇ、、目を覚まして、里菜!里菜!」

篤美が叫ぶ。

里菜が手を赤く光らせながら近づいてくるー。

「--篤美…ひとつ勘違いしてない?」
里菜がクスクスと笑う。

「--”僕”だけじゃなくて、
 ”わたし”も復讐したいの…

 ふふふ…
 ”わたし”は力を手に入れた…!
 ふふふふふふふ…
 あははははははははは!

 これは”僕”と”わたし”の復讐だ!
 あはははははははは~」

狂ったように笑いながら里菜は
篤美を見た。

篤美は体を震わせて
涙を流す

「ごめんなさい…ごめんなさい…!
 たすけて…!」

もう、篤美には命乞いしか手段が残されていなかった―

里菜は微笑む。

「--い・や・だ♡」

と。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

学校は騒然としたー。

2-Bの教室でひとり、
図書室で三人の女子生徒と音楽家の先生が自殺していたのだー

騒ぎになる学校。

学校が混乱する中、2-Bの生徒たちは
教室で待機していたー

今日はおそらく授業は中止だろうー

「--良かったじゃねぇか!里菜!」
男子生徒が笑う

「--お前をいじめていた4人が死んで!」

その言葉に、里菜は弱弱しく微笑む。

「そんなことないよ…」

と。

その言葉を聞いて男子生徒は笑う。
「もしかしてお前がやったんじゃねぇの~?
 この根暗女~!ははは~!」

彼は、お調子者で、
人を傷つけることを平気で言う男子生徒ー。

里菜のいじめには参加してなかったが、
つい心無い言葉を吐いてしまう。

「---やめてよ」
里菜が言うと、
男子生徒は「わりぃわりぃ」と言いながら
立ち去って行く。

その後ろ姿を見ながら、里菜は不気味に微笑んだ

「--くくくくくく…」

”僕”はいじめっ子を許さないー

里菜は一人クスクスと笑い続けるー

周囲のクラスメイトの一部がそれに気づき、
里菜に声をかけるー。

「--え?あ、うん。なんでもないよ」
里菜は優しく微笑んだー

力を手に入れた里菜ー
いじめっ子を許さない怨霊ー。

2人の呪いの、次のターゲットが決まったー。

今夜もまた、
血の夜がはじまるー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

ホラー憑依モノでした!
少しでもお楽しみ頂けていれば嬉しいデス~!

また機会があれば挑戦してみます!

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憑依<怨>

コメント

  1. 飛龍 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    単なる里菜の復讐ではなく、男の怨霊も関わっていたのですね~
    意外な展開で面白みがありました!

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 単なる里菜の復讐ではなく、男の怨霊も関わっていたのですね~
    > 意外な展開で面白みがありました!

    ありがとうございます~☆
    怨霊とまじりあった故の狂気でした~!

  3. より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    お久し振りです。ご無沙汰してました
    実はホラー系も苦手だが今回は例外で、こう言うダークは凄く良くてスカッとします。
    自分も結構悪に容赦無いから力手に入れたら同じような感じになりそう(ΦωΦ)フフフ…

    あとリクエストし過ぎて申し訳なかったです。コメントは多少遅れるかもしれませんが今日、楽しみにしてます!

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > お久し振りです。ご無沙汰してました
    > 実はホラー系も苦手だが今回は例外で、こう言うダークは凄く良くてスカッとします。
    > 自分も結構悪に容赦無いから力手に入れたら同じような感じになりそう(ΦωΦ)フフフ…
    >
    > あとリクエストし過ぎて申し訳なかったです。コメントは多少遅れるかもしれませんが今日、楽しみにしてます!

    コメントありがとうございます~!
    いえいえ、皆様からのリクエストはとても嬉しいデス!

    ただ、まずは今ある分を書ききらないと…ですネ!
    今後もよろしくお願いします~