憑依空間が19万アクセスに達しました!
ありがとうございます!!!
次は20万ですね…
今回は「まちのはいしゃさん」の後日談&番外編 ”凡人”を
記念にどうぞ!
”凡人”では憑依などできない、という悲しい現実を描いた短編です。
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東歯科…。
そこの院長の東医師は、ある日、幽体離脱の力を手に入れた。
その力を悪用しようと考えた東は、
特殊な歯を作り出し、それを歯科治療の患者につけ、
その歯を”魂”の受信装置として、歯を通して、
患者を操るという凶行におよんでいた。
患者の一人、中森 彩友美(なかもり さゆみ)は
歯を通して東医師に体を乗っ取られ、
実の父を誘惑した。
だが、すんでのところで、父は憑依された娘の誘惑を
乗り越え、父として、
娘の歯を抜歯、無事に娘を救い出したのだったーー
翌日。
東医師の逮捕を行った刑事の一人、
年配刑事の奥脇 達郎(おくわき たつろう)は、
自宅で、とある”歯”を見つめていた。
東医師を逮捕した際に、拾った
”例の歯”だ。
これを差し込めば、人を自由に操ることが
できるという歯…。
本来ならば証拠として、提出するべきものだったが、
奥脇は欲望に負けた。
歯をこうして自宅に持ち帰り、まじまじと見つめていた。
「---この歯で、憑依か…」
彼は20年以上、警察官として真面目にキャリアを
積み上げてきた。
だが、最近思うのだ。
このまま独身で俺は終わるのかー?と。
もう40半ばの奥脇にはチャンスはないのかもしれない。
しかしー。
事態は変わった。
この歯を女性に差し込むことさえできればー、
その体を奪って、新しい人生を送ることができるのではないかー。
「---悪く思うな…。
俺だって、人生、逆転したいんだよー」
仕事に明け暮れる日々。
そして、帰ってくれば、酒を飲みながら
録画しておいたテレビドラマを自分ひとりの部屋で見て、
そして風呂に入って寝る。
そんな日々の繰り返しだった。
「--俺にだって、楽しむ権利はあるはずだ」
奥脇はそうつぶやいた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後日、奥脇は通学中の高校生を、
車の物陰から見ていたー。
「------!!」
奥脇の目が光る。
長いストレートヘアーの可愛らしい女子高生が
目に入った。
しかも、ちょうど友人と思しき女子が、
何かの用事か、先に学校のほうに走っていったのだ。
奥脇はニヤリとした。
そして、手に持った歯を見つめながら呟く。
「俺は、女子高生に生まれ変わる!
ピチピチの女子高生に!
ふふふふふふ!」
正義の執行人であるはずの奥脇は、
欲望に取り付かれて邪悪な笑みを浮かべた。
そしてー。
背後から女子高生に近づき、奥脇は警察手帳を差し出した。
「君のお母さんが事件に巻きこまれた。
すぐに来てくれるか?」
奥脇が言うと、女子高生は不思議そうな顔をした。
警戒の色がにじみ出ている。
しかしー
奥脇の警察手帳を見たからか、女子高生は慎重な
表情で、「はい、わかりました…」と答えて、
奥脇の言うとおり、パトカーに搭乗した。
「-----」
奥脇は笑う。
1時間後には、俺がこの子になっているのだ。
まず、何をする?
やはり、この子の体でエッチなことをするべきだろうー。
今夜はオールだな!
奥脇は、パトカーを人気のない場所で止めた。
そして…女子高生のほうを見た。
「きみ…名前は?」
奥脇の問いに、女子高生が警戒をあらわにする
「--え…?
な、、名前も分らないのに、私を…??
お、、お母さん、本当に事件に・・・」
女子高生がそう言いかけたその時、
奥脇は強引に女子高生を押さえ込んだ。
そして、無理やり隠し持っていたペンチで
女子高生の歯を力任せに引き抜いた。
「---知り合いが歯科医師だったからな。
ふふふ」
そして奥脇は、女子高生の悲鳴と出血を無視して、
「東医師の特殊加工の歯」を、女子高生に差し込んだ。
「ふはは!悪く思うなよぉ!
君の体は、俺のモノダー!」
・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「……ひっ…や、、、やめて・・・」
口から血を流している女子高生が涙を流している。
「---!!」
奥脇は思うー。
そういえばーーー
”幽体離脱なんて、俺はできないぞー”
と。
唖然とする奥脇。
有頂天になってた彼は、この歯を通して、憑依できる、
そう思っていたー。
だが、違ったー。
東医師は言ってた。
”幽体離脱”能力を手に入れたから、
人に憑依するための”受信装置”としてこの歯を作った。
とー。
「---ゆ、、幽体離脱?くそっ、俺にはそんなこと」
目の前に、こんなに可愛いからだがあるのにー。
「---た、、助けて!
助けてぇ!」
女子高生が叫びだした。
まずい!
早く憑依しなければ。
「くそっ!幽体離脱しろ!俺の体、幽体離脱!」
奥脇はパニック状態になった。
しかしー
当然ながら幽体離脱などできない。
彼はー
“器”ではないのだー。
「---くっそぉ!体をよこせぇ!」
奥脇は理性を失い、女子高生に襲い掛かった。
「やめて!やめて!やめてーーー!」
悲鳴をあげる女子高生に襲い掛かる奥脇。
しかしー。
「----…そこまでだ」
呆れた様子で別の駆けつけた警察官に腕をつかまれ、、
奥脇の”一瞬の夢”は終わったー。
”凡人”に憑依など、できるはずがなかったのだー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
留置所で奥脇は、東医師と出会った。
先週まで、警察官だったのに、
今や自分は暴漢の犯罪者…。
「・・・・お前の作っていた歯…
あれを拾って、女子高生の体を奪おうと思っちまった」
奥脇が呟くようにしていうと、東医師は振り返った。
「---俺だってよ…人生、逆転したかったんだよ…
女の子の体で、人生やり直したかったんだよ・・・」
奥脇は、悔しさと情けなさで涙を流した。
東医師は、そんな奥脇を鼻で笑った。
「---一緒にしないでくれ。
私は、歯を虫歯にしてしまう愚民どもを導くために
憑依していたに過ぎないー。
それに、憑依能力を誰もが、会得できるとは
思うなー。
あなたみたいな凡人には、”憑依”など、
することはできない。
永遠になー」
東医師は諭すようにそう言うと、牢の中へと戻っていった…。
奥脇は悔しそうに唇を噛みしめたー。
ーーー憑依は誰にでもできることではない。
けれどー。
選ばれた人間ー
努力した人間ー
そして、才能…。
それらの要素が運よく、折り重なったとき、
あなたの元にも憑依能力が、舞い降りてくるかもしれないー。
憑依との出会いは、突然なのだから…
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
19万アクセスありがとうございます!
今回は”憑依”は誰にでもできるわけじゃない、という
憑依を夢見てできなかった男の話を書いてみたかったのと、
「まちのはいしゃさん」の最後の伏線(?)が未消化だったので
番外編ということで書いてみました。
記念小説は、変な感じのが多いですが
大目に見てください!笑
コメント
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まちんはいしゃさん 番外
まちん→まちの
できという歯
できるという歯
前提を間違えてしまった残念な人でしたね( ˘ω˘ )
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> まちんはいしゃさん 番外
> まちん→まちの
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> できという歯
> できるという歯
>
> 前提を間違えてしまった残念な人でしたね( ˘ω˘ )
まちんはいしゃさんw
失礼しました!笑