父子家庭の親子。
娘が虫歯治療のため、とある歯科を訪れたことから
全ては始まったー。
”まちのはいしゃさん”の物語―。
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中森 洋介(なかもり ようすけ)は
優秀な歯科医だった。
しかし、ある時、
親知らずと呼ばれる歯の抜歯時に事件は起きた。
不運に不運が重なり、抜歯後の患者は感染病に
かかってしまい、持病と重なり、そのまま帰らぬ人になってしまった。
大病院の歯科医師と、開業医を兼任していた洋介は、
その事件を契機に、人の歯を抜歯すること・治療することに
恐怖を覚えるようになってしまっていたーーー。
「ねぇ…おとうさん…
なんか右奥の歯が痛いんだけど…」
一人娘の中森 彩友美(なかもり さゆみ)が言う。
高校に通う、現役の女子高生だ。
中森家は父子家庭だった。
何故ならーー。
父・洋介が親知らずの抜歯で死なせてしまった
患者とは、彼の妻、
そう、彩友美の母親だったのだ。
「お父さん…見てもらえないかな?」
彩友美が言う。
父は自宅のクリニック部分に彩友美を連れていき、
彩友美の歯を確認した。
虫歯だー
結構進んでいる。
恐らく、神経を抜くことになるだろう。
だがー
「虫歯だな…
結構進んでる…
痛いだろう?」
洋介が言うと、
彩友美はうなずく。
「お父さんーー。
お父さんに治療、お願いできないかな?
わたし、歯医者怖くて!
でも、おとうさんなら…」
彩友美も、母の親知らずの抜歯を行ったのは
父であることを知っている。
だが、彩友美は父を責めなかった。
事実、感染症への感染は事故だった。
父・洋介がミスをしたわけではない。
彩友美はそれを理解し、
父の歯科医師としての腕前を誰よりも信じていた。
だが、父は首を振った。
「ごめんーー
彩友美」
その言葉に娘は悲しそうに
クリニックの入り口を見つめた。
”中森クリニック”
休業してからもう2年になるー。
父は今、別の会社で派遣社員として働いているほか、
歯科関係の講師などをして、生計を立てている。
父・洋介は、
あれから歯科治療をするたびに恐怖に襲われ、
治療が出来なくなってしまったのだ
「すまんな・・・
彩友美」
父がそういうと、娘は微笑んだ
「ううん、わたしこそ無理を言ってごめんね!
わたし、近くの歯医者の予約、とってくる!」
そう言うと、彩友美は自宅部分の方に戻っていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後日、彩友美は近所の
”東歯科”という医院を訪れた。
地域でもそこそこ評判の良い歯科医だ。
30分ほど待つと、
彩友美は呼び出された。
緊張の面持ちで、彩友美は中へと入る。
そこには、少し白髪の混じった
東 公之(あずま きみゆき)先生が優しく微笑んでいた。
「どうぞ。こちらへ」
紳士的な様子の東医師は、
彩友美を案内すると、
早速治療を始めた。
長く、整った黒髪を抑えながら
診察台に寝転がる彩友美。
「よろしくお願いします―」
と彩友美は微笑んだ。
やはり彩友美の虫歯は進んでいた。
父の見立て通り、
神経を抜く必要がある。
東先生は、神経を抜く治療を行うことを決断、
彩友美は怖がりながらも、
恐怖に耐え、30分後、無事に虫歯の治療は終わったのだった。
東は、
安心して微笑む彩友美をじっと見つめたー。
「”この子、こんなになるまで虫歯を放っておくなんてー”」
東は拳を握りしめた。
彼は”歯を大事にしない人間をとことん軽蔑していた”
なぜ、人は歯をないがしろにするのかー。
歯とは父と母から授かった宝物。
何故、それをそまつにするのか。
歯に異変を感じたら、
すぐに治療を受けに来るべきではないのかー。
”愚民”は歯医者にすがるべきではないのかー。
治療した部分に仮の歯をつける作業。
東は”アレ”を使うことにした。
東が”愚民”を守るために特殊な製法で生み出した歯。
この歯には”魂の受信装置”がついている。
ある時、東は突然、幽体離脱ができるようになった。
だが、それだけでは意味がなかった。
学生時代、東が好きだった漫画のように、
幽体離脱した体を、誰かの体にかぶせれば
憑依できる、そう思い試してみたが、
できなかったのだ。
だが、東は諦めなかった。
そして3年の研究の末に生み出したのが
この特殊な歯。
これを患者の歯を削った部分に埋め込むことで
幽体離脱した魂の受信装置の役割を果たし、
その人間に憑依することができるようになるのだー。
東はニヤッと笑い、
その仮の歯を、彩友美の歯の神経を抜いた部分に
被せたー。
”これで、いつでもこの娘に憑依できる”
しかしー
東は、体で遊ぶために憑依しているのではない。
あくまでも
虫歯をこんなになるまで放っておいた”愚民”を保護するため。
東は今までにも数名の患者にその歯を埋め込んだ。
そして食事時や歯をみがく時間帯を調べ、
その時間に憑依。
その体で徹底的な”虫歯にならない生活”を送らせ、
愚民が再度、虫歯にならないようにするのだー。
男女は問わない。
ただ、彼は虫歯から患者を守ろうとしているのだー。
「--虫歯を放っておくような人間は、
正しい知識を持った人間が”保護”する必要がある」
そう呟くと、
不思議そうに首をかしげた彩友美を余所に、
東医師は「はい、終わりですよ」と優しく微笑んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その夜。
「しかし良かったな~
もう痛くないのか?」
父の洋介が言うと、彩友美がほほ笑んだ
「うん!これでご飯も美味しく食べられる!」
嬉しそうに言う彩友美。
今日は父がケーキを買ってきていた。
ケーキを用意して食卓に並べる洋介。
そして、晩御飯の時間が始まったー。
嬉しそうにケーキを見る彩友美。
そのときだったー。
「---ひっ?」
突然、変な声をあげる彩友美。
「どうしたー?」
父が訪ねると、彩友美は首を振った
「やっぱー、
わたし、ケーキいらない」
彩友美が言う。
「へー?」
唖然とした様子の父が彩友美を見ると、
彩友美はケーキを嫌悪するような表情で見ていた。
「--わたし、こんなモノ食べたくない」
吐き捨てるように言う彩友美。
父は疑問を感じて尋ねた。
「どこか調子でも悪いのか?
彩友美?
遠慮する必要なんてないぞ?
ホラ、食べろよ」
父がほほ笑みながら言うと、
彩友美は机をたたいた
「食べたくないっていってるでしょ!」
急な出来事に父・洋介は戸惑う
「お、、おう…そ、、そっか、
ごめんな…」
それだけ言うと
彩友美は「ごちそうさま」とだけ言って
何も食べていないのに部屋に戻ってしまった。
部屋に戻った彩友美は笑みを浮かべるーー
「さ…この患者も虫歯にならないように
しっかりと導かないとね…」
そう呟いた彩友美は、
静かに、確かな口調で言った。
「わたしは、ケーキが嫌い」
(え…わたし…ケーキ好きだよ?)
脳内の潜在意識が口走った
言葉に反論する。
だが、彩友美に憑依した東医師は
とまらなかった
「わたしは、ケーキが嫌い!」
「嫌い!嫌い!見るのもイヤ!」
一人感情的に叫ぶ彩友美。
(わ…わたしは…ケーキを…)
潜在意識の声が、
自信なさそうに呟いた。
「わたしは、ケーキが嫌い!」
彩友美がもう一度叫ぶと
(わたしは・・・ケーキなんて嫌い)
潜在意識も
”塗り替わってしまった”
満足げに笑みを浮かべると、
彩友美は意識を失った。
目を覚ました彩友美は、不思議そうなカオで呟く。
「あれ…わたし、、晩御飯食べたんだっけ…」
首をかしげる彩友美。
そして、彩友美は晩御飯を思い出した。
そうだ!今日はわたしの大嫌いなケーキ!
「…そっか…ケーキだから食べなかったんだ…
はぁ…」
彩友美はそう呟くと、
空腹に耐えながら机に向かって勉強し始めた…
夜。
彩友美は微笑みながら歯を磨いていた。
そう、東医師に再び憑依されていた。
既に20分も歯を磨き続けている
「うふふ・・・わたしは歯磨きが大好き!」
(歯磨き…大好き!)
歯磨きに関する潜在意識をも塗り替えた
東医師は満足した。
”これで、この愚民も、虫歯にはならないだろう”
それで、終わりのつもりだった。
東医師は快楽で憑依しているわけではない。
いつも、受信装置の役割を果たす仮の詰め物は、最後に銀歯を入れる際に
取り除く。
それで、もうその人間には憑依できない。
だが、それで良かったー
「---うん…」
ふと、彩友美は自分の胸に手を振れてしまった。
ショートパンツから覗く足に目が行く。
「----!」
何とも言えない興奮を彩友美は味わった。
いやーー
彩友美に憑依している東医師が味わった。
今までにもこの特殊な歯で何人かに憑依した。
だが、いずれも男や
主婦、おばさん、おじいさん、子供など
ーー女子高生は初めてだった
「あっ…」
自分の胸に手を触れて顔を赤らめる彩友美。
ハブラシが舌にあたる。
その下でハブラシを舐めてみた。
「あっ…い、、いつもこの子が
使っているハブラシを私が使っている…」
彩友美の中を、欲望が
かけめぐった。
ペロペロと舌で彩友美がいつも使っている
ハブラシを舐めてみる
「あぁ…んふっ…な、、、なんか興奮する」
長い黒髪。
良い香りー
綺麗な太ももー
男にはない胸ー。
すべすべとした手ーーー
憑依している東医師の理性は
”壊れたー”
そしてーー
彩友美は邪悪な笑みを浮かべた。
「んふふっ……
よ~く考えたら、この体
貰っちゃうってのも、悪くないね!えへっ♡」
欲望に飲まれた東医師はー
そのまま彩友美の体を奪うことを決意したーーー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
東先生…。
欲望に飲み込まれてしまいました^^
さて、明日はどうなるのでしょうか!!
私も…東先生みたいのがいたら
怒られるかも…
(今は虫歯ないですけど)
コメント
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父が抜歯してハッピーエンドかな?
(チラッ
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> 父が抜歯してハッピーエンドかな?
> (チラッ
むっ……!?
・・・・・ひみつですw