その惑星では、過去の歴史から
”女”の存在は許されておらず、見つかり次第”処断”という
厳しいルールが制定されていた。
そんな惑星の調査中に謎の女体化をしてしまった
地球からの調査隊に危機が迫るー…!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
少し離れた場所から双眼鏡を使って
参謀役の恭三が”交渉”している姿を見つめる
隊長の省吾たちー。
隊長の省吾ー、
戦闘要員の洋輔ー、
そして、生物学のエキスパート・信一郎ー。
女体化した三人が、同じく女体化した恭三が
兵士を引き連れたこの星の代表・パルと会話を続けているー。
もし”決裂”した場合はー
”元男”であっても、処断しなければならないと
パルが判断した場合は、急ぎここから離れなければならないー。
「ーーっ」
女体化した洋輔が少しだけ表情を引きつらせるー。
その様子を見て、隊長の省吾が「大丈夫かー?」と、
少し心配そうに言葉を口にすると、
女体化した洋輔は手にしている
アサルトライフルを動かしながら口を開いたー。
「ー問題ないー。怪我をしたわけじゃないし
体調も悪くないー。
ただー、”女”になったらこれが重くてな」
そう言葉を口にしつつ、自虐的に
アサルトライフルを振ってみせる洋輔ー。
「ーーなるほどー…そうかー…確かにそれもそうだなー」
女体化した隊長の省吾も、
洋輔の言葉に納得すると、
信一郎のほうを見て、言葉を口にしたー。
「ー恭三は、まだ交渉中か?」
「ーはいー。あっちの代表と話を続けているようですー」
女体化した信一郎はそう言葉を口にすると、
不安そうに再び双眼鏡を覗き込み始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーなるほど。
と、すると、昨夜、我々があなたたちをもてなしたあと、
部屋で一旦休むまでは男だったのに
目は覚めたら女になっていて、原因は分からない、と、
そうおっしゃるわけですねー。
そしてー、あなた方”地球人”は、性別が変わることなど
本来はあり得ない、とー」
代表・パルはそう言葉を口にすると
少しだけ目を細めるー。
「私たちの星は昨夜お話した通り”女神”によって守られていますー。
しかし、その女神はとても嫉妬深いー。
己以外の女の存在を許さないのですー」
パルはそう言いながら”タワー”のほうを見つめるー。
「ーー女神様は、この星を守って下さり、
力を与えて下さるー。
ただ、同時に女性が存在するだけでこの星には大きな災いが降り注ぐー」
代表・パルは改めてそう説明すると、
女体化した恭三のほうを見つめる。
「あなた方の事情は分かりましたー。
私たちとしても、遠くの星からわざわざ我が星に
やってきて下さったあなた方たちと敵対したくはないし、
可能であれば友好的な関係を結んでいきたいー。」
代表・パルはそこまで言葉を口にすると、
女体化した恭三を見つめたー。
「ただーーー
どうかご理解下さい。
あなたを見逃せば、この星は女神様の怒りにより滅びるー。
あなたたちのために、この星の全住民の平和と命を犠牲にすることは
私にはできないー。
申し訳ありません」
代表・パルはそこまで言葉を口にすると、
横に控えていた兵士がキューブのような武器を手に、
そこからレーザーを発射、
女体化した恭三に直撃して、恭三はそのまま倒れ込んだー
「ーーー!!!」
双眼鏡でその様子を離れた場所から見ていた
生物学のエキスパート・信一郎が
「恭三さんが…!」と、恭三が殺されたことを隊長の省吾と
戦闘要員の洋輔に伝えるー。
「くそっ!アイツら、何があっても俺たちをー
やっぱりあいつらは最初から俺たちを仕留めるつもりだったんだ!」
アサルトライフルを手に、
ショートヘアーの女の姿になってしまった洋輔は、
そう怒りの言葉を口にするー。
「ーこ、こっちに来ますー」
まだ少し距離は離れているー。
がー、代表・パルたちは省吾たちのいる方に向かって移動を始めたー。
簡易なキューブ型の乗り物に乗っている向こうの方が
移動速度は早いー。
このままでは、追い付かれてしまうー。
「ーーー隊長、ここは俺がー」
女体化した洋輔がそう言葉を口にすると、
隊長の省吾は「ー無茶だー。あの人数には勝てない」と、
そう言葉を口にする。
しかし、洋輔は女体化した省吾の胸倉を掴むと、
「行け。あんたなら分かるだろー。
このまま俺たちが三人で仲良く宇宙船まで向かえば
途中で追い付かれて全滅するー。
けど、俺が残って時間を稼げば、2人だけは宇宙船に
たどり着ける可能性が高まる。
だったらーあんたは隊長として
その判断を下さなきゃいけねぇ」
と、そう言い放つー。
「ーーーーー」
女体化した省吾は、女体化した洋輔のほうを見つめ返すー。
この惑星に到着するまでにも3名の命を失ったー。
そのうち一人は”他のクルー全員を守るため”
止むを得ず、その命を捨てる決断を下した。
そのクルーは、言ったー。
”誰かが決断を下さなくちゃいけないー。
だったら、決断するのは隊長、あなたですー”
とー。
「ーーー…分かった」
女体化した省吾はそう言葉を口にすると、
女体化した洋輔に手を伸ばしたー。
「ーー共に仕事ができたことを誇りに思う」
と、そう言葉を口にしながらー。
女体化した洋輔は、アサルトライフルから一旦手を離すと
「俺もだ。隊長。あんたは最高の隊長だった」と、
そう言葉を口にしてから握手に応じる。
そして、アサルトライフルを再び拾うと、
「ーーあんたとも、仕事ができてよかった。生物博士」と、
生物学のエキスパートの信一郎を見て笑うと、
「ーーーさぁ行け」と、隊長の省吾、そして信一郎に向かって
そう言葉を口にしたー。
洋輔に”時間稼ぎ”を任せて
宇宙船のある方向へと走り始める省吾と信一郎。
洋輔は女体化した身体にはちょっと重く感じる
アサルトライフルを手に、代表・パルが率いる兵士たちに
立ち向かっていくー。
「ーー申し訳ありませんー」
洋輔と対峙した代表・パルは思うー。
彼らは、本当に地球の人類と敵対するつもりなどなかったー。
丁重にもてなし、話を聞き、可能な範囲内で力になるつもりだったー。
ただーーー
”女神”の怒りを買うわけにはいかないー。
女神以外の女性をこの星に存在させるわけにはいかないー。
1分1秒でも早く、排除せねばならないー。
他のことにはとても寛大な女神様ー
けれど、この件に関しては
”女神様”はいつ怒り出すか分からないからー。
だから、代表・パルを止むを得ず排除するー。
この星を、この星の全住人を守るためにー、
止むを得ず排除するー。
洋輔のアサルトライフルの攻撃を受けながらも、
兵士たちは、この星の”万能物質”キューブを利用して
その攻撃を防いでいくー。
が、洋輔は”キューブ”によるレーザー攻撃を受けても死なずに、
アサルトライフルで兵士を殴りつけると、
「ここは通さねぇよー。1秒でも長く、時間を稼ぐんだー」と、
そう言葉を口にしながら、代表・パルを見つめるー。
パルはその言葉と覚悟を見届けると、
「ーあなたの覚悟ー、”戦士”と呼ぶにふさわしいー」と、
それを認めるような言葉を口にするー。
「ーーただ、星の滅亡がかかっているのですー。
どうか、ご容赦下さいー」
代表・パルはそう言葉を口にすると、”2つのキューブ”を
手に、それを合体させると巨大な剣のようなものを作り出し、
それを洋輔に向けて振り下ろしたー。
洋輔は最後を悟るー。
が、それでも”もう1秒”だけでも稼ぐー、と、
隠し持っていた手榴弾を手にするとー、
斬られる直前に、それを自分の側に落下させて
大爆発を起こしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーー今の音はー?」
宇宙船で待機していた
梨絵がそう言葉を口にすると、
通信のエキスパート・秀幸が「爆発音ー…巨大なタワーが見える方からー」と
可愛らしい声で言葉を口にしたー。
宇宙船で待機していた秀幸まで、
梨絵が通信で隊長に報告した通り、女体化してしまっているー。
その秀幸が言うー。
「ー”女”になってしまった原因、分かったんだー」
爆発音のことを気にしながらも、女体化した秀幸が
そう言うと、梨絵は少し驚いた様子で秀幸のほうを見つめるー。
すると、秀幸は「これだよー」と、
宇宙船内に保管されていた光る石を手にしたー。
「それってー…」
梨絵がそう言葉を返すと、
「ーーあぁ。この前、調査した惑星で採取した石だ」と、
女体化した秀幸はそう言葉を口にしたー。
省吾たち調査隊は、この星にたどり着く前にも
色々な星に到達しては調査を行っていたー。
その全てが”人類が移住できない星”でー、
今、調査している惑星の前に上陸した
”石だらけの酸素の存在しない惑星”で、
採取した光る石が女体化の原因なのだと、秀幸はそう言葉を口にしたー。
「この石が、この星の酸素に反応して、
特殊な反応を起こしたみたいなんだー
それで、この石から発される未知の成分を浴びた僕や、
隊長たちが女体化したみたいだー。
僕は仮眠を取った時に女体化したから、
多分、寝てる間に身体の性別が変異した感じだと思うー」
女体化した秀幸は、この石から
人間の女性ホルモンを急激に増加させる特殊な反応が
出ているのだと、そう告げた上で
”地球外の物質のことは、分からないことだらけだー
ただ、もっと深く調べれば男に戻る方法も見つかるかも”と、
そう言葉を口にしたー。
「ーーじゃあ…みんなが女になっちゃったのはー
この惑星の人たちは無関係ってことねー?」
梨絵がそう言葉を口にすると、女体化した秀幸は
「ーあぁ。そうだと思う」と、そう言葉を口にしたー。
この惑星の代表・パルたちは
省吾ら調査隊の女体化とは無関係ー。
秀幸はそう結論を出すと「とにかく、隊長たちが戻ってきたら
すぐに離陸できるよう、準備しておこう」と、そう言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーはぁ…はぁー」
身体が”女体化”したからだろうかー。
いつもよりも走った際の体力の消耗が激しいー。
そう感じつつも、女体化した隊長・省吾と、
生物学のエキスパート・信一郎が、息を切らしながら
宇宙船を目指して走り続けていたー。
もうすぐ、宇宙船にたどり着くー。
先程、時間稼ぎのためにその場に留まった
戦闘要員の洋輔のおかげで、
この星の代表・パルが率いる兵士たちとも
かなり距離が出来たようだー。
パルは、兵士に負傷者が出たことで、
追撃の手を緩めざるを得なかったのだー。
そんな状況の中、
女体化した省吾が、再び宇宙船に待機している
梨絵と秀幸の二人に連絡を入れるー。
「もうすぐそちらに到着するー。
俺たちは追撃されている状態だー。
できる限り早く離陸できるように頼むー」
”了解ですー”
女体化した省吾と、女体化した秀幸が
通信でそんなやり取りをしていたその時だったー
「た…隊長…!」
共に行動している女体化した信一郎がそんな声を上げたー。
「ーーどうした?」
隊長の省吾が、一旦通信を中断して、
信一郎のほうを振り返ると、
信一郎が”この世の終わり”を見るかのような青ざめた目で、
指を指しながら”それ”を見ていたー。
「ーーー!!!!」
その方向を見た省吾も青ざめるー。
何故なら、そこにはー…
”真っ赤に光り始めたタワー”から、
超巨大な天使と龍が混じったかのような怪物が、
タワーを破壊して出現するーー
そんな光景が広がっていたからだー。
「なんだ…あれはー…」
女体化した省吾が言うー。
ここからタワーまでは大分距離があるー。
が、それでもかなり巨大に見えるほどの異形の怪物ー。
その天使と龍が混じったかのような存在が
惑星中に轟くほどの”怒りの咆哮”を上げるー。
そしてーーー
その直後ー…
惑星中を包み込む激しい光を放ったー。
それはーーー
この星の代表・パルが恐れていた”女神”の怒りー。
代表・パルが、順子や美玖の命をいきなり奪うという暴挙に出たのは
迷信などが原因ではなかったー
”こうなる”ことが分かっていたからー、
”女”の処断に躍起になっていたのだー
この星の常識と、地球の常識は違うー。
女体化した省吾と信一郎は、女神が放った光に焼き尽くされて消滅するー。
宇宙船で待機していた秀幸と梨絵は、
止むを得ず緊急離脱しようとしたものの、間に合わずに
宇宙船ごと消滅ー
そしてーー
「ーー私はーーー守れなかったー」
この星の代表・パルたちもその光を見つめながら、
覚悟を決めるー。
この日ー…
地球から遠く離れたこの惑星では
”女神の怒り”により、全てが滅亡してしまうのだったー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
未知の惑星での女体化を描く物語でした~!☆
地球以外の星で暮らすのは
色々難しそうですネ~…!
お読み下さり、ありがとうございました~!!
★作品一覧★

コメント