仕事帰りに地雷系な女と入れ替わってしまった
サラリーマンの男ー。
元に戻れないまま、彼女に振り回される時間は続きー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はぁ…!?!?」
愛奈(文也)は、思わず変な声を出してしまうー。
それもそのはずー。
”もっと目立たない場所”で元に戻る方法を
色々試してみようと、そう言われてやってきた場所は
ラブホの前だったからだー。
「ーーい…いやいやいやいやいやー
君はさっきの話を聞いてなかったのか!?
おっさんリスク!!!
君みたいな若い子とラブホになんか入ったらそれこそー」
愛奈(文也)が、可愛い顔に焦りを滲ませながら
必死にそう叫ぶー。
がー、文也(愛奈)は、逆に「はい?」と、
そう言葉を口にすると、
ラブホの横の小さな路地を指差したー。
「ーはい?????」
愛奈(文也)も、困惑の表情を浮かべるー。
「ーえ?まさかホテルに入ると思ったの?
ぷぷ~っ」
文也(愛奈)は揶揄うようにして
そう言葉を口にすると、
「この建物の脇道から入れる空き地、ほとんど誰も来ないから
そこで色々試そうって、思ったんだけど」と、
そう言葉を続けたー。
「ーーーぐ…ぐぐー」
勝手にラブホに入らされると勘違いしていた愛奈(文也)は
顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに、
そして悔しそうにすると、
「あ、もしかしてわたしの身体でドキドキしたりしてる?」と、
文也(愛奈)は揶揄うような口調で呟くー。
「ーし、し、してないー!
す、少しは年上のおじさんを敬えよー」
愛奈(文也)は、悔しそうにしながらそう言うと、
文也(愛奈)は「あ~~~~~」と、そう言葉を口にしてから
「申し訳ございませんでしたー。この先の空き地で元に戻る方法を
試しましょうー」と、とても他人行儀な口調でそう言葉を口にするー。
「ーーーーー」
愛奈(文也)は、そんな文也(愛奈)の方を見つめるー。
「ー何ですか?望み通り、年上のおじさんを敬っているのですがー?」
文也(愛奈)がそう返してくるー。
が、そんな対応に妙に余所余所しい雰囲気を感じて
逆に寂しくなってしまった愛奈(文也)は
「や、やっぱいいー!それに、今は俺の身体を使っている君の方が
身体的には年上だし!」と、そう言うと、
文也(愛奈)は「仕方のないおじさんだなぁ~」とクスクス笑いながらも、
言葉遣いを元に戻して「じゃ、元に戻る方法を試してみよ!」と、
そう言葉を口にしたー。
抱き合ったりー、
もう一度ぶつかって見たりー、
頭突きをしてみたり、
色々な”元に戻れるかもしれない方法”を試して行く二人ー。
しかし、一向に元に戻ることはできない状態が続いたー。
「ーーーはぁ」
文也(愛奈)はため息を吐き出すー。
「ーはは、分かるよー。
俺みたいなおっさんの身体は嫌だもんなー」
愛奈(文也)はそれだけ言うと、
「ーあ~それはどうでもいいんだけどー…
このあとの待ち合わせがー」
と、そう言葉を口にする文也(愛奈)ー。
「ーーー」
愛奈(文也)は「また俺が君の代わりをやれって?」と、
地雷系の服を着ている”今は”自分の身体となっている身体を
見下ろすと、
「ーまぁ、このまま元に戻れなかったら、そうなるかなー」と、
そう呟く文也(愛奈)ー
「ーーーー君は、いつもこんな格好をしてるのかー?」
ふと、愛奈(文也)が地雷系な可愛らしい格好に
手を触れながら言うと、
文也(愛奈)は「まさかー」と、失笑するー。
「ーもしかして、おじさん、
女はずっと可愛い格好してるとか幻想抱いちゃってない??」
クスクス笑いながら文也(愛奈)は言うー。
「い、い、い、抱ていないー!!
いやーー、ちょ、ちょっとだけー…」
愛奈(文也)は最初は否定したものの、
少し悔しそうに言葉を言い直すと、
文也(愛奈)は笑うー。
「ー中にはそういう子もいるかもだけど、
大半の子は、ず~っと可愛い格好なんてしてないよー
それじゃ、疲れちゃうし」
その言葉に、愛奈(文也)は
「ま、まぁ、そうかー。そうだよなー」と、そう頷くと、
「待ち合わせまで時間がないんだったよなー?」と、
それだけ言葉を口にしてから、
「できる限りのことはやってみよう」と、
元に戻ることができる可能性のありそうなことを、
再び手当たり次第、試し始めたー。
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「はぁはぁ…ダメだー…」
愛奈(文也)がそう言葉を漏らすと、
文也(愛奈)も「思ったより、元に戻れないねー…」と
困惑した様子で言葉を口にしたー。
「ーーもう、時間も限界だからー
待ち合わせ場所に行ってー」
文也(愛奈)がそう言葉を口にすると、
愛奈(文也)は困惑の表情を浮かべながら、
文也(愛奈)を見つめたー。
「ーーーーー……何?」
文也(愛奈)が表情を曇らせながら反応すると、
「ーひとつ、聞いていいか?」と、
愛奈(文也)が言うー。
「ーこんな夜中に、誰と、何のために会うんだーー?」
とー。
さっきの男は、仕事帰りの時間帯に
クラシックの演奏会を聞くために会うー、という理由だった。
が、もう遅い時間になって来ているー。
これ以上、誰と会うと言うのだろうかー。
「ーーーふふー
気になるの?」
文也(愛奈)の言葉に、
愛奈(文也)は「俺は、君のことが心配なだけだー」と、
そう言い放つと、
文也(愛奈)はクスクスと笑いながら、
「会ってみれば分かるからー」と、
そんな言葉を口にしたー。
そして…
愛奈(文也)は仕方がなく、
待ち合わせ相手の男が現れるのをその場で待っていると、
そこに、60前後ぐらいの男が姿を現したー。
「ーーどうもー」
その男がぺこりと頭を下げるー。
がー、その相手を見て愛奈(文也)は
表情を歪めたー
それもそのはずー。
そこに姿を現したのは、文也の”父親”だったからだー。
最後に会ったのは半年前ちょっと前の
お正月の時ー。
が、半年前とほぼ変わらぬ姿だし、
見間違えるわけがないー
「お、お、お、おやじーーー!?!?」
愛奈(文也)は思わずそう叫んでしまうー。
「え?」
愛奈とこんな遅い時間に会う約束をしていた
文也の父親は、困惑した様子で首を傾げるー。
愛奈(文也)は”しまったー”と思いつつ
「あ、えっ、ちょっと待っててくださいねーふふ、ははー」と、
奇妙な言葉遣いで誤魔化すと、慌てて走って、
物陰から自分を見ている文也(愛奈)の元にたどり着くと、
「あ、あ、あれ、俺の親父だぞー!?
俺に、親父とホテルに行けって言うのかー!?」
と、そう言葉を口にするー。
「ーーえ?お父さんなの!?」
文也(愛奈)は少し驚いたような表情を浮かべると、
「ーまさか、またホテルに行くと思ってるの~?」と
揶揄うようにして言葉を口にするー。
「うっー…」
愛奈(文也)は、再び恥ずかしそうに顔を赤らめるー。
またやってしまったー。
あんまり、こんなことばかりを繰り返していると、
頭の中がピンク色なおっさんだと思われてしまうー。
愛奈(文也)は”そ、そんなこと思ってなーー”と
言葉を吐き出そうとすると、
それよりも先に文也(愛奈)が言葉を口にしたー。
「せいかい~~!」
とー。
「ーはい?????」
愛奈(文也)が戸惑いの表情を浮かべるー。
すると、文也(愛奈)は「ーあのおじさんとはホテルに行く予定で~」と、
そう言葉を口にし始めたー。
「~~~~~~~~…」
口をぽかんと開けたまま、愛奈(文也)が呆然としていると
父親が、若い地雷系の子と夜な夜な会っていること、
そして、文也はこれから、愛奈の身体で父親とホテルに行かなくてはいけないことを
知り、絶望して、そのまま放心状態にならざるを得ない状態になってしまったー。
「ーーーーーー」
そんな愛奈(文也)の様子を見て、
文也(愛奈)は「あ、ちょ、ちょっと???」と、困惑した表情を浮かべるー。
よく考えたら、地雷系の格好をして夜の街を歩いていてー、
しかも、こんな遅い時間に男と会うとなればー
愛奈(文也)が、そんなことを考えながらぐるぐると頭の中で
色々な考えを巡らせていると、
やがて文也(愛奈)は口を開いたー
「そんなにショック受けないで!?嘘だから!!!」
とーーー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーえぇ……?」
必死に”父”との話を愛奈のフリをして乗り切った文也は、
困惑の表情を浮かべていたー。
父を前に、愛奈のフリをするのは、正直かなり難しかったものの、
愛奈から言われた通りの会話をして、上手く乗り切ったー。
愛奈が持っていたイヤホンなどを駆使して、
上手く、会話を成立させた形だー。
聞けば、愛奈は今年から保険会社に勤務していて、
文也の父とは、保険に関する話をするために
会う約束をしていたのだと言う。
文也の父は、仕事が忙しく、
この時間じゃないとゆっくり話が出来ないために、
遅い時間に会うことになってしまったのだとかー。
確かに父の仕事が激務なのは知っているー。
「でも、どうして地雷系の服で父にー?」
愛奈(文也)が疑うようなまなざしを向けると、
「違うから!!本当だったら、クラシック聞いた後に
いったん家に帰って着替えてから、あなたのお父さんと会うつもりだったから!!」
と、そう言葉を返してくるー。
「あぁー、…そういうことかー」
時間的には確かに納得できる話だ。
「ーー仕事の時は真面目な感じの服ばかりだし、
息が詰まっちゃうから、プライベートでは可愛い服を着ててー」
文也(愛奈)が恥ずかしそうに言うー。
「ーん~~…まぁ、確かに社会人になるとな」
愛奈(文也)も同意を示しながら頷くと、
少し笑ってから、
「ーーっていうか、高校生か大学生だと思ってたんだけどー」
と、言葉を続けるー。
「ーーーよく言われるー」
文也(愛奈)は少しだけ冗談めいた口調で言うと、
”あなたのお父さん、家族に迷惑かけたくないからって
色々保険の見直しをしてるみたい”と、そう言葉を口にするのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その日の夜は元に戻ることが出来ず、
お互いに一人暮らしであることから、
仕方がなく、そのまま相手の家に相手の身体でお邪魔することになったー。
”わたしの身体で、変なことしないでねー?”
文也(愛奈)に別れ際にそう言われた愛奈(文也)は
「君こそ!」と、そう言い返して、混沌の1日を終えたー。
そして、その翌朝ー。
「ーーお?????」
目を覚ました文也はー、自分の身体に戻っていることに気付き、
嬉しそうに自分の身体を見つめるー。
正直、愛奈の身体にドキドキはしたけれど、
やっぱりー…
「やっぱり、使い慣れたこの身体だよなー」
文也はそう言葉を口にすると、満足そうに笑みを浮かべたー。
その夜ー。
「ーーーどうもー」
愛奈が、文也の家の前に姿を現したー。
「ーーあーど、どうもーって、何でここにー?」
文也が、昨日の地雷系な姿とは違って、
保険会社の帰りなのか、スーツ姿で姿を現した愛奈に少し困惑すると、
「昨日はご迷惑をおかけしましたーって思ってー」と、愛奈は少し笑うー。
どこか掴みどころがなくて、人を振り回す感じの愛奈ー。
見た目も相まって、やっぱり学生に見えてしまうー。
「ーーいやいや、俺の方こそー
元に戻れてよかったよー」
文也はそう言葉を口にしながら、
家の玄関を開けようとすると、
「それにしても、どうしてわざわざここに?」と、
首を傾げるー。
入れ替わりの状態が続くことも想定して、
昨日の別れ際に、連絡先は交換したー。
今朝も”元に戻れた~!!”というやり取りはしているー。
わざわざ、家の前に来る必要なんてないー。
「ーー俺の家の前で待ち伏せするなんてー」
文也は苦笑いしつつ
”このまま、家の中に入っていいんだよな???”と、
心の中で首を傾げるー。
「ーじゃ、わざわざありがとう。仕事頑張って」
文也がそう言葉を口にして、
玄関の扉を閉め、中に入ろうとすると、
突然、愛奈が扉をガッと掴んだー。
「ーーは????」
文也が困惑した表情を浮かべると、
愛奈は「ーえ?それだけ?冷たくないー?」と、
そう言葉を口にするー。
「ーーは???は????
いや、お、俺にどうしろと?」
文也はそう言葉を口にしながら、
「昨日も言ったけど、君みたいな若い子とペラペラしゃべってるのは
おっさんリスクがー」と、
そう言葉を吐き出すー。
が、愛奈は笑うと、
「ー今日は、一つお願いがあってー」と、そう切り出してから、
”保険”のパンフレットを取り出したー。
「ーーー!?!?!?」
文也は困惑の表情を浮かべるー。
「ー今月、ノルマが厳しくてー」
苦笑いする愛奈を前に、
「おいおい、保険の勧誘に来たのかよ!?」と、そう叫ぶー
どこまでも訳の分からない子だー
文也はそう思いながらも、
「わ、分かったー。話ぐらいは聞いてやるー。
ーー契約するかは知らんけどー」と、
そう言葉を口にするのだったー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
最終回でした~!★
最後まで振り回され続ける(?)
入れ替わりでしたネ~!!
お読み下さり、ありがとうございました~!!
★作品一覧★
コメント
完全に愛奈ちゃんのペースでしたネ(*´艸`)笑
愛奈ちゃん、まさかの社会人(*´艸`)笑
文也のお父さんまで登場!★
ラブホ、ネタが、2回も!☆
完全に無名さんのペースでした☆\(^o^)/☆笑
感想ありがとうございます~~!★
この作品は…愛奈ちゃんのペースじゃなくて、
私のペース!?笑
最終的には無名さんの発想の展開のペースがスゴかったのデス~!☆!★笑
文也は今後も愛奈ちゃんに振り回されるかもですネ(*´艸`)笑
わわ~!笑
この先も振り回され続ける日常…!
それも悪くないかもデス…??