<入れ替わり>俺が地雷系になっちゃった!?②~翻弄~

①にもどる!

ある日の仕事帰りー。
地雷系の格好をした女とぶつかって入れ替わってしまった彼は
”わたしのフリをして友達と会って”と言われてしまうー。

しかし、その場に姿を現したのは…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーやぁ、君が愛奈ちゃんかいー?
 今日はよろしくねー」

ニヤニヤしながら近づいて来た
小太りの40代ぐらいの男ー。
それを見た愛奈(文也)は思わず心の中で叫ぶー。

”ぜ、ぜ、絶対に友達じゃねーーーー!!!!!!”
とー。

そして、愛奈(文也)は、慌てて背後を見ると、
物陰から”わたしの身体でちゃんとわたしのフリをできるかな?”と、
心配そうに愛奈(文也)のことを見つめていた文也(愛奈)と目が合うー。

”絶対友達じゃないだろ!?”と、そんなジェスチャーを
してみせると、
文也(愛奈)は、首を傾げたー。

ほぼ初対面の人間相手に、そんな複雑なジェスチャーが
通じるわけがないー。

今度は口パクで”絶対に友達じゃないだろ!?”と、
そう伝えようとするも、
愛奈は人の口の動きから言葉を読めるようなスキルは持っていない。

文也(愛奈)が再び首を傾げているのを見て、
愛奈(文也)は”あ~~くそっ!”と、
愛奈の綺麗な長い髪を掻きむしるー。

「ーそれじゃ、早速行こうかー」
40代ぐらいのおじさんがそう言葉を口にすると、
”ぐ、くそっ…ほ、ホテルになんか行かないからなー”と、
女の身体であんなことや、こんなことをされるシーンを
想像してしまいー、妙にドキドキしてしまうー。

”ぐ、くそっ…!俺は一体何の想像をしているんだー!?”
愛奈(文也)は、愛奈の身体をドキドキさせてしまいながら
内心でそう言葉を口にすると、
ぶんぶんと首を横に振って、”とにかく、こういうことは止めないと”と、
心の中でそう呟くー。

そして、意を決して言葉を口にするー。

「ーーわ、わ、わたしは、ほ、ホテルとか行きませんからー!」
とー。

がーー…

「ほ、ほ、ホテルー?」
40代の小太りのおじさんはそう首を傾げると、
「ははー、行くわけないじゃないかー。」と、それだけ言うと、
「僕はそういうことに一切興味がないからね」と、そう続けたー。

「ーー!?!?!?!?」
愛奈(文也)が表情を歪めると、
「ーーえ…じ、じゃあ、今日はどこにー!?」と、
そう言葉を口にするー。

「ーーえ?ど、どこにってー
 決まってるじゃないかー」
40代の小太りのおじさんはそう言うと、
「ベートーベンの曲の演奏会に行くー、だろ?」
と、そう言葉を続けたー。

”べ、べ、ベートーベン!?”
クラシック音楽の演奏会に行くと言われて、
さらに困惑する愛奈(文也)ー

慌ててバッと、文也(愛奈)の方を振り返ると、
”とにかく行って!”と、言うようなジェスチャーをされたー

”ケッ、どうせ、演奏会は名目でそのあとホテルへゴーだろ?”
内心でそう思いながら、愛奈(文也)は
仕方がなく、そのまま演奏会が行われる小さな会場に入ると、
そのままベートーベンの音楽の演奏会を聞いたー。

そしてーー

「ーいやぁ、やっぱクラシックは最高だなー」
40代の小太りのおじさんはそれだけ言うと、ベラベラと
クラシック音楽について夢中になって語り始めるー。

”や、やべぇ…全然分からないぞー”
愛奈(文也)はニコニコしながら何とか誤魔化しつつ会話を進めていくと、
やがて「じゃあ、今日は楽しかったよー。また」と、
小太りのおじさんはそのまま立ち去っていくー。

会ってから最後まで、
”下心”をまるで感じなかったー。

そう思いつつ、困惑していると、
文也(愛奈)が「お疲れ様」と、そう言葉を口にしながら
姿を現したー。

「ーーあ、ど、どうもー
 って、あ、あのおじさん、ホントにただの友達ー!?」
愛奈(文也)が戸惑いながら、小太りなおじさんが
立ち去った方向を指差すとー、
「ーえ?だから最初から友達だって言ってたでしょ?」と、
文也(愛奈)がそう言葉を口にするー。

「他に何かあるの?」
文也(愛奈)に真顔でそう言われて、
「あ、いやー…べ、別にー」と、
小太りのおじさんを見た瞬間に
ホテルに連れて行かれると思ってしまった自分は
心が汚れているのだと、愛奈(文也)は心の中で反省するー。

「ーわたし、こんな見た目でもクラシックが好きでー、
 イベントに足を運んでる時に、あのおじさんに話しかけて
 それで意気投合して、今はクラシック友達ー。
 すっごい詳しいから、あのおじさん、クラシック友達凄くいる人なんだよ?」

文也(愛奈)にそう説明された愛奈(文也)は
「あ、そ、そうー…」と、そう言葉を口にしながら目を逸らすー。

すると、文也(愛奈)は「あっー」と、そう言葉を口にしてから
「もしかして、あのおじさんと変なことするために待ち合わせしてると
 思ってたのー?」と、
そう言葉を付け加えたー。

「ーい、いやっ、そ、それはー、そのー…」
愛奈(文也)は気まずそうに視線を逸らすと、
明らかに挙動不審な反応をしてしまっていることを
自分でも自覚しながら、ため息を吐き出すー。

そして、仕方がなく、
「ー誤解してましたすみません」と、申し訳なさそうに
謝罪の言葉を口にすると、
文也(愛奈)は呆れた表情で、
「あのおじさん、クラシック音楽にしか興味ないからー」と、
そう言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

気を取り直して、元に戻る方法を模索し始める二人ー。

入れ替わってからドタバタしっぱなしだったために
あまり気にする時間はなかったものの、
今になって”愛奈”の身体になっていることに
ドキドキし始めてしまう愛奈(文也)ー

”っていうか、何でこんな格好してるんだよー…
 ーー…なんていうかー…こうー、よくこんな格好で外に出られるよな”

今は自分自身が着ている地雷系の服を見つめながら
余計にドキドキしてしまうと、
文也(愛奈)は「何、わたしの身体をじろじろ見てるの?」と、
笑いながらそう言葉を口にするー。

「い、いやっ!へ、変な意味じゃー…!?」
愛奈(文也)が顔を真っ赤にしながらそう叫ぶと、
「クラシックおじさんのこと変態扱いしてたわりに
 おじさー、お兄さんの方が変態なんじゃない?」と、
文也(愛奈)がそう言い放ってくるー。

「お、お、お、俺は変態じゃない!!!」
愛奈(文也)はそう言うと、
「たぶん俺、彼女とホテルに行っても何もしないし!!!
 滅茶苦茶健全!!!」と、必死にそう言葉を付け加えるー。

「ーーーふ~ん……」
どこか呆れ顔の文也(愛奈)ー。

「ー…で、彼女はいたことあるの?」
文也(愛奈)がそう言うと、
愛奈(文也)は「いや……ないけどー」と、そう言葉を口にした上で
「って、おい!俺に彼女がいてもいなくても君には関係ないだろ!」と、
そう返すー。

「俺はほらー、いい人止まりで終わっちゃう感じで
 そういうのとは縁がなかったからー」

言ってて悲しくなってくるー
そう思いながら愛奈(文也)がそこまで言うと、
文也(愛奈)は「自分で”いい人”って言う人、怪しいよね???」と、
そうツッコミを入れて来るー。

「ぐぬぬー」
愛奈(文也)は悔しそうにしながら、
文也(愛奈)を見つめると、
「そ、それより、早く元に戻る方法を探そうー!
 君だって、”怪しいおじさん”と入れ替わったままじゃ嫌だろ?」と、
自虐ネタに走り始めるー。

「ーーあ、あははー…まぁ、本気で怪しいおじさんと思ってるわけじゃないけど」
文也(愛奈)は苦笑いしながら首を横に振ると、
愛奈(文也)は戸惑いながらも、本題を話し始めるー

先程、”友達”との待ち合わせの前に、
お互いにぶつかって見たものの、
それでは元に戻れなかったー。

つまり、単純に入れ替わった時のように
”もう一度ぶつかる”ということだけでは
元に戻ることはできない、ということになるー。

「ーーじゃあ、他にも元に戻れそうなこと、
 色々試してみよっかー」
文也(愛奈)はそう言葉を口にすると、
手を差し出すー。

「ーーん???」
愛奈(文也)が困惑の表情を浮かべていると、
文也(愛奈)は「ーーほら、手を出して!お互いに手を
握り合った状態のまま、元に戻れるように念じるとか!」と、
そんな言葉を口にするー。

「ーーーあ…あぁ、ーーえ…」
愛奈(文也)は、自分より年下の女性の手を握ることを躊躇したのか、
それともドキッとしたのか、恥ずかしそうな表情を浮かべるー。

「ーーえ…何その反応ー?
 大丈夫大丈夫ー、ほら、今は男だしー?
 自分の手をわたしの手で握ればいいだけだから?ね???」
文也(愛奈)にそう言われた愛奈(文也)は
”そういえば、今はこの子の手なんだったー”と、
自分の綺麗な手を改めて見つめながらドキッとするー。

「ーえ??何変な目つきでわたしの手を見てるのー!?!?」
文也(愛奈)の言葉に、
愛奈(文也)は「み、見てないし!」と、そう言い返すと、
”自分の手”を握るだけなのに、何故かドキドキしてしまっている
自分に困惑しながら、”元に戻るため”に自分の手を握るー。

「ちょ、わたしの手で手汗かきすぎでしょ!?」
手を握った文也(愛奈)はそんなツッコミを入れるー。

「ーーい…いや、色々緊張してるんだよ!こっちも」
愛奈(文也)が戸惑いながらそう言うと、
「ふ~ん?」と、疑うような視線を送って来るー。

その視線にも戸惑いながら、静かにため息を吐き出すと、
「と、とにかく、元に戻れるように念じてみよう」と、
相手の手を握ったまま、元に戻ることができるようにと、
自分の頭の中で念じ始めるー。

文也(愛奈)も、そう試してみるもののー…
身体が戻ることはなかったー。

「ーー……じゃあ、次はー」
文也(愛奈)はそれでも諦めずに
「次は抱き着いてみよっ!」と、そう言葉を口にするー。

「だ、だ、だきつくっ!?!?」
愛奈(文也)が顔を真っ赤にしながら言うと、
文也(愛奈)は「大丈夫!自分に抱き着くようなものだと思って!」と、
得意気な表情で言葉を口にするー。

確かに、今、自分は愛奈の身体ー。
自分の目線からすれば、”自分自身”と抱き合うようなもので、
愛奈と抱き合うより、その方が気持ち的には楽かもしれないー。

ただー

「いや、ま、待ってくれー。
 君は”おっさんリスク”を軽く見てる!」
愛奈(文也)が慌ててそれを制止するー。

「おっさんリスク???」
文也(愛奈)がそう返すと、
「君みたいな若い子と俺みたいなおっさんが路上で抱き合ってたら
 下手すりゃ通報される!!それがおっさんリスクだよ!!」と、
愛奈(文也)はそう言葉を口にするー。

「ーあはは、それは考えすぎでしょ」

「いや、考え過ぎじゃない!」

二人はそんな会話を交わすと、
文也(愛奈)は「そんなことあるかなぁ」と、首を傾げるー。

「ーっていうか、さっきおにいさんって呼んで欲しがってなかった?」
文也(愛奈)のそんな言葉に、
「そ、そんなことはどうでもいいから!」と、愛奈(文也)は焦るー。

「でもさー、若い子と付き合ってる男の人なんて、
 たまにいるでしょ?通報まではされなくない?」
文也(愛奈)がなおも食い下がるー。

その言葉に対して「いや、君のこの格好!地雷系って言うんだっけ?
こういう服着た若い子と路上で抱き合ってたら勘違いされるから!!!」
と、愛奈(文也)がそう叫ぶー。

「ーあはは、ま~それもそうかな?じゃあ、もっと人目につかない場所に
 移動して色々試すなら、問題ないでしょ?」

そう言葉を口にする文也(愛奈)。

愛奈(文也)も「それならー」と、ようやく納得して見せると、
文也(愛奈)と共に”もっと人目のつかない場所”に移動していくー。

「ーーわたし、この後も人と待ち合わせしててー」
文也(愛奈)がそう呟くー。
だから、それまでには元に戻りたいのだとー。

”こんな遅い時間に待ち合わせー…やっぱこの子…今度こそ”
愛奈(文也)はそんなことを思いつつも、黙って移動を続けるー。

そして、たどり着いたのはー…

「ーーは…?」
”もっと人目につかない場所”、
そう言われてやってきたのは、
”ラブホ”の前だったー。

「ーーはぁ!?」
愛奈(文也)は、困惑した表情でそう声をあげることしかできなかったー…。

③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

ひたすら振り回されている感じの
おじさ…おにいさん…!

最終回もドタバタを楽しんでくださいネ~!!

今日もありがとうございました~!★

続けて③をみる!

「俺が地雷系になっちゃった!?」目次

コメント

  1. TSマニア より:

    まさかのクラシック…!?

    さすが無名さんマジックなのデス( *´艸`)笑

    まさかのラブホ…!☆!★

    わわわ~!の展開ですネ!☆!★

    やっぱり無名さん地雷系の服持ってましたか!☆笑

    自分も無名さんのカラダで地雷系の服着てメイクしてもお外には出ないですネ(*´艸`)笑

    • 無名 より:

      笑~★
      ひっかけのクラシック鑑賞会でした~~!★

      一度はどうしても着てみたくなりますし、
      若さを失う前じゃないと、私でも着れなくなっちゃいますからネ~笑