”憑依された二人組”に声を掛けられた
サラリーマンの男ー。
そんなこと、当然知らない彼は
二人を”面倒臭い女”だと思い、そのまま立ち去るー。
しかしその翌日ー、
再び彼は二人と遭遇してしまいー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あぁー面倒臭いなー」
仕事帰りの芳樹は、再び二人組の女に絡まれて、
心底うんざりした様子で言うと、
昨日は地雷系の姿をしていた千穂が
「まぁまぁ、そんなこと言わないでくださいよー」と、
ニヤニヤしながら近づいて来るー。
今日は男装をしていて、千穂はホストみたいな格好を
しているものの、束ねているとは言え、
髪は長いし、胸の膨らみも見えるー。
「ーっていうか、男じゃないですよね?」
芳樹はそう言い放つー。
本当は男好きではないものの、
昨日、”男にしか興味ないんで”と、そう言い放って
立ち去ろうとした芳樹は、今日もその”設定”を続けるー。
「ーーいやいや、男ですよー
昨日より、男らしくなったでしょ?」
千穂が笑いながら言うー。
千穂に憑依している誠司は、乗っ取った千穂にー、
女なのに男だと名乗らせていることにも興奮しながら、
「ー昨日も言いましたケド、触って見ればいいじゃないですか?」
と、ズボンの上から自分のアソコのあたりを指差すー。
「ーーで、触ったら、”きゃ~”とか言うんですよね?」
芳樹も淡々とそう返すと、
千穂は、「そんなこといいませんよー」と、
笑みを浮かべるー。
もう一人の、髪の短い女=絵里も
「ー今日は男に見えるよね?」と、男装した状態でそう言葉を口にするー。
確かに絵里の方は髪が元々短いせいもあってか
”男だ!”と言われると、そんな風にも見えて来てしまうー。
が、いずれにせよ、こんな意味の分からない絡み方をしてくるような者たちが、
まともな者たちであるはずがない、と、
芳樹は「遊びたいなら、他のやつを当たったほうがいいですよ」と、
それだけ言葉を口にするー。
「ー俺に拘ってどうするんです?
俺は女に興味ないしー、
最初に会った時のイメージが抜けなくて
仮に、ー二人が男だったとしても、俺は何も感じないー」
芳樹は、本当は男好きではないものの
あくまでも、この二人を振り切るために、
その設定のまま話を続けるー。
「ーーーでも、俺が男だか女だか、気になりませんー?」
憑依されている千穂が笑いながら言うと、
「ーーいや、別に」
と、芳樹はそう言葉を口にしたー。
「いや、例えば友達とか家族が、”性別不明”だったら
それは気になりますけど、
俺と、二人は何の関係もないー。
他人が男だろうと、女だろうと俺には関係のないことだからー
興味ないですね」
芳樹は只々、”面倒くせぇなぁ”と、心の中で思いながら
それだけ告げると、
「というわけなので、それじゃー俺はこれで」と、
そう言葉を口にして、千穂と絵里から立ち去ろうとするー。
「ーーーもう他のやつにしよう。アイツは興味ないみたいだしー」
絵里が、芳樹に聞こえないように小さい声で呟くも、
千穂に憑依している誠司は、
”この身体を手に入れてから、どんな男だって落として来たんだぞ?”と、
そう言葉を口にすると、
「このままじゃ、負けてるみたいで悔しいじゃねぇか」と、
そう続けるー。
しかし、どこか冷めている性格でもある絵里に憑依している健太郎は
「いや、別にいいじゃないかー」とそう言い返すー。
それでも、千穂に憑依している誠司は諦めきれなかったのか
「まぁ見てろー」と、そう言葉を口にすると、
「ーだ、だったら、俺が男だって証明しますからー」と、
再び芳樹の方に向かって走りながら、そう声を発したー。
「ー俺の話聞いてました?
出会い方がああだったので、仮に男だとして興味が沸かないですし、
そもそも他人が男でも女でも興味がないって」
芳樹はそう言い放つと、
千穂は「ーへへーでも、俺もこのまま引き下がると、
なんだか悔しいんでー」と、そう言葉を口にしながら、
”男であることを証明する”と意味の分からないことを言うー。
少し離れた場所から腕組みしながらその光景を見つめていた絵里は
”証明ってどうやって証明すんだよー。俺たちが使ってるこの身体は女だぞ?”と、
心の中でそんなことを思いながら、
その様子を見つめるー。
迷惑そうな表情を浮かべている芳樹の前で
千穂が自分の服に手をかけたその時だったー
「ーーあれ?千穂だよねー?」
そんな声が聞こえたー。
芳樹でも、憑依されている千穂でも絵里でもない、
別の人物の声ー。
「ー!」
千穂が少しだけ表情を歪めると、
その子は千穂の顔を見て
「やっぱり千穂だ!どうしたの?そんな男の人みたいな格好してー」
と、そう言葉を口にするー。
「ーーーー…えっとー」
千穂が表情を曇らせながら、それだけ言葉を口にすると、
「千穂ってば、急に大学も来なくなっちゃうし、
最近どうしたのー?
みんな心配してるよー」
と、その子はそんな言葉を発したー。
どうやら、”憑依された千穂”の元々の大学の友達のようだー。
憑依された千穂と絵里は、大学にも行かずに、
同じ大学の友達たちからすれば、
”突然姿を消した”に等しい状態で、
周囲は二人のことを心配していたー。
「あっ!そっちにいるの絵里だよねー!?
髪、そんなに短くしてどうしちゃったのー!?」
千穂と絵里の大学の友達が困惑したようにしながらも
そう言うと、千穂・絵里の二人は迷惑そうに
表情を曇らせながら、芳樹のほうを見たー。
そんなやり取りを見ていた芳樹は、
思わず失笑すると、
「ーーやっぱり、女じゃないかー」とそれだけ言うと、
千穂・絵里の前から立ち去って行くー。
「あ、待って!」
千穂がそう声を上げるも、
千穂と絵里の大学の友達が、「ーー千穂!絵里!」と
二人を呼び止めたために、それ以上どうすることもできず、
千穂は悔しそうに歯ぎしりをしながら
その場に立ち尽くしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーはぁ~~~~…ようやく、あの意味不明な女たちから
解放されたー」
芳樹は、帰り道に立ち寄った
スーパーで購入したハンバーグ弁当を口にしながら
安堵の表情を浮かべるー。
「しかしー、あの二人、いったい何が目的だったんだー?
別に俺、イケメンでもないし
金持ちでもないし、社会的地位が高いわけでもないしー
俺なんか騙したって何の得もないだろー。」
そう呟きながら、芳樹はハンバーグ弁当を食べていると、
インターホンが鳴ったー。
「ー何だよー。やっとメシにありつけたってのにー」
そう思いながら、相手を確認するのも面倒だったために
そのまま玄関を「はい」と、言葉を口にしながら開けると、
そこには、千穂と絵里の姿があったー。
「ーーーあ?」
芳樹は思わず変な声を出してしまうー。
思わず、反射的に扉を閉めようとすると、
千穂が足を差し込んで、
笑みを浮かべたー。
「ーねぇねぇー、遊びましょ?」
千穂が、邪悪な笑みを浮かべながら言うー。
「ふ、ふざけなんな!男にしか興味ないって言いましたよね?
もう二人に用はないですー。
帰って下さいー」
芳樹はそう言いながら、玄関の扉を強引に閉めようとするも、
千穂も強引に玄関の扉をこじ開けて中に入って来たー
「ーへへへへー”俺たち”ー、
今まで落とせなかった男はいないのに、
お前だけはどうしても、何を言っても振り向いてくれないからー
頭きたー」
千穂のそんな言葉に、芳樹は
「おいっ!」と、そう声を上げるー。
一方、絵里の方は勝手に芳樹の
食べかけのハンバーグ弁当を一口食べて
「ん~うまいー仕事帰りによく食ったな」などと
よく分からない言葉を口にしているー。
「おいっ!それは俺の何ですけど!」
芳樹が、勝手にハンバーグ弁当を食べた絵里に向かってそう叫ぶと、
「ーーちゃんと身体で払うから気にしないでいいよ」と、
絵里はそう言い放ったー
「いやいやいや、いいからー。
とにかく帰ってくれ」
芳樹はうんざりした様子で、改めて”帰れ”と、そう言い放つー。
こいつらが一体何なのかは知らないー。
しかし、芳樹からすればとにかく迷惑だし、
しかも、最初は女として近付いてきて、
”男好き”だと嘘をついて立ち去ろうとしたら
”俺たち実は男なんですよ”とか言い始めて、
最後にはやっぱり女だったー、なんて奴らを信用することはできないー。
この二人は嘘の塊だー。
「ーー俺は金もそんなにないし、イケメンでもないし、
ただのサラリーマンで下っ端だし、
SNSのフォロワーも12だから、
俺になんか付きまとってもいいことないぞ!」
芳樹がそう言い放つと、
千穂は少し苦笑いしてから、「言ってて悲しくないのか?」と笑うー。
「ーあぁ、悲しいね!だから出てってくれ」
芳樹がなおもそう言うと、千穂と絵里は、ニヤニヤと顔を見合わせながら、
「ーーへへーそれはできないなー」と、千穂がそう言葉を口にするー。
そして、その場で服を脱ぎ始めようとするー。
「ーーへへー俺がここで騒いだり、脱いだ後にここから悲鳴を
上げながら飛び出したりしたら、どうなると思うー?」
千穂がそう言うと、芳樹は「くそっ!卑怯者めー」と言いながらも、
小声で何かをブツブツと呟くー。
そして、ようやく観念したかのように「分かったー。でもいきなり脱ぐな」と、
脱ぐのをやめるように促すと、
「ー最初に飯を食って、一緒にゲームでもしながら話をして、
それから本番に行こう」と、そう言葉を口にする芳樹ー。
千穂は「へへへーようやくその気になったかー」と、ニヤニヤしながら
疲れ果てた顔でブツブツと何かを呟く芳樹を見つめるー。
しばらく何かを呟いたあと「まぁ、俺は料理も下手だから冷凍食品になるけど」と
芳樹はそう言葉を口にしながらー、”時間”を稼いだー。
そしてーーー
「ーー!?」
数分後ー、警察が家の中に入り込んで来たー。
千穂と絵里が驚きの表情を浮かべると、
芳樹は隠し持っていたスマホを手に言ったー。
「ーお前たちが勝手に侵入してきた後ー、こっそり通報してたんだー」
とー。
「ーーー!」
千穂が表情を歪めるー。
勝手に入って来たことを証明するために、
録音もしていたという芳樹ー
「だ、騙したな!」
千穂が声を荒げると、
芳樹は「それは、お互い様だろ」と、そう言い放つと、
千穂は、警察から逃げようと、警察の前で暴れてしまい、
そのまま取り押さえられるー
「おいっ!余計に不利にー!」
絵里に憑依している健太郎の方が、感情的になりやすい
千穂に憑依している誠司を嗜めようとしたものの、
もう手遅れだったー
「ーー現行犯で逮捕するー」
警察に歯向かったことで、余計に罪が重くなってしまった千穂、
そして絵里はそのまま警察に連行されていくのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー。
園崎 千穂 容疑者と、倉沢 絵里 容疑者には
同様の被害を訴える声が相次いでおりー
そんな音声が、テレビから流れているー。
二人は、少し前に失踪状態になっていて、
最近では、芳樹にしたようなことを繰り返していたようで、
金銭を騙し取ったようなこともあったようだー。
「ーはぁーやっぱ、悪い女もいるもんだなー」
芳樹は、二人が憑依されていたことなど知らずに、
呆れ顔でそう呟くー。
がー、そのニュースをそのまま見ていた芳樹は
表情を歪めるー。
”二人の容疑者ですがー
今朝、突然倒れてそのまま心停止ー、死亡したことが
今、新たなニュースとして入ってきましたー”
「ーーえっ」
芳樹は表情を歪めるー。
千穂と絵里ー、あの二人組が、突然倒れて
死んだのだと、ニュースで報じられているー。
「ーーー二人まとめて死ぬとかーどうなってるんだー?」
芳樹は戸惑いの表情を浮かべながらも、
少しだけ間を置くと、
「まぁー…悪さばっかりしてたから、バチでもあたったのかなー」と、
それだけ言葉を口にすると、
「ま、いいやーあんな奴らのことを考えても仕方ない」と
そう言いながらテレビを消すー。
そして、今日も仕事に向かう準備を始めると、
いつもの日常へと戻っていくのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”キスをして、また新しい身体に憑依したー”
誠司と健太郎は、以前、
自分たちの身体を捨てて、千穂たちに憑依したように、
千穂たちの身体も捨てて、”次の身体”に憑依していたー。
憑依された千穂と絵里も、
誠司と健太郎が最初に憑依した際と同じように、
抜け殻になって死んでしまったものの、
彼らには、もうそんなことはどうでもよかったー。
「ーへへー今度こそアイツをおもちゃにしてやるー」
新しい身体を手に入れた誠司は、
お嬢様のような女の身体でそう呟くと、
また、芳樹に絡もうと笑みを浮かべるのだったー
おわり
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コメント
いずれ、また絡まれちゃいそうな芳樹くん…!
災難ですネ~…!
(もちろん憑依された人たちはもっと災難ですケド…)
お読み下さりありがとうございました~~!★!
★作品一覧★

コメント
芳樹くんが落ちるまで絡んできそうですネ!☆笑
ある意味、芳樹くん気に入られなので
色んな女の子に憑依して芳樹くんに付きまとわれそうですネ(*´艸`)笑
自分が憑依薬を手に入れたら
すぐにレースクイーンの林れむちゃんに憑依します\(^o^)/笑
男性とは関係は持ちません笑
元の自分のカラダ以外はムリなのデス~笑
れむちゃんのお部屋で1人ファッションショーしたり超ミニ履いてオシャレに着こなしてナンパされてみたいのデス~☆\(^o^)/☆笑
笑~☆
男性の皆様はやっぱり、
憑依した後に他の男性と~!☆っていうのは
なかなか厳しいみたいですネ~!