<憑依>終末時計~ the end~

”終末時計”

それは、人類の滅亡までの時間を示す時計ー。

その時計を”0にしたら”どうなるのかー。
そんな興味を抱いてしまった男の”憑依”物語ー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

世界終末時計ー。

残り、”89秒”を示したその時計はー、
人類滅亡までの残り時間を示す時計として、
時を刻んでいる時計ー。

そんな時計のニュースを偶然見かけた男ー、
山岡 茂助(やまおか もすけ)は、
ニヤニヤとしながら、
言葉を口にしたー

「へへーご大層な名前をつけちゃってー。
 これが”0秒”になったって
 どうせ何も起きないだろー?」

そう言葉を口にする茂助ー。

もちろん、”世界終末時計”は、
単に人間が作ったものでしかないー。

それが0秒になったところで、
何も起きないだろう、と、山岡 茂助はそう言葉を口にしていたー。

がー

「ーへへへへー…
 でも、もしも0秒になったときに
 何か起きたらおもしれぇよなー」

茂助はそう言葉を口にすると、
今一度、世界終末時計について書かれた
ネットの記事を見つめるー。

「ーーー0秒にしたら世界各地でパニックが起きたりしてなー」
そんな言葉を口にしながら、ニヤニヤと笑う茂助ー。

茂助は”昔から”悪戯が大好きな男だったー。
イタズラをしては怒られて、
イタズラをしては叱られてー、
その繰り返しの人生であったと言っても良いー。

そんな彼はー、
大人になった今でも”悪戯”を繰り返しているー。

そのイタズラというのが”憑依薬”を使ったイタズラー。
憑依で他人の身体を乗っ取っては、数々の悪戯を繰り返し、
己の欲望を満たしているー。

先日も、住んでいるアパートの上の階に住んでいる女子大生に憑依して
部屋中のモノをゴミに捨ててから解放ー、
その反応を楽しんだり、
職場の後輩に憑依して、
トイレの中で服を全部脱いで、脱いだ服を袋に詰め込んで
外に放り投げてから解放するなどという、
極めて悪質な”悪戯”もしたー。

もはや悪戯では済まない数々の悪行ー。
しかし、”憑依”などという存在は世間一般には認知されていないこともあって、
彼はそのまま”野放し”になっていたー。

その彼が今回目につけたのはー
”世界終末時計”ー。

終末時計を動かす関係者に”憑依”して、
終末時計を勝手に0にすることで、
世界の反応を見てみたい、と、そう思ったのだー。

「ーへへーへへへ… 
 ”憑依”なら誰にもバレやしないし、
 俺には何でもできるー」

憑依で人の命を奪ったりだとか、
そういったことまではしたことのない茂助ー。

極めて悪質なものも含めて
彼がしているのは”まるで子供のようなイタズラ”ー

子供のような考え方のまま、大人になってしまい、
さらには憑依薬を手に入れたことで
そのイタズラはエスカレートし、
色々な人々に迷惑をかけるような行為を繰り返していたー。

そして、その茂助が今回目につけてしまったのが、
”終末時計”だったー。

「ーへへへへー
 終末時計を”0にしたら”世間がどんな反応をするか、
 楽しみだぜー」

そんな言葉を口にしながら、
茂助はその日から”終末時計を動かせる立場の人間に憑依する”ことを
決めるのだったー。

そして、それから半月後ー。

茂助は、”憑依対象”を決めていたー。

憑依する対象は、レベッカという名の
終末時計を動かせる立場にいる人間だったー。

「ーへへへへー
 終末時計を動かせるだけじゃなくて
 こいつ自身も美人だし、一石二鳥だぜー」

茂助は嬉しそうに手に入れた”レベッカ”の写真を
見つめながら、心底楽しそうに笑うー

「あ~終末時計が0になったらどうなるのかなぁ~

 世界各国のニュースが
 ”ついに終末時計が0に!”とか、
 週刊誌が”人類滅亡ッ!”とか、叫ぶんだろうなー

 あと、ツイッターとかもヤバそうだよなー」

そんな言葉を口にしながら、茂助は”憑依薬”を手にするー。

チャンスはもうすぐー。
世界終末時計を動かすべく、”レベッカ”に憑依して、
それを楽しむのだー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーへへー」
憑依薬を飲み、憑依対象であるレベッカの元にやってきた
茂助は、そのまま容赦なくレベッカに憑依を行うー

「ぁっ…」
ビクンと震えるレベッカー。

「ぁー…ぁ~~あ…」
レベッカは少し喉の調整をしながら、やがて笑みを浮かべると、
「ーへへーこれで憑依完了だぜー」と、
そう呟いたー。

そしてー…
「ーー普段、日本語喋らない身体でも、憑依しちまえば
 普通に喋れるもんだなー」と、
そう言葉を口にするレベッカ。

茂助は今まで、海外で憑依を行ったことはなかったために、
今回の憑依はある意味”はじめて”の経験ー。

一瞬、普段日本語を喋らない身体だと、
憑依したら、自分では普通に喋っているつもりでも、
上手く発音できなかったりするのか?などと
思っていたものの、そんなことはなかったようだー。

「ーーうぉぉぉぉー…
 この瞳に髪ーー
 へへへー近所で憑依してちゃ味わえない快感だなー」
ニヤニヤしながら、そう呟くレベッカ。

が、すぐに”憑依した主な目的”である終末時計のことを思い出すと、
「さて、と、終末時計を動かすためにはー」と、
そのための準備や手続きに取り掛かるー。

「へへっ♡ へへへへっ♡」
胸を揉みながら、手続きを確認したり、準備を確認するレベッカ。

普段は真面目そうな雰囲気の彼女であるものの、
憑依されてしまっては、自分の普段の性格など
何の意味もなさないー。

欲望に満ちた笑みを浮かべながら、
ニヤニヤと、終末時計を動かすための準備を進めると、
やがて、レベッカは「よしー」と、静かに頷いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それから数日後ー
レベッカは、終末時計を動かす機会を得たー。

現在の終末時計は
”残り89秒”となっているー。

憑依されたレベッカはこれを”残り88秒”に動かすとして
事前に打ち合わせをしていたものの、
実際に動かすタイミングで「0秒」にしてみせて
周囲の反応を楽しむつもりだー。

「クククククー周囲のやつらがどんな反応をするかー
 世界がどんな反応をするかー
 楽しみだぜー」

すっかりと表情が欲望塗れになってしまったレベッカは、
嬉しそうに、自分の胸を揉みながら
声を上げるー。

明日が、いよいよ終末時計を動かす当日ー。
今日は、茂助にとってその”前夜祭”だー。

レベッカの身体を貪るようにして堪能しー、
ブロンドの髪のニオイを嗅いで、嬉しそうに笑い始めるー。

「へへへへっ今日はお前の身体を存分に味わい尽くしてやるからなー」
下品な笑みを浮かべると、レベッカは
自分の身体がどうなろうとお構いなしと言わんばかりに
自分の身体を貪りつくし始めるー。

大声で喘ぎながら、
心底幸せそうな表情を浮かべて、
己の身体から発される快感という快感を堪能していくー。

「ーーへへっ…すげぇ♡ 最高だ♡ へへへへへ」
レベッカは、最高の時間を味わいながらそう言葉を口にすると、
その日は夜遅くまで、茂助の欲望のままに
その身体を使われ続けたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌朝ー。

「ーいっけね…随分寝不足な顔になっちまったなー」
目を覚ましたレベッカが、鏡を見つめながらそう呟くと、
「まぁー、でも、終末時計を0にしたら、俺はこいつの身体から抜けるし、
 あとは、眠かろうと俺には関係ねぇなー」
と、そう言葉を口にするー。

「あ~~~~あ、あ~~~」
レベッカの”声”を確かめるかのように、何度かそんな声を発すると、
「この声ともお別れって思うと、少し名残惜しいぜー」と、
そんな言葉を口にしてから、外に向かってゆっくりと歩き始めたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

終末時計の前にやってきたレベッカ。

他の担当者も数名、周囲にいる中、
レベッカは笑みを浮かべながら
終末時計のほうを見つめるー。

”これが、本物の世界終末時計ってやつかー”

そんなことを心の中で思いながら、
レベッカに憑依している茂助は、
レベッカの身体で”普通の振る舞い”を続けるー。

ここでおかしな行動をしてしまえば、
今までしてきた準備が全て台無しになってしまうかもしれないー。

だから、ここは大人しくしておかないとけないー。

”へへー
 普通に真面目な女のフリをするってのも、
 なんだかゾクゾクするよなー”

レベッカに憑依している茂助はそんなことも思いつつ、
”レベッカ”としての振る舞いを続けていくー。

時折、油断するとニヤついてしまいそうになるのを
堪えながら、世界終末時計を動かすその時がやって来るのを待つー。

事前の打ち合わせでは”1秒”だけ残り時間を短くすると
伝えているものの、
レベッカに憑依した茂助は、一気にこの終末時計を
”0秒”にしてみせるつもりだー。

世界終末時計を0秒にしたらどうなるのかー。
世間はどんな風に騒ぐのかー。
それをこの目で拝むのが、たまらなく楽しみだったー。

「ーへへへへへーさぁ、時間だー」
レベッカは邪悪な笑みを浮かべながら
小声でそう呟くと、
いよいよ、世界終末時計を動かすタイミングがやってきたー。

レベッカが集まった人たちにぺこりと頭を下げると、
そのまま終末時計の針を動かし始めるー。

事前の打ち合わせで”1秒だけ進める”とされていたために、
”それ”は、すぐに終わるはずだったー。

針を1秒分動かすのに、時間などほとんどかからないー。

がー
レベッカが、1秒だけではなく
2秒、3秒、4秒と時計の針を動かし始めたことに気付き、
周囲の職員たちは困惑の表情を浮かべるー。

「ーな、何をー?」
「ーレベッカー?」

周囲にいた職員が、レベッカに対してそう声を上げると、
今まで大人しくしていたレベッカに憑依していた茂助は、
邪悪な笑みを浮かべながら、
さらに時計の針を回転させていくー。

時計の針は、10秒、20秒、30秒と進んでいき、
終末までの残り時間が”50秒”を切るー

「ーへへへっへへへへへへへっ♡」
レベッカは狂気的な笑みを浮かべながら、時計の針を
嬉々として進めるー。

「や、やめるんだ!」
「何をしている!?」
見かねた他の職員たちがレベッカの”暴走”を食い止めようとするー。

しかし、レベッカは駆け寄って来た職員を押し飛ばして
「邪魔だ!どけ!」と声を上げるー。

普段のレベッカとまるで違う表情ー、
まるで違う言動に周囲が戸惑いの表情を浮かべるー。

そんな周囲の戸惑いもお構いなしに、
レベッカは邪悪な笑みを浮かべながら
”終末時計”の針を残り0秒に向けて進めていくー。

「やめろレベッカ!」
年配の職員がレベッカを止めようとするも、
レベッカはグーでその職員を殴りつけると、
「ーみなさ~ん!終末が訪れました~!」とゲラゲラ笑いながら、
終末時計を”0秒”に進めたー。

どよめく周囲の人々ー
レベッカは「はははは!何て顔してるんだよ!ははははっ!」と、
集まった人々を見て嬉しそうに笑うー。

さらに、先ほど殴り飛ばした年配の職員が
”世界の終わりを見るかのような目”を、レベッカに向けているのを見て、
レベッカは心底おかしそうに、大笑いしたー

「へへへへっ!なんだよその顔ー!
 ははっ!あははははははっ!
 この世が終わっちまうような顔して!はははっ!」

顔を鬼のように歪めながら、そう言葉を口にするレベッカー。

しかし、その時だったー。

終末時計から、妙な音がしたー

「ーーーえ?」
レベッカが振り返ると、突然、世界がまばゆい光に包まれたー。

「ーーー!?!?!?!?!?!?~~~~~~」
あまりにもまぶしい光に包まれて、声にならない声をあげるレベッカー。

それが、彼女のー
いやー、レベッカに憑依していた茂助の
最後に見た光景だったー。

ーーーそれだけではない。
全ての人類が見た最後の光景が、それだったー。

その日、世界は”終末”を迎えたー。

終末時計が0になったとき、
世界は本当に終わりを迎えてしまったのだー。

終末時計に”隠された”秘密ー。
それを知ることなく、茂助は、
まさか本当に世界が終わるなどとは思わないまま、
世界と共に消滅してしまったー。

そして、その先のことを知る人間は、もう、いないー。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

終末時計をテーマにした憑依でした~~!★

まさかの全滅エンド…!
あっさり1話で終わってますケド、
私の作品の中でも酷い結末の作品ですネ~笑

お読み下さり、ありがとうございました~!★

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