<憑依>器に選ばれてしまった彼女③~邪鬼~(完)

”器”として退魔師に憑依されてしまった彼女ー。

幸い、その退魔師に悪意がないことを知った彼は、
早いうちにその目的を果たさせることで、
彼女を救おうとするー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「こちらでございますー」
老魔術師”刹”が、指を指したその先にはー、
家が建っていたー

「ーー汚っ…」
思わずつぶやいてしまう洋介ー。

彼女の玲奈に憑依した”影”が1000年前に
”邪鬼”とやらを封印したその場所にはー、
既に、”家”が経っていたー。
しかも、そこはゴミ屋敷状態ー。

「1000年前は何もない森の中だったのだがなー」
玲奈が周囲を見渡しながら言うと、
「ーーで、俺は何故こんなものをつけてないといけないんだー?」と、
困惑した様子で、サングラスを触るー。

「ーーーーあんたが、玲奈に憑依したことで
 ”玲奈”が家に昨日の夜から帰ってない状態になっちゃってるから
 警察が探してるんだよー

 見つかったら、その身体ごと”保護”されちゃうから、
 あんたの言う”邪鬼”を再度封印することもできなくなるぞ」

洋介がそう言うと、
玲奈は「警察??」と、困惑した様子で、”刹”に確認するー。

1000年ずっと、不死の肉体で生きて来た”刹”は、
この時代のことも良く知っていて、
”影”にも伝わるように玲奈に耳打ちをするー。

”刹”の顔が”玲奈”の顔に近いことに少しソワソワしながら、
洋介は「でー、どうするんだー?」と、
1000年前に邪鬼を封印した地には、家が建っていて、
そこには”奥田 由乃(おくだ ゆの)”という人物が
住んでいる様子だったー。

数年前までは、大学に通っていたものの、
最近は大学も辞めてしまったのか、
家に引き籠るようになり、ゴミ屋敷となってしまっているのだと、
近隣住人に”刹”が聞き込んだことで判明したー。

「ーー中に入れてもらうしかないー」
玲奈がそう言うと、扉を突然ノックして
「ー失礼するー」と、そのまま堂々と中に入っていくー

「ちょっ!?おいっ!」
1000年前はそれで良かったのだろうかー。
洋介は戸惑いの声を上げながら、慌てて玲奈についていくと、
中は悲惨な状況かつ、ゴミだらけになっていたー。

「ーーっーこんな有様、1000年前でもなかなか見たことないぞ」
玲奈が表情を歪めながら、
巫女服姿のまま、そのまま奥に進んでいくー。

「ーおい、”刹”やっぱ、この服、動きにくいぞー。」
不満そうに呟く玲奈に憑依している”影”ー。

が、それでも”刹”は、
「しかし、よく似合っております」と、嬉しそうに言うー。

「ー借り物の器で、似合う服を着ても仕方ないだろうー」
呆れ顔でそう呟く玲奈ー。

洋介は”勝手に家の中に入るのはまずいだろー”と、思いつつも、
”まぁーー…おっさんが入って来るよりは騒ぎになりにくいかー?”と、
現実逃避をするかのように、そんなことを考えるー。

そうこうしているうちに、部屋の奥にたどり着くとー、
巨体の女がスナック菓子を食べながら、テレビを見てニヤニヤとしていたー。

「ーーーあ?」
女が、玲奈や、”刹”、そして、洋介に気付くと、
洋介は”ぜ、絶対やべぇよ通報されたらどうするんだよー”と、
思いながら、
「あ、あのー」と、何とか言い訳を考えようとしつつ
「こ、この家に住む、奥田 由乃さんでよろしいですかー?」と、
そんな言葉を口にするー。

がー、その時だったー。

「ーーー…”邪鬼”ー」
と、玲奈は、かなりの巨体の女・奥田 由乃に対してそう言葉を口にしたー。

「ーーーえ?」
洋介が不思議そうに玲奈を見つめると、
玲奈は赤く染まった方の瞳で、その姿を見つめたー。

「ー既に”復活”していたのかー」
とー。

「ーーーー…ぐふーーお前はまさかー」
奥田 由乃が、100キロを超えていそうな巨体を揺らしながら
立ち上がるー。

「ーーーーえ??え???
 ど、どういうことー?」
洋介が言うと、
「ーー邪鬼は既に復活していたー」と、玲奈は
奥田 由乃のほうを見つめるー。

「ーー何も知らずに、この場所に建った家に住んだ
 この者の身体を”器”としてなー」
玲奈がそう言うと、由乃は「ぐふふーお前はあの時のー」と、
コーラを飲みながら笑みを浮かべるー。

「ーーえ…じ、じゃあ、こ、この子はー」
洋介が由乃のほうを見ると、
”刹”が補足するー

「復活した邪鬼に憑依されて身体を乗っ取られたのでしょうなー
 数年前まで普通に大学に通っていたとのことですからー、
 数年前に邪鬼は復活、この奥田 由乃という子の身体を
 乗っ取ったのでしょう」

とー。

”刹”は、”由乃”の数年前の写真を手にして、
それを洋介に見せる。

”どうやって手に入れたんだよ”と思いつつも、
その写真を見ると、
数年前のー”邪鬼”に憑依される前の由乃は
まるでモデルのようなスラリとした体形の可愛らしい子だったー。

「ぐふふふふー」
それが、”今の由乃”は100キロを超えるほどの巨体ー。

恐らく、憑依されたあと、好き放題食べ・飲み、
そして堕落した生活を送らされ続けたのだろうー。

「ーー今度は、何を企んでいるー?」
玲奈が鋭い目つきで、”邪鬼”とやらに憑依されている由乃を睨むー。

が、由乃はポテトチップスを口に運びながら、
その場に座ると、
「ー別にー”1000年前”は確かにお前ら人間を食ってやろうと思っていたけどー
 ぐふふー…今はもう、どうでもいいー」と、
そう言葉を口にしながらポテトチップスを手にするー。

「ーこの世界、うめぇもんだらけで、テレビも面白いー
 ”1000年前”とは大違いだーぐふふふふ」
由乃は太り切った身体を揺らしながら、
そう言葉を口にするー

”刹”が用意した数年前の”由乃”の写真ー
可愛らしい女子大生と同一人物などとは、誰も信じないだろうー。

「ーーーーー」
玲奈は少しだけ表情を歪めるー

「ーーは、早く退治してくれよ!
 早く済ませて玲奈の身体も返してほしいしー、
 それに、この子もー、早く助けてやってくれよ!」

洋介がそう言葉を口にするー。

邪鬼とやらに憑依され、
お構いなしに食べて飲んで、堕落した生活を続けた結果の
由乃の悲惨な姿を前に、洋介は同情するー。

ゴミ屋敷になったのも、”憑依されたあと”なのだろうー。

「ーーーー分かったー」
玲奈はそう言葉を口にすると、
「だが」と、洋介を見つめるー

「ーこの者が正気を取り戻したあと、どうするー?」
とー。

「ーーそ、それはーー」

”刹”が持っていた写真の由乃と、今の由乃を見比べるー。

どうする、と言われてもーー

「ーー……で、でもーこのまま支配され続けるより、マシだと思うー」
洋介がそう答えると、
玲奈は「知らない方が、幸せなこともあるー」と、それだけ言葉を口にするー。

”そう、知らない方がー”
玲奈に憑依している”影”は少しだけ表情を曇らせるも、
「ーでも、コイツがまた悪さをしないって保証もないだろー!」
と、洋介が言い返すと、玲奈は少し考えてから「そうだなー。分かったー」と頷くー。

退魔の術のようなものを唱え始める玲奈ー。
玲奈が謎の呪文を唱えている姿に、
「なんか、カッコいいなー」と洋介は少しだけ苦笑いすると、
ポテトチップスを食べていた由乃も「貴様はまた、我の邪魔をするのかー」と
怒りの形相で立ち上がるー。

そして、由乃は口を開くと、そこから触手のようなものを飛び出させて
襲い掛かって来たー。

触手に拘束される玲奈ー。

「ー”影”様ー!?」
”刹”がそう叫ぶと、玲奈は「ぐっ…この身体、まだ俺の力に馴染んでないー」と、
少し不満そうにするも、
「大丈夫だー。」と、駆け寄ろうとした”刹”と、洋介に”心配はいらない”と、
そう言い放つー。

触手に拘束されながらも、術を唱え続ける玲奈ー。

「ーー~~~~」
そんな姿を心配そうに見つめながらも、洋介は
触手に拘束されている玲奈の姿に一瞬ドキッとしてしまい
首をぶんぶんと振るー。

「今、ドキッとしましたなー?」
それを見た”刹”が揶揄うように言葉を口にする

「ど、ど、ドキッとしてねーし!」
洋介が言うと、”刹”は「隠さなくてもいいですぞ。同志よ」と、
嬉しそうに言い放つー

「ーー同志じゃねーし!」
さらにツッコミを入れるー。

そうこうしているうちに、玲奈が呪文を唱え終えて、
光の札のようなものが、その手に出現ー
それが、巨体になってしまった邪鬼に憑依された
由乃という子の方に向かっていくー

「ぐおおおおおっ!貴様ーー我はまたー、また蘇るぞー
 必ずーー」

由乃は苦しそうにしながらそう叫ぶと、
声を上げてその場に倒れ込みー、
禍々しい色に変化した札のようなものが、
その場にゆっくりと落下したー。

触手は消滅ー。
拘束から抜け出した玲奈は、
「この札に奴は封印されたー」と、そう言葉を口にするー。

「ーー本当は、奴を消し去ることができれば良いのだがなー
 奴の力はあまりにも強大でこれが限界なんだー」

玲奈はそう説明するー。

洋介は「でも、この子に憑依して、堕落した生活を送ってただけなら、
ーーまぁ、この子は可哀想だけど、俺たちの世界が恐怖と混沌に陥れられる
ほどには思えなかったけどー…」と、そう疑問を投げかけるー。

「ーーそれは、コイツがたまたま”堕落した生活”にハマっていただけで
 もしコイツがその気になれば大変なことになっていたー。
 
 まさか1000年せず、数年前に復活していたとは予想外だったがー、
 危ないところだったし、
 いつコイツが、堕落した生活に飽きて破壊を始めるか分からないからな」

玲奈のその言葉に、洋介は”確かに”と、そう納得しながら頷くのだったー。

その後ー…
玲奈たちは場所を移動し、”山中”に、邪鬼を封印したー

”ここなら、次の1000年後も山がそのまま残っている可能性が高い”と、
そう判断してのことだー。

「ーーでは、世話になったなー」
玲奈がそう呟くと、
洋介は「玲奈を返してくれるんだなー?」と、そう確認するー。

「あぁ」
玲奈がそう頷くと、”刹”は「ー”影”様ー。寂しくなりますなー
もう少し、その身体で遊んではどうですー?」と、そう呟くー。

「ーいや。それはダメだー。借りたものはなるべく早く返さなくてはー」
玲奈の言葉に、”刹”は残念そうにしながら、
「また1000年後ですなー」と、呟くー。

「ーすまんなー。不死の術で、お前にも苦労をかけてー」
玲奈がそう言うと、”刹”は「いえー。影様のためならー、1000年と言わず、
1万年でもー」と、そう返すー。

玲奈は満足そうに「ありがとう」と、そう呟くと、
そのまま、洋介のほうを見つめたー。

「君の大切な人を”器”にしてしまってすまなかったー。
 だが、おかげで”邪鬼”を封じることができたー。感謝するー」
玲奈の言葉に、洋介は少しだけ笑うと、
「ーーー…次は”1000年後”ってことはー、もう俺があんたに会うことはないんだなー」
と、何だか寂しそうに呟くー。

「ーふーそうだなー。ただ、次は900年後ぐらいにするよー。
 邪鬼が少し早めに復活してたみたいだからなー」

玲奈はそう言うと「それとー」と、そう言葉を口にしてから
”刹”のほうを見つめたー。

「ーーー次は”男”にしてくれー。可愛い子を見るのは好きだがー、
 自分が可愛い子になると動きにくいし、気が散るー。
 こう見えても、ずっとこの身体でドキドキしてたし、
 身体によくないー」

玲奈がそう言うと、”刹”は「ーー分かりましたー…たぶん」と、
ボソッとそう呟いたー。

「ーーでは、そろそろ俺はまた、眠りにつくとしようー
 ”刹”、次は900年後だー。頼んだぞー」

玲奈のその言葉に、”刹”は力強く頷いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数日後ー

今日も眠そうにしていた洋介は、
教室で玲奈に叩き起こされたー。

「ーーーぐふっー…
 ってー、母さんーおはようー」
洋介が寝ぼけた様子でそう言うと、
玲奈は「お母さんじゃないってばー!」と、
そう言葉を口にするー。

「ーーあ…あぁ、ー玲奈ーおはようー」
そう呟くと、玲奈は呆れ顔で、
「もう生徒会の話おわったよ~?」と、そう言葉を口にすると、
「待っててくれるのは嬉しいけど、すっごい熟睡しててびっくりー」と、笑うー。

生徒会副会長である玲奈の生徒会の話し合いが終わるのを待っていた
洋介はいつものように昼寝しながら待っていて、
いつの間にか熟睡してしまっていたー。

今日も、玲奈と一緒に帰宅を始める洋介ー。

「ーーでも、何で玲奈、山で遭難してたんだ?」
洋介がそう言うと、玲奈は「それがーよく覚えてなくてー」と、苦笑いするー。

「ーーーまぁ、無事でよかったけどさー」
洋介はそう言いながら、安堵の表情を浮かべるー。

玲奈はあのあと”山中で発見されて”、
無事に救出、家族と再会したー。
当然、”1000年前の男に憑依されていた”などとは本人も、周囲も
思っていないー。

そしてーー、”洋介”も、そう思っていないー。

何故ならあのあと、”影”の指示を受けた”刹”に、
玲奈も、洋介も、今回の件に関わる記憶は消されたからだー。

洋介は、”玲奈を探し回ったけど見つけることはできなかった”と
記憶を塗り替えられー、
玲奈は、山で遭難して気絶していたー、と記憶を塗り替えられたー。

さらに”刹”が、無関係の登山家の男の記憶を操作して、
玲奈を解放したところに”第1発見者”として向かう様に仕向けて、
玲奈も無事に発見されるように仕組んでいたー。

「ーーーー」
あの、”退魔師”たちと行動したわずかな時間の記憶はもう、
洋介の中にはないー。

けれどー、
洋介は、とにかく玲奈が無事でよかった、と、
改めて安堵の表情を浮かべるのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーー困りましたなー」

”影”は眠りにつき、”刹”は、次に邪鬼を封印する予定の
900年後まで”影”を待ち続けるー。

がー、
その前に、大きな難題があったー。

数年前に既に復活した邪鬼が、憑依した女子大生の由乃ー。
数年間憑依されて続けて、堕落した生活を送り、
激太りしてしまった由乃の記憶をどう操作するか、
”刹”は頭を悩ませていたー。

「ーさすがに数年分、本人が不安がらないように
 記憶を操作するのは、難しいですなー…」

”刹”はボソッとそう呟くと、
”由乃”のことをどうするか考えながら
頭を悩ませるのだったー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

最終回でした~!★

今回は綺麗に収まる(?)結末の
ハッピーエンドになりました~★!

900年後の物語を描く日も
もしかしたら、来るかも???デス!笑

お読み下さりありがとうございました~~!

コメント

  1. TSマニア より:

    同志よ!☆ネタは久々ですネ(*´艸`)笑

    前の同志よ!ネタの時はドM同志でしたネ笑

    刹さんは緊迫した場面でも余裕あるから影様のお力を信頼してるんですネ!☆

    影様は不慣れなカラダでも力発揮できてスゴイのデスぅ~\(^o^)/笑

    刹さんは完全に自分の好みで玲奈のカラダを選んで巫女のコスプレも計画的に用意してましたネ(*´艸`)笑

    自分も計画的に

    ちむちゃんのカラダに憑依するのでレースクイーンのお仕事の5日前くらいに

    ちむちゃんのカラダに慣れたりメイクやヘアアレンジの動画を見て練習してレースクイーンのお仕事、当日に向けて準備するのデス!☆

    もちろん毎晩、お楽しみタイムなのデス~☆\(^o^)/☆笑

    • 無名 より:

      感想ありがとうございます~~~!!

      同じ欲望を持つ者同士が集まれば
      仲良くなれそうですネ~~!

      刹さんは、影様をとってもとっても
      信頼しているのデス!

      TSマニア様の欲望は今日も好調ですネ~!!!

      • TSマニア より:

        影様も刹さんのコト信頼してますよネ!☆(*´艸`)笑

        お互いに阿吽の呼吸ですネ!☆!☆笑

        さすがにレースクイーンのお仕事の前日の夜はお楽しみタイムはガマンなのデス(*´艸`)笑

        レースクイーンのお仕事は朝早いので…レースクイーンのお仕事終わって、ちむちゃんのお家に帰ったら…

        ちむちゃんのカラダでお楽しみタイムしちゃうのデス☆\(^o^)/☆笑

        ちむちゃんのカラダを自分の魂が支配して欲望、爆発なのデス(*´艸`)笑

        • 無名 より:

          わわわ~~!
          抑えきれない欲望~★!

          TSマニア様も、
          刹さんのように、
          信頼できる憑依仲間を見つけることができれば、
          よりスムーズに欲望を楽しめるかもしれないですネ~!!