<憑依>人生、コンティニュー~復讐編~(後編)

復讐のために人生をコンティニューした男…。

彼の”復讐”のための舞台は整った。

あの世の案内人の忠告も無視して
復讐に突き進む彼の行きつく先はー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・

婚姻届の提出を終えた深夏と彼氏の隆史ー。

いやー、既に隆史は深夏の”夫”となったと言ってもいいー。

深夏に憑依している和昌は、邪悪な笑みを浮かべながら
隆史と共に結婚式場に向かうー。

”荷物”の中には全ての準備が整っているー。

”深夏に憑依してから、和昌が深夏の身体で繰り返した浮気の数々”の
証拠写真と動画ー。
自ら撮影したそれらと、
憑依される前の深夏と彼氏の隆史が企てた、
”和昌を自殺に見せかけて始末するための相談”の記録ー。

全てを、”その手に”準備した状態で、
深夏は結婚式場に入ると、
”まだ”何も知らないであろう深夏の両親や隆史の両親を見て、
ニヤッと笑みを浮かべるー。

やがて、式の準備は進んでいくー

今、この瞬間ー、
”憑依されている深夏”以外は、
誰もが幸せそうな顔をしているー。

がー、その幸せは間もなく壊れることになるー。
和昌の”復讐”によって、
深夏と隆史、二人の悪事が全て暴露されることになるのだー。

準備は整ったー。
新郎新婦の入場ー。

ウェディングドレス姿で、会場に入る深夏ー。

”ーまさか、俺がウェディングドレスを着ることになるとはなー”
深夏に憑依している和昌はそんなことを思いつつも、
”ウェディングドレス”自体にはドキドキしても、
深夏には、少しもドキドキしなかったー。

今や、和昌にとって深夏は”悪魔”と同じー。
人間ではない、モンスターでしかないのだ。

モンスターに興奮などしないー。

新郎である隆史と共に、式場の奥まで進んでいくー。
二人で並んで微笑みあうー。

そしてー、深夏に憑依している和昌は
口元を歪めると、
呟いたー。

「ついにこの時がやってきたー」
とー。

「ーーえ?」
隣にいた隆史が戸惑いの表情を浮かべるー。

「ーふふ、ついにー、ついにだー。
 ついに復讐の時がやってきたんだー」
深夏がボソッとそう言葉を口にすると、
そのままくるっと振り返って、
二人の晴れ姿を見に来ていた深夏の両親や、
隆史の両親の方を見つめたー。

「実は、わたしは浮気をしていますー。
 何度も、何度も何度も、色々な男と身体の関係を持っていますー」
深夏が嬉しそうに、”自分の悪事”を報告し始めるー。

元々の深夏が、隆史・和昌の二人以外とそういう関係にあったかは知らないー。
が、少なくとも和昌からすれば”深夏に浮気されて捨てられた”のは事実ー。

それを周りのやつらに知らしめようとー、
そして、”深夏を奪った隆史”に”俺と同じ思いをさせてやろう”とー、

どよめく式場ー。

「ーえっ…み、深夏ー…何をー?」
横にいる、幸せそうな”ツラ”をしていた隆史も、
突然の深夏の”告白”に驚き、表情を歪めているー。

「ーー深夏…???」
深夏の母親も、戸惑いの表情を浮かべながら深夏の方を見つめるー。

実の娘が突然、おかしなことを言い出したのだー。
当然と言えば当然かもしれないー。

「ーーーひとり、ふたり、三人、四人、
 う~ん、5人…」
深夏に憑依している和昌は、深夏に憑依してから”寝た”男の数を
その場でカウントし始めるー。

「ーーい、いったい、何をー…!?」
新郎・隆史側の父親が声を上げると、
深夏は言ったー。

「ーわたし、ひっどい浮気女なんですー
 その証拠を今、ご覧に入れますねー」
深夏はクスクスと笑いながら、事前に会場に持ち込んでいた
タブレットを手に、保存していた
”男と楽しんだ際の動画”を、大音量で再生したー。

結婚式場に響き渡る深夏の喘ぎ声ー。

憑依される前の深夏がこんなことをしていたかは別としてー、
和昌からすれば”浮気”されたのは事実ー。

深夏が浮気するような女だと、親族全員に知らしめるために、
”これ”を用意したのだー。

呆然とする深夏の両親ー。

隆史の方の両親は、「これはどういうことですー!?」と、
深夏の親の方に詰め寄っているー。

「ーお、おい…深夏ー…」
隆史が震えながら言うと、深夏はタブレットを手に
「ほら!わたしが他の男のアレをしゃぶってるの!よく見て!」
と、男にフェラをした際の映像を見せ付けるー。

「~~~~~~…な、何の冗談だよー!?」
隆史が青ざめながら声を振り絞るー。

深夏は、他の男と楽しんだ際の映像を存分に見せると、
「ーそして、わたしはー
 ううんー、”わたしたち”は、男の人を一人、殺してます」と、
にっこりしながらそう言葉を口にしたー。

「ーーお、おいっ!!深夏!」
隆史は、すぐに”何のこと”だか分かったのか、
青ざめながら声を上げるー。

しかし、深夏は”暴露”したー。

「ーここにいる”コイツ”の前に、付き合っていた和昌という人ー…
 その人をわたしと”コイツ”は共謀して、一緒に殺害しましたー」

深夏は満面の笑みでそう言い放つと、
式場にいた人たちはさらにどよめくー。

「ーーーさ、さつがーー……な、何を言ってー!?」
深夏の父親が驚いて立ち上がるー。

”そんな事件”話題になっていないし、冗談はやめるんだー、
と、そう願うように言い放つー

けれどー
深夏は、笑みを浮かべながら言うー。

「だってわたしたち、”自殺”に見せかけて殺したからー
 ニュースになってなくて、当然でしょ?」

とー。

「ーーーーそ、そんなー」
深夏の父親が呆然としながら座り込むと、
深夏の母親はその場で泣き出してしまうー。

それでも、深夏に憑依している和昌は
復讐のために突き進んだー。

「ーーこれが、隆史と一緒にわたしが共謀した時の記録」
深夏は、和昌を始末する前に、
隆史とやり取りした連絡の記録を自ら晒しながら
笑みを浮かべるー。

「ーわたしって、こんなひどいこともできる人間だったのー。
 ーーー隆史と一緒に、ねー」

深夏が邪悪な笑みを浮かべながら隆史を見つめるー。

「ーそ、そ、そ、そ、そんなことー…」
隆史は震えながら、そう言葉を口にすると、
隆史の父親が「隆史!お前、なんてことをー!」と、声を上げるー。

隆史は青ざめながら「ちがっ!違うんだ!深夏、これはドッキリだよな?
そうだよなー?会場のみんなを驚かせるためのドッキリでーーー」
と、慌てふためいた様子で言葉を吐き出すー。

が、深夏は冷たい口調で言ったー。

「ードッキリなんかじゃないー
 全部事実ー

 わたしと”お前”は人殺しー
 そして、わたしは最悪の浮気女ー」

深夏がそう言い捨てると、ウェディングドレス姿のまま
隆史の方に近付いたー。

「ーーーみ、深夏…なんでこんなことー
 俺と深夏で、上手くやってたはずなのにーーー」

隆史は震えながらそう言い放つー。

がー、次の瞬間、深夏は隆史の頬に強烈なビンタを浴びせたー

「ぐふっ!?」
驚いてその場に倒れ込む隆史ー。

幸せな空気に包まれていた結婚式の会場は
既に騒然とした状態になっていて、崩壊しかけているー。

「ーーーわたしは浮気女で殺人犯ー
 そして、お前もー」

深夏はそう言うと、
「ふふ…はははははははははっ!」と、その場で笑い出すー。

深夏が狂ったー。
誰もがそう思うと同時に、
何故、自ら罪を暴露したのかと、
混乱するー。

そうこうしているうちに、深夏は
隠し持っていたナイフを取り出すー。

「ーー!」
隆史が驚くと同時に、深夏のナイフが
隆史の目のあたりを切り裂いたーー

「ぐあああああっ!?」
隆史が悲鳴を上げながら、床を転がり回るー。

「ー”お前”には生き地獄を味あわせてやるー
 何も見えない地獄で生き続けろー」
深夏は怒りの形相でそう言葉を口にすると、
「何てことするんだ!」と怒号を上げる
隆史の父親を見つめながら笑みを浮かべたー。

「ー安心して下さいー。
 ”わたし”にはもっとひどい裁きが待ってますからー」
深夏はそう言いながらクスッと笑うと、
そのまま、深夏は自分にナイフを向けるー。

「み、み、深夏ー!?」
深夏の母親がそう言葉を口にすると、
「ーこれは、裁きー」
と、深夏が憎しみに満ちた目で
笑いながらそう答えたー。

”俺を自殺に見せかけて殺した深夏をー
 自殺に見せかけて死なせるー”

それが、和昌の復讐の終着点ー。

隆史も、”そうしてやろうかー”とも思ったものの、
深夏に憑依して人生コンティニューした彼は、
深夏以外には憑依できないし、
隆史の方は、”正気”である以上、
一生苦しめる復讐の方が適していると、そう判断したー。

が、深夏は”生かしておいても”本人は憑依されていて
意識がないから意味がないー。
だから、こうして”俺と同じように”自殺に見せかけて
命を散らさせることで復讐しようとしたー。

「ーわたし、自分のわる~~~~~~~いところを
 反省して、自分で死ぬね ふふ♡」

深夏はそう宣言すると、ウェディングドレス姿のまま、
自分の首のあたりを切りつけると、
赤く染まったドレスを見つめながら笑みを浮かべるー。

”もし、助かられても困るー”
そう思った深夏は、弱っていく自分の身体を無理に動かしながら
もう一度ナイフを掴むと、悲鳴が上がる式場の風景を見つめながら
”自分自身”にトドメを刺したー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーー」
和昌は気づいた時にはまた”あの世”にいたー。

そこに黒い翼の男が近付いてくると、
「最高の復讐劇だったぜー」と、拍手しながら、
そう言葉を口にするー。

「ーーー深夏は?」
和昌が復讐を終えたばかりで、まだ怒りが収まらないような
表情のまま、黒い翼の男に確認すると、
「あの女なら、死んだよー。お前が憑依したまま自殺させたからなー」と、
そう言葉を口にするー。

「ーーーーー」
和昌は少しだけ満足そうな表情を浮かべかけたものの、
まだ100%はスッキリしない様子を見せたー。

そしてーーー
黒い翼の男が、禍々しいオーラが漂う”穴”の方に、
”どうぞどうぞ”と言わんばかりに手で、そちらに行くように示したー

”下”と呼ばれる世界ー。
次の人生を始めることもできず、永遠の苦しみを味わう世界が
復讐を終えた和昌を待っているー。

「約束通り、お前は”下”行きだー」
黒い翼の男がそう言うと、和昌は
「分かってるさー。復讐するためにコンティニューした時から、
 覚悟はできているー」と、そう言葉を口にするー。

少し離れた場所に、最初に和昌が死んだとき、
和昌を案内しようとした白いスーツの案内人が立っているー。

その案内人は、とても悲しそうなー、
そして憐れむような目をしていたー。

「ーー俺は、後悔はしてないー」
和昌はそれだけ言うと、
復讐を成し遂げた達成感を味わいながら”下”の世界ーー
人間が”地獄”と呼ぶ世界に向かって飛び込もうとしたー。

がーー
その時だったー。

”お疲れ様でしたー”

そんな声が聞こえたー。

和昌が振り返ると、そこには深夏の姿があったー。

「ーーえ…わ、わたしはー…?」
戸惑う深夏ー。

その深夏に対して「あなたは死にましたー」と、
いつものように淡々と説明する白いスーツの案内人ー。

和昌が憑依して”死なせた”深夏もまた、ここに来たのだー。

がー、そんな深夏を見た和昌は「深夏ー」と、そう言葉を口にすると
和昌の方を見た深夏に対して”俺が憑依で復讐してやった”と
そう告げたー。

そして、その上でー、
”これから一緒に地獄行き”だということを告げたー。

深夏が怯えたような表情を浮かべながら
「わ、わたしに何をしたのー!?」と、
憑依されていた時のことを聞き返そうとするー。

がーー
白いスーツの案内人は、淡々と状況を説明すると、
最後に言ったー。

「あなたは、”上”に向かいますー。
 そこで好きなだけ休んで頂きー、
 次の人生をーーー」

とーー

「ーーあ?!?いや、ちょっと待て!
 なんで深夏が”上”なんだ!?
 そいつは俺を自殺に見せかけて殺して、それでーーー」

和昌がそう叫ぶと、
白いスーツの案内人は言ったー。

「”下”に向かうのは重罪人と、”コンティニュー”をしたような
 特例の人間のみー。
 この人は”上”行きと決定していますー」

白いスーツの案内人の言葉に、和昌は怒りの形相で叫ぶー

「おい!待てよ!なんで俺が地獄行きで、深夏は上にーー!!!」
怒りに任せて叫ぶー。

がーー
黒い翼の男が背後から和昌の腕を掴むと、
「ー最初に言っただろー。コンティニューすりゃ、”下行き”だって」
と、そう言いながらーー

和昌を”下”に向かう穴へと突き落としたー

「うああああああああああああああああ!!!!」

”地獄”に落ちていく和昌ー。

納得いかないー。
どうして、どうして、深夏は”地獄”じゃなくて
”天国”行きなのだとー。

自分は”コンティニュー”したから地獄行きー。
それは分かるし、覚悟もしていたー

でもー、それでもー
深夏が”上”ーー天国行きなんて納得できないー。

「くそっーーなんでアイツには次の人生があって、
 何で、俺はーーーー!!!」

怒りの形相を浮かべる和昌ー。

復讐を成し遂げても、すぐに深夏はそれを忘れて
”新しい人生”へと向かうことができるー。

けれど、和昌は永遠にこの”地獄”ーーー

薄暗い不気味な世界に落下した和昌は
起き上がると、背後から迫る地獄の住人たちを見つめながら
叫んだー

「くそおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

”人生、コンティニュー”の
復讐のためにコンティニューするバージョンでした~!★

復讐は達成したものの、あまりスッキリできなかった…
そんな結末ですネ~…!

お読み下さりありがとうございました~!★!

コメント

  1. TSマニア より:

    スゴい地獄のような展開でしたネ(-_-;)汗

    深夏も地獄に行きじゃないんですネ!

    憑依できるなら

    藤川らるむちゃんにも憑依したいのデス\(^o^)/笑

    らるむちゃんのスタイル抜群のカラダに憑依して超ミニ履いてオシャレにエッチに着こなしてあざとい小悪魔服に画像をインスタにアップしたいのデス( *´艸`)笑

    • 無名 より:

      ありがとうございます~~~!★★!

      この物語内の地獄にあたる”下”の世界は、
      よっぽど酷いことをした人しか行かないので、
      深夏も、この世界の基準だと天国にあたる”上”行きなのデス~!!

      TSマニア様は……今のところ”上”なのデス~笑

  2. TSマニア より:

    白い案内人の無名さんのありがとうございます!☆笑

    下に行かないように助言お願いします笑

    ほとんど

    らるむちゃんの行動パターンなので大丈夫なのデス♪♪

    今のところは…(*´艸`)笑

    • 無名 より:

      下に行かないようにするためには~…

      コンティニューしないことと、
      大罪を犯さないようにすることですネ~!★

  3. 匿名 より:

    コンティニューした和昌が下行きになるのは必然ですが、重罪人の深夏は最初は下行きのはずだったのにどうして上行きに変わったんですかね?

    コンティニューで憑依されて人生を奪われると必然的に上行きになるとか?

    • 無名 より:

      感想ありがとうございます~~!★

      この世界のあの世の”下”は、よほどの極悪人と
      掟破りの人しか行かない設定なので、
      (この世界では、記憶が消えて生まれ変わってしまえば関係ないという方針の設定デス~!)
      深夏自身が正気の状態で殺めたのは、一人だけだったため
      ”下”に行くほどの条件を満たしていなかった…という感じですネ~!★

      和昌は…掟破りをしてしまったので下行きなのデス…!