<入れ替わり>そんな風に思われていたなんて~再会編~

クラスの憧れの子と入れ替わってしまった男子。

彼は、自分がキモいと思われていたことを
入れ替わり後に知りー…?

ー…二人の物語の、その後の物語…。

※「そんな風に思われていたなんて」の
後日談デス~!
先に本編を見て下さいネ~!

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いつも教室の端っこにいるような
男子高校生・黒田 恭太(くろだ きょうた)ー

彼はクラスの中でも中心的存在の女子生徒
松宮 香菜(まつみや かな)に密かに好意を抱いていた。

ある日、階段で香菜とぶつかってしまった恭太は
その香菜と身体が入れ替わってしまうー。

しかし、入れ替わってからも、
恭太になった香菜はイヤな顔せずに接してくれて
お互いのフリをしながら生活していくことになった。

が、香菜の親友であり、キツイ性格の女子生徒・
滝本 紗智(たきもと さち)から聞かされたのは、
香菜はいつも”恭太のことをキモがっていて、怖がっている”ーと、いう
そんな事実だったー。

恭太は自分では認識していなかったものの、
香菜のことをいつも見つめていたり、
ブツブツと独り言を言いながら、香菜を見ていたり…
自分の行動のせいで、香菜から怖がられていたことを
紗智の言葉から知ることになってしまったー。

しかし、そんな事実を知った香菜(恭太)は
反省するどころか逆上ー

”僕のことをキモいと思ってたんだな!”と怒りを露わにして
自暴自棄になってしまい、
やがて家を飛び出して消息を絶ってしまったー。

その後、自分の身体を奪われてしまう結果となった
”恭太になった香菜”はやむを得ずそのまま生活を続けて
高校を卒業ー、大学生になった恭太(香菜)は
入れ替わる前の恭太とは違い、明るい性格になって、
大学でも人気者になっていたー。

そこにー…香菜(恭太)が姿を現すー。

入れ替わった直後とは違い、
明るく、おしゃれな雰囲気に変わった香菜(恭太)に驚く恭太(香菜)

香菜(恭太)は家出したあと、変装しながら街を転々とする間に
おしゃれに目覚め、
やがてオーナーも家出した経験を持つメイドカフェで住み込みで
働くことになり、かつての”どうせ僕はキモいんだ”と自暴自棄になって
消息を絶った頃の香菜(恭太)とはまるで別人のようになっていたー。

そんな、香菜(恭太)に対して
恭太(香菜)は”もう怖くもないし、気持ち悪くもないよ”と伝えるー。

久しぶりに再会して”和解”した二人ー、
そして、その先へと二人の未来は進んでいくー。

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「ーーそれにしてもー…”わたし”の身体だってことは
 分かるけどー、”わたし”じゃないみたい」
恭太(香菜)が少し笑いながら言うと、
香菜(恭太)は照れ臭そうに
「ーあはは…何だか、ごめんなさいー」と、そう言葉を口にするー。

その一つ一つの仕草も何だか可愛らしいー。

家出して消息を絶った後に”メイドカフェ”で働き始めたと言っていたー。
そこで、接客経験を積んで、
そういう仕草も身に着けたのかもしれないー。

「ーでも、わたしー…っていうか、”僕”もー、
 確かに、元々自分の身体だったとは思えないかも~…」

喋り方も、メイドカフェモードなのだろうかー。
少し、メイドカフェに足を運ぶお客さんが好きそうな
そんな口調で話しているー。

”わたしの身体”で”わたしの声”なのに、
まるで別人のように感じるし、
”自分がこの身体”で生活していたなんて、
今となっては恭太(香菜)からすると、
不思議な感覚だったー。

「ーーそれで、今日はどうしてわざわざわたしに
 会いに来てくれたの?」
恭太(香菜)がそう言葉を口にすると、
香菜(恭太)は、少し笑ってから言葉を口にするー。

「ー松宮さんに、謝ってなかったから
 せめて、謝ることだけはしておかないと思ってー。

 もちろん、今更遅すぎることは分かってるんだけどー」

香菜(恭太)は、メイドっぽい口調をやめて、
真剣な口調で話し始めるー。

「ーーーーでも、どうしてわたしがここにいるって分かったの?」
”そういえば”と、思いつつ少しだけ不安な表情を浮かべる
恭太(香菜)ー

入れ替わったときー…
高校時代は、恭太が香菜のことを見つめていたり、
色々なことをして、気持ち悪いし、怖いー、などと裏では言われていたことを
香菜(恭太)も思い出すー。

「あー、べ、別に付き纏ってるとかそういうことじゃないから安心してー。
 ここに松宮さんがいるって知ったのは本当に少し前だし、
 今日も、謝ったらすぐ帰ろうと思ってたからー
 前のわたしー、…っていうか”僕”みたいに、迷惑をかけるつもりはないからー」

香菜(恭太)は気まずそうにそこまで言うと、
「わたしが働いてるーー…あ、いや、僕が働いてるー」と
そう言い返しながら説明を続けるー。

入れ替わってずっと”香菜”として生きてきたせいか、
もう”僕”という方が不慣れな感じを見せているー。

「ー無理しなくていいよ”わたし”のままでー。
 見た目は女子なんだし、
 周囲もその方が違和感ないと思うからー」

恭太(香菜)がそう言うと、香菜(恭太)は「あはは…ご、ごめんー」と、
それだけ言葉を口にすると
「じ、じゃあー、いつも通りで行かせてもらうねー」と、
香菜(恭太)は、すっかり”女”になったかのような
そんな口調で話し始めるー。

再会してから”僕”と言う方が、とても辛そうに見えたし、
恭太(香菜)にもその気持ちは分かるために、
”普段通りでいい”と、そう言葉を口にしたー。

「え、えっとー、じゃあ、改めてー」
香菜(恭太)はそう言うと、少し咳払いしてから、
「ーわたしの働いているメイドカフェに、
 松宮さんのーーー…」と、そう言いかけて、
「よ、呼び方、これでいいー?」と、申し訳なさそうに小声で言うー。

「ーーえ、あ、うんー」
恭太と入れ替わった香菜は、
今は”松宮 香菜”ではなく、”黒田 恭太”ー
大学でもそう呼ばれているし、
今でも”香菜”と呼ぶのは、高校時代の親友だった紗智(さち)だけだー。

「ーー別にどっちでもいいよー。
 苗字で呼んでる分には、周囲の人からは分からないだろうしー」
恭太(香菜)がそう言うと、香菜(恭太)は
「あ、うんーそうだよねー」と、そう言いながら、話を再び再会するー。

「わたしの働いているメイドカフェに、松宮さんと同じ大学に
 通ってる常連さんがいてー、
 それで、”俺の友達に黒田ってやつがいてさ~”って言ってたからー」

香菜(恭太)はそう言い放つー。

そこから、”元々の僕の名字だー…もしかして”と思いながら
話をそれとなく聞いた結果、
”間違いなく、入れ替わった松宮さんだ”と確信したのだと言うー。

「そ、そっかー…」
恭太(香菜)はそう言葉を口にすると、
同じ大学に通っていて、恭太(香菜)を”友達”と表現しそうで、
かつ、メイドカフェに行きそうな男子を頭に浮かべるー。

「ーあ~~~~~…あの子かもー」
恭太(香菜)の中に何人か候補が浮かぶー。

「ーそれで、せめて謝るだけでも謝ろうと思ってー。
 わたし、松宮さんの身体で家出しちゃったきり、
 音信不通にしてたからー」

香菜(恭太)はそう言うと、目をうるうるさせながら
申し訳なさそうにするー。

メイドカフェで働いているからかー、
先程から、甘えるような仕草がとても上手になっているのを感じるー。

「ーあははー…
 でも、謝りに来てくれたのは、ありがとうー。
 時々、今もどうしてるか気にしてたし、
 分かってスッキリしたからー」

恭太(香菜)がそう言うと、
香菜(恭太)の方をじっと見つめながら、
「それにしてもー…」と、口を開くー。

「ー”わたし”でも、今の黒田くんはー
 すっごく可愛く見えるからー……
 普通の男子だったら、急に声かけられたらドキドキしちゃいそうだよねー」
笑いながら言う恭太(香菜)ー

「え、えっ…そ、そうかなぁー…あははー
 ま、まぁでも、一応現役のメイドだしー」
香菜(恭太)が照れ臭そうに言うと、
高校の頃の入れ替わる前の恭太の面影がすっかり無くなっていることに
改めて感心しながら、
恭太(香菜)は、ふと、香菜(恭太)をじーっと見つめるー。

「ーところで、”本当に”黒田くんだよね?」
とー、そう疑問の言葉を投げかけながらー。

「ーえっ!?えぇっ!?
 も、もちろん、そうだよー!
 わたしの中身はちゃんとそのままだよー!

 あ、うんー、でもまぁー
 性格も全然変わっちゃってるしー
 中身も変わったと言えば変わってるのかもー?」

少し困ったような表情を浮かべる香菜(恭太)ー

仕草のひとつひとつがいちいち可愛い感じなのは、
メイドカフェで磨かれたスキルなのだろうかー。

「ーーーーほ、ほらーーー」
そう言いながら、香菜(恭太)は、
高校時代の出来事を耳打ちするー。

「ーあ、あははー…」
恭太(香菜)は、男子になってから数年経過したからか、
”元・わたし”が、耳打ちしにきて、距離が近くなったことに
少しドキッとしてしまって苦笑いしながら、
話を聞くー。

確かに、相手は恭太で間違いないー。
他の人間がここまで知ることは不可能だろうー。

そう思いつつ、恭太(香菜)は
「でもよかったー」と、安堵の表情を浮かべるー。

「ーーよ、よかったって何がー?」
香菜(恭太)は笑いながら、再び自分の座席に座ると、
恭太(香菜)は言ったー。

「わたし、あのあと、黒田くんが
 家を飛び出して、命を絶ったりしてたらどうしようって
 ずっと思ってたからー」

恭太(香菜)の言葉に、
「えぇっ!?」と、香菜(恭太)は驚くー。

確かに、あの時は香菜の本心ー…
キモがられていて、怖がられている、と言う”現実”を知って、
”もうどうにでもなれ!”と、そんな風には思っていたし、
そんな態度も取ったー。

”そんな風に思われていたなんて”と、酷く悲しみ、嘆きー、
絶望したー。

けれど、
それでも、死ぬつもりはなかったー。

「ーあははーそれって、わたしが自殺するかもって
 心配されていたってこと?」
香菜(恭太)がそう言うと、
恭太(香菜)は少し申し訳なさそうにしながら
「う、うんー」と、頷くー。

その言葉に、香菜(恭太)は改めて、
”そんな風に思われていたなんて”と、苦笑いするー。

「ーー死にはしないよー。
 わたし、元々小心者だしー、
 死ぬ勇気なんてないからー」
香菜(恭太)はそれだけ言うと、
「でもー、松宮さんの身体のおかげで、
 だいぶ変われたと思うー」
と、そう言葉を口にするー。

「ーーーー」
恭太(香菜)は、そんな香菜(恭太)を見て
少しだけ笑うー。

もう、あの時の
なんだか怖くて、なんだか気持ち悪い”黒田くん”では
なくなったのだと、改めて実感するー。

自分の身体ではなく、他人の身体で生きることになってしまって、
香菜の人生は大きく変わってしまったー。

けれど、今はこの身体でも、大学では楽しくやっているし、
あれから何年も経過した今では”この身体”にすっかり
慣れているー。

それでも、複雑な気持ちはあったけれどー、
でもー、こうして謝りに来てくれたことで、
何だかスッキリしたのも事実だったー。

「ーー今日はわざわざ来てくれてありがとうー。
 わたしも、なんだか気持ち的にはスッキリしたー」
恭太(香菜)がそう言うと、
香菜(恭太)は「本当にごめんねー」と、そう言葉を口にした上で、
そのまま立ち上がったー。

もう時間も遅いー。
あまり、長居することはできないー。

「ーあ、わたしはここで働いてるからー、
 もしよかったら遊びに来てー」
香菜(恭太)が、勤務先のメイドカフェのカードを手に
そう言葉を口にするー。

恭太(香菜)は思わず苦笑いしながら
「え?なになに?実は宣伝のために来たのー?」と、
そう言葉を口にすると、
「えっ!?あ、ち、違うよー!ご、ごめん」と、
香菜(恭太)は慌てた様子で謝るー。

「ーた、ただー、松宮さんだけ”自分の居場所”知られてるのは
 気分悪いかなってー」
香菜(恭太)が、
一方的に通っている大学だけ知っているのは悪いと思ったから、と
そう説明したー。

「ーあはは、確かにー」
恭太(香菜)はそう呟くと、「じゃ、受け取っておくねー」と、
それだけ言葉を口にして、そのまま歩き出すー。

店の外で少しだけ雑談を交わして、
そのまま、二人は久しぶりの再会のひと時を終えたー。

「ーーふぅー…」
一人になった恭太(香菜)は少しだけ溜息をつくと、
「わたし、随分可愛くなってたなぁ~…」と、
自分の”身体”の今を見た感想を口にするー。

とは言っても、”付き合う”ことはこの先もないー。

「ーーそろそろ連絡しないと、心配させちゃうよねー」
恭太(香菜)には”彼女”がいるー。

しかも、その彼女はーー

”終わった?大丈夫だったー?”

そんな連絡を見つめるー。

そこにはー
高校時代の親友でもある”紗智”の名前が
表示されていたー。

入れ替わって男子になった香菜は、
高校時代の親友・紗智と今は付き合っているのだったー。

おわり

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コメント

「そんな風に思われていたなんて」の
後日談でした~!☆

見たい!というコメントを頂いたので、
1話完結ですが、こんな感じの続きを描いてみました!★

お読み下さりありがとうございました~~!

コメント

  1. 匿名 より:

    あの話の続き、気になってたので続編嬉しいです☆

    特に最後まで、どんでん返し的なことはなく、本編と同じくハッピーエンドでしたね。

    実は恭太が根本的には全く変わってなくて、ずっと根に持ったままで、恐ろしい復讐を企んでたみたいな、ダークな展開でも面白そうだった気もします。

    • 無名 より:

      どういたしましてデス~!!★

      ハッピーエンドのままの後日談でした~!★

      恐ろしいダークバージョン…!
      ダークな方面も一瞬考えちゃいましたケド、
      今回はやめておきました~笑☆