その姉妹は、二人とも憑依されていたー。
しかし、彼女たちに憑依している男たちは
それぞれ互いに面識はなく、相手が憑依されていることも知らず、
”妹は” ”姉は”
正気だと思いながら、生活を続けていたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーくくーちょろいもんだなー」
大学から帰宅した姉・須藤 尚美(すどう なおみ)は、
笑みを浮かべながら鏡を見つめるー。
「ーま、こんなに可愛い子にお願いされちゃ、
先輩も断れねぇよな」
そう言葉を口にしながら、
自分の顔を嬉しそうに鏡で見つめると、
「ーしっかし、憑依薬ってすげぇよなー…
俺がこんなに可愛い女子大生になれてるんだからー!」と、
そんな言葉を口にするー。
その見た目とは、全くイメージの違う言葉を吐き出しー、
歪んだ笑みを浮かべる尚美ー。
そんな彼女ー、尚美は
”尚美であって、尚美ではない”
そんな状態だったー。
身体は正真正銘、須藤 尚美ー
しかしー、彼女は今、別の男に”憑依”されていて、
その身体を使っているのは、須藤 尚美ではなくー、
”内村 泰明(うちむら やすあき)”という男だったー。
30代の独身サラリーマンだった泰明は、
会社と家を行き来する生活を送っていて、
帰宅してはHな動画を見たりして楽しむー
そんな日々を送っていたー。
が、彼は偶然、海外出張の際に
怪しげな露店で”憑依薬”を手に入れー、
それを使い、近場の女子大に通う、大学生・尚美に憑依して
その身体を乗っ取っていたのだー。
あれからもうすぐ1年ー
1年が経過してもなお、泰明は尚美の身体を堪能していたー。
「ーーぐへへへへー
生足を大胆に晒してると、男の視線を感じるんだよなぁ~…
あれがたまらんー」
ニヤニヤしながら、尚美は今日も大胆に晒した生足を
嬉しそうに眺めるー。
元々の尚美はそういう性格ではなかったものの、
今の尚美は、大学内で男が自分の足を見ているのを感じて
密かに興奮しているー。
「つーか、たまに女子でも見てるやついるけどなー」
尚美はそう言葉を口にしながら、部屋の中に隠してある
Hなゲームを取り出すと、
それを遊ぼうと、ニヤニヤ笑みを浮かべ始めるー。
「女子大生の身体で遊ぶエロゲーは格別っとー」
Hなゲームの箱を机の上に置きながら、
尚美は顔を赤らめるー。
心底嬉しそうにゲームを起動しようとしたその時だったー
「ーお姉ちゃん!!」
「ーぶっ!!!!!?!?!?!?」
尚美は、心臓が止まりそうになる思いをしながら、
慌ててパソコンを閉じて、
パッケージの上に覆いかぶさるようにしてベッドに飛び込むと、
「ーえ…、お、お姉ちゃん、何してんのー?」
とー、一緒に住んでいる妹・絵里(えり)が、
戸惑いの表情を浮かべたー。
「えーーあ、う、うん、う、運動ー…あはっ…」
尚美は、明らかにぎこちない表情を浮かべながら
そう言葉を口にするー
”あ、あ、あぶねー…”
尚美は心の中でそう呟くー。
妹の絵里ー…
尚美に憑依した泰明は、”周囲には気付かれないように”
生活を送っているー。
当然、妹の絵里に対しても、だー。
妹の絵里は、積極的な性格で、
姉の尚美とも仲良しだー。
本来の尚美がどう思っていたかは知らないけど、
よくくっついてきたりもするため、
”今の尚美”からすればとっても嬉しいし、ドキドキするー。
”せっかく妹が出来たんだしー”
と、姉・尚美に憑依した泰明は、絵里との関係も大事にしているー。
”ー…さすがにエロゲーやってるなんて気付かれたら、
まずいもんなー…”
尚美はそう思いつつも、「急にどうしたの?今日部活じゃなかったっけー?」と、
気を取り直してそう言葉を口にするー。
「あはははー
うんーそうだったんだけど、部長が熱を出したから中止になっちゃって」
そう笑う妹の絵里。
「そ、そ、そっかー。急に帰ってきたからびっくりしちゃったー」
尚美のその言葉に、絵里は「えへへーごめんねー」と、そう言葉を口にすると、
「あ、それでねー」と、雑談を始めたー。
日常的な会話をしながら、楽しそうに笑う絵里ー。
尚美も、楽しそうに絵里と話を続けるー
”でもまさか、絵里ちゃんも、お姉ちゃんが
俺みたいなおっさんに憑依されているとは思わないだろうなぁ…”
そんなことを心の中でふと思う尚美ー。
”自分のお姉ちゃんが、30代のおっさんに憑依されている”
それを知ったら、絵里はどう思うだろうかー。
絵里と仲良しになればなるほど、
絵里に”本当のこと”を知られてしまうのが、
今の尚美にとっては怖かったー
”絶対、「お姉ちゃんを返して!」とか言われるのは目に見えてるもんな”
そうこうしているうちに、話は終わり、
絵里が自分の部屋に戻っていくー。
一人残された尚美は、絵里から隠すために
自分の身体で押しつぶして隠した箱を見つめると
「あっ!?!?つ、つぶれてる!?そんな…」と、
悲しそうに表情を歪めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーまさか、”お姉ちゃん”は、
妹が憑依されてるなんて思ってないんだろなぁ…」
部屋に戻った妹の絵里がそんな言葉を口にするー。
ーーー実は、
妹の絵里も”憑依”されていたー。
しかも、絵里に憑依しているのは、
定年退職を迎えた60代の男で、
定年後、”憑依薬”を手に入れて、”JKになるんだ”と
絵里に憑依したー、
熊田 淳二(くまだ じゅんじ)という男だー。
淳二も、半年前に絵里に憑依して、
今では、絵里の身体で毎日ーー
「ーーー」
部屋の中に隠してある巫女服を見つめると、
下品な笑みを浮かべる絵里ー。
「ーえへへへー今日もコスプレしちゃうぞぉ」
顔を赤くしながら、鼻息を荒くする絵里ー。
絵里の身体で毎日”コスプレ”を楽しんでいたー。
60代の淳二は、”コスプレ”の写真を見るのが大好きで、
定年退職後も、ネット上でそういった写真を探しては
毎日のようにそれを堪能していたー。
がー、今ではこうして”自分自身”でそれを楽しむことができるー。
「ーん~~~~絵里ちゃん最高♡」
巫女服姿の絵里を鏡で見つめながら、絵里は嬉しそうに笑うー。
「ーー…ーー」
姉の”尚美”は、妹の絵里にとても優しくしてくれるー。
なんだか、”話が合う”ような気もするし、
絵里に憑依した淳二は、尚美との関係はそのまま保ちたい、と、
そう思っていたー。
しかし、”妹が憑依されている”と知れば
姉はやはり、言うだろうー。
”絵里を返してよ!”とー。
特に、妹想いに思えるあの姉が、”自分の妹が60代のおじいさんに憑依されていた”
などと知れば、泣き出してしまうかもしれないー。
「ーーー…えへへ
あのエロいお姉ちゃんに嫌われたくはないからなぁ」
ニヤリと笑う絵里ー。
そうーー
二人は偶然、同じ家の姉妹に憑依しただけの
”全く面識のない他人ー”
泰明も、淳二も、仲間同士ということではなく、
そもそも互いに全く面識はないー。
が、偶然半年前のほぼ同じタイミングで
それぞれ別の場所で憑依薬を入手し、
偶然、この家の姉と妹にそれぞれ憑依してしまったのだー。
しかも、尚美に憑依している泰明も、
妹の絵里に憑依している淳二も、
”相手が憑依されていること”を知らないー。
尚美に憑依している泰明は、妹の絵里は、本人だと思っているし、
絵里に憑依している淳二も、姉の尚美は、正気だと思っているー。
お互いに”相手も自分と同じように憑依されている状態”だと
知らずに、この半年間過ごして来たー。
「それにしても、お姉ちゃん、今日は早かったなぁ~
一人だったら、存分にコスプレできたのに」
絵里は巫女服姿のまま、残念そうにそう呟くと、
「そういえば、お姉ちゃんー、どうして慌ててたんだろうー?」
と、そんな言葉を口にしたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
姉・尚美に憑依している30代の元サラリーマン・泰明は、
尚美の身体でHなゲームを楽しんだり、Hな動画を見て
興奮する毎日を送りー、
妹・絵里に憑依している定年退職を迎えた淳二は、
コスプレ好きで、毎日のようにコスプレを楽しんでいるー。
けれど、二人とも表向きは本人として行動していて、
相手が憑依されていることに気付いていないー。
そんな、生活は続いていたー。
「ーーーおはよ~!」
大学にやってきた尚美は、友達の萌奈(もな)に
声を掛けられて、いつものように楽しそうに
話し始めるー。
最初は”女子大生のノリ”についていけない部分も
あったものの、今はすっかりと慣れていて、
”尚美”として完璧に演じることが
できるようになった泰明ー。
「ーーー萌奈の今日の格好、なんか可愛いねーえへへー」
尚美は、萌奈の服装を見つめながら
ニヤニヤと笑みを浮かべるー。
萌奈はとてもおしゃれで、
”いったいいくつ、服を持ってるの!?”とツッコミを入れたくなってしまうぐらいに
多彩な服を持っている子だー。
そんな萌奈の服装を見るのが尚美の毎日の楽しみでもあったー。
「ーーちょっと~…尚美ってば
なんか時々おじさんモードになるよね~」
尚美が下心丸出しでニヤニヤしているのを見て、
思わずツッコミを入れる萌奈ー。
「そ、そ、そんなことないし!」
尚美がそう反論すると、
「前世がおじさんだったりしてね~?」と、萌奈は
揶揄うように言葉を口にするー。
”ぜ、前世どころか、今現在、中身がおじさんなんだけどなー”
尚美に憑依している泰明はそんなことを思いながらも、
「あ!ちょっとここ触らせて~!」と、ニヤニヤしながら
萌奈を触り始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
高校にやってきた妹の絵里は、
今日も色々な子から話しかけられていたー。
”ふふふふー…青春ってやっぱいいなぁ…”
絵里は、うっとりとした表情を浮かべながら、
友達と話を続けるー。
「え~?わたしの若い頃はそんなじゃなかったけどね~」
絵里はふと、会話の最中にそんな言葉を口にしてしまうー。
中身は60歳の淳二ー。
姉・尚美に憑依している泰明と同じく
”表向き、本人として振る舞う”ことには
もうだいぶ慣れていたものの、
時々、不自然な言動をしてしまうー。
「”若い頃”ってー…いつのことよー?」
困惑した様子で絵里の友人・寧々(ねね)がそんな言葉を口にするー。
眼鏡をかけた真面目な優等生タイプの雰囲気の寧々ー。
意外と大胆な一面もあって、言いたいことをすぐに言うタイプの子だー。
「えっ!?あ、あぁー…え!ランドセル背負ってたころ!」
咄嗟に言い訳をする絵里ー。
寧々は「絵里ちゃんってばー…人生2回目だったりする?
時々急に古臭いこと言うしー」と、苦笑いするー
「あ、あははー実は3回目だったりして?」
冗談を返して誤魔化す絵里ー。
スマホを操作しながら、それに苦戦する素振りを見せたりすることもあって、
絵里は時々、寧々から”絵里おばあちゃん”などと
揶揄われたりもしているー。
がー、それでも、まさか”絵里が憑依されている”などとは
周囲も誰も思っていないのだろうー。
絵里に憑依している淳二は
本来は定年退職を迎えてあとは”余生”を過ごすだけのはずだったにも関わらず、
憑依薬によって、こうしてまた”青春”を楽しんでいるのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーただいま~」
今日も、いつものように帰宅した二人ー。
姉・尚美は部屋に入ると、
早速Hな動画を見つめながら、
ニヤニヤと笑うー。
「男の身体で見てる時よりも
こうーーたまらない感じがするよなぁ…へへー」
ニヤッと笑う尚美ー。
一方、隣の部屋では妹の絵里が
ナース服姿に着替えて
鏡の前で嬉しそうに色々なポーズをしては
笑みを浮かべていたー。
そんな二人はー、
晩御飯の時間になると、
何食わぬ顔で部屋から出てきて、
何事もなかったかのように、普通に振る舞うー。
二人はまだー、
お互いに”相手も憑依されている”ことを知らずに、
今日も1日を過ごしていたー。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
姉妹それぞれが憑依されているお話デス~!☆
お互い、相手が憑依されていることに
気付く日は来るのでしょうか~?笑☆
続きはまた明日デス~!!

コメント