女体化したニートの兄に
翻弄されていく弟…。
そんな中、女体化した兄が突然、
廊下で倒れ込んでしまいー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーくそっー…マジで呼吸してねぇー」
”女”の顔に顔を近づけながら
表情を歪める俊介ー。
「ーーーーこ、こういう時って、あれかー…?」
俊介は2階の廊下で倒れてしまった女体化した兄・海斗を
見つめながら困惑の表情を浮かべるー。
「ーー…し、心臓マッサージ…?」
が、俊介は女体化した兄・海斗の胸の方を
服の上から見つめながら顔を赤らめるー。
「ーーーー!!!」
さらにー
”人工呼吸”をする想像をしてしまい「オェッ」と、
思わず声を上げると、俊介は
「だから病院に行けって言ったんだ!」と、
そう言葉を口にするー。
やむを得ず、そのまま気道を確保して、
深呼吸してから、心臓マッサージを始めようとする俊介ー。
がー
その時だったー
「ーーーぷっ…」
突然、倒れていた女体化した兄・海斗が笑い出すー
「!?」
心臓マッサージを始めようとしていた俊介が
驚いて兄・海斗の方を見ると、
倒れて呼吸も停止していたはずの女体化した兄・海斗が
ニヤニヤしながら、こちらを見ていたー。
「ーはっ!?!?えっ!?」
俊介が声を上げると、
女体化した兄・海斗は
ゲラゲラと笑いだすー。
「ーぷはははははははははっ!
あはっ、あははははっ!
お前のその必死なツラー、傑作だな!
ははっ!はははははははっ!」
可愛らしい声なのに、
憎たらしい声で、ゲラゲラと笑う女体化した兄・海斗ー。
その態度を見て、
俊介は「あっ…まさかお前ー…!」と、そう声を上げると、
海斗は笑いながら言ったー。
「ーーお前がびっくりすると思って死んだふりしてみたんだよ!
へへっー お前の慌てた顔!ぷっ、く、くはははははははは!」
なおもゲラゲラと笑う海斗ー。
「っていうか、最初に心臓の音確認しろよ~」
女体化した海斗は、弟の俊介を揶揄うために、
”突然倒れたフリ”をして、息も止め、
俊介の反応を見て楽しんでいたのだー。
「ーーー…く、クソ兄貴!勝手にやってろ!」
俊介は露骨に不快そうな表情を浮かべながら
そう吐き捨てると、そのまま足早に階段を下りていくー。
「ぷぷぷっ!ははっ!はははははっ!」
俊介が立ち去ってもなお、一人で笑い続ける女体化した兄・海斗の声を
聞きながら、俊介は「あ~~絶対、俺は兄貴にみたいにはならねぇからな!」と、
不満そうにひとり、呟いたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その日の夜ー。
「ーーー」
俊介は、明日の大学の準備をしながらため息をつくー。
”ニートの兄貴”のせいで、
最悪の連休だったー。
そう思いながら”あんな奴に惑わされてたまるか”と、
改めてそう決意するー。
今日も、兄の海斗は夜になっても、
大声で叫んだりしながらゲームをやっていて、
時々、叫び声や悲鳴ー、
他のプレイヤーに対する暴言のようなものが聞こえて来るー。
”声”は、女体化する前までと違って
可愛くなったもののー、
そんなこと、どちらでもいいー。
鬱陶しいことには変わりないー。
「ーーー…やっと静かになったかー」
兄・海斗もようやくゲームをやめたのか、
静かになったことを確認すると、
俊介は、大きく息を吐き出しながら、
そのままスマホを手に、ベッドに寝転ぶー。
”はぁ~…っていうか、やっぱ急に女になるとかおかしいだろー?
女装じゃなくてマジでなってるみたいだしー…
絶対、何かの病気じゃねー?
俺だったら、女体化したその日にすぐ、病院に行くけどなー”
俊介は不満そうに心の中で呟くー。
がー、
そんな風にスマホをいじっていると、
部屋の扉が突然、開いたー。
「ーーー…!?」
俊介がびっくりして起き上がるとー
そこにはー、バニーガール姿の女体化した兄・海斗がいたー。
「ーーはっ!?!?えっ!?!?
な、なんだよその格好ー!?」
俊介が、不覚にもドキッとしてしまいながら、
女体化した兄・海斗のバニーガール姿を見つめるー。
兄・海斗が元々の姿のまま
こんな格好をしていたら、単純に”オェッ!”となって終わりだー。
しかし、今の女体化した海斗には
バニーガールの格好もよく似合っていたし、
正直、ドキドキするー。
俊介はそれを悟られないように目を逸らすと、
「ーーふふふ♡ わたしと遊びましょ?」と、
わざと、色っぽい声を出して女体化した兄・海斗が
近付いて来たー。
「ーく、く、くそっ!ふざけんな!これ以上近付くなし!
っていうか、俺の部屋から出てけ!」
俊介がそう叫ぶと、
女体化あした兄・海斗は
自分の太腿のあたりを触りながら
「え~??この格好、エロくね?お前だって興奮してるだろ?」と、
ニヤニヤしながら言うー。
「ーせっかく女になったんだしさー
お前にも、楽しませてやろうとしてんのにー」
女体化した海斗はー、
昨日、ネットで大量にHな衣装を購入したらしく、
今日の夕方にそれらが届いたらしいー。
「ーーー…わたしが遊んであ・げ・る♡」
ニヤニヤしながら、女体化した海斗が言うー。
「ーい、いいから!出てけ!」
バニーガール姿の海斗を前にドキドキしながらも
俊介は誘惑に負けずにそう叫ぶと、
「ーーチッーつまんねぇのー」と、女体化した海斗は
興覚めした様子で言葉を吐き出すー。
「ーーそうだー
俺さー、さっきネットでこの格好の写真載せたんだけどさー
すっげぇ反応がついてー
ぐへへへへー」
バニーガール姿のまま、邪悪な笑みを浮かべる女体化した海斗ー。
「ーっっ…あんま変なことやってると
ネットで変なのに絡まれて、トラブルに巻き込まれるぞー?」
俊介が忠告するかのようにそう言葉を口にすると、
「へへっ!この女体化最高だぜ!」と、自分のお尻を嬉しそうに
叩きながら、女体化した海斗は全く聞く耳持たずな感じで、
そのまま自分の部屋の方に戻って行ってしまったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それからもー、
女体化した兄・海斗に翻弄される日々は続いたー。
「ーお帰りなさいませ~!」
メイド服で出迎えて来る女体化した兄・海斗ー。
「ーーっ」
大学から帰宅したばかりの俊介は、
不愉快そうに表情を歪めると、そんな兄・海斗を無視して
そのまま自分の部屋へと向かうー。
翌日にはーー
巫女服で突然、部屋にやってきた女体化した兄・海斗が、
しつこく誘惑してきたものの、バニーガールの時と同じように
部屋から追い出したー。
その翌日にはー、セーラー服ー。
母親の典子も戸惑った様子を浮かべていたもののー、
俊介も、典子も面倒臭くなったのか、
女体化した兄・海斗には突っ込まないようにしていたー。
そしてー
「ーなぁなぁ、俺がお前を卒業させてやるからさー…
俺とヤろうぜ?」
自宅2階の廊下で遭遇した
チャイナドレス姿の女体化した海斗が
ニヤニヤしながら言うー。
「ーへへー
この足、マジで美脚だよなー
俺が男だった頃とは大違いだー」
女体化した海斗は、自分の足を自画自賛すると、
「ーーどうせ、このままじゃお前、
ず~っと、経験なしなんだからさ、
俺で卒業しておいた方がいいぜー?」と、
ニヤニヤしながら、そう言葉を口にするー。
「~~…うるせ~な…くそっ!」
俊介は舌打ちしながらそう言うと、
「つーか、兄貴の生活ぶりじゃ、
すぐ太るだろうし、髪も痛むだろうし、
肌もガサガサになるだろうなー」と、
そう言葉を口にするー。
女体化した後も、引きこもり生活は継続中で、
生活リズムも滅茶苦茶な兄・海斗ー。
「ーーへっー…
大丈夫だってー。
それにーへへー
今まで俺はニートだったけど、
女になったのを生かして配信とかして稼ごうと思ってるからー
じきにニートも卒業するぜー?」
女体化した海斗は得意気な表情を浮かべながら言うー。
「ーーはぁ…?やめとけよー…
兄貴がそういうことすると、絶対に調子に乗り始めて
トラブルになるのが目に見えてるし、
そもそも、そのうち元に戻るかもしれないだろ?」
俊介が困惑した様子でそう言葉を口にするー。
女体化した”兄貴”が、”女”であることを利用して
配信を始める……なんてことは、俊介からすればイヤな予感しかしない。
良くも悪くも兄の性格をよく知っている
俊介は”絶対にエスカレートして、トラブルを起こす”のが
安易に想像できるからだー。
過激な服を着て、チャンネルごと停止される気もするしー、
男を揶揄いすぎて、トラブルになる気もするしー、
最悪の場合、炎上して住所が晒されたりして、こっちまで
迷惑を被ることだって考えられるー。
「ーさっきもこの格好で太腿の写真載せたら
信じられないぐらいいいねがついてさー!」
ニヤニヤする女体化した海斗ー。
チャイナドレスから覗く自分の太腿を嬉しそうに撫でまわすー。
「ーまぁ、ほら、エロイもんなー?へへー
お前も触れよーほら!」
明らかに調子に乗っている女体化した海斗を見て、
俊介はさらに不安を強めていくー。
「ーーどうなっても知らないからな!」
俊介がそう言い放つと、
女体化した兄・海斗はニヤニヤしながら
「可愛いわたしに嫉妬してるの~???」と、揶揄うような口調で笑うー。
「ーーう、うるせー!
俺はレポート書かないといけないから、もう部屋に戻るぞ」
俊介が不満そうにそう言い放つと、
そのまま兄・海斗を無視して自分の部屋へと戻ろうとするー。
「ーへへへ なんだよつれねぇなぁ…
っていうか強がってないで、俺とヤろうぜー?
どうせ彼女もいねぇんだしー」
女体化した海斗の言葉に、
俊介は”あ~~、女になってからますます面倒くせぇ”と、
心の中で呟いて、部屋に戻ろうとするー。
がー、その時だったー。
バタッー
「ーーー!?!?」
変な音がして、振り返る俊介ー。
すると、背後の廊下でー、
女体化した兄・海斗がまた倒れていたー。
「ーーくそ!またそれかよ!
2度も同じ嘘に引っかかるほど、俺もバカじゃないからな!
勝手に死んだふりしてろ!!」
俊介は、先日も騙されたことを思い出しながら、
そう言葉を吐き捨てると、
チャイナドレス姿のまま倒れている兄・海斗を無視して
部屋へと戻るー。
”あ~…くそっ!ホントに面倒臭い兄貴だなー”
俊介は、大学の課題のレポートをやりながら、
大きくため息をつくー。
これから先、ずっと女体化したままなら、
もっと面倒なことになりそうだー。
正直、早く実家を出てここから逃げたいぐらいだー。
がー…
両親をあの兄貴に任せていくのも気が引けるー。
絶対に何もしないだろうし、
両親に無駄に負担をかけてしまうことにもなるー。
「ーせめて、兄貴が働いたり、家のことを手伝ったりするか、
一人暮らしでもしてくれれば、俺も安心してここを出れるんだけどなぁ…」
ニートで引きこもりー、
しかも、両親に迷惑ばかりかけている兄貴を残して
実家を出るのは、何だか”兄貴”を親に押し付ける気がしていて、
なかなかそれもできずにいる俊介ー。
「ーーっていうか、急に性別が変わって
あんなヘラヘラしてられるのも俺には理解できねぇー…
いや…確かにドキドキはするかもしれねぇけど、
普通、病院行くだろ?
自分の身体に何が起きてるか分からないんだし、
病気かもしれないしー」
不満そうに、ブツブツと呟く俊介ー。
が、やがてため息をついて自分のレポートに集中するー。
レポートをすらすら進めていき、
もうすぐ完成という段階に差し掛かったそのときーー
突然ーー
「ーーきゃああああああああああああ!?」
部屋の外から、母・典子の悲鳴が聞こえたー。
「ーえっ!?母さん?」
俊介が慌てて部屋から飛び出すとーー、
慌てた様子の母・典子と、
チャイナドレス姿のまま倒れている女体化した兄・海斗の姿が見えたー。
「ーーあぁ、母さんー
兄貴のやつ、どうせ死んだふりしてーー」
俊介が笑いながらそう言葉を口にするー。
がーー
俊介自身も、嫌な予感を覚えるー。
何故なら、”部屋に戻ってから1時間近く”既に経過しているー。
1時間も死んだふりを続けていたのかー?
と、嫌な予感が膨らんでいくー。
そしてーー
「ーー海斗、息してないしー、心臓も動いてないー…」
母・典子が戸惑いながら言うー。
「ーーえ」
俊介が呆然としながら、「おい兄貴ー?」と、
倒れている女体化した海斗の手に触れるとー、
海斗は既にー
”とても生きているとは思えない”ぐらいに冷たくなっていたーー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
兄・海斗の女体化は、
最近、海外でいくつか症例が報告されている
”謎の病気”であったことが分かったー。
感染事例などはなく、俊介らは無事だったものの、
この病は、発症すると体内であらゆる変化が起き、
時に性別が変わってしまうこともあるらしいー。
病院で適切に治療を受け、変化を抑制する薬を投与することで、
命を落とすことは回避できるものの、
治療を受けずに放置しておくと、”心臓”に変化が生じたりした場合、
すぐに治療をしないと、死に至ることもあるーー
そんな、病気だったー。
兄・海斗は、心臓に急激な変化が生じ、
その場で倒れー、
放置されたために、そのまま死んでしまったのだったー。
弟・俊介の”病院に行け”という忠告も聞かずー、
死んだふりで弟を揶揄った兄・海斗は、
”倒れても死んだふりだと思われて放置されるー”という
自業自得の死を遂げたのだったー…。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
最後はダークな結末に…★
弟くんをあまり揶揄いすぎちゃ、ダメですネ~★!
お読み下さりありがとうございました~!

コメント
あまりに間抜けで自業自得な結末ですね。
チャイナドレス姿で死んでるのがとてもシュールです。もしバニーガール姿だったらもっとシュールですが。
感想ありがとうございます~!☆
自業自得の最後でしたネ~…笑
チャイナドレスで迎える最後…☆!