彼女が、ゲームの世界の中の魔王に憑依されてしまったー。
世界征服を宣言する彼女をなんとか止めようとする彼氏…。
2人を待つ運命は…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーー動くなー!」
”リアルファンタジーオンライン”を開発したメーカーのオフィスが
”魔王”に憑依された明美に占拠されたー。
警官がすぐに駆けつけて、社長室でまるで女王のように
待ち構えていた明美は笑みを浮かべるー。
闇のドレスを身に纏い、まるで別人のようなオーラを放つ明美ー。
「ーー人間どもが、我に勝てるとでもー?」
明美はクスッと笑うと、警官隊の”レベル”を確認するー
ゲームの世界から来たからだろうかー。
”相手のレベル”が分かるー。
LV12
LV21
LV19
「ーークククーーー雑魚がー
貴様らなど、完全に馴染んでいないこの身体で十分ー」
明美はそう言い放つと、目を赤く光らせながら、
手から紫色の弾丸のようなものを放ち始めたー。
「ーーーば、化け物め!撃て!」
警官の一人が言う。
がー、明美が放つエネルギー弾の威力はすさまじく、
警官たちは次々と倒されていくー。
あっという間に最期の一人になると、
明美は禍々しいハイヒールを履いたまま、警官の前に歩いていくと、
その警官を”ゴミを見るような目”で見つめたー。
心優しい明美にこんな目で見られたら、
もしかしたら喜ぶ知り合いもいるかもしれないー
そんな、恐ろしい目ー。
「ーた…た…助けてくれー」
唯一生き残った警官が命乞いをするー。
明美はニヤリと笑うと、
「ー我に命乞いをするかー…クククー」と、呟くー。
「た、頼むー。生まれたばかりの娘もいるんだー
どうかー」
がー、そんな警官に対して明美は冷たい口調で言ったー
「ー娘?そんなもの、我には関係ないー」
とー。
ハイヒールで男の頭を踏み潰す明美ー
返り血を浴びると、興奮した様子で「人間どもも、この程度かー」と、
高笑いを始めるー。
ゾクッと身体が反応するー
明美に憑依している魔王は、少しだけ笑みを浮かべると、
「ー無駄な抵抗だー。この身体に我が魔力が完全に馴染む日も近いー」
と、そんな言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”各地に、正体不明の怪生物が出現”
そんなニュースの見出しをスマホで確認する雅人ー。
「ーーー…リアルファンタジーオンラインのモンスターたちー…」
雅人は、スマホのニュースに載せられている映像を
確認しながら、そう呟くー。
各地に出現したという怪生物はー、
リアルファンタジーオンラインの中で登場している魔物たちだー。
”魔王”に憑依された明美が何らかの方法で
召喚したに違いないー。
雅人は、ようやくリアルファンタジーオンラインの制作会社の
オフィスにたどり着くと、意を決して
その中へと乗り込んでいくー。
「ーー!」
中には、既に”魔物”が徘徊していたー。
その魔物たちに見つからないように、中へと入ると
エレベーターが開いたー。
「ーーーー…!」
”誘われている”ー
雅人はそう思ったー。
けれどー
逃げるわけにはいかないー
”僕のせいだー”
雅人は、そう思っていたー。
明美は元々、リアルファンタジーオンラインをやってはいなかったー。
雅人と恋人同士になっていなければー、
明美がリアルファンタジーオンラインをプレイする可能性は低かったー。
だから、”僕のせいだ”と、雅人は責任も感じていたー。
エレベーターを降りると、そこは社長室だったー。
社長室に入ると、そこには”闇の姫”のような風貌の明美がいたー。
紫色のドレスを身に纏い、いつもより派手なメイクの明美ー。
ハイヒールの音を立てながら、
ワイングラスを手に”赤い液体”を飲んでいた明美は笑うー。
「ーどう?今の”わたし”はー」
明美がニヤリと笑うー。
「ーふ…ふざけるな…!明美を返せー!」
雅人が言うと、明美は自分の身体を触りながら微笑んだー。
「ーこの”器”も、我が使うには、王としての威厳が足りなかったのでなー
我好みにアレンジさせてもらったー」
明美はそう言うと、赤い液体を飲んでから少しの間、ゲホゲホとむせ始めるー
「明美ー!?」
こんな状態の明美でも、反射的に心配してしまう雅人ー。
明美は「ー”人間の血”は、美味でなー…。まぁ、この器もすぐにこの味になれるー」
と、笑みを浮かべるー。
明美が飲んでいたのは先ほど殺害した警官隊の血だったー。
「ーーー…あ、明美ー…」
雅人が呆然としていると、明美が雅人の方に近付いて来るー。
身体は”彼女”のものなのに、近付いて来るだけでビリビリと殺気を感じるー。
「ーーーー……わたしの下僕にしてあげよっかー?」
明美が、雅人をゴミを見るような目で見つめるー。
「ーーー……そ、そんなことー…!」
雅人がそう言い放つと、明美は
「ー拒否するならー、死ぬだけだよ?」と、脅すような口調で言うー。
「ーーーーほらーー…
下僕になるならー、”わたし”と何でもできるんだよー?
どんなことだってさせて あ・げ・る♡」
明美が甘い声で雅人を誘惑するー。
しかしーーー
雅人は揺らがなかったー
「ーーー明美の身体でそんなこと言うなよ!!!!!!!!!」
怒りの形相で叫ぶー。
「ーーーー」
明美の表情から笑みが消えるー。
「ーーーーなら、”死ね”ー」
冷たい口調の明美ー。
そんな明美を前にー
雅人は声を上げるー。
「ー…お、お願いだよー…明美!め、目を覚ましてー!」
とー。
必死に明美に言い放つー。
こんな言葉が届いて、明美が正気を取り戻すなら
最初から何も苦労はしないー。
そんなことは分かっているー。
けれどーー、言わずにはいられなかったー。
「ーー雅人ー……? えっ…雅人ー?」
がー
明美が、突然、邪悪な笑みを消して
驚いたような表情でそう言葉を口にしたー
「あー明美…!?」
まさか、言葉が届くとは思っていなかった雅人が驚くと、
明美は怯えた表情で「こ…ここはーどこ…? えっ…な、なにこの格好ー?」と、
そう言葉を口にするー
「あ…明美…落ち着いてー…大丈夫だからー」
雅人はそう言いながら、明美に駆け寄ると、
明美は「何が起きてるのー…?わ、わたしー」と、泣きながら言葉を口にするー。
「ーーー…と、とにかく一旦、ここから外に出ようー」
雅人は、どうすれば良いのか分からないまま、
そんな言葉を口にするー。
一体、どうすれば明美を助けられるのだろうー。
魔王を明美の身体から追い出す方法も分からないし、
そもそも”全世界に向けて宣戦布告してしまった明美”は、
仮に魔王を追い出すことができたとしても、
この先”どう”すればいいのだろうー。
そんなことを考えていると、
雅人は突然ズキッと強い痛みを感じたー。
明美が邪悪な笑みを浮かべているー。
その右手がブレード状に変化して、
雅人に突き刺さっているー
「え……」
雅人が苦しそうに声を上げると、
明美は笑ったー
「ー我の”演技”ー
見事だったであろうー?」
とー。
ゲーム内でも”人間をいたぶって殺すのが趣味”と、
そういう設定を持つ魔王はー、
”明美のフリ”をして、雅人の反応を楽しんでいたのだー。
「がっ…」
身体から流れる血を見て、驚く雅人ー。
泣きそうになりながら、明美の方を見つめると、
明美は「ーーさよなら、雅人♡」と、不気味な笑みを浮かべながら
そのまま雅人にハイヒールを向けて、
その底をブレード状に変化させたー。
”死”ー
雅人は、それを覚悟すると同時に、その意識は途切れたー。
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”魔王”に憑依された明美は
その圧倒的な力と魔力で人間たちを殲滅し始めたー。
自らの力で次々と魔物を召喚ー、
さらには、元々人間たちと暮らしていた動物たちを
次々と魔物に生まれ変わらせて、
あっという間に地上を掌握していくー。
”リアルファンタジーオンライン”の中の世界と同じように、
”魔王”の圧倒的な力を前になすすべもないまま、
人類は追い詰められていったー。
最初は”一部地域の事件”としてしか考えられていなかった騒動は
すぐに大きくなり、やがて、世界レベルの問題となったー
各国はやむを得ず軍事力を用いて明美を排除することを決定ー
人類共通の敵となった”魔王・明美”を何とかして
排除しようと世界中が動き出したー。
がーーー
元々はゲームの世界の住人であり”AI”が、そのベースとなっている魔王は、
”ネットワーク”や”電子機器”に侵入する力も持っていたー。
世界中のネットワークが掌握され、さらには電力網まで支配されてしまったー。
世界各国の軍事力は”魔王”に掌握されて、
あっという間に人類は、”世界征服”されてしまったー。
「ーークククーあっけないー」
”魔王城”のような場所をとある地に作り上げた明美は、
そこで笑みを浮かべるー。
太腿に飼いならした魔物の毒蛇・”デビルスネーク”を巻きつけながら
ゆっくりと窓の外を見つめた明美は
「リアルファンタジーオンラインの世界よりも、脆かったなー」と、
満足そうに微笑んだー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーーーーーーー」
「ーーーーーーーーーー!!!」
雅人が目を覚ますー。
死んだと思っていた雅人は、
豪華な雰囲気の部屋で、目を覚ましたー。
「ーーー…な、なんだここ…?」
困惑した表情で呟く雅人ー。
ここはどこなのだろうかー。
天国だろうかー。
そんなことを思っていると、
部屋の扉が開いてーー
”明美”が姿を現したー。
「ーようやく目を覚ましたかー」
相変らず、闇のドレスのようなものを身に纏った明美は、
太腿に巻きつけた蛇の頭を撫でると、
「ーこの女の足が気に入ったようなのでな」と、
明美はニヤリと笑いながら、雅人に近付いて来たー。
「ぼ、ぼ、僕をー…こ、殺されなかったのかー…?」
雅人が怯えた様子で言うと、
明美はクスッと笑ったー。
「ーこの器ー。貴様を殺すことだけは強い拒絶反応を
示すのでなー。
貴様にトドメを刺そうとしたのに、できなかったー」
不快そうにそう呟く明美ー。
「ーこの身体が、貴様だけは助けたいと
何度も何度も内側から張り裂けるような感情を発していてなー
仕方がないから、貴様だけは助けてやったー。
まぁ、我の攻撃で貴様は既に死にかけていたから、半年はかかったがなー」
明美がそう言うと、雅人は
「ーーは、半年ー?」と、呆然と表情を浮かべるー。
「ークククー
ーーこの身体が貴様を求めていてなー…
蘇生させてやったんだー…
ーーー我ー
いいやーー
”わたし”が満足するまでーーー
楽しませてもらうからねー」
興奮した様子の明美を前にー、
雅人は「ふ…ふざけるな!」と涙目で叫ぶー。
「ーークククーー
この女の貴様への想いは相当なものだー
だからこそー
この女を乗っ取った我もーーー
お前としたくてしたくてたまらないー
ククーー」
明美はそこまで言うと、
「ーーーふふ♡ こういう喋り方の方が好みでしょ?
雅人の前ではこれからも、”魔王”じゃなくて”明美”でいてあげるー」
と、笑みを浮かべたー。
分かっているー
”これ”は明美じゃない、とー。
身体は明美でも、
雅人が良く知る明美ではないー、とー。
「ーーふふふーほら、早くーー
わたしを楽しませてーー
うふーーー
ふふふふふふふっ♡」
飢え切った雌のような表情で、
雅人の服を無理やり脱がしていく明美ー。
明美は夢中で、雅人の肉棒を咥えると、
心底嬉しそうに、顔を赤らめるー。
明美とそういうことをしたことがなかった雅人はー
明美にされるがままに、欲望を貪りつくされたー。
服を脱いだ明美の身体の一部には不気味な模様のようなものが
浮かび上がっていて、もう、明美が明美じゃないことを
改めて認識させられながら、雅人は”ごめんー…明美”と、
そう言葉を口にしたー。
明美が満足するまで、欲望の時間は続きー、
ようやく、ひと息つくと、
雅人は「せ…世界はー…他のみんなはー」と、そう言葉を口にしたー。
明美は「ん?」と、笑みを浮かべると、
「ついて来て」と、部屋の外に雅人を呼び出したー。
そしてーーー
しばらく魔王城の廊下を歩くと、やがて、バルコニーのような場所に出たー。
「ーーーー!!!!!!!!!!!」
その先に広がっていたのは、黒雲が浮かびー
雷鳴が轟きー、そして溶岩が噴き出す”魔物”の世界ー
「雅人ーーー
わたし、世界征服しちゃったー
でも、大丈夫ー。
この”器”のおかげで、雅人のことはわたし、殺さないし
大事にするって約束するからー」
無邪気に笑う明美ー。
「ーーーさ…部屋に戻ったらもう一回しよっ!
ムラムラしてもう我慢できないー ふふっ」
明美がご機嫌そうに部屋の方に戻っていくー。
雅人は、世界征服されてしまった現実世界を前に
呆然とすることしかできなかったー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
最終回でした~!☆
恐ろしい結末になってしまいましたネ~…!
でも、雅人くんだけは、
彼女(乗っ取られている)との日々を受け入れれば
毎日楽しいかもしれませんネ~笑
お読み下さりありがとうございました~~!

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