<入れ替わり>君にその資格はあるか?①~条件~

彼女との結婚を本気で考えている彼氏ー。

しかし、彼女の父親は結婚に反対ー。
唯一、結婚を認める条件として、
とんでもない条件を提示してきたー…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ダメだー。娘はやらんー」

典型的な頑固そうな父親を前に、
娘の上園 星奈(うえぞの せいな)は困惑の表情を浮かべるー

「お、お父さんーそんなこと言わないでよー」
星奈がそう言い放つもー、
星奈の父親・宗司(そうじ)は、その態度を変える様子はなかったー。

星奈の彼氏である、坂口 圭太(さかぐち けいた)は、
「ーお、お父さんーどうかー、どうか、お願いします」と、
彼女のために必死に”星奈との結婚”を認めてもらえるように
お願いし続けるー。

しかしー…
それでも星奈の父・宗司はやはり態度を変える様子はないー。

「星奈ー…男なんてものは、みんな”獣”だー。
 結婚すれば必ず豹変し、お前にも乱暴を働くー」

宗司がそう言葉を口にすると、
「男の人全員が、そういう人じゃないでしょ!」と、星奈が反論するー。

「どうだかー。こいつも、お前の身体目的に決まってるー」
父・宗司がそう言葉を吐き捨てるー。

何故だが、星奈の父・宗司は圭太を”身体目的”だと決めつけて
そう言葉を口にしているー。

「ーお父さん、そんな目的で僕は、結婚したいんじゃありませんー
 僕はただー、星奈さんと共に人生を歩んでいきたいだけなんですー。

 星奈さんを不幸にしたりは絶対にしませんしー、
 身体目的じゃないってことは、この先の生活で証明してみせますー」

圭太がそう言い放つー。

がー、それでも宗司は「いや、男は獣だー」と、首を横に振るー

「ーーーー」
それを聞いていた星奈は、歯ぎしりをしながら苛立った様子で
父・宗司を見つめると、
「じゃあ、お父さんは何なの?お父さんも獣なの?」と、
言葉を口にするー。

「ーせ、星奈ー… いいってー」
彼氏の圭太は戸惑いながら、イライラしている星奈を止めようとするー。
普段は穏やかな子だが、父親の態度に腹を立てているのだろうー。

「ーーーーお、俺はー…」
父・宗司は戸惑うー。

「ーお父さんの言う通りなら、お父さんだって”獣”なんだよね?
 お母さんの身体目的で結婚したの?」

星奈の言葉に宗司は顔を赤らめながら
「違う!俺は、そんなことないー」と、首を横に振るー。

「じゃあ、圭太のことを獣扱いするのはおかしくない?」
星奈の言葉に、宗司は気まずそうにすると、
「ーーでも、ダメだ!今の男は、全員獣なんだ!
 麻梨奈(まりな)のこと、忘れたわけじゃないだろう?」
と、そんな言葉を口にするー

「ーそれは分かってるー。
 お姉ちゃんのことだって、ちゃんと心配してるー。
 でも、だからって世の中の男の人全部、獣とか言うのは間違ってるよ!」

星奈がさらに反論すると、
宗司は表情を歪めながら黙り込んだー。

”麻梨奈”とは星奈の姉のことだー。

圭太は、星奈の方を見つめながら
「いったん落ち着こうー」と、優しく言葉を口にするー。

圭太も”麻梨奈”のことは聞いているー。
麻梨奈の姉・星奈は、麻梨奈の3つ年上の姉ー。

父・宗司が星奈の結婚を頑なに認めないのには
この”姉の存在”が原因だったー。

星奈の姉・麻梨奈は数年前に結婚ー。
しかし、その相手の男がとんでもなく悪い男で、
結婚後に豹変、麻梨奈を激しく束縛し、暴力まで振るいー、
最後には麻梨奈の父である宗司に対して、
「ーこんな女、身体目的以外で結婚するわけねぇだろ」という
辛辣な言葉を言い放ったのだー。

その後、なんとか両親が手を尽くして離婚を成立させたものの、
星奈の姉・麻梨奈は精神的に病んでしまい、現在でも仕事に復帰することもできず
通院する日々を送っているー。

星奈の父・宗司が、”男”を獣だと言い放つのはー、
長女である麻梨奈の、そんな過去が原因なのだろうー。

しかしー、それでもー…

「ーー僕は、その男の人とは違いますー。
 絶対に、そんなことはしませんー。
 僕がもし、星奈さんを傷つけたら、僕を八つ裂きにしてくれても構いません!」

圭太がさらに言葉を口にするー。

するとー、父・宗司は大きくため息をついてから、
言葉を口にしたー。

「ーそこまで言うのであればー
 君のことを試させてもらおうー」

とー。

その言葉を前に、星奈は「なに古臭いこと言ってるの!?」と、
困惑した様子を見せるー。

が、父・宗司は一度奥に歩いていくと、
何かを取り出して、二人のいる部屋に戻って来たー。

宗司が持ってきたのは、不思議な色に輝く”指輪”ー。
2つあるその指輪を机に置くと、
宗司は言葉を口にしたー。

「ーー確か、二人とも職場は同じだったなー?
宗司がそう確認すると、
星奈は「何度もそう説明してるでしょ?」と、そう言葉を口にするー。

2人の出会いは職場で、お互いに同期ー。
2人は入社3年目を迎えているー。

「ーーならちょうどいいー」
宗司は頷くと、机に置いた二つの指輪を、
2人の前に差し出すー。

「その指輪は、先祖から伝わる
 ”入れ替わり”の指輪だー。
 その指輪をはめて、お互いに手を繋ぐことで、
 その相手と入れ替わることができるー」

宗司のそんな言葉に、
星奈は「えぇっ!?なんでそんなもの持ってるの!?」と、
困惑の表情を浮かべるー。

「ーー知らんー。俺も親からー…それに俺の親も親からー…
 代々受け継がれて来たものだー。」

宗司はそれだけ言うと、
「ー娘と1週間ー。入れ替わった状態で”何もなく”
 普通に過ごすことができたらー、娘との結婚を認めてやろう」と、
そんな言葉を口にするー。

「ーーせ、星奈と入れ替わって、1週間ー?」
圭太が星奈の方を見つめるー。

確かに、お互いに職場は同じで仕事のことは何とかなるかもしれないー。
しかし、星奈と入れ替わるなんてー…

「ー…い…いやいや、っていうかその指輪、本当に入れ替わるの?
 入れ替わりなんて、あり得ないでしょ!?
 お父さんは使ったことあるの?」

星奈がそう言うと、宗司は「あるー」と、頷くー。

「えぇっ!?あるの!?」
星奈はまたもや驚くー。

「ーーーーーー」
圭太は、そんな話を聞きながら
少しだけ表情を曇らせると
「僕は何でもやりますー。
 でも、これは星奈さんも関係することー。
 星奈さんがー」と、父・宗司に言い放つー。

もしも、本当に入れ替わりが起きるのだとすれば、
自分一人の判断で「はい!やります!」…と、言うわけには流石に行かない。

星奈の意思も確認しなくてはならない。

「ーーー…大丈夫ー。わたしもやるよー。
 お父さん、頑固だからーこうでもしないと認めてくれないと思うしー、
 それに、圭太がわたしの身体を使うことに、不安なんて全然ないし!」

星奈がそう言い放つと、圭太は少しだけ笑いながら頷くー。

そして、父・宗司の方を見つめると
「分かりましたー。結婚を認めてもらうために最善を尽くします」と、
力強く、そう言葉を口にしたー。

宗司は、そんな圭太の方を見つめながら、
「まぁ、どうせ3日も持たないだろうがな」と、指輪をはめるように
促すと、圭太と星奈は、緊張した様子で
”相手と身体を入れ替える”力を持つ指輪を指にはめー、
そのまま、言われた通りに手を繋いだー。

するとー…
お互いの指にはめられた指輪から、謎の光が放たれ始めるー

「ーー!!!」
「ーーーな、なにこれー!?」

驚く二人ー
がー、戸惑っている間もなく、自分たちの身体から
魂が抜けていくようなー、そんな得体の知れない感覚を
味わった直後ー…

「ーーうっ」
「ーーーあっ!?」

2人の身体から本当に魂が抜けてー、
そしてー…それぞれ抜けた魂は相手の身体の方に入り込んだー。

「ーーえっ…ぼ、僕が星奈にー!?」
戸惑う”星奈になった圭太”

「ーーけ、圭太になってるー!?」
同じく”圭太になった星奈”も、戸惑いの表情を浮かべるー。

”入れ替わり”ー
父・宗司は冗談を言うようなタイプではなかったが、
流石に、そんなことが起きるなどとは、星奈も、
その彼氏の圭太も思ってはいなかったー。

しかし今、実際に二人は相手の身体に入り込んでいて、
目の前に”自分の身体”が存在しているー。

そんな状況に、戸惑わずにはいられない。

「ーーーこの状態で1週間、何事もなく過ごすことー。
 それが、娘との結婚の条件だー」
星奈の父・宗司はそう言い放つー。

「ー…お、お父さんー…何もこんなことー」
圭太(星奈)がそう言うと、
宗司は少し複雑そうな表情を浮かべてから、
「ーその顔で、お父さんって呼ばれるのはやっぱり複雑だなー」と、
少し不満そうに言葉を口にするー。

「ーー…お父さんがわたしを入れ替えたんでしょー?
 嫌なら、他人行儀で喋ろうかー?」
少しムッとして圭太(星奈)が言うと、
「ーーーいや」と、父・宗司は少し申し訳なさそうに言葉を口にしたー。

そして、息を吐き出すと、
「星奈ー。よく見てなさい。そいつの”獣”として本性をー。
 男など、みんな獣だ。麻梨奈が壊されたように、
 そいつも必ず、お前を不幸にするー」
と、父・宗司は決めつけるようにして言葉を口にしたー。

「ーーぼ…僕はそんなことしません!」
星奈(圭太)が叫ぶと、
”娘の身体”で、”僕”と、言われたことに少し
不快そうな表情をしながらも、
「どうだかー?今だってもう、ドキドキしてるんじゃないか?」と、
そう言葉を口にするー。

「ーーーーーはい」
星奈(圭太)の言葉に、圭太(星奈)と、宗司は少しだけ驚くー。

「ーははは ほら見ろ。こいつも獣だ」
父・宗司は面白そうに笑うー。

「星奈、聞いただろう?
 こいつはお前の身体になって、もう欲求が抑えられなくなってるー。
 男なんて、どいつもこいつもこんなもんなんだー。
 お前も目が覚めたらー」

宗司がそこまで言うと、
星奈(圭太)は、
「ー別に、男とか女とかじゃありませんー。
 誰だって、自分以外の身体になれば緊張するし、
 不安とか、違いへの戸惑いとか、そういう色々な感情が混じるんですー。
 別に変な目で見てるわけじゃないですし、
 大切な人の身体を借りているからこそ、絶対に傷つけるわけにはいかないって
 ドキドキするんです」
と、そう言葉を口にしたー。

「ーーーーーー」
父・宗司はそう言葉を口にするー。

「ーー僕は、お父さんに”嘘”はつきませんー。
 これも、今の僕の素直な気持ちですー。」
星奈(圭太)が真っすぐ宗司を見つめながらそう言うと、
”ー確かに、他人の身体になって平常心の方がおかしいーか…”
と、内心で、圭太の言葉を理解し、不満そうに頷くー

「ーーーよかろうー。
 確かにそれは君の言う通りだ。
 でも、そんなキレイごとをいつまで言っていられるかー。
 じっくりと見せてもらおうー。

 今日から1週間、普通に生活してみせなさいー」

宗司のそんな言葉に、
星奈(圭太)は「分かりましたー。それで結婚の許しが貰えるのならー」と、
そう言葉を口にしたー。

圭太(星奈)は「ごめんねー。お父さんのせいでこんなことにー」と、
申し訳なさそうに言葉を口にすると、
星奈(圭太)は「いや、大丈夫ー。お父さんの心配も分かるからー」と、
そう言葉を口にしたー。

2人の職場からは、そう遠くない位置にある星奈の実家ー。
父・宗司は1週間の間”ここ”で暮らすように二人に言い放つと、
星奈(圭太)と圭太(星奈)は、戸惑いながらも、それに応じたー…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー星奈ー…トイレの時の注意点ってなにかあるかなー?」
星奈(圭太)が圭太(星奈)に対して小声で言い放つと、
圭太(星奈)は「え…?あ、そっかー。そうだよねー」と、
”トイレの説明”を改めて求められると、ちょっと難しいなぁ…と
思いつつも、説明を口にするー。

普段、”女”として”普通に”トイレを済ませている星奈からすれば、
そう聞かれても、当たり前の日常すぎて
改めて言葉にするのは、なかなか大変だったー。

それは”男”としてトイレを済ませている圭太も同じことー。

星奈(圭太)は、圭太(星奈)から、
トイレを済ませる際の注意点を聞くと、
「ーーーわ、わかったー。気をつけるよー」と、頷きー、
そのままトイレに向かうー。

がーーーー
その姿を見かけた星奈の父・宗司が言葉を発したー

「ーーやはり、本性を現したなー”獣”めー」
とー

「ーーえ?」
星奈(圭太)は戸惑うー。

「ー娘の身体でどこに行く気だ?
 やはり貴様ー身体目的だな?」

宗司の決めつけるような言葉に、
星奈(圭太)は、戸惑いの表情を浮かべたー。

②へ続く

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コメント

結婚の許しを貰うために、
入れ替わり状態で1週間を過ごすことに…!

なかなか大変なことになりそうですネ~!

あ、そういえば今日は節分ですネ~!☆
皆様は、節分に何か特別なことはしますか~?★★

私は…豆をちょっとだけ食べる予定デス~!笑

コメント

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