彼女の父親から突き付けられた結婚の条件ー
それは”1週間、入れ替わった状態で生活すること”だったー。
彼は、彼女との結婚を許してもらうため、
1週間の入れ替わり生活を送ることに…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ー娘の身体でどこに行く気だ?
やはり貴様ー身体目的だな?」
トイレに行こうとした星奈(圭太)に対し、
星奈の父親・宗司はそんな言葉を口にするー。
がー、星奈(圭太)は一瞬戸惑いの表情を
浮かべたものの、すぐに笑いながら言葉を続けたー。
「ーー借りたものを汚すわけにはいきませんしー…
彼女の実家を汚すわけにもいかないので、
トイレには行かないと…」
とー。
「ーーー…む…」
父・宗司は表情を歪めるー。
「ーこのままトイレに行かないと、星奈さんにも
恥をかかすことになってしまうのでー…
”1週間普通に生活する”なら、トイレには行かないと、
ダメだと思うんです!」
星奈(圭太)がさらに言葉を続けると、
宗司は、少しだけ考えてから「仕方ないー。許そう」と、頷くー。
確かに、圭太の言う通り、
トイレを我慢されて、漏らされたら、
娘の身体でお漏らしをされることになり、
娘は大恥をかくことになる。
しかも、家も汚れ、娘の身体も汚されることになり、
かと言って”1週間ぐらい、トイレを我慢できるだろう”などと
おかしなことを言うつもりはないー。
「ーーだが、トイレの中で娘の身体に変なことをする可能性も
あるからなー。
見張らせてもらー」
宗司がそこまで言うと、「お父さんのバカ!」と、
圭太(星奈)が、ぺしっ!と肩を叩くー。
「ーーーせ、せ、星奈ー」
宗司がそう言うと、
「娘のトイレを覗こうとするとか、お父さんこそ獣なんじゃないの?」と、
不満そうに呟く圭太(星奈)ー
宗司は「いや、星奈!男はトイレの中でー!」と、そう叫ぶと、
「だったら、わたしが見るから。お父さんはあっち行って」と、
不満そうに父親を追い払うー。
「ーーー…な、なんか…み、見られた状態でー…って言うのはー
星奈(圭太)がそう呟くと、
「ーあはは…だよね?扉は閉めていいよー
何か分からないことがあったら、中から声をかけてねー」と、
圭太(星奈)はそう言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その日の夜ー。
「ーーお風呂は、どうする?」
星奈(圭太)が確認すると、圭太(星奈)は
「あ、うんー。全然構わないよー。わたしも圭太も、
お風呂入らないと、明日仕事だもんねー」と、
そう言葉を口にするー
「ーーあ~…でも、またお父さんがなんか言い出すかなぁ…」
圭太(星奈)は父のことを思い浮かべながら
そう言葉を口にするー。
”お風呂に入る”とか言うと、
どうせまた”やっぱりお前は獣だ!”とか、始まるに決まっているー。
そんなことを思いながらため息をつくと、
「うん!じゃあ、今日は一緒に入ろ!」と、そう言葉を口にするー
「えぇ!?一緒に!?」
星奈(圭太)が少し恥ずかしそうに戸惑うと、
「それはなんか、正直、ドキドキするなぁ…」と、笑うー。
そんな言葉に圭太(星奈)は
「ーーあははーそれは普通の反応だよねー
わたしもドキドキするし!」と笑うと、
「むしろ、何の感情もない方が怖いよー」と、クスクスと笑ったー。
「ーーははー、確かにそうだなー」
星奈(圭太)はそう言うと、圭太(星奈)と共に
1階に降りていき、星奈の父・宗司に対して言葉を口にするー。
「ーあの、これからお風呂に入ろうと思いますー」
とー。
宗司はすぐに、娘の星奈の予想通りー
「ついに本性を現したなー。お風呂を理由に裸を見ようとしているわけだー」と、
そう言葉を口にしたー。
がー、圭太(星奈)は
「わたしも一緒に入るから大丈夫だし、お互い様でしょ」と、
そう言葉を口にするー。
「ーーそれともお父さんは、わたしにお風呂に入らずに
そのまま明日、仕事に行けって言うの?」
圭太(星奈)の言葉に、宗司は「うぐ」と、言葉を口にするー
「娘に”お風呂に入らずに仕事に行け!”とか酷くないー?
それこそ”獣”だと思うけどー」
圭太(星奈)にズシズシと言葉を掛けられて、宗司はみるみるうちに
沈黙していくー。
「ーーーー」
宗司は少し沈黙してから、息を吸うと
「ー分かったー。でも、娘の身体で変なことをするなよ!」
と、星奈(圭太)のほうを見つめながら言葉を口にするー。
「はいー。もちろんです。頭と身体を洗って、
お風呂に入るだけです」
素直にそう言葉を口にする星奈(圭太)ー。
その言葉に宗司は「ーーなら分かった。」と、
それだけ言葉を口にして、
2人がお風呂に入ることを許可したー
「ーーふ、二人で入るには狭くてごめんねー」
圭太(星奈)が苦笑いしながら言うと、
星奈(圭太)は「はははー全然」と、笑うー。
「それにしても、男の人って髪洗うの全然楽でいいよね~
もう終わっちゃったし!」
圭太(星奈)が髪を洗いながら言うと、
浴槽の方にいた星奈(圭太)は
「確かに、星奈みたいに髪が長いと特に大変だよなぁ」と、
言葉を口にするー。
そんな会話をしながら、お風呂でのひと時を過ごす二人ー。
やがて、お風呂から上がると、
父親の宗司が心配そうに二人のことを見つめて来たー。
「ーお父さんー。何もなかったから大丈夫だってばー。」
圭太(星奈)が呆れ顔で言うと、
宗司は「男は獣なんだー何をされるか分からないぞ」と、
そう言葉を口にするー。
圭太(星奈)は「だから~それは”一部の”男の人でしょ」と、
言い放つと、宗司は「いや、アイツも分からない」と、
なおも頑なに頑固な言葉を口にする。
「ーーーはぁー
1週間ちゃんと過ごせたら、ちゃんと”約束”守ってよねー?
まさか1週間経ったら、”あと1週間”とか、ナシだからね?」
圭太(星奈)のそんな言葉に
「もちろんその約束は守る」と、宗司は頷くと、
圭太(星奈)は少しだけ安心した様子で、
「絶対に、お父さんに結婚認めてもらうから!」と、
微笑みながら言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝ー。
「ー同じ部署とはいえ、入れ替わったまま仕事をするのは
まずくないかー?」
星奈(圭太)が戸惑いながら言葉を口にするー。
「ま、まぁ…それはそうだよねー」
圭太(星奈)も戸惑いながらそう呟くと、
父・宗司が二人の前にやってきたー。
「ーー”仕事中”は元に戻っていい」
とー。
「ーーえ?いいの?」
圭太(星奈)が意外そうに言葉を口にするー。
昨日の口ぶりでは”仕事中も含めて”入れ替わって過ごせと
言わんばかりだったー。
「ー…職場に迷惑がかかるかもしれないだろう?
それにー……まぁ、そのぐらいはいいと思ってな」
宗司はそう言うと、少しだけ目を逸らしたー。
「ーーーふふ、ありがとうお父さん」
圭太(星奈)は少しだけ笑うー。
昨日1日の入れ替わった二人の様子を見て、
頑固な宗司も、少しだけ心を入れ替えたのだろうー。
「ーーありがとうございます。助かりますー」
星奈(圭太)もそう言うと、
父・宗司はそれには返事をしなかったものの、
指輪を再びはめて、元に戻るように促すー。
2人は無事に元に戻り、そのまま職場へと向かうのだったー。
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仕事を終えて、帰宅した二人ー。
「やっぱ、自分の身体のほうがー
こうー…動きも慣れているよなぁ…」
圭太がそう言いながら笑うと、
星奈も「うん!わたしも!」と、
笑いながら言葉を口にするー。
が、今から”また”入れ替わりだー。
しかし、これも全て星奈の父・宗司に結婚を認めてもらうためー。
「本当にごめんねー。
こんなことに巻き込んでー。」
星奈が入れ替わる直前にそう言葉を口にするー。
「ーーいや、星奈のお父さんに認めてもらうためだし、
結婚したら良いことも、悪いことも色々乗り越えていかなくちゃだし、
このぐらいどうってことないよー」
圭太のそんな言葉に、星奈は「ありがとう」と、微笑むと、
「わたしもちゃんとお父さんに認めてもらお!」と、笑いながら
意を決して、再び指輪をはめて入れ替わるー。
「ーーあ…着替えてから入れ替わればよかったかなぁ…」
星奈(圭太)がそう言うと、
圭太(星奈)は笑いながら「あ、それもそうかもね~」と、
そう答えたー。
その様子を見つめる星奈の父・宗司ー。
やがて、星奈(圭太)が着替え始めたため、
2人から視線を逸らして、声だけを聴くー
着替えている間も、星奈(圭太)は、圭太(星奈)に
対して気遣いの言葉を口にしているー。
あくまでも、日常生活は普通の送りつつー、
けれども星奈の嫌がることは絶対にしないよう、
先に確認を取っていて、強制する感じもないー。
そんな星奈(圭太)の姿勢に、宗司は少しだけ
表情を曇らせると、そのままその場から立ち去って行ったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーねぇ、そういえばさ…
今はこんな状況での入れ替わりだけどー…」
夜ー
圭太(星奈)が、明日の準備をしながらそんな言葉を口にするー。
「ーーん?」
星奈(圭太)も、明日の準備をしながら反応すると、
「もしー、もしもお父さんに言われてこういう形じゃなくて、
普通に自由なタイミングで入れ替わってたら、圭太、どうしてた?」
と、笑いながら言葉を口にするー。
「どうって?」
星奈(圭太)が、そう反応すると、
「ーほら…こういう時ってさ、映画とかでは必ずー…」
と、圭太(星奈)は少し恥ずかしそうにしながら
星奈(圭太)の胸の方を指差すと、
「ーーー…ほら、揉んだりしてるじゃんー?
たまに、悪いことしたりする人もいるしー」と、
冗談めいた口調で言うー。
「ーーはははーー
僕はーしないと思うなぁ…
こうやって入れ替わると”相手の身体を借りてる”ってことだしー、
するにしても、相手に確認してから、かなぁ…
あ、トイレとかお風呂とか、”普通に過ごしててすること”は
するけどねー」
星奈(圭太)が笑いながらそう言うと、
圭太(星奈)は「そっかー」と答えつつも、興味深そうに
「じゃあ、何でもしていいって言ったら何かしたいことはあったりするの?」と、
そう言葉を口にしたー。
「ーーなんでも…かぁ~」
星奈(圭太)は、そう言うと、少し考えるような仕草をしながら、
「ーそれなら、おしゃれとかをしてみたいかなぁ…
ほら、女子には女子のおしゃれがあるだろー?
変な意味じゃなくて、普通の”女性”としておしゃれをしてみたいなー。
どんな服を着るかとか、どんなメイクをするかとか、そんな感じのー」
と、そう言葉を口にしたー。
Hな意味ではなく、ただ普通に”女”として、
自分なりのおしゃれをしてみたいー。
それは、圭太にはなかなかできない経験ー。
「ーーーそれでー、逆に星奈はどんなことをしてみたい?」
逆にそんな質問もする星奈(圭太)ー
「え?わたしー?
わたしも色々あるけどー…
全力でスポーツしたりしてみたいかなぁ~」
圭太(星奈)がそう笑うとー、
「圭太の身体、わたしの身体よりなんか動きやすいしー
なんか色々身体、動かしてみたいよね!」と、
嬉しそうにそんな言葉を口にしたー。
その日も何事もなく終わりー、
3日目、4日目、5日目と、問題なく生活を続けていくー。
しかし、6日目ー…
星奈(圭太)は、星奈の父親・宗司から呼び出されたー
「ーお話って何でしょうかー?」
星奈(圭太)が宗司の部屋にやってくると、
宗司は座ったまま、星奈(圭太)のほうを見つめたー。
「ーー俺は君のことを誤解していたようだー」
宗司はそう言うと、星奈(圭太)のほうを見つめながら
そう言葉を口にするー。
「非礼を詫びさせてほしいー」
「いえ、そんなー」
星奈(圭太)が、突然の宗司からの謝罪に少し困惑するー。
すると、宗司は信じられない言葉を口にしたー
「ーーー…詫びと言っては何だがー、
今日と明日はー、家の中ではなら、
娘の身体で好きなことをしてもらって構わないー。
彼女と入れ替われる機会なんて、この先早々ないー。
貴重な残りの時間を、好きに楽しんでくれー。
俺も男だー。
君が今まで我慢してきたのは分かるー。
色々したいこともあるだろうー?
ーー星奈には言わないから、こっそり好きなことをしていいぞ」
宗司のそんな言葉に、
星奈(圭太)は「え…ホントですか?」と、そう言葉を口にするー。
「ーーあぁ、本当だ」
星奈の父・宗司はそう答えながら笑みを浮かべるー
6日目になっても”真面目に生活している”圭太を陥れようと、
宗司は”罠”を仕掛けたー。
こう言えば、コイツは絶対に”本性”を見せるー。
そう思っての罠ー。
”男はみんな獣だー。君の本性を見せて見ろー”
宗司は心の中でそう思いながら静かに笑みを浮かべたー
そしてーーー
「ーーーーーーーーーーーー…」
星奈の姉ー…
結婚後に暴力を振るわれー、現在は引きこもっている麻梨奈が、
その様子を部屋の外から、少しだけ扉を開けてー
”睨むようにしてー”
見つめていたー…
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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次回が最終回デス~!☆
無事に結婚の許しを貰うことはできるのかどうか、
ぜひ見届けて下さいネ~!
今日もありがとうございました~!
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