<憑依>崩壊クラス③~復讐の鬼~(完)

教え子たちへの復讐を続ける元担任教師ー。

憑依の力で、クラスの半分以上を葬った彼は、
残りの生徒たちも葬ろうとしていたー…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「君!危ないぞ!」
工場で声を荒げる男ー。

がー…
ゲラゲラ笑いながら、工場に入って来た女子高生は
そんな言葉を無視して
「わたし、死んじゃいま~す!」と、笑みを浮かべるー。

「ーーーやめなさい!」
工場の責任者が叫ぶー。

がー、少女は憑依されたまま、
作動中のコンベアの上に乗るとピースしながら
嬉しそうに”死”を選んだー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーへへへーへへへへ」

翌日ー
男子生徒はニヤニヤしながら、
踏切の方にフラフラと歩いていくー。

「ーーお前は、あまり俺のことを馬鹿にしてなかったけどー、
 ”傍観者”だったからなー」

森嶋先生に憑依された男子生徒が笑みを浮かべるー

”や…やめて下さい!先生っ!”

そう叫ぶ男子生徒の意識ー。

がー、森嶋先生は”全ての教え子”を葬ることしか
もはや考えていなかったー

「ーお前、電車好きだったよなー
 そんな電車で死ねるんだから、本望だろ?」

森嶋先生は、男子生徒の身体でそう呟くと
笑みを浮かべながらー踏切の中で”死”を迎えたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あぁ、くそっ!蒲生も他のやつらもどんどん死んでく!」

怒りの形相で叫ぶ男子生徒・恩田ー。

「ーーーー結局、森嶋の家にも、森嶋の野郎、いないみたいだし」
恩田が不満そうに呟くー。

”他人の家”を突き止めるのが得意な女子生徒・麻耶は予告通り、
数日前に森嶋先生の家を突き止めたものの、
家の電気は真っ暗なままで、誰かが中にいる様子はなかったー。

執念深い男子生徒・谷尾(たにお)が、1日中先生の家を
見張ったが、やはり電気がつく様子もなく、
人の出入りも無かったー。

「ーーでも、居留守使ってるのかもよ?」
演劇部の心愛がそう言うと、恩田は「ーーあり得るな」と、
そう呟きながら、
「ー玄関ぶち壊してやる」と、今日の夕方に森嶋先生の家に
行くことを決意するー。

「ーやめとけよー。次はお前の番になるかもしれないぜ?」
谷尾はそう言うと、ゆっくりと歩き出すー。

「ーどこへ行くんだ?」
恩田が言うと、谷尾は笑ったー。

「ー家族で海外に避難するんだー。
 親がさー、このままじゃ俺も殺されるって、そう言って聞かなくてさー」

谷尾の言葉に、恩田は「お、お前一人だけ逃げる気か!」と、そう叫ぶと、
谷尾は「ははーお前も海外に逃げればいいじゃねぇかー」と、
そう言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その日の夕方ー。
恩田は、麻耶が突き止めた森嶋先生の家に向かうと、
玄関の扉を破壊、中に踏み込んだー

がーー

「ーーーえっ…」
恩田は表情を歪めたー。

森嶋先生は、座ったままーー
”死んで”いたのだー。

「ーーな…… …う、嘘だろー…?えっー?」
恩田が戸惑っていると、
”驚いたか?恩田ー”
と、そんな声が頭に響いたー。

「ーーも、森嶋ー…!」
恩田が表情を歪めるー。

すると、恩田にたった今、憑依した森嶋先生は笑ったー。

「ーー俺も驚いたよー。
 お前らに憑依して自分の身体を放っておいたら
 自分の身体が死んでたんだー。

 でも、すごいだろ?身体が死んでも、俺はこうして
 霊体として他人に憑依して回ることができるー。

 俺はもう無敵だー。
 だから、お前らが俺の家を突き止めようとしてるのを
 知って、放置してたー」

恩田の口で勝手にしゃべる森嶋先生ー

”く…お、おい!森嶋!俺の身体で勝手にしゃべるな!”
心の中で必死に叫ぶ恩田ー。

だがーーーー

「お前、よく俺の真似をしてくれたよなー?
 今から、お前に”とっておき”のモノマネをさせてやるー」

恩田の身体で、森嶋先生はそう呟くと、
笑みを浮かべたー。

「ー”死んでる俺”のモノマネをして、お前も死ぬんだ」
恩田の口から、恐ろしい言葉が吐き出されるー。

”や…やめろ!やめてくれぇぇぇええええ!”
必死に叫ぶ恩田ー。

しかしー
その言葉は届かず、恩田は森嶋先生の家の中で
自ら包丁を突き刺し、そのまま命を落としたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーお祈りなんかしても、無駄ぁ~♡」
実家の神社で巫女をやっている由美は、笑みを浮かべたー

恩田の死の翌日ー
由美に憑依した森嶋先生は、由美の身体で、
神社にやって来てお祈りしていた他の男子生徒の命を奪ったー

「えへへへーこれでわたしも人殺しぃ~♡」
巫女服姿のまま笑みを浮かべる由美ー。

他の数名の生徒たちも震えながら由美の方を見つめているー。

「ーー大丈夫大丈夫ーみんなは”今日”は死なないよー
 俺は1日一人ずつしか殺らないからさー」

由美はそう言葉を口にすると、笑みを浮かべながら
その場に倒れ込んだー。

正気を取り戻した由美は、泣きながら親に
「警察にわたしのこと、通報してー」と、頼み込むー。

逆に”警察に捕まっていた方が安全”だと、
そう判断したのだー

親も、”このままじゃ娘が死んでしまう”と、
そう判断して、由美の言い分を聞くことにし、
静かに頷いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

森嶋先生は、残る生徒たちも葬り去っていくー

「やっほ~!紐なしバンジーしちゃうよ♡ えへっ!」
動画を配信しているおしゃれな女子生徒に紐なしバンジーをさせて葬り去るー。

「どこまで生き延びられるか!うへへへへへ!」
自転車で大爆走しながら、適当に走りまくりー、
やがて、車に跳ねられて男子生徒が一人、命を落とすー。

由美の神社でお祈りをしていた男子生徒の一人が、
その翌日ー、自ら毒を飲み込んで死亡するー。

剣道部に所属していた女子生徒が、その翌日、
「お母さん、わたし、切腹するよ」と、宣言した上で、
包丁を使い、自ら命を落とすー。

これで、残るは5人になったー。

そして、その翌日ー

「くっ…… や…やめ…」
山奥では、森嶋先生の住所を突き止めた女子生徒・麻耶が
青ざめながら言葉を口にしていたー

「ークククー、山奥に生えているキノコを好きなだけ食べて死ぬー。
 最高だろ?」

青ざめた顔色のまま、そう呟く麻耶はー、
森嶋先生に憑依されて、山奥のキノコを、毒かどうか関係なく
無差別に食べさせられていたー

やがてー、毒キノコを大量に食べてしまった麻耶は
泡を吹きながらその場に倒れ込んで命を落とすー。

「海外に逃げても、無駄ぁ~~~~!」
その翌日にはー
海外に逃亡していた執念深い男子生徒・谷尾も憑依されー、
自らビルの屋上に立ってそう叫んでいたー。

「ー海外じゃなくて、あの世に逃亡させてやるよ」
谷尾はそう言い放つと、憑依されたまま自ら飛び降りて、そのまま
命を落としたー。

残りは、三人ー。

フェイク動画に加担した演劇部の女子・心愛は、
行方を晦ましていたー。
どうやら、身を隠しているようだー。

実家が神社の由美は、
憑依された時に同級生を殺した罪で、
警察に拘束されていたー。
警察に身を隠した方が、安全と踏んだのだろうー。

しかしーーー

”逃げても、無駄だぞ”
その言葉に、身を隠していた心愛は震えるー

「せ…せ、先生ー…?」
心愛がそう呟くと、
先生は笑ったー

”親に逃げる先を教えてちゃ、意味ないぞー?
 お前の親を憑依で脅したら、あっさり居場所を吐いたよー”

森嶋先生のそんな言葉に、心愛は震えるー。

「ーーお前の人生最後の演劇は”自ら死ぬ”演劇だー」
森嶋先生は、心愛の身体を完全に乗っ取ると、心愛の口でそう言い放ったー。

”ーーお、お願いします!たすけて!嫌だ!たすけて!”
心愛が心の中で悲鳴を上げるー。

しかし、そんな言葉は届かずー
演劇部の本庄 心愛は、この日、”自らが死ぬ劇”を、
繁華街のど真ん中で演じてー、そのまま命を絶ったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーー……ーーー」
由美は、警察に身柄を確保された状態で、
身の安全を図っていたー。

”森嶋先生に人殺しをさせられてしまった”のは、
由美にとってもとってもショックな出来事では
あったけれど、
由美自身は、この状況をチャンスだと考えていたー。

警察に身柄を確保された状態で
おかしな行動を取り始めれば、当然、警察も対応するだろうし、
事前に”先生に憑依された”ことは警察に話をしてあるー。

当然、今の時点では”嘘”や”言い訳”と思われているけれど、
もしもここで由美自身がまた、森嶋先生に憑依されてしまうようなことが
あれば、それを身を以て証明することが出来るー。

「ーーーーーーどうして、こんなことにー…」
由美は、留置場の中で困惑した表情を浮かべるー。

由美自身は、森嶋先生”いじり”に積極的には参加していないー。
他の生徒たちの発言を笑ってしまったことはあったけれどー、
それ以上のことはしていないー。

もちろん、傍観者と言われればそれまでだし、
笑っていたと言われればそれまでー。
でも、直接悪口を言ったり、反抗的な態度を取ったりまでは、していないー。

命を奪われるようなことは、していないー

由美は、そう思いながらこれからのことを考えるー

”先生がもし、わたしの命を狙ってもー
 わたしに憑依したとしても、そう簡単にはー…”

そんなことを考えていると、一人の警察官が
由美のいる場所にやってきたー

「ーーー?」
由美が首を傾げていると、
警察官は笑ったー

「ーーーお前を殺すには、こういう方法もあるんだぞ?」
とー。

「ーー!!」
由美は、警察官が”森嶋先生に憑依された”ことを悟ったー。

それと同時に、警察官が銃を取り出し、
由美の頭を撃ちぬいたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーー」
最後の一人の男子生徒は、”ひたすら目立たないように”していたー。

彼、影山(かげやま)は、もともと影の薄い男子生徒ー。
森嶋先生にも忘れられているのではないか、と、そう思いつつ
とにかく目立たないようにしていたー。

だがーー

”待たせたなー影山”
森嶋先生の声が聞こえて来たー

もう、終わりだー。
影山はそう思いながら、観念したかのように目を閉じたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

教え子は、全滅したー。

自分の身体をも、失ってしまった森嶋先生は
目的を果たしたー。

自分のことを馬鹿にした教え子たち28人を
一人残らず全員、葬り去ったのだー。

学校も、保護者たちも大混乱に陥っていて、
世間では”呪い”などと、騒がれているー。

確かに、”森嶋先生自身”も世間から見れば
謎の死を遂げているために、
森嶋先生も”生徒たちと一緒に始末された”ように
見えるのだろうー。

「ーーーーーー」
森嶋先生は霊体のまま空を見上げて、
少しだけ複雑そうな表情を浮かべるー。

かつて、自分が小さい頃に憧れた先生のように
なりたかったー。

だから、必死に生徒たちに優しくしてきたつもりだー。
それなのに、結果はこれだー。

「ーーーーー」
全ての復讐を終えた森嶋先生は、満足そうに微笑むと、
言葉を口にしたー。

「こうなったのは、俺に憧れを抱かせたアイツのせいだー」
とー。

森嶋先生は”憧れだった恩師”にまで牙を剥き始めたー。

その数日後、恩師を見つけ出すと、恩師に憑依して
そのまま自ら命を絶たせたー

「ーーくく…やめられないー」
森嶋先生はそう呟くと、
「そういや、校長たちも、俺のこと解雇しやがった”敵”だなー」
と、笑みを浮かべるー

その翌日には、森嶋先生の勤務していた学校の校長がー、
さらには、森嶋先生の後任で担任になった小林先生がー、
他の同僚だった教員たちが次々と憑依されて命を落としたー。

学校は既に閉鎖ー。
他のクラスの生徒たちの身にも危険が及ぶ可能性があるとして、
残っていた別の生徒たちは、近隣の学校へ転校する特例の
手続きが取られ始めたー。

だがーーー

「ーー次は、別のクラスの奴らだー」

赤く血走った目で笑う森嶋先生ー。

彼はー、”復讐”を飛び越えて、
憑依で命を奪うことの快感に目覚めてしまったー。

自分とはほぼ無関係の”別のクラスだった生徒たち”への憑依も始めるー。

いつしか彼は、
復讐を飛び越えー、人の命を奪うことに快楽を覚える
危険な怨霊になり果ててしまったのだったー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

そのうち1日1人縛り(先生が勝手にそう決めているだけデス…)も
飛び越えて、好き放題やり始めたら
大変なことになりそうですネ~…!

誰かが、どこかで止めることを祈るのデス…!

お読み下さりありがとうございました~~!

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