酔っ払いのOLに”一晩だけ入れ替わって欲しい”と
持ち掛けられて、あまりにもしつこかったため、
仕方がなく入れ替わった男…。
しかし翌朝、酔っていてそのことを覚えていない彼女は
彼のことを変態扱いし始めて…?
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「あの…そっちから入れ替わりたいって言って来たんですけどー」
紗友里(俊介)は不満そうに表情を歪めるー。
”紗友里”の口からとても不快感が伝わるようなトーンで声が出て、
紗友里(俊介)は少しだけ”言い方きつすぎたかー…?”と
心の中で思いながら相手の返事を待つー。
”自分の身体”だと、
こういう感じに声を出せば”ちょっぴり不愉快”なトーンに出来たり、
もうちょっと語気を強めれば”怒っている感じ”のトーンに出来たり、
そういう”加減”の部分が自分なりによく理解できているー。
しかし、”他人の身体”だとそうはいかないー。
今もそうだー。
”ちょっと不快”な雰囲気を出そうと思ったのだが
思った以上に”滅茶苦茶怒ってそうな感じの声”が出てしまったー。
そんなことを思っていると
”わたしから?そんな嘘はやめてください!”と、
俊介(紗友里)が不満そうに言葉を口にするー。
「ーい…いやいやいや、いい加減にして下さいよー。
そっちから言って来たんですよ?」
紗友里(俊介)は、今度は本当に
怒りを露わにするー。
なんだこの女ー、と内心で怒りさえ覚えるー。
「そもそも俺は、入れ替わりなんて興味なかったし
したくなかったから何度も何度も断ったじゃないですか!
それなのに、日野さんの方がしつこいから、
仕方がなく、受け入れたんですよ」
紗友里(俊介)がそう言い放つー。
ふと、電話中に部屋にある姿見が目に入りー、
”とても怒っている紗友里”の顔が鏡に映っているのが見えるー。
そんな姿に一瞬ドキッとしながらも、
電話は続くー
”そういう嘘、やめてもらえますか?
酔ってる女を狙って、そういうことしたんですよね?”
俊介(紗友里)も怒りの口調で言い返してくるー。
「ーふ…ふざけないでください!
大体、入れ替わりのための変な飲み物持ってたのは
そっちでしょうが!」
紗友里(俊介)はついに怒り心頭になって声を荒げると、
”確かに、持ってましたけどそれをあなたが勝手に使ったんですよね!?
嘘ついたって無駄ですから!”と、
俊介(紗友里)はそう言い返して来たー。
”ーとにかく、今からそっちに行くんで、早く身体を返してください。”
俊介(紗友里)の言葉に、
紗友里(俊介)は「い、いい加減にしろ!そっちから言って来たくせに!」と、
声を荒げるー。
だが、電話は切られてしまい、
紗友里(俊介)は「何なんだよ!くそっ!」と、不満そうに声を荒げたー。
一瞬、あまりの怒りにこのまま紗友里の身体で
滅茶苦茶に遊んでやろうかとも思ったー。
がー、すぐに深呼吸をして冷静になると、
「とにかく、話し合ってみよう」と、ため息をつくー。
「ーーあ~あ…面倒臭いー。
年末の休みは今日だけなのに、最悪だろー」
紗友里(俊介)は、そう呟きながらベッドに
座り込むー。
少しムッとして「ームカつくから触ってやろ」と、
自分の胸を揉み始める紗友里(俊介)ー
感情的に滅茶苦茶にするのは思いとどまったものの、
人を変質者扱いしてきて、
まるでこっちが勝手に入れ替わりを仕組んだような言いぐさに、
俊介は心底腹が立っていたー。
それに、入れ替わりの話をされて、
すぐに受け入れたならともかく
こっちはイヤで何度も何度も”他を当たって下さい”と、最初は
断ったのだー。
それなのにこの言いぐさは、とても腹立たしいー
「んっ…♡」
胸を触っていると、今まで感じたことのないような快感を
覚えて紗友里(俊介)は顔を赤らめてしまうー。
「ーぁ…♡ っくっそ…なんかムカつくー」
紗友里の口から甘い声が漏れると、
なんだか無性に腹立たしくなるー。
確かに紗友里は美人な部類だと思うし
ドキドキするのは事実だー。
しかし、こんな、酔っ払って絡んで来た挙句
そのことを忘れて人のことを変質者扱いしてくるような女に
ドキドキしてると思うと腹立たしくなってくるー。
「あ~~~くそっ!」
そう言いながら、鏡を見つめると
紗友里(俊介)は、自分の頬を引っ張りながら、
「ー人を犯人扱いするなっての!」と、怒りの言葉を口にするー
鏡に映る”紗友里”が、痛そうな表情を浮かべているー。
浮かべてはいるーけれど、
自分が痛い…。
何だか空しくなってきて、それもやめると、
紗友里(俊介)は今一度大きくため息を吐き出して
俊介(紗友里)の到着を待つことにしたー。
紗友里からすれば”自分の家”に戻ってくるようなものだから
迷うことはなかったのだろうー。
それほど長い時間はかからずに、俊介(紗友里)は到着したー。
紗友里(俊介)は、玄関の扉を開き、
俊介(紗友里)を中に引き入れるー。
するとー
「ーー絶対、許しませんからー」
俊介(紗友里)は不満そうにそう言葉を口にしたー
「ーあ、あの!さっきも言いましたけど、
そっちから”一晩だけ入れ替わりたい”ってしつこくお願いしてきたんじゃ
ないんですか」
紗友里(俊介)はそう言い放つと、
俊介(紗友里)は「言ってません!絶対言ってませんから!」と、
そう言葉を口にしたー。
「ーいや、言ったんですよ!酔っ払ってて昨日のこと
覚えてないだけじゃないんですか?
昨日の記憶は、ちゃんとあるんですか?」
紗友里(俊介)が呆れ顔でそう言い放つと、
俊介(紗友里)は頬を膨らませながら「ちゃんとありますぅ!」と、
言葉を口にしたー。
”俺の身体でそんな仕草をしないでくれ”と
内心で戸惑いながら、
「嘘つかないでくださいよー。記憶、ないんでしょ?
それは、そっちが嘘をついているか」
と、紗友里(俊介)は言い放つー。
「ーえ?わたしを嘘つき扱いして
開き直るんですか?
女の身体を奪ってHなことしておいてー、
開き直るんですか?
ホント、最悪なんですけど!」
俊介(紗友里)のその言葉に、
紗友里(俊介)は「え、Hなことなんてしてないし!」と、
苛立ちをぶつけるー。
「ーーーふん。嘘つき」
俊介(紗友里)の断定するような言葉に、
紗友里(俊介)は”ふざけんなよ!”と、怒鳴りそうになったが、
それを我慢するー。
あまりにも酷い仕打ちだー。酷すぎる。と、
心の中で思いながらも、
”さっさと元に戻って、こんな女とは関わりたくない”と、
そう心で呟きながら口を開くー。
「ーとにかく、早く元に戻してくださいよ。
俺だって嫌々だったんですから」
紗友里(俊介)がうんざりした口調でそう言い放つと、
俊介(紗友里)は「ーーそれはわたしのセリフなんですけど」と、
不満そうに言葉を口にしたー
「ーーー!?」
紗友里(俊介)は表情を歪めるー。
「ま、まさか、元に戻る方法も分からないとか言うんじゃないだろうなー?」
紗友里(俊介)が、怒りを抑えきれない様子でそう言うと、
「ー知るわけないじゃないですか!入れ替えたあんたが責任とって戻しなさいよ!」と、
俊介(紗友里)も怒りの形相でそう言葉を口にしたー
「ーー…ふ、ふざけんなよ!
そっちが元に戻る方法もあるって確かに言ったんだろ!?
何なんだよ!いい加減にしろよ!」
紗友里(俊介)は、可愛らしい声に精一杯の怒りを込めて
そんな言葉をぶつけたー。
がー、俊介(紗友里)は
「ーそうやって、酔ってたわたしの弱みにつけこんで
あることないこと、”あったかのように”言うのやめてもらえますか!?」と、
怒りの形相で反論して来るー。
本気で覚えていないのかー、
あるいは”わざと”なのかー。
とにかく紗友里になってしまった俊介からすれば
腹立たしいこと、この上ないー。
「ーーーもういいです 警察に通報しますから」
俊介(紗友里)がスマホを手にするー。
「ーーちょ、ちょっと待ってくれ!
あまりにも一方的過ぎないか!?
俺の話も聞いてくれ!」
紗友里(俊介)はそう言うと、
ため息をついてから、
「ーーそっちは酔っていて覚えていないのかもしれないですけど、
俺は確かに、日野さんの方から入れ替わりたいって
言われたんですよ」
と、今一度状況を説明するー。
ここで感情的になって言い合いをすれば、相手もさらに
感情的になってしまう。
そう判断して、何とか話し合いの方向に持って行こうとする
紗友里(俊介)ー。
「ーー…そうやって、嘘で乗り切ろうとするなんて、最低ですね」
俊介(紗友里)の言葉に、紗友里(俊介)は
イラッとしながらも、”無実”を証明して、
後でタップリ謝らせてやる、とそんなことを思いながら、
今一度、俊介(紗友里)のほうを見つめるー。
「そこまで言うんだったら、お店に行って
確認してみましょうよー?
日野さん、随分と大声で喋ってましたから、
もしかしたら会話を聞いていた人も
いるかもしれませんし」
紗友里(俊介)がそう言うと、
俊介(紗友里)は不満そうな表情を浮かべながらも
「分かりましたー…それじゃ」と、昨日飲んでいた居酒屋に
話を聞きに行くことだけは、承諾してくれたー。
(あぁ、くそっ…俺の今年最後の休日が…)
心の中でそんな不満を感じながらも、
”このままでは本当に入れ替わりを持ち掛けた変態男扱い
されてしまう”と、焦りを覚えるー。
既に、時間は昼前ー
昨日、遅くまで飲んでいたこともあり、
2人ともそれなりの時間まで寝ていたー。
あの居酒屋が何時から営業しているのかは知らないが、
確か昼にも定食などを中心にこっそりと営業していたような
記憶があるー。
早速、出かけようとする紗友里(俊介)ー。
がーー
「ーちょっと!そのまま出かけようとするなんて
どういう神経ですか?
髪もボサボサのままだし」
俊介(紗友里)のそんな言葉に、
紗友里(俊介)は困惑しながら
「そ、そっちだってボサボサの頭のまま、ここまで来たじゃないですか」と、
反論するー。
しかしー、俊介(紗友里)は
「ーあんたは変質者だからそんなこと気にする資格はないの!」
と、完全に俊介側から入れ替わりを持ち掛けたような
そんな言葉を口にするー。
「ーーー…っっ」
イラッとする紗友里(俊介)ー
だが、このまま言い合いを続けていても、
恐らく話は先へと進まないし、
最悪、店に確認しに行くのすら断られる可能性もあるー。
「ーー分かりました、分かりました。
どうすればいいんですか?
紗友里(俊介)がうんざりとした表情を浮かべながら
そう確認すると、俊介(紗友里)は色々と注文を付け始めて、
戸惑いながら、その通りにしていくのだったー。
やがて、準備が終わり、今度こそ
昨日、紗友里と俊介が偶然居合わせたお店に向かおうとする二人ー。
がー…
”あー…やべっ…トイレに行きたくなってきたー…”
紗友里(俊介)は表情を歪めるー。
今朝、目を覚ましてから、色々戸惑っていたせいか、
まだ一度もトイレに行っていないー。
”トイレのことを気にする余裕”も無かったのだー。
しかし、今になって急にトイレに行きたくなってきたー。
起きてからの時間的にも、確かにそろそろ限界を
迎える頃であるのは確かだー。
「ーーーー…」
紗友里(俊介)はチラッと俊介(紗友里)のほうを見つめるー。
正直、この場で”トイレに行きたくなった”と言えば
この人はまた騒ぎ出すのは目に見えているー。
とは言えー、昨日の居酒屋まで行って、
仮に疑いを晴らすことができたとしても、
それまでには時間がかかるー。
とても、持ちそうにないー。
「ーーーー…」
紗友里(俊介)は困惑の表情を浮かべながら、
仕方がなく言葉を口にしたー。
「ーーあの…出かける前にトイレにー」
そう言い放つと
”嫌な予感”がしていた通り、みるみるうちに俊介(紗友里)の
表情に”不満”の色が浮かび上がるー。
「ーーー…はぁ?やっぱり、わたしの身体目的だったんですね!?
トイレを理由にして、わたしの身体で何をするつもりなんですか!?」
不満を爆発させる俊介(紗友里)ー。
その後も紗友里の怒りは止まらず、
俊介の身体で怒りをぶちまけて来るー。
”中身”が違うだけで、まるで別人に見えるー。
”今の俺、すっごく面倒臭そうなやつだなー”と、
内心で大きくため息をつきながらも、
紗友里(俊介)は、うんざりした様子で言葉を吐き出したー。
「ーートイレもダメなんですね。そうですか。わかりました。
でも、人間、トイレを我慢するのには限界がありますから
漏らしちゃっても仕方ないですね。
日野さんが”トイレに行くな!漏らせ!”と仰るなら仕方ありません。
わかりましたわかりました」
紗友里(俊介)は精一杯の嫌味を込めながらそう言い放つと、
俊介(紗友里)は、自分の身体で漏らされることを想像したのか、
途端に少し大人しくなって、
「ーーへ、変なことしたら絶対許しませんから」と、だけ不満そうに呟き、
トイレに行くことを認めてくれたー。
「ーーーはぁ」
紗友里(俊介)は思わずため息をつくー。
昨日の居酒屋の店主が、紗友里と俊介の会話を覚えてくれていればいいがー…
そんなことを思いながら、紗友里(俊介)は戸惑いながら
トイレを済ませると、
そのままようやく、俊介(紗友里)と共に
昨日の居酒屋に向かって歩き始めるのだったー…。
②へ続く
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コメント
次回が最終回デス~!
完全に入れ替わりを仕組んだ側扱いされてしまっている
彼は、疑いを晴らすことはできるのでしょうか~?
明日もぜひ楽しんでくださいネ~!☆
今日もありがとうございました~~!
コメント
紗友里の性格、本当に手に負えないレベルで最悪ですね。
人の話は聞かないし、思い込みは激しいし、自意識過剰の酷い被害妄想ぶりですし。
紗友里は絶対まともな友人とかいなさそうですよね。周囲から相当嫌われてそうです。
それにしても、居酒屋で証人が見つかったとして、俊介の言い分が認められたとしても、
紗友里は自分の間違いとか認められなさそうなプライドが高そうな性格なので、俊介とグルになって自分を騙そうとしてるとか言い出して騒ぎ立てそうな予感がビンビンなんですけどね。
紗友里のあまりに勝手な言い分にはとてもイライラするするので、紗友里が何らかの報いを受ける結末になるといいのですが。
コメントありがとうございます~~!☆
わわっ!
ネタバレしちゃうので、何にわわっ!と思ったかは今日は言えませんが、
わわわっ!デス…!笑
とんでもない性格の彼女が、どんな結末を迎えるのか、
ぜひ確かめてみて下さいネ~!