「憑依してくれて、ありがとう」
人妻に憑依した男は、突然、夫からそんな言葉を
投げかけられたー
!?
困惑する彼の運命はー…!?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーークククククー」
”人妻”
その、響きはエロい。
彼は、小さい頃からそう思っていたー。
”人妻”という言葉を最初に知ったのは
小学生の時だったー。
そして彼は、それ以降、その言葉を聞くだけで
身体中がほわほわとして、じたばたしたくなるような
そんな、得体の知れない感触に襲われるようになったー。
彼はー
小学校時代の習字の書初めで、書く文字の指定はなかったため
”人妻”と書いたー
小学生らしい文字が並ぶ中、
燦然と輝く”人妻”の文字ー。
やがて彼は人妻の文字を見るだけで勃起するようになり、
毎晩、人妻の文字で抜いたー。
彼は、”俺が付き合うとしたら人妻だけだ”と、
高校時代も大学時代も彼女を作ることなく、
大人になってからも、人妻で毎晩抜き続けたー。
そんな彼がー
仕事の伝手で、中東から”憑依薬”なる奇妙なアイテムを
手に入れてしまったー。
人妻に異様な執着を示す彼が、
憑依薬を手に入れたとなれば、
もはや、することは一つだったー。
「ーーー俺は、人妻に憑依するぜ」
「ーマジかよー」
学生時代からの友人、高倉 宗司(たかくら そうじ)は、
思わずそう言葉を口にしたー
「ーってかーお前、やべぇな」
宗司はそう言うと、明らかにパンパンに勃起しているのが分かる
ズボンを指さしながらそう呟いたー。
小さい頃から人妻に興奮している男ー
室谷 肇(むろや はじめ)はそんな言葉を聞いて
「ーー仕方ねぇだろ?興奮してるんだから」と、笑いながら
勃起したアレをズボンの上から触ると、
「ー人妻に憑依できるって考えただけで、もうやべぇよ」と、
ニヤニヤしながら呟いたー
「ーもう一度だけ言うぞ。考え直せ」
困惑した表情で宗司が言うー。
「ーそんな憑依薬なんてもの、本物なわけないし、
毒だったらどうすんだ?
それに、もし本物だったとして、元の身体に戻れる保証もねぇ。
やめとけってー」
宗司がそれだけ言うと、
肇は「人妻のために死ぬなら本望だ」と、笑いながら頷くー。
「ーおいおいおい…」
宗司は呆れ顔で首を横に振るー。
「ーそれに、人妻に憑依できたらもう、俺はこの身体別にいらないし
俺そのものがエロの塊になるんだからー
もうーふへっ」
途中で下品な笑みを浮かべる肇に対して
宗司は「俺だったらJKとかJDに憑依するけどなぁ」と、呆れ顔で笑うー
「お?お前もイクか?憑依薬ー」
憑依薬が入った容器を差し出す肇ー。
「いや、俺はいいよー
乗っ取られる子が可愛そうだしー
俺の身体でやりたいこともまだまだあるしー
そもそもそれ、飲んだらやっぱり死にそうだし」
と、苦笑いしながら首を横にするー
「ーーそっかー。それは残念だー。
まーー…っていうことだからさー
宗司、お前とは今日でお別れだー
だからー」
肇はそう言うと、机に並んだ寿司やらピザのほうを見つめたー
「こうしてお前をお別れ会に呼んだんだー」
その言葉に、宗司は「はぁー…こんな形で親友と別れることになるとか、
前代未聞だろ」と、ため息をつくー。
「ーーーーで…もし俺が憑依に成功しても、
このことは誰にも言わないでくれよー?」
肇はそれだけ言うと、
「ーお前が俺に会いに来なきゃ、俺は
お前が憑依に成功したのか、そのまま死んだのかも分からねぇし、
そんな状態で”俺の親友が憑依薬を使って誰かを乗っ取りました”なんて
言っても、俺がやべぇ男だと思われるだけだろ?
言わねぇよー」
と、笑いながら、宗司は首を横に振ったー。
「ははは、まぁ、確かにー
よし、じゃあ、今日は朝まで飲み明かそうぜー」
そう言いながら、ブルーレイレコーダーのスイッチを入れて
ディスクを取り出すー。
「ーおいおい、お別れ会でも、人妻モノ見るのか?」
宗司がピザを手に取りながらそう言うと、
「ーー当たり前だろ」と、堂々と肇は返事をしたー
「はぁ~ 別に俺、人妻に興味ねぇんだけどなー」
宗司はそれだけ言いながら、
ピザを口に運ぶと、「まぁ今日ぐらいは付き合ってやるか」と
少しだけため息をついたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝ー
宗司が帰宅すると、
部屋の片づけをしながら、夜になるのを待ったー。
昼間に、用もないのにスーパーに買い物に行く肇ー。
そして、職場に”仕事関係の連絡”を普通にすると
そのまま帰宅したー。
”憑依薬”を飲むまで”あえて”間を開けたのはー
宗司が余計な疑いを掛けられないためだー。
憑依薬を飲んで、もしこれが毒だった場合ー
肇は自室で死ぬー。
”直前まで友人と会っていた”となれば
別に何もしていない宗司が疑われてしまうかもしれないー
宗司は、親友だー。
肇は宗司のために配慮して、憑依薬を飲むのを夜まで待ちー
”普通に買い物をしていた”
”普通に会社に電話をしていた”という要素を作り、
宗司が疑われないようにしたー
「さて、これで十分だなー」
肇はそう呟くと、一人暮らしを始めた今でも、
壁に飾ってある”人妻”の書初めを見つめたー。
「ー俺は今日、人妻になるー」
ニヤリと笑う肇ー。
そして、ひと思いに憑依薬を飲み干したー。
これで死んだとしても、もう何も後悔はないー。
そう思いながら、憑依薬を飲み終えた肇は、
目を閉じるー。
「ーーうっ…」
突然苦しくなり、全身から力が抜けていくような
感覚を覚える肇ー。
”やっぱり、死ぬのかー…”
そんな風に思ったものの、肇は次の瞬間ー
”幽体離脱”をしていたー
「ーおぉぉぉっ!?!?!?!?」
自分の身体が、自分の眼下で倒れ込むー
「ーーやべぇ…これ、マジだったのかー?!」
そう叫ぶと、既に倒れ込んだ自分の身体を見つめながら
「ー俺の身体よ。さらばだ」
と、言い放ち、そのまま自分の霊体を、
直感で突き動かしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”好みの人妻”を探す日々を数日ぐらい
続けただろうかー。
そしてー。
ようやく見つけたー
佐々岡 菜緒(ささおか なお)ー。
夫・義弥(よしや)と一緒に暮らしている20代後半の女性ー
”クククー…この女だー
程よく若いのもいいしー
何よりこのー
人妻特有の色気が溢れ出ている感じがたまらねぇ”
肇は心の中でそんなことを呟きながら、
菜緒のことを見つめるー。
「ーいってらっしゃいー」
菜緒が、夫の義弥にそう言い放つと、
義弥はそのまま会社に向かっていくー
”へへへへー
ついに、ついに俺も人妻デビューか”
そんなことを思いながら、帰宅した菜緒に向かってー
肇は霊体を一直線に突進させたー。
「ーーひっ!?!?」
ビクッと震えて、その場に座り込むようにして、態勢を
崩してしまう菜緒ー。
「おっとっとー…結構衝撃が強かったなー」
そんなことを、何となく呟くと同時に、肇は
「お?」と、笑みを浮かべたー
当然と言えば当然なのだが、菜緒の身体に憑依した直後の言葉ー
それはー菜緒の口から発されたー
「ーー…おぉ…色気のある人妻の声ー…」
菜緒は顔を赤らめながらニヤニヤすると、
「人妻の髪!」
と、叫びながら菜緒の髪のニオイを嗅ぎー、
「人妻の太腿!」
と、叫びながら菜緒の太腿を触り、
「人妻のおっぱい!」と、
叫びながら胸を無心で揉み始めたー
「ーーーやったぜ!俺が人妻だ!」
菜緒の身体でそう叫ぶと、
鏡のほうを見つめて、自分が獣のような表情を
浮かべていることに気付き、
「ーやべぇ…人妻の顔がやべぇー」と、
語学力を失いながら、
何度も何度も嬉しそうに、自分の顔をべたべたと触ったー
「ーよっしゃ!
まずは人妻オナニーだ!」
ゲラゲラ笑いながらそう叫ぶと、
菜緒はそのまま菜緒の部屋らしき場所に向かって走り出したー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーはぁ…はぁ…たまんねぇ…♡」
人妻の身体で散々お楽しみをした菜緒は、
ふらふらと立ち上がると、
「この人妻特有の色気がな… ふへへへっ…」と
鏡を見つめながら下品な笑みを浮かべるー。
完全に、元の菜緒の面影が無くなってしまっているような
その姿ー。
「ーーーは~~~……しかも、こんだけ興奮しても、
勃っちまうアレがないなんてーー
なんかもう…頭がゾクゾクしておかしくなりそうだー」
菜緒がそんなことを呟きながら、
再び胸を夢中になって揉み始めるー。
その時だったー
「ーーな…菜緒…?」
背後から、声がしたー
「ーーあ…?」
乱れ切った姿で胸を揉みまくっている姿を目撃された菜緒は、
ドキッとした表情で振り返ると、
そこには菜緒の夫・義弥の姿があったー。
「ーーう…」
一瞬”やべっ!”と思った肇ー。
だが、肇はすぐに
「な、なーー…え~…え~っと…わ、わたしだってほら、
性欲が…あるし!」
と、菜緒のフリをして訳の分からないことを口にしたー
「ーーー……」
夫の義弥はそんな菜緒のほうを、不安そうな表情で
見つめているー。
明らかにー、
おかしな言動を疑っているような表情だー。
「ーーー………何をしてるー?」
義弥が表情を歪めるー。
「いったい、どういうつもりなんだ!」
義弥が叫ぶー
「ーーい、いや…そ、そのー」
菜緒が困惑しながらそう呟くとー、
義弥は「ーこれ以上、好き放題しないでくれ!」と、叫んだー
菜緒に憑依している肇は
”くそっ!もう見破られたか!”と、
内心で舌打ちするー。
もちろん、憑依しても”菜緒が普段どのように振る舞ってきたか”は
分からないー。
残念ながら、菜緒の記憶を肇は知ることができないからだー。
しかしー
できればもう少しバレずに楽しみたかったー。
バレずに少し楽しんでからー
バレたあとのおたのしみである”第2段階”に進みたかったー
…とは言え、
バレてしまった以上は仕方がないー。
「ーーチッ…」
菜緒は舌打ちをするとー
「お前の妻は、俺のものだー」と、
ニヤッと笑みを浮かべたー
義弥が「え?」と、表情を歪めるー。
「ーーお前の妻の菜緒に
憑依して、意のままに操ってるんだよー
身も心もなー」
菜緒は自分の身体を触りながら
そう呟いて笑みを浮かべると、
続けて言葉を口にしたー
「ー妻の人生、滅茶苦茶にされたくなかったら
俺の言うこtー
「ーありがとう」
菜緒の言葉を遮って、夫の義弥が突然そんな言葉を口にするー
「あ?」
思わず菜緒が、変な声を出してしまうー
「ー妻に憑依してくれて、ありがとう」
夫の義弥がそんな言葉を口にしながら
菜緒の手を握ると、嬉しそうに握手を始めるー。
「ーーー…??? ???????」
菜緒に憑依している肇は、あまりの意味の分からなさに
困惑の表情を浮かべるー
”え?何?
なんだこいつー
今、何て言った?
ありがとうって言ったか?”
肇は菜緒の頭をフル回転させて
この”意味の分からな過ぎる状況”を必死に考えるー。
”え??? は???
妻が憑依されてありがとう???
何言ってたんだこいつー?”
そんな風に思っていると、
「ー誰だか知らないけど、本当にありがとう。感謝するー」と、
義弥が頭を下げるー
さっきのー
”これ以上、好き放題しないでくれ!”とは
一体どういう意味なのかー?
「こんなお願いをするのはどうかと思うんだがー」
義弥はそんなことを気まずそうに呟きながら
菜緒のほうを見つめると、
「ーーできることならー…」と、言葉を口にしてから、
そのままさらに言葉を続けたー。
「できることなら、菜緒にしばらくの間ー
いや、ずっとでもいい、
憑依していてもらえないだろうかー?」
義弥のそんな言葉に、
菜緒は”なに言ってんだこいつ??”と、思いながら
首を傾げるー
だが、”人妻に憑依する”のは肇にとって念願ー。
別に悪い話でもなかったため、
首を傾げながらもー
「はい喜んでー」
と、戸惑いの返事を口にしたー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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まさかの感謝の言葉…!
戸惑ってしまいますネ~!★
続きはまた明日デス~!
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