<憑依>人妻に憑依したら感謝された②~感謝する夫~

人妻に憑依した男ー。

しかし、憑依して早々、乗っ取った人妻の夫から
「憑依してくれてありがとう」と、
謎の感謝の気持ちを伝えられて…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「できることなら、菜緒にしばらくの間ー
 いや、ずっとでもいい、
 憑依していてもらえないだろうかー?」

そんなことを、乗っ取った菜緒の夫・義弥から
言われた菜緒は
「はい、喜んでー」と
戸惑いながら返事をするー。

正体がバレたことで気が抜けたのか、
菜緒は近くのソファーにだらしない姿勢で座ると、
「ーーーで…何で俺に感謝を?」と言葉を口にしたー

「あぁ…それはー」
義弥は少し戸惑う様子を見せてからー
言葉を口にするー

「ー実は…妻と俺の仲は冷え切っていてねー」
義弥はそう言うと、反対側の椅子に座って
険しい表情を浮かべたー。

「ー菜緒と最初に出会ったのはー
 大学生の頃だったかなー
 
 それで結婚してー
 今に至るんだけど、
 結婚してからどんどんワガママになっていってさー」

自虐的に笑う義弥ー。

義弥も菜緒と同じ20代後半ぐらいなのだろうー。
だが、その顔は随分と疲れているようにも見えるー。

「ー平気で金は使い込むし、
 家のことも何もやらないしー
 働きもしないしー 
 全部、俺に任せっきりでさー

 それはもう、地獄のような日々だったー」

義弥はそこまで言うと、菜緒のほうを見つめるー。

「そのくせ、何か不満があるといつも俺が悪者でさー。
 殴られたり、罵倒されたりは日常茶飯事だったよ」

義弥のそんな言葉に、
菜緒は髪をいじりながらー
「なんて言うかー…そりゃ、大変だなー」と、
言葉を口にするー

「ーそんな時に、君が菜緒に憑依してくれたー」
義弥がそう呟くと、
菜緒は「ーー驚かないのか?」と、困惑しながら
言葉を口にするー

「ん?」
義弥が少し表情を歪めるー

「あ、いや、ほら、
 他人の身体を乗っ取ってこんな風に
 自由に操れるーなんて、目の前で
 見せ付けられたら驚かないか?」

菜緒が、自分の身体を触りながらそう言うと、
義弥は「あぁ…はは、そういうことかー」と、少し笑いながら
「ー驚いたさー。でも、それ以上にチャンスだと思った」と、
言葉を口にするー

「だってそうだろ?
 菜緒が憑依されたってことはー
 もう、菜緒はーいないようなものだしー
 ”身体”はあっても、それだけしか残ってなければ
 それは菜緒じゃないー。

 そうなれば俺はー
 地獄のような生活から解放されるー。

 だからー…驚くよりも、”希望”の方を強く感じた」

義弥のそんな言葉に
菜緒は「へ~…俺は独身だから分かんねぇな」と、だけ呟くと、
「ーでも俺、この身体でエロいことしまくるぜ?」と、
義弥に対して”忠告”の言葉を口にするー

「ーー俺は別にあんたを救うためにこの女に憑依したわけじゃないー。
 俺はさー…小さい頃から人妻が大好きでさー

 小学校の書初めの宿題で”人妻”って書いて
 担任の先生がドン引きしてたぐらいなんだぜ?」

菜緒がそう呟くと、
義弥は「ーーそりゃドン引きするなー小学生だろ?」と、
困惑の表情を浮かべたー。

だがー
義弥は臆することなく「でも!」と、声を上げるとー
「それでも、妻と暮らす地獄よりは全然マシだー。
 君が何者であったとしても」と、言葉を口にしたー

”いったいどういうつもりなんだ”と
義弥が菜緒に向かって叫んだのもー
”これ以上、好き放題しないでくれ!”と、
義弥が菜緒に向かって叫んだのもー
別に憑依に気付いたわけではなかったー。

菜緒が普段から、暴力や金を使い込むなどの行為を
繰り返していたため、
今日、帰宅した夫の義弥は、
乱れ切った格好で胸を揉んでいる妻を見て、
思わずそんな言葉を口にしたのだろうー。

「ーってか、何で離婚しなかったんだ?」
両胸を揉みながら、だらしなくソファーに座り、
菜緒がそう呟くと、
義弥は「はは… 菜緒が反対してたから、できなかったんだよ」と、
苦笑いしたー。

「情けない話だけどー
 慰謝料がどうこう言われちゃったらー
 俺が悪者にされちまう気がしてー
 離婚なんか怖くてできなかった」と、
義弥は説明するー。

その手は少し震えているー。

菜緒は「へ~…そんなもんか」と、呟くと、
そのまま「ま、いいやー…俺もアンタが感謝してくれるなら楽だ」と、
呟きながら立ち上がるー。

「ーー俺は俺で好きにして構わないってことだよな?」
菜緒がそう言うと、
義弥は「もちろん」と頷くー。

「もう妻ー…菜緒にはとっくに愛想も尽きてるし、
 菜緒が君に乗っ取られて人生奪われちゃっても
 助けようって思えないしー
 好きにしてくれー

 あ、ただー…」

義弥はそこまで言うと、
「ーただ…”犯罪”だけはやめてもらえると助かるー
 君も、その身体が逮捕されちゃうと困るだろうし、
 ”妻が逮捕された”ってなればー俺も困るからなー」と、
少し気まずそうに言葉を口にしたー

「ーククー この身体は俺のものだからー
 何をしようと俺の自由だし、
 俺は不利になったらこの女の身体を捨てればいいだけなんだけどなー?」

菜緒はニヤッとしながらそう呟くー。

不安そうな義弥ー。

それを見て、少し間を置いてから
菜緒は「へへ冗談冗談」と、言葉を口にして立ち上がるー。

「まさか、憑依を理解してくれる夫なんていると思わなかったしー
 せっかくだから、そのぐらいは守ってやるよー。
 
 あ、でもさー
 俺、別に家事やりに来たわけじゃねぇから、
 そこのところの改善は期待すんなよ?」

菜緒が忠告するかのように言うー。

「ー分かってるさー。
 でも、暴力とか暴言とか、そういうのなくなるだけでも
 ホントに楽だしー
 天国みたいな気分だよ」

義弥のそんな言葉に、
「ホント、この人妻に苦しめられてきたんだなーあんた」と、
笑いながら菜緒が言うー。

「ーそれとーー
 そのー…
 もう大っ嫌いな妻でもー
 そういう姿が見れるのは、ちょっとー」

義弥が少し顔を赤らめながら言うー。

胸を揉み続けていた菜緒が「ん?おっぱい揉んでる妻?」と、
笑いながら言うと、
義弥は「いつもと別人みたいでちょっとそのードキドキする」と
恥ずかしそうに言葉を口にしたー

「はははっ!面白い夫だなアンター」
菜緒に憑依して肇は、当初の予定とは変わってしまったけどー、
と思いつつー
「じゃあ、お前を散々苦しめた妻を、一緒に味わいつくそうぜ」と、
菜緒は笑みを浮かべたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その日からー
”人妻”としての生活が始まったー

と、言っても菜緒に憑依した肇は、
本性を隠すことなく、
菜緒の身体でやりたい放題ー。

夫の義弥に金を出させて、
エッチなコスプレ衣装なども購入したー。

「へへへ ど~よ!高校生みたいだろ?」
菜緒がセーラー服を身に着けて
ツインテール姿で、くるくると回転してみせるー

「ーーうはぁぁ…すごいなぁ」
嬉しそうに笑う義弥ー。

「ーー菜緒が正気に戻ったら
 こんな姿を見たら発狂するだろうなぁホントー」
面白そうに笑う義弥を見て、
菜緒は「ーへへへへ 義弥のことだ~いすき♡」と
わざと甘い声を出して抱き着いて見せたー

「うわっ!やめっ!心の準備がー!」
義弥が顔を真っ赤にしながら言うと、
菜緒は「ーへへへへ…女子高生のコスプレをした妻と抱き合うなんて
お前もエロイなぁ」と、笑いながら呟くー。

「ーーーーあ、そうそうー
 ”離婚”は俺も絶対しねぇから期待するなよ?」

菜緒はそう言いながら、自分のツインテールを
ニヤニヤしながら触り続けるー。

「離婚したら”人妻”じゃなくなっちゃうからー
 そしたら俺にとっちゃ、アウトだからなー」

菜緒の言葉に、義弥は「分かってる分かってるーそれでいいよ」と、
すぐに快く、頷いたー。

「ー俺にとっては…”これで”十分だからー」
義弥のそんな言葉に、
ご機嫌そうに鏡の前でくるくる回転し続けてながら
スカートをふわふわさせて喜んでいる菜緒は、
「ーーまぁ暴力とか暴言の嵐だったとなるとー…
 気持ちは分かるぜー」と、言いながら笑ったー

そんな菜緒の姿を見て、
義弥は「今の自分の姿を菜緒が見たら
発狂するだろうなぁ」と、笑いながら笑みを浮かべたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その夜ー。

「ーなぁなぁ…お前、妻とエッチなこととか
 してたのか?」

菜緒がニヤニヤしながら言うと、
義弥が「えっ?」と、一瞬ドキッとしたような
様子を見せながらも、
「ーな、ないよー。言ったろ?妻との仲は冷え切ってたってー」と、
苦笑いしながら言うー。

「大体、殴ったり、罵倒してくる相手とそういうこと
 したいと思うか?」

義弥のそんな言葉に、
菜緒は「ーー喜ぶやつもいるんじゃないか?ご褒美とかなんとかで」と、
ゲラゲラ笑いながら言うー。

「ー俺はMじゃないぞ」
義弥がすぐにそう否定すると、
「はははー」と、菜緒は笑いながらー
ニヤニヤと義弥のほうを見つめたー。

「ーなぁ…人妻として夫とヤッてみたいって思ってたんだけどー
 ーーー俺の夢、実現するのに力を貸してくれるか?」

菜緒がそう言うと、
義弥は「えっ!?」と驚いた様子で顔を赤らめたー

「ーつまりー俺とヤりたいってことかー?」
義弥がそう言うと、
菜緒は「ーーへへ…まぁ、嫌いな女とはヤりたくねぇか?」と、
笑いながら呟くー。

「ーーーーお前のリクエストであればどんなこともしてやるし、
 どんな格好だとしてやるよー
 へへへ…どうだ?

 ま…別にお前のためじゃなくて
 俺がゾクゾクするためだけどさー

 お前も苦しんできたみたいだし、
 せっかくだから”ついでに”楽しませてやるぜ?」

菜緒の言葉に、
義弥は顔を赤らめながらしばらく菜緒のほうを見つめると
ふっ、と笑ったー

「ーーもう、身体が菜緒なだけで完全に別人だなー
 ーーはははー菜緒が君みたいなやつだったら
 最高だったのにー」

義弥はそこまで言うと、
中が見えるのを全く気にしていないミニスカート姿の菜緒を見てー
「ーーホント、いい気味だよー」と、
”乗っ取られた妻”を見て、あざ笑うかのように言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌朝ー

「ーお、よく眠れたか?」
義弥が笑いながら言うと、
菜緒は「ーあんた、意外と積極的なんだなー」と、
少し疲れた様子で呟いたー

「そうかぁ?君が誘惑してくるから、 つい、な」
義弥のそんな言葉に、
菜緒は昨夜の激しいお楽しみのことを思い出すー。

想像以上に積極的だったのと、
女の身体で男とヤること自体、初めてだったため、
正直、菜緒に憑依している肇は少し気圧されるようなところもあったー。

「ーー…じゃ、俺はこれから出かけるからー」
義弥がそう呟きながら、
出かける準備をするー

菜緒が「ん?今日は休みだよな?」と確認すると、
義弥は「趣味だよ趣味」と、笑いながら答えたー。

「ー君はまぁー…その身体で楽しむんだろ?
 家を燃やしたりとか、そういうことしないならー
 好きにしてていいからなー 

 じゃー」

義弥がそう言うと、
菜緒は「いってらっしゃい」と、呟きながら
義弥が出ていく玄関のほうを見つめるー。

やがてー
義弥が出ていくと、
菜緒はにやりと笑みを浮かべたー

「ーーー…わりぃケド、俺は飽きたら何をするか分からねぇからなー?」

菜緒は笑うー。
菜緒に憑依したあとー、
肇は”あること”を試していたー。

それはー
”菜緒の身体から離脱できるのかどうか”
と、いうことー。

そしてーー…
それは”可能”だったー。

”菜緒の身体からもう抜け出せないのか”
”菜緒の身体から抜け出して別の身体に移動できるのか”

それによって、菜緒の身体での振る舞いも、
色々と変わって来るー。

答えは後者のほうー。

つまり、肇は菜緒に飽きた場合ー
別の人妻に憑依しに行くこともできるのだー

「ーーまぁ、あんたは面白いし、気も合うけどー
 俺が飽きたら、それまでだからなー

 俺がその気になりゃ、この家を燃やすかもしれないぜー?」

菜緒はニヤッとしながら静かにそう微笑んだー

・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーーーーーーーーーー…」

家から出て、外を歩いていた夫の義弥がー
家では見せないような険しい表情を浮かべていたー。

そしてー、
スマホを見つめるー。

”あなたと離婚したいー”

”警察に相談することも考えていますー”

そんなメッセージを見つめると、
義弥は「本当にーちょうどよかったー」と、
歪んだ笑みを浮かべたー

③へ続く

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コメント

不穏な雰囲気がするような気が…?(笑)

次回が最終回デス~★
今日もお読み下さりありがとうございました~!

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