<憑依>人妻に憑依したら感謝された③~闇~(完)

小さい頃から人妻が大好きな男ー。

憑依薬を手に入れて、
念願の人妻への憑依を成し遂げた彼だったものの、
相手の夫からなぜか感謝されてしまい、
そのまま奇妙な生活を続けることに…

そして、その先に待っていたのはー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーそういやさー、この女のスマホの暗証番号、知らないかー?」

菜緒に憑依してから2週間が経過し、
ふと、菜緒に憑依している肇が、
菜緒のスマホを手にしながら呟いたー。

「ーーあぁ~菜緒のスマホかー」
義弥はそう言いながら、菜緒のほうを見ると、
「ーまぁ…夫婦仲は完全に冷え切ってたからなー…」
と呟くと”分からない”と、言葉を口にしたー。

「ーーーそっかぁ…へへー
 スマホが使えりゃ、もっと色々できると思ったケド、
 ま、仕方ねぇなー」

そう思いながら
興味無さそうに菜緒のスマホを放り投げる菜緒ー。

「ーー心配するなー。
 新しいのを買ってやるからさー」

義弥が言うと、
「は?」と、菜緒は自分の胸を揉みながら、
「いやいやいや」と、言葉を口にするー。

「ー妻に憑依した俺に、あんたはスマホまで買ってくれるのかよ?」
と、思わず呆れ顔で言うと、
「ーーまぁー…俺を地獄から解放してくれた君には感謝してるしなー」
と、義弥は答えるー。

「言ったろ?最初にー
 妻に憑依してくれてありがとう、ってさー。
 あれが俺の素直な気持ちだよ」

義弥はそんな風に言うと、
菜緒は「ふ~ん…じゃあーお言葉に甘えようかなー」と、
笑いながら義弥のほうを見つめたー。

「ーその代わりー…」
義弥が少しだけ笑みを浮かべながら言うと、
「ー今度またー夜のお楽しみ、させてくれるか?」と、
菜緒のほうをイヤらしい目つきで見つめながら言ったー。

「ーーははーおいおいー好きだなあんたもー
 まぁ、いいけどさー
 俺も”人妻”をもっともっとしゃぶりつくしたいからなー」

菜緒はそれだけ言いながらもー
少しだけ表情を歪めたー

”こいつー…なんかどんどん
 面倒くせぇ感じになってきたなー”

とー。

菜緒に憑依している肇は思うー

”最初”に比べるとー
何というかー、
少し”自分で仕切りたがるような”
そんな感じがにじみ出てきているー。

束縛ー…
とまでは行かないがー、
”俺がルールだ”と言わんばかりの言動を
時々見て取ることができるー。

”今まで妻に酷い目に遭わされ続けた反動かー
 それとも逆に調子に乗ってきているのかー”

菜緒はそんなことを考えていると、
義弥が菜緒のスマホを拾って
「これはもういらないだろうし、処分しておくよー」
と、そのまま部屋の方に戻って行ったー。

「ーーなんかそういうところー
 気にいらねぇなー」

菜緒は、義弥が去ったあとに、一人そんな風に口にしたー

”あくまでも立場は俺が上なんだぜ?”
菜緒に憑依している肇は、不愉快そうにそう呟くと、
義弥が入って行った部屋のほうを見つめながらー
何度か舌打ちをしてからー
「ま、いいや」と、服を脱いで、”今日のコスプレ”を楽しもうと、
笑みを浮かべたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーー」
部屋に入った義弥は、妻のスマホを起動させるとー
先程は”知らない”と言った暗証番号を入力してー
笑みを浮かべたー

”菜緒ー?最近は旦那さんのこと、大丈夫ー?
 前にも、暴力振るわれてるってー”

妻・菜緒の友達からのメッセージを見て、
義弥は険しい表情を浮かべると、
そのメッセージに”妻”のフリをしながら返信を始めるー

”最近は元気だよ~!
 義弥ともしっかり話し合ってもう一度やり直すって
 ことになったし”

とー。

「ーーーーー」
義弥は妻のスマホを見つめるー。

そこにはー
”義弥に対して、謝るようなメッセージ”や、
”義弥に離婚を持ちかけるメッセージ”
”義弥からの”暴力”について、友達に助けを求めるメッセージ”などが
残されていたー。

そしてー
最後にはー

”警察に相談する”ことを検討しているかのような内容ー。

”ーーこれ以上は、もう耐えられないー
 わたし、警察に相談するー”

”肇”が菜緒に憑依する数日前ー
菜緒から、そう言われたー。

「ーーー警察?お前!ふざけるなよ!?
 誰のおかげで生活できてると思ってんだ!?」

そう叫ぶ義弥ー。

義弥は菜緒の髪を乱暴に引っ張りながらー
「ーこれ以上、好き放題しないでくれよー」と、
優しい口調で呟くー

「俺が菜緒の行動を制限するのは、
 全部菜緒のためなんだよ?

 お願いだから、これ以上好き放題しないでくれー

 俺だってこんなことしたくないー
 でもね、これは菜緒のためなんだー
 菜緒が間違ってるー
 だからー」

その言葉に、菜緒は義弥を振りほどくー。

義弥はー
妻である”菜緒”を強く束縛しー、
自分の思い通りに行かない行動をしていると
すぐに”好き放題するな!”と激高ー、
時には菜緒に暴力を振るったり、罵声を浴びせる
”危険な夫”だったー。

義弥が”菜緒のため”と称して決めたルールは数百にも及ぶー。

そのうちの一つが
”毎朝、仕事に出かける義弥に”いってらっしゃい”と、お見送りすること”

肇は、菜緒に憑依する前、
その光景を見ていてー、まさか義弥と菜緒の関係が
ここまで崩壊しているなどとは、夢にも思わず
そのまま菜緒に憑依していたー。

肇に憑依されたばかりの菜緒に対して
”「ーこれ以上、好き放題しないでくれ!」”と、義弥が叫んだのもー
胸を揉んでいた菜緒を見て”自分の思い通りではない行動”をしていた
菜緒を見て激高したためだったー。

義弥はー
菜緒から暴力など受けていないしー
暴言も吐かれていないー。

肇に対して語った話はほとんどが嘘だー。

菜緒に暴言・暴力を振るわれていた
というのは”逆”だ。
暴力を振るっていたのは義弥ー。

離婚しようと思っても拒否された、というのも嘘ー。
離婚したがっていたのは菜緒のほうー。

菜緒が働かない、というのも嘘ー。
菜緒も働いていたー。

全てが、嘘ー

だが、妻への度重なる暴力を
”警察に相談されそうに”なっていて、
追い詰められ、焦っていた義弥はー
”妻の菜緒が憑依された”ことにー
心の底から感謝していたー

”妻に憑依してくれて、ありがとう”

だってー…
菜緒が憑依されてしまえば、
もう、自分のDVとも言える行為を
通報する人間は、いなくなるのだからー。

そしてー
”俺の妻に憑依している”という弱みを握ることが
出来た以上ー、
”憑依された妻”との共同生活も
”こちらが有利”なのだからー。

「ーーー…そうだー」
義弥はそう呟くと部屋から出て、
”自分のスマホ”を手に、
「ーーそういえばせっかくだから、一緒に記念撮影しないか?」と、
菜緒に対して持ちかけるー。

「記念撮影?」
リビングでバニーガール姿になってポーズを決めていた菜緒が
「この格好でいいのか?」と呟くと、
義弥は「あ~できれば普通の格好でー。ほら、久しぶりに
実家の親を安心させたいし」と、笑いながら言い放ったー。

そしてー
撮影した写真を
”菜緒のスマホ”で、菜緒の友人に
”義弥と仲直りしたから!”と、菜緒のフリをして送りつけたー。

”ホント、誰だか知らないけどー
 俺にとっちゃ、救世主だー。
 ありがとうー”

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それからさらに半月が経過したー。

”新しいスマホ”も義弥に用意して貰い、
欲望の人妻生活を送っていた菜緒ー。

しかしー

”いい人妻を見つけたぜ”
肇は、既に”次の乗り換え先”を見つけていたー。

「ーーーなぁ」
菜緒がふと、義弥に声を掛けるー。

「あんた、この女と離婚したいって言ってたよな?」
菜緒がそう言うと、
義弥は「ん?あぁ」と、頷くー

「ーじゃあー…離婚させてやるよー
 今まで世話になった礼だー」

義弥の本性を知らない菜緒は、そんな言葉を口にするー

「?」
義弥が首を傾げると、
菜緒は笑うー

「いやー、そろそろ俺もさー
 飽きたから”別の人妻”に乗り換えようと思ってー」

菜緒がそう言うと、
義弥は「!?」と、表情を歪めたー

「この女が正気に戻る前に、離婚しときゃー、
 あんたも地獄のような生活に戻らなくて済むー。

 だから、離婚してやるよー」

菜緒の言葉に、
義弥は「り、離婚ー!?乗り換え!?」と、表情を険しくするー

”菜緒に憑依した肇”が、
菜緒の身体から出ていくことができるなんて、聞いていないー!

てっきり、ずっと菜緒に憑依していると思い込んでいた義弥は
「いやいやいや、待ってくれ!」と叫ぶー。

「ーなんだよ?」
菜緒はそう言うと、既に自分のところの欄を埋めた
離婚届を手に、義弥の方を見つめるー。

「ーー離婚したいのに、してくれなかったんだろ?
 安心しろよー
 お前には世話になったし、憑依から抜ける前に、離婚して、
 遠くに去ってやるよー

 それでいいだろ?」

菜緒がうんざりした様子でそう呟くー

「ーい、いや…あのなー…それじゃ…」
義弥は表情を歪めながらそう呟くー

”くそっ…菜緒に憑依したやつはー
 俺の本性を知らないー

 離婚したがってたのは菜緒のほうだー。
 どんな状況であっても、解放されればー
 菜緒は俺のことを警察に言うかもしれないー

 むしろ、意識が飛んでたとなると逆効果だー
 俺に何かされたと思うかもー”

義弥はそんなことを考えていると
「あ~面倒くせぇ…何が不満なんだよ?
 妻に暴力振るわれてたんだろ?離婚したかったんだろ?
 だったらそれでいいじゃないか」
と、菜緒が苛立ちを隠さずに呟くー

「ーー…そ、それはー…」
義弥は狼狽えながら、必死に対策を考えるー。

そして、言葉を口にしたー

「ひ、憑依から抜け出す前に、
 菜緒の身体でー…
 そ、その…自殺することってできるか?」

義弥がそう言うと、
菜緒は「は?」と、首を傾げるー

「ーーし、正気に…
 正気に戻った菜緒に俺が報復されるかもしれないだろっ!?

 だ、だからー
 できればー
 そのー
 ビルから飛び降りてその途中で君は抜け出してー
 菜緒は死ぬー…みたいなー…」

義弥がそう提案するー

”これなら、俺が加害者側だったってバレずにー
 菜緒を始末してもらうことがー”

しかしー
菜緒は「嫌だよそんなことー。面倒臭いし、この身体にまた憑依したくなるかもだしー」
と、首を横に振ったー

「ーーチッ」
義弥は表情を歪めるー

「ーーいいから俺の言う通りにしろ!
 じゃないとお前の憑依のこと、全てバラすぞ!
 誰だか知らねぇけど、俺に騒がれたらお前も困るだろ!」

義弥が鬼のような形相でそう叫ぶー。

DV気質を隠そうともせずに、本性を露わにする義弥ー

「ーーあ~~~~~…そりゃ確かに困るなー
 俺はまだまだ人妻を堪能したいしー」

菜緒が髪を掻きむしりながらそう呟くとー

「ーー」
少し考えてから、あることを閃いた菜緒は
言葉を口にしたー

「ーわかったよ。”自殺”するよー」
とー。

「ーーへへへ…そうこなくっちゃ!」
義弥が嬉しそうに笑うとー、

「ーいやぁ、憑依した相手の身体で自殺するとか、
 思いつかなかったなぁー
 あんた、悪いこと思いつくもんだなー

 おかげで、簡単に口封じできるぜ」

と、菜緒が嬉しそうに笑ったー

「ーへ?」
凶悪な笑みを浮かべていた義弥が、途端に青ざめるー。

菜緒がその場に倒れ込むー

「ーーーじ…自殺って、まさかー…?
 いや…お、おい!待て!俺が悪かっーーーー うっ…」

ビクンと震えた義弥ー

「望む通り自殺してやるぜー。お前の身体で、なー。」

”憑依能力を持つ相手”を甘く見すぎだろー。

菜緒に憑依していた肇はそう思いながら
義弥の望み通り、義弥に憑依したままビルから飛び降りー
落下の最中に義弥の身体から抜け出したー

肇は今もー
”人妻”を堪能しているー

また、別の人妻をー。

”人妻に憑依したら感謝された”なんて経験は
今のところ、義弥の時だけー

”一体何だったんだろうなーあいつー”

肇はそんなことを思いながら、
今日も人妻の身体を堪能するのだったー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

憑依人を前に、強気に出るなんて
怖いモノ知らず(?)ですネ~笑

憑依されていた妻(菜緒)は意識を取り戻し、
状況が分からないままなものの、夫(義弥)から
解放されたことにひとまず安堵している設定デス~!

憑依<人妻に憑依したら感謝された>
憑依空間NEO

コメント

  1. ムッシュ より:

    肇は暗証番号を何故入力できたんですか?
    1.初日より能力がアップし記憶を読んだ
    2、テキトーに生年月日等を入れた
    3暗証番号らしきメモを見つけた
    義弥が菜緒に振るった暴力で不自然な怪我を見つけて気づくとか予想しましたが身体に不満は無かったみたいだ。

    • 無名 より:

      コメントありがとうございます~!★

      菜緒のスマホを③で操作しているのは夫の義弥の方ですネ~!
      菜緒に憑依した肇が操作しているシーンは
      私のミスがなければなかった気がします~!★!
      (もし私がうっかりしてたら教えてくださいネ~!)

      身体は気づくほどの怪我はなかったようデス…!

  2. 匿名 より:

    義弥はあまりにクズすぎるので、まさに因果応報という感じでとてもスッキリする結末で良かったです!

    奈緒は憑依人のおかげで最低夫から解放されて救われましたね。憑依されて結果的にとはいえ、救われる話はとても珍しいですね。

    • 無名 より:

      コメントありがとうございます~!★

      肇も菜緒を助けるつもりは特になかったのですが
      結果的には、義弥が悪人だったおかげで助かりましたネ~!

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